『スペースインベーダー』生誕30周年記念発表会で、和田社長がタイトーの新経営戦略を語った
●キーワードは”『楽しい』を、いろんな『形(ゲーム)』に”
`78年の登場から今年で30年の節目を迎えた『スペースインベーダー』。このゲームを手掛けるタイトーが、2008年3月7日に東京の表参道ヒルズで”「スペースインベーダー」生誕30周年記念発表会”を開催した。冒頭でいきなり『スペースインベーダー』を題材にした寸劇が披露され、「これからどんな発表が行われるのか!?」と、集まった報道陣の期待が膨らむ中、発表会がスタート。
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▲発表会冒頭の『スペースインベーダー』の寸劇。写真上は`78年当時のゲームセンターで、テツヤとジュンが『スペースインベーダー』をプレイしている。そして写真下は2008年のタイトーステーション。大人になったテツヤとジュンが、自分たちの息子といっしょにゲームセンターで遊びながら、ゲームセンターのすばらしさを見る者に伝えた。 |
「学生時代、バイト代をすべて使って『スペースンベーダー』をプレイしていました。その私が『スペースインベーダー』を作ったタイトーの社長になるというのも不思議なものです」と挨拶したのは、スクウェア・エニックス代表取締役社長であり、タイトーの代表取締役社長でもある和田洋一氏。続けて、「今回、『スペースインベーダー』を昔話として懐かしむのではなく、このゲームを使った未来についてお話したい」と、『スペースインベーダー』を新たなブランドキャラクターに置いた戦略を発表した。
●プレイヤーがインベーダーとなって地球を侵略
『スペースインベーダー』生誕30周年を記念したWii用の新作タイトルが発表された。その名も『スペースインベーダー ゲット イーブン 〜逆襲のスペースインベーダー〜』(2008年発売予定)。”ゲット イーブン”とは”借りを返す”という意味で、今作はプレイヤーがインベーダーとなって、地球を侵略するという従来の『インベーダー』とは逆の立場でゲームを楽しむことに。ヌンチャクでUFOを操作し、Wiiリモコンを使って地球防衛軍の科学兵器を攻撃する。
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| ▲この日発表されたWii用ソフト『スペースインベーダー ゲット イーブン〜逆襲のスペースインベーダー〜』。発表会では映像も公開された。 |
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また、PC用オンラインゲーム『スペースインベーダー世界大戦』が世界に向けて配信されることも明らかに。マウスを使って画面上に出現するインベーダーに照準を合わせ、クリックして攻撃するシューティングゲーム。各国のプレイヤーたちのプレイ結果を反映した順位が表示される国別ランキング機能が搭載されるとのこと。
そのほか、ニンテンドーDS、PSP(プレイステーション・ポータブル)用ソフト『スペースインベーダーエクストリーム』、iモード、Yahoo!ケータイ、EZweb向けゲームサイト”インベーダーでGO!”のアプリ『みんなでインベーダー』など、発売中、配信中の『スペースインベーダー』作品も紹介された。
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▲携帯電話を振ると楽器の音がするアプリ『直感バンド』の紹介では、ワッチミー!TVのイメージガールである杉元聖子ちゃんが登場。 |
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▲杉元聖子ちゃんのアップもお楽しみください。 |
●タイトーのアミューズメント施設を一新、統一
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| ▲新しく生まれ変わるタイトーステーションの看板デザイン。 |
全国で182店舗を展開しているタイトーのアミューズメント施設。これまで施設の特徴に合わせて数種類の店舗名が存在していたが、”タイトーステーション”という名称に統一し、看板やスタッフの制服などで使われていたイメージカラーも、青から赤に変更されることに。店内にはハッピーボタンという来店者の満足度を計る装置も設置される予定。施設を利用して「楽しかった」と思えた来店者がボタンを押し、どれだけの人が満足したのかをポイント化し、各店舗の業績を評価する際の参考にするといったアイデアも発表された。今後、タイトーが定めた基準をクリアーした店舗から、順次タイトーステーションとなる予定。
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| ▲スタッフの制服も一新。タイトーステーションのイメージカラーが採用され、バックプリントのデザインもインベーダー。 |
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| ▲来店した人たちの満足度を計るハッピーボタンは、押すと『スペースインベーダー』のSEが鳴る仕組みに。 |
2008年4月下旬から1年間、店内にあるクレーンゲーム機が『スペースインベーダー』生誕30周年をモチーフにしたデザインに変更。プライズ賞品も、”スペースインベーダー アクリルキーチェーン”や”スペースインベーダー バスタオル”など生誕30周年を記念したオリジナルアイテムを用意。さらに”未確認飛行物体UFO-ONE”や”THE ウソ発見機”といったタイトーステーションでしか手に入らないプライズ賞品を多数投入する。さらに、30周年記念の限定メダルが入手できるメダリーフも各店舗に導入し、来店者数の増加を狙う。
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| ▲『スペースインベーダー』生誕30執念を記念したさまざまなプライズ賞品が紹介。 |
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●「『インベーダー』はイノベーションの象徴」(和田)
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| ▲代表取締役社長として、タイトーの新しいビジネス戦略について、その考えを語った和田洋一氏。 |
『スペースインベーダー』30周年を機に、さまざまな戦略を仕掛けることを発表したタイトー。『スペースインベーダー』を起点にタイトーを変えよう考えた真意を、和田氏はつぎのように説明した。
「なぜ、いま『スペースインベーダー』なのか? 30年まえに誕生したこのゲームは、当時さまざまなイノベーション(革新)をもたらしました。現在、いろいろなプラットフォームからさまざまなゲームが登場しています。コンピューターゲームは、『ポン』(テーブルテニスゲーム)に始まって、『ブロック崩し』、『スペースインベーダー』が登場しましたが、飛躍的にコンピューターゲームがブームになったのは、『スペースインベーダー』からなんです。ゲームに世界観、キャラクターという要素を取り入れたこのゲームから、家庭用ゲームにしろ業務用ゲームにしろ、進化、発展を重ねて、現在のゲームに至った。『スペースインベーダー』の開発者たちは、まさかここまでのブームになって、コンピューターゲームが進化するとは想像していなかったでしょう。ただ、まったく新しいことをやろうと思って『スペースインベーダー』を作ったのだと思います。そのイノベーションの精神を、イノベーションの象徴である『スペースインベーダー』を、我々が引き継がなければならないと思いました」(和田)
作品そのものの魅力だけではなく、ビジネス展開、マーケティングの面でも、「斬新さの宝庫だった」と語る和田氏。ゲームセンターに『スペースインベーダー』の筐体が置かれるのはごく当たり前のことだが、「概念に捕らわれないビジネス展開で、ゲームセンターに来ない人をも巻き込んだ」と、当時『スペースインベーダー』が喫茶店に爆発的に導入されたことに触れた。あまりのブームに料亭にも置かれてたこともあったそうだが、「さすがにお金は入らなかった(プレイする人はいなかった)ようです(笑)」(同)
マーケットについて、コストがかかるテレビコマーシャルを打たず、ゲーム雑誌も存在しなかった時代にあって、どうやって日本中に『スペースインベーダー』という名が広がったのか? 和田氏曰く、「深夜のラジオ番組でタモリさんが『スペースインベーダー』の話をしていたんです」。このように、まったく違う媒体から、こちらがプッシュするわけでもなく自然に広がったという。こうしたビジネス展開、マーケティングにおいてもイノベーションをもたらした『スペースインベーダー』だからこそ、「30年まえのゲームではなく、イノベーションの象徴として捉え、『スペースインベーダー』を起点に新しいものを打ち出そうと思った」と語った。
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| ▲和田氏は、アーケード筐体をタイトーステーションだけではなく、喫茶店に置かれていた当時のようにさまざまな場所で展開するという考えを述べた。 |
「既成概念という言葉があります。うまくいったらその方法で凝り固まってしまうし、うまくいかなかったら最後までコツが掴めない。いずれにしても、その時代の流行りや文法に縛られてしまうんです。だから、素材を分解して何を起点に考えたらいいのか煮詰めていき、自由な発想をしなければならない」という和田氏の考えから、タイトーは”あらゆるシーンにゲームを”、”あらゆる素材をゲームに”というふたつのコンセプトを掲げた。
家の中や外出先だったり、移動中といった状況。それが”あらゆるシーン”だ。すべてのシーンをカバーできるビジネスラインの構築を重要視し、「現代人は時間が限られた中で、自分が処理できるギリギリまで複数のコンテンツを共存させようとしている。本を読みながら、音楽を聴きながらという、”ながら”です。そこから何か広がりを見せるビジネス、コンテンツを考えるのが我々の挑戦」と和田氏。”あらゆる素材”については、「プラットフォームに縛られるのではなく、ゲームを広く捉えて、テレビゲームじゃなくてもいいんだという発想です。ひとつの素材があったとして、それが自宅で遊べる家庭用ゲームやPCゲームになってもいいし、アミューズメントマシンだったりケータイだったり出先で楽しめるゲームになってもいい。テレビゲームにこだわらないでおもしろいプライズ賞品を考えるというのもありです」と説明した。
最後に、今後のタイトーについて和田氏はこう語った。
「ゲームは20年、30年という長い歴史を持っており、どうしても発想の文法が固くなっている。できるだけ柔軟な発想ができるように、これからのタイトーは、家庭用ゲーム、アーケードゲームチームを始めとしたそれぞれの部門を越えて新しいアイデアを出し、あらゆる素材をゲームにしていきたい。タイトーは『スペースインベーダー』のイノベーターとしての血を引き継ぎ、できるだけ柔軟に物事を考え、何を狙っているのかをあえて抽象化してゲームを追いかけていきます。そのために、イノベーションを起す精神的な主柱、象徴、アイコンとして、『スペースインベーダー』を使った戦略を進めていこうというのがタイトーの考えかたであり、”『楽しい』をいろんな『形(ゲーム)』に”というテーマを掲げて進んでいきます」(和田)。
●サプライズ! 『スペースインベーダー』の筐体が賞品に!?
当時のゲームファンが涙を流して喜ぶ企画が展開される。『スペースインベーダー』のテーブル筐体(30年まえのモデル)が、プレゼント商品になることが明らかに。その告知が2008年4月1日に、Yahoo!JAPAN上で発表される。和田氏によれば、「コンテスト形式になりますが、どんな企画にするのかまだ確定していません(笑)」とのこと。テーブル筐体をゲットしたい人は、2008年4月1日のYahoo!JAPANをチェックしよう。
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