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ふたりのプロデューサーに直撃!『テイルズ オブ ヴェスペリア』同梱版の真実
Xbox 360 RPG Premiere 2008

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●こだわり抜いて作られた“Xbox 360 テイルズ オブ ヴェスペリア プレミアムパック”

 Xbox 360ユーザー待望のRPG、バンダイナムコゲームスの『テイルズ オブ ヴェスペリア』。2008年6月10日に行われたプレス向けの発表会“Xbox 360 RPG Premiere 2008”では、ついに発売日が2008年8月7日になることが正式発表された。ここでは、『テイルズ オブ ヴェスペリア』の開発担当のふたり、プロデューサーの郷田努氏と、クリエイティブプロデューサーの樋口義人氏に発表会直後の会場でインタビューを行った。当日発表された同梱版の“Xbox 360 テイルズ オブ ヴェスペリア プレミアムパック”など、『テイルズ オブ ヴェスペリア』の今後の展開について聞いた。

▲『テイルズ オブ ヴェスペリア』を手掛けた、バンダイナムコゲームス CSカンパニー 第2プロダクション第4課 郷田努氏(右)とコンテンツ制作本部 第2制作ディビジョン 第6制作ユニット 制作2課 アシスタントマネージャー/制作プロデューサー 樋口義人氏(左)。


――まずは、同梱版を発売することになった経緯を教えてください。

郷田 『テイルズ オブ ヴェスペリア』では、ソフトもクオリティーの高いものができているという自信もあり、今日お話ししたとおりクロスメディア展開も考えています。だったら同梱版をどうだろうということで、マイクロソフトさんにご相談したのですが、こちらが申し上げるまでもなく、マイクロソフトさんも同梱版のことは考えてくださっていたようで、「もちろん、やりましょう!」ということになりました。それが昨年の夏くらいです。細かい同梱物を決めていったのは年が明けてからですが、いろいろと検討を重ねた結果、同梱物としてフェイスプレートと収録台本レプリカ(非買品)をつけることにしました。

――同梱パックの内容についてはすんなりと?

郷田 フェイスプレートをつけるのは定番だから当然として、僕らもマイクロソフトさんも、どうせやるなら“Xbox 360初”をやりたいですね、という話はしていました。それで、本体の色を変えるというアイデアも出たのですが、生産スケジュールが合わなくて実現できなかったんです。同梱物である収録台本レプリカは、“Xbox 360初”の流れで出てきたアイデアですね。

樋口 当初は、設定資料集やフィギュアというアイデアも出たのですが、どれもピンとこなかったんですね。それが郷田のほうから、“台本”という意見が出て、「これだ」と思ったんです。

郷田 設定資料集はある意味ありがちだし、ファンの方もあんまりうれしくないだろうと思いました。一方台本だったら、ぱらぱら読む気にもなるでしょうし、ゲームで遊んだ箇所をあとで振り返ることもできる。いままでにないプレミア感もあるので、台本で行こうということになりましたね。

樋口 台本ということで言えば、手応えを感じたのはブログでの反応を見たときです。今回ブログをやっているのですが、あるときちょっぴりネタに困って、開いた台本を撮影して掲載したんですね。そしたら反響がものすごくて(笑)。毎日ソフトに接している僕らの感覚は麻痺していますけど、ユーザーの方にとっては、こういうものはうれしいんだなと再認識しました。

郷田 あとは、台本をどこまで収録するかが問題でした(笑)。

樋口 あんまりたくさん収録しても興醒めだし、序盤だけではおもしろくない。ということで、僕らが“第一部”と呼んでいる部分まで収録することにしました。分量で言うと、全体の25〜30パーセントくらいにあたります。ただ、少しネタばれがあるので、気にされる方がいたら、とりあえずは台本を読まずにゲームをプレイすることをおススメします。

――フェイスプレートのデザインに関してはどうだったのですか?

樋口 このフェイスプレートをデザインしたのは、『テイルズ オブ ヴェスペリア』ではラピードのデザインなどを担当したデザイナーです。彼はこの手のデザインは本職ではないので、いま考えたら若干冒険だったかもしれませんが、彼はロゴなどの肝となるアートワークの大半に絡んでいて、かつ結果を出していたので、託してみました。すぐにデザインが上がってきたのですが、無難過ぎるように思えて、とりあえずキープということにして、もう一度やり直してもらったんです。せっかく藤島康介先生がすばらしいイラストを描いてくださっているので、その藤島先生のイラストを活かしつつ、もっとインパクトのあるデザインにできないものか……と考えたんですね。それで、「あと何日粘れる?」と(笑)。専門家でもないのに無理難題を吹っ掛けてしまったわけですが、結果としてできたものは非常に気に入っています。

郷田 触っていただくと解るのですが、質感もすごくて、色もオリジナルに近いものができていますよ。

樋口 ふつうは印刷すると、だいたい色が変わってしまうものなのですが、このフェイスプレートに関しては、ほぼデザイン通りの色が出せている。フェイスプレートのサンプルが届いたのは昨日だったのですが、すべての業務を投げうってチェックしてみて、あまりのデキのよさにびっくりした(笑)。

――今回の同梱パックでは、ハードディスク付きの本体になっていますが、その点にもこだわりが?

郷田 はい。『テイルズ オブ』シリーズのファンは幅広くて、女性から低年齢層にまで及ぶのですが、そういった方たちが初めてXbox 360を購入されるというときに、「これを買えばすべてのXbox 360ソフトがプレイできる」という状態でご提供したかったんです。で、そうした希望をマイクロソフトさんに出したところ、そこもマイクロソフトさんが同じ考えでいらっしゃって、正直少しびっくりしました(笑)。

樋口 やっぱりXbox 360はすばらしいハードで、無料で体験版がダウンロードできるし、ハードディスクでロード時間を短縮するアクセス機能もある。そういう機能をフルに楽しめるものを提供したいという思いがありましたね。

郷田 ハードディスク付きの本体で、ここまで同梱物が充実しているものは、ほかに例がないと思います。ちなみに、『テイルズ オブ ヴェスペリア』に関しては、ハードディスクがなくてもロード時間は短いですが、ハードディスクがあるともっと短いです。
 

▲“Xbox 360 テイルズ オブ ヴェスペリア プレミアムパック”は、ソフトと同日の2008年8月7日発売予定。20ギガバイトのハードディスクが同梱されたXbox 360本体などがセットになっている。価格は37800円[税込]だ。
 

▲ふたりがこだわり抜いた同梱物。オリジナルフェイスプレート(左)と収録台本レプリカ(右)。



――発表会では、“世界同時発売”という点も強調されていましたが……。

郷田 じつは『テイルズ オブ』シリーズは、北米で今年10周年なんですね。それで、HD化された“次世代テイルズ”ということであれば、北米と同時期に出したいなと思っていたんです。いままではだいたい日本で発売してから海外でリリースされるまで、半年から1年くらい遅れていたんです。

樋口 “世界同時発売”というのは、ソフトの立ち上げ時からプランとしてありました。海外で『テイルズ オブ シンフォニア』(ゲームキューブ版)などを出したときも、海外ファンの方から「どうしてこんなに日本と間が空くんだ?」と言われたりしていたんです。それが実現できなかったのは、単純に並行してローカライズに取り組める体制ではなかったのですが、『テイルズ オブ ヴェスペリア』ではあらかじめ段取りをつけて、並行してローカライズできる体制を組んでいました。厳密には日米同時リリースで、欧州は少し遅れる感じになってしまうと思うのですが……。

郷田 日本開発のゲームのファンは、世界中にたくさんいて、そういう方たちは日本で発売されたものをちゃんとチェックされているんですね。そういう方たちの「もっと早く供給してほしい」という声になるべく応えたいというのが、今回の“世界同時発売”につながっています。

――クロスメディア展開も大きな発表でしたが、テレビアニメなどへの展開は考えていますか?

郷田 (笑)。当然、考えていなくはないです。いままでもOVAなどは展開していたのですが、そういった展開も含め、今後もいろいろと動きはあるだろうと思います。

――クロスメディア展開は今後も続々と行う予定ですか?

郷田 まだまだ予定しています。今回のクロスメディア展開の狙いは何かと言うと、これまで『テイルズ オブ』シリーズは13年続けてきたわけですが、『テイルズ オブ ヴェスペリア』は、“次世代テイルズ”として、今後の10年を担うマイルストーン(ひとつの指標)になり得る存在だと思っていて、そのために最大限の広がりを持たせられる可能性として、クロスメディア展開に期待しているんです。今日の発表会は、『テイルズ オブ』シリーズをもっと広げていきたいという決意表明の場でもあったわけです。

樋口 あと、こうしたクロスメディア展開は、バンダイナムコゲームスだからこそ……という要因も大きいかもしれません。旧ナムコの『テイルズ オブ』シリーズの持つコンテンツ力と、旧バンダイの持つメディア展開力がいっしょになった。どちらかというと、ナムコはこの手の展開が苦手なほうでしたから。

郷田 『テイルズ オブ ヴェスペリア』では、全体を見るプロデューサー(郷田)と、クリエイティブな部分を見るプロデューサー(樋口)というふたりのプロデューサー体制を採用しているのですが、こういった組み合わせも、合併したからこそ実現できたものですからね。とはいえ、じつはふたりとも旧ナムコなのですが(笑)。旧バンダイと旧ナムコのよさを吸収しつつ、僕らなりに咀嚼したのが、今回のクロスメディア展開です。

――合併したことのメリットを活かしたといった点からも“次世代テイルズ”であると?

樋口 もちろん、旧バンダイのスタッフも表には出てこないけど、『テイルズ オブ ヴェスペリア』には関わってくれていて、バンダイナムコゲームスという会社のグループメリットを最大限に活かしています。本当にたくさんの方に協力していただきながら、『テイルズ オブ ヴェスペリア』は大きなプロジェクトとして動いているんです。そんな雰囲気がメディアの方にも伝わるようで、よく「『テイルズ オブ ヴェスペリア』には大作感がありますね。風が吹いていますね」と言われるのですが、それはとてもうれしいことですね。

郷田 その風をユーザーの方にも感じていただけるように、がんばっていきたいです。そのための直近の目標は、とにかく6月中に体験版を出すことかな。

――じつは、けっこうスケジュールがギリギリなんですか(笑)?

樋口 最近言い出したことなので……(笑)。けっこうきびしいスケジュールなのですが、がんばります。

郷田 『テイルズ オブ ヴェスペリア』は“史上最大規模のテイルズ”を目指して鋭意制作中です。ご期待ください。

▲アフレコに対するこだわりは業界内でも有名な『テイルズ オブ』シリーズ。通常ゲームのアフレコは声優さんが個別にアフレコを行うことが多いが、『テイルズ オブ』シリーズでは、少しくらいスケジュールが空いてしまっても、なるべくいっしょに収録することにこだわっているという。それは、声優さんたちの掛け合いによって生まれる“化学反応”を期待してのことだ。その出来上がりはぜんぜん違うという。もちろんそのことにより、コストはかかってしまうわけだが、「声優さんのボイスは『テイルズ オブ』シリーズには欠かせない柱のひとつ。手間暇とコストを賭けてでもこだわるべきだと思っています」と樋口氏。ちなみに『テイルズ オブ ヴェスペリア』のアフレコは、2007年4月に始まって、終了したのが2008年3月。断続的に1年間をかけてアフレコに取り組んでいたことになる。

  

▲『テイルズ オブ』シリーズ初のHD映像ということで、表現技法にはこだわり抜いている。開発の最初の数か月は、表現方法を模索することだけに費やしているという。ゲーム中のイベントシーンはプログラムで組まれており、プロダクションI.G手がけるアニメ映像とそん色のないクオリティーを実現している。
 

▲当初は、「アニメはなくてもいいのでは?」との意見もあったというが、最終的には収録することに。その判断は間違っていなかったと郷田氏は言う。「プロダクションI.Gさんが手がけるこれだけのクオリティーのアニメがあることで、エッセンスとなって効いていると思います」(郷田)。

 
※『テイルズ オブ ヴェスペリア』の公式サイトはこちら
※『テイルズ オブ ヴェスペリア』の公式ブログはこちら
※ファミ通.com『テイルズ オブ ヴェスペリア』開発者インタビュー
※ファミ通.com『テイルズ オブ ヴェスペリア』開発者インタビューその2

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