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プレイステーション3に映画やテレビ番組を配信――ソニーの経営方針説明会

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●プレイステーションならではのノンゲームへの取り組み


▲平井社長。ワールドワイドの出荷でトリプルミリオンを突破したという『メタルギア ソリッド 4』。同ソフトの発売週の売上が、前週比の8倍を記録。ハードも大きく牽引したと報告。


 2008年6月26日、ソニーグループの経営方針説明会が開催された。ハワード・ストリンガー会長のほか、ソニー・コンピュータエンタテインメントの平井一夫社長も登壇し、プレイステーションビジネスについて言及。ここで、プレイステーション3に向けて映画やテレビ番組を配信する”ビデオ配信サービス”に着手することや、世界のニュースや天気が瞬時に把握できる新サービス”Life with PlayStation”などが発表された。

 

 平井社長は2007年度のプレイステーションビジネスを振り返り、「2007年度の業績は赤字であったものの」となしながらも、PSPは2007年度下半期だけで全世界で918万台販売し、発売タイトル累計数は1834タイトルに。プレイステーション3については2007年度下半期の販売台数が723万台、発売タイトル累計数は475タイトルに及んだことを発表。「次世代クオリティーのタイトルの発売がさらに加速する」と、プレイステーションビジネスが堅調に推移していることをアピールした。

 

 平井社長が今後のさらなる成長のための重要なカギとしてあげたのが、ノンゲーム(ゲームではないコンテンツサービス)とネットワークのふたつ。「すでにプレイステーション3、PSPを合わせて5000万台のネットワークレディーのシステムが普及している。このふたつのカギに着目し、ゲームだけでなくノンゲームコンテンツでインタラクティブエンターテインメントの世界を構築する」(平井)。ノンゲームの代表格として紹介されたの取り組みが以下の5つだ。

 

●ビデオ配信サービス

●PlayStation Home

●ゲーム内動的広告

●Life with PlayStation

●PSPのさらなるネットワーク化

 

 ビデオ配信サービスはプレイステーション3、PSPに向けて、ゲームに加え、映画やテレビ番組を配信するというもの。映像はPLAYSTATION Network内のビデオストアで販売され、好きなときに好きな映像をダウンロードできる。使い勝手もよく、プレイステーション3のハードディスクにダウンロードしながら同時に再生もできるとか。今夏からアメリカでまずはスタートし、日本、欧州でも順次展開する予定。参入メーカーに関しての言及はなかったものの、サービスの詳細については来月7月にアメリカで行われるE3で発表するという。
 

▲PLAYSTATION Storeと手順は変わらず。大手映画配給会社やテレビ局の参入がカギか?

 

 そもそもビデオ配信サービスは、ソニーグループ全体のネットワーク構想の中核を担うもので、今回発表されたプレイステーションハードを皮切りに、2010年までにテレビ、PC、モバイルとソニーの主力商品に広げていく考え。なんとソニー製品の90パーセントを、ワイヤレス通信対応にしていく大胆な構想もあり、プレイステーション3でのビデオ配信サービスの成果が今後の展開に大きく影響しそうだ。

 

 PlayStation Homeは以前からお伝えしているとおり、プレイステーション3における仮想空間のこと。ユーザーがひとつの空間に集まり、映画を観たり、ボーリングを楽しんだり、自分の部屋に友だちを呼んだりと、現実と変わらないコミュニケーションを図れるのが特徴。このHomeについて「まずはゲームユーザーの皆さんに喜んでもらえるサービスに注力したい」と気になる発言もあり、Homeからゲームが起動できたり(会場ではHomeから『みんなのGOLF 5』を起動するデモが)、ゲームタイトルオリジナルのパビリオン内でミニゲームが楽しめたり、そこでしか購入できないアイテムを販売するなどさまざまな施策が考えられているようだ。会場ではデモが公開され、「秋のオープンβテストに向けて着々と開発は進んでいる」とテスト開始が待ち遠しい限り。
 

▲Home内のPSPで『みんGOL 5』を起動。この時点で参加人数を指定していた。全員がソフトを持っていないといけないのか、どのように起動手順を踏むのかなどの詳細は明かされず。



 ゲーム内動的広告とは聞きなれないが、プレイヤー次第で広告が登場する場所や種類が変わっていくゲームならではの新しい広告メディア。北米、欧州ではすでに開始が告知されており、ユーザーが目にした時間や総面積で広告料が決まるという。ゲーム広告は2010年までに世界で1000億円規模になると予測する調査会社もあるとかで、SCEは新しいビジネスモデルの構築を狙う。


▲ゲーム内広告ビジネスがいよいよ本格的に?



 

 今回もっとも注目したいのが、Life with PlayStationという初お披露目のサービス。「場所と時間をふたつの軸としてコンテンツを表現するもの」と紹介され、画面いっぱいに写真のようなリアルな地球が映し出された。まず配信されるのがこの”地球(名称は未定)”のようで、世界中の都市の天気やニュースの情報がほぼリアルタイムで入手できるという。

 

「朝起きてテレビのスイッチを入れるように、プレイステーション3のスイッチを入れて、世界のニュースをリアルタイムで知り、旅行先の天気や気温を調べるといった新しいライフスタイルを提案するのがLife with PlayStationなのです」(平井)
 


▲プレイステーション3の描画能力で息をのむほど美麗な地球が描かれる。ズームアップやズームアウトも可能で、地球全体の天気やニュースを見渡せる。雲の動きもリアルタイムとまでとはいかないが、現実のものが反映されているとか。ニュースヘッドラインをクリックすると詳細がわかる仕組み。

 

 現在は時間軸が現代に固定されているが、将来的には”過去”にも着目し、撮りまとめた写真や映像をそれらが記録された場所別や時系列で保存でき、家族で楽しめるような仕掛けも盛り込んでいくとか。ここでも動的広告やダウンロードコンテンツ販売も行っていくとのことで、おもにノンゲームユーザー向けの場所として展開していくようだ。サービス開始時期などの詳細は後日発表とのこと。

 

 最後に、PSPのネットワークサービスの強化について。今期中にPSPからPLAYSTATION Storeに直接アクセスできるようになるほか、ビデオ配信サービスでプレイステーション3に録りためた映像をPSP本体に移動して観ることも可能になるという。


▲PSPで映像を持ち運べるのはかなりのメリット。


 

 平井社長は「プレイステーション3はゲーム機」と再度強調しながらも、いまや無視できなくなってきたゲームユーザー以外の取り込みにも尽力する考え。「ノンゲームのコンテンツを出発点としてゲームにも興味を持ってもらい遊んでもらう」という発言が印象的で、ゲーム市場の拡大という課題に、プレイステーション陣営ならではの”答え”をこれから順次出していくようだ。
 

※ソニーの中期経営方針の詳細はこちら 

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