レイトン教授が『スマブラ』の続編に参戦!? 福岡の地で桜井氏ら豪華メンバーによるトークショウが実現
●桜井氏をゲストに、福岡でレベルファイブの日野氏らと大いに語る
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▲“九州ゲームフォーラム”では、豪華クリエーターによる顔合わせが実現。息もぴったりの3人(日野氏、松山氏、山倉氏)が、桜井氏をゲストに迎え語り合った。 |
九州・福岡のゲームメーカーによる団体GFF(GAME
FACTORY’S FRIENDSHIP)を中心に、産学官が連携してゲームコンテンツの振興に力を入れている福岡。これまでもいくつかのイベントを開いてきたが、2008年3月7日にはふたつのイベントが同時開催。九州経済産業局主催による“九州ゲームフォーラム”と、福岡ゲーム産業振興機構主催による“ゲームフロンティアin
福岡”だ。レベルファイブやサイバーコネクトツー、ガンバリオンといったおなじみのゲームメーカーが参加してのこのイベントは、福岡におけるゲーム産業の広がりをアピールするものでもある。今回は、このふたつのイベントの模様をお届けしよう。
いままでにクリエーターの講演会などを行なっている“九州ゲームフォーラム”だが、今回はWii用ソフト『大乱闘スマッシュブラザーズX』のディレクターを務めた桜井政博氏をゲストに迎え、レベルファイブ
代表取締役社長、日野晃博氏、サイバーコネクトツー 代表取締役社長、松山洋氏、ガンバリオン
代表取締役、山倉千賀子氏を交えての豪華メンバーによるトークショウが行なわれた。テーマはずばり“ゲームクリエーター、ものづくりの現場とは?”。ゲーム業界に入ったきっかけや作品制作に対するこだわりなどを4人がざっくばらんに語り合うという内容のトークショウは、聞き応え充分。当日は、午後に行なわれた就職フェアにあわせる形で、多くの学生さんたちが訪れていたのだが、その内容は大いに参考になったようだ。
桜井氏がゲーム業界に入るきっかけを語るところからスタートしたトークショウ。高校生のころにゲーム業界を目指すことを決意した桜井青年(当時)は、勉強のためにとにかくゲームを遊びまくったという。
「当時はファミコン末期だったのですが、バイトをしてソフトを買いまくっていましたね。ときには、980円で叩き売りしていたソフトも買ったりしました。じつはおもしろくないゲームのほうが勉強になって(笑)、当時は“どうしてそうなったのか?”、“どうすればおもしろくなるのか?”といったことをよく考えたのですが、それはいまでも役立つトレーニングになっています。そのときに感じたのが、ゲームは不思議な娯楽であるということ。どうして画面内で物を動かすことによって楽しみが得られるのか。ゲームはすごいという思いが、ゲーム業界を目指すきっかけになっています」(桜井)
高校生の段階で、すでにゲームの本質を考えていた桜井氏も空恐ろしいが、“ゲームについて考える”という桜井氏の言葉に触発されるように「WiiやニンテンドーDSの登場でゲームの入力方法が変わってきた。それにより楽しい遊びかたが生まれてくるので、“どうすればいいだろう?”というのはつねに考えていますね」(山倉)や、「どういう技術を身につけるかは大切なことではない。ゲームクリエーターは大半の時間を“考えること”に使っています。そのうえで、自分だけの方法論を導き出している。だから、考える力を身につけてほしい」(松山)といったコメントも。それを受ける形で桜井氏は以下のように語る。
「遊んでいる側からすると、当たり前のようにできることが当たり前に感じられるかもしれませんが、ゲームの制作に当たり前はありません。たとえば、キャラが手に持っていたものを離せば下に落ちますが、一見当たり前に見えるこの動きも、ゲーム内では当たり前ではない。物理演算処理をしたり、パラメーターを振ってあげなければいけないわけです。ゲームの世界に偶然はないんです」(桜井)
おもしろいゲームはすべて、考え抜かれた必然の上に制作されているというわけだ。さて、HAL研究所にゲームデザイナーとして採用され、『星のカービィ』シリーズなどを手掛けたことが駆け足で語られたあと、トークショウの内容は桜井氏が独立した理由に移る。「ゲームを制作にあたっては、同じところに留まってはいけないと思いました。同じスタッフと同じような環境にあり続けるのを、どこかで破らないといけない」。その後に語られたのは、レベルファイブ、日野氏らの会社を設立したきっかけ。ファンにとってはおなじみの部分も多いかもしれないが、3者3様の個性がうかがえる設立の動機を以下に紹介しよう。
日野 私は小さいころからゲームが好きで、小学校6年生のときにはプログラムを組んでいたのですが、本当でプロになろうと思ったのはファミコンで『ドラゴンクエストIII』を遊んで感動してから。当時はキャラの動きも2パターンくらいしかなかったのに、“なんでこの絵で感動できるんだろう?”って衝撃を受けたんですね。それでゲームを作る世界で生きていこうって思いました。それで、10年くらいゲームメーカーで働いて、レベルファイブを作ったんです。
松山 私は小さいころからゲームメーカーを目指していたわけではなかったんです。子どもの頃はゲームが大好きでしたが、同じようにマンガやアニメ、映画も好きでした。いずれはエンターテインメント業界で仕事をしたいと思ったのですが、まずは世間の空気を知るために、大学卒業後はコンクリートの2次製品を売る営業の仕事に就いたんです。そのうち、大学時代の友人がゲームメーカーを興したいというので、2年くらい話し合って、そこで初めてビジネスとしてのゲーム業界と真剣に向き合いました。ゲームの歴史をいちから勉強して、そこでゲームの正体が見えたんですね。それは、ゲームは“総合エンターテインメント”だということ。つまり、なんでもできる。これは生涯を賭ける価値があると思って、会社を設立しました。
山倉 私は女の子姉妹だから、ファミコンを欲しいとは思わなかったんですね。なので、子どもの頃はゲームに触ったことがなかったんです。ところが18歳のときにファミコンショップに就職して、そこで初めてゲームと向き合いました。ファミコンショップでは4年間働いて、店長から本部の仕入れ担当までやったのですが、そのときには何とか作り手になりたいなと思っていました。そこで長崎のゲームメーカーに営業として入社して、いまのガンバリオンのスタッフに出会ったんです。その会社がゲーム事業から撤退するというときに、みんなで独立して、営業経験があるからということで私が社長になりました。そんな経歴があるので、“お店の人にはどんな販促グッズが喜んでもらえるだろう?”とか、つねに考えますね(笑)。
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▲大の桜井氏ファンだという山倉氏。イベント前夜に4人でお酒を飲んだときに、お店のライティングを気にしていたという話を暴露され、しきりと照れておりました。 |
トークショウの後半は、もっぱら『大乱闘スマッシュブラザーズX』の話題に。まるで、桜井氏が『大乱闘スマッシュブラザーズX』ファンの質問に答えるといった趣きだったのだが、話は必然的に続編のことに……。
「『大乱闘スマッシュブラザーズ』というタイトルはそんなに簡単に作れるものではなくて、続編をすぐに期待されても困る部分もあるんです。「次にどうするの?」というときに考えたいです。『大乱闘スマッシュブラザーズ』はたったの3作目ではありますが、シリーズものは4作目で変わるケースが多いですよね。ユーザーの方は正統進化の先を求められるかもしれませんが、そのさきには回答がないと思うんです。つぎはキャラを50人にすればいい……というわけではないですから。そもそも『4』をやるかどうかもわからないし」(桜井)
『大乱闘スマッシュブラザーズX』に関しては、「これが最後のつもりで作った」と公言している桜井氏。多くのファンが望んでいるであろう続編については、桜井氏も考えていないわけではないが……といった雰囲気のよう。その後日野氏が、半ば本気とも思える口調で「続編にはレイトン教授を入れてほしい。フェンシングで攻撃するというのはどうですか? 桜井さんに全部お任せしますよ」と要望を出すと、「攻撃方法まで考えているのか!」と松山氏から突っ込まれ、会場の笑いを誘うという一幕も。
最後に桜井氏が今後の方針として、「少数で動いてゲーム業界の選択肢を確保してあげようかと思っています。ソラで人を募集して中規模のプロジェクトを立ち上げて……というのもありかもしれないけれど、それがゲーム業界のためになるのかというとギモンがあります。いまゲーム業界で数少ないディレクションをできる人ということで、コンサルティングやバランス調整など、いろんなプロジェクトに関わっていきたい」と独自のスタンスを貫くことを改めて明らかにしてくれた。
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▲最後にひとりずつ来場者へのメッセージを送った。桜井氏は「ゲーム業界には、いま問題点がひとつあります。それは、ディレクター職に若い人がいないということ。ゲームのプロジェクトがどんどん大きくなるにしたがって、若者が任されることがなくなっている。これは非常に大きな問題。いまゲーム業界には、若さなりの無謀さとか突き進むパワーといったものが求められている。我々のゲームなどぶっとばすぐらいの気概でがんばってほしい」とアツいエールを送った。 |
▲「私がゲーム業界に入った頃は、ゲームを作っていると“暗い”と言われた。マニアのものだった時代があった。ところが次第にゲームが脚光を浴びて、ゲームでクリエイティブをやっているのが“かっこいい”と言われる時代になってきた。皆さん真剣に将来の道を模索していると思うけど、モノ作りは楽しいもの。最後まであきらめずにトライしてほしい。ゲーム業界は将来性があって、おもしろい業界になると思うので、自分を信じてがんばってほしい」とレベルファイブの日野氏。 |
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▲サイバーコネクトツーの松山氏は「我々がこれからやっていくことには、若い人材が必要。皆さんがクリエーターになるために必要な場をどんどん用意していきたい。本気でゲーム業界を変えるつもりでいるので、いっしょになってがんばってほしい」とのこと。 |
▲ガンバリオンの山倉氏は、「ぜひとも九州・福岡を就職の視野に入れてほしい。九州・福岡にはたくさんのメーカーがあり、皆さんを必要としています。私たちの仲間になってほしい」と真摯に訴えた。“福岡をゲームのハリウッドへ”という熱心な思いがうかがえた。 |
●サイバーコネクトツーのプレイステーション3タイトルが、数週間のうちに全貌を見せる!?
“九州ゲームフォーラム”と併催される形で行なわれた“ゲームフロンティアin福岡”は、“第1回
福岡ゲームコンテスト・表彰式”と、“ゲーム産業就職フェアin福岡”の2部構成。“第1回
福岡ゲームコンテスト・表彰式”では、GFFらの協力のもとアマチュアを対象としたゲームコンテストを実施。その結果が発表された。全国から196点もの応募があったというコンテストだが、栄えある“福岡ゲームフロンティア大賞”に輝いたのは、“優秀賞
PCゲーム部門”との2冠を達成した日本電子専門学校のチーム ンバフ制作による『ニク原人』。審査委員長を務めた日野氏は「審査員一同、すごい作品ばかりで驚きました。物を作ること自体が大切」とのこと。来年はさらに規模をスケールアップする予定だという。
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▲福岡市市長の吉田宏氏が登壇。「福岡はデザインや音楽などのクリエイティブが盛ん。福岡という土地が創造性をかきたてる、ほかにはない感性を持った街。いま福岡でゲーム産業が盛り上がっており、世界に攻めていけるようになれたら……」とコメント。これだけ市(そして県も!)がゲームコンテンツに力を入れている福岡という街は、ゲームメーカーにとっては絶好の場所と言えるだろう。 |
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▲“第1回 福岡ゲームコンテスト・表彰式”で勢ぞろいしたGFFの面々と桜井政博氏。 |
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▲“第1回 福岡ゲームコンテスト・表彰式”にて抜群の評価を得て“福岡ゲームフロンティア大賞”を授賞した『ニク原人』を作ったチーム ンバフ。左から永嶋涼さん、木下純一さん、穴沢優さん、石橋辰郎さん。「見た目にもおもしろいゲームを目指した」とプランナーの木下さん。開発には1年半かかっているらしい。ちなみに、木下さん以外の3名(全員プログラマー)はゲーム会社に就職が決まっております。 |
午後に行なわれた“ゲーム産業就職フェアin福岡”では、九州・福岡のゲームメーカーによる企業説明会が行なわれた。今回参加したのは、アルファ・システム、ガンバリオン、サイバーコネクトツー、SAMURAIホールディングス、システムソフト・アルファー、ペガサスジャパン、レベルファイブの7社。プログラム的には2008年3月2日に東京・秋葉原で開催されたものとほぼ同内容だったものの、サイバーコネクトツーの会社説明会では、サービス精神旺盛な松山氏の口から、現在取り掛かっているプレイステーション3の次回作(タイトル名は明言していなかったものの、おそらく『NARUTO-ナルト-(仮題)』?)についての新情報がもたらされた。
「新世代機になって開発がたいへんなどと言われますが、とんでもない! プレイステーション3の開発はムチャクチャ楽しいですよ。クリエーターにとっていちばんツライのは、やりたいことがやれないこと。そういった意味では、プレイステーション3では、やりたいことが実現できる。いま作っているのはメチャクチャすごくて、誰も見たことのないゲーム。数週間のうちには、装いも新たになったバージョンをお見せできると思います」(松山)
こんなコメントを聞くと、当然期待しないわけにはいかない。福岡のゲームメーカーは、今後も続々とアツい話題をゲームファンに提供してくれそうだ。
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▲レベルファイブの会社説明会は、来場者からの参加を募っての、トークショウ形式で行われた。「福岡でおもしろいクリエイティブを提供しているという自負があります」とのこと。 |
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▲会社説明会でアツいトークをくり広げるサイバーコネクトツーの松山氏。「モノ作りは人間じゃないとできない。好きなことは正しいこと。将来の職業としてゲームクリエーターを選択した皆さんは正しい選択をしている」と学生にエールを送る。 |
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▲『式神の城』シリーズの開発などでおなじみのアルファ・システム。代表取締役社長の佐々木哲哉氏は、プレイステーション版『MYST』の開発のときの苦労話を披露。追い込みで1ヵ月ほとんど寝ないで開発に取り組んでいた佐々木氏だが、最後の3日間は徹夜になり、幽体離脱を経験したという。 |
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▲最古参のゲームメーカーとして1979年に設立されたシステムソフト・アルファー。登壇した常務取締役の宮迫靖氏によると、これまではPCをメインに展開してきたが、同社のブランドである『大戦略』シリーズと『ティル・ナ・ログ』シリーズをプレイステーション2とPSP(プレイステーション・ポータブル)で展開。さらには、Wiiやプレイステーション3、Xbox 360などにも興味があるという。 |
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▲実在のスタッフをモチーフにして、会社の様子をCGで紹介。ゲームメーカーならでは(?)のガンバリオン。ゲーム開発者の仕事内容なども丁寧に教えてくれた。山倉社長をはじめとするスタッフの和気あいあいとした雰囲気が、説明会からも伝わってきた。会社のモットーは「永く愛されるゲームをつくる会社へ」。 |
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