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“ゲームの神様”大いに語る、Xbox 360用ソフト『Fable 2(フェイブル2)』に不可欠の3つのヒミツ
GDC 2008

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●『Fable 2(フェイブル2)』を特徴づける、3つのポイント、ドラマ性、戦闘システム、協力プレイ

 ライオンヘッドスタジオの代表ピーター・モリニュー氏が、2008年2月22日のGDC 2008の最終日に再登場。先日行なわれたマイクロソフトの基調講演に引き続き『Fable 2(フェイブル2)』をテーマにした講演を行なった。タイトルは“『Fable 2(フェイブル2)』:その主要な3つの特徴”。同作の制作にまつわる貴重な話を聞くことができた。

▲時には下ネタを交えながらの講演に、会場は沸いた。

 初代Xboxで発売されるや、全世界で350万本を販売した『Fable(フェイブル)』。その反響のほどに驚きつつも、続編の発売が決まったときは、モリニュー氏は「ライオンヘッドスタジオは続編の制作に特化した開発会社ではないが、もっとたくさんの人に遊んでもらいたい」と思ったという。そのためにはどうすればいいのか? 前作からさらにボリュームアップするための要素として、マップの拡大や武器の増加など20近くの項目がスタッフから挙げられた。たしかにこれらの要素を加えれば、ゲームとして充実することは間違いないが、では、続編としてユーザーに満足してもらえるのか? その答えは“ノー”だ。

 「私たちは次世代のゲーム機でソフトを出そうとしている。もっと大胆なことをしなければならない」。モリニュー氏はそう判断したという。そこで最終的にモリニュー氏は、以下の3点で革新的な要素を盛り込んでいくことを決意する。(1)ドラマ性、(2)戦闘システム、(3)協力プレイだ。

「いままでにすばらしいと思ったストーリーを思い浮かべて欲しい。それらのストーリーを楽しんでいるときは、あなたたちにとって“特別の一瞬”だったはず。そんな“特別の一瞬”となるストーリーが必要になる」。そこでモリニュー氏は『Fable 2(フェイブル2)』におけるストーリーのキーワードとして、“犬”、“家族”、“世界”の3つを用意した。犬は主人公を愛している存在として登場し、主人公が傷つくと犬も心配そうな表情になる。『Fable 2(フェイブル2)』ではゲーム中に結婚できるのだが、妻や子どもが登場してストーリーの一部になる。GOLD(お金)を必死に稼がないと、家族が飢えてしまう……といった事態にも生じかねない。また、世界は主人公をやさしく迎えてくれるのだ。

 そしてモリニュー氏は、前作のプレイ傾向についておもしろい数字を明らかにしてくれた。「『Fable(フェイブル)』ではユーザーは、善人にも悪人にもなれるのですが、悪人になりたい人がすくなくてがっかりしました(笑)」というのだ。プレイヤーの70パーセントは最初から善人で、30パーセントは悪人からスタートするのだが、その30パーセント中20パーセントがゲームを始めて5分で悪人を止め、悪人を通したのは、全体の5パーセント程度だという。そこで、ちょっぴりいじわるな(?)モリニュー氏は、『Fable 2(フェイブル2)』では、“いい人”でい続けるのをきびしくしたという。「いい人でい続けるには犠牲が伴います。何かの筋を通そうと思うと、何かを犠牲にしないといけない」。モリニュー氏は、そういうドラマを作ろうと思っているのだという。

▲ドラマ性を高めてくれる愛犬の存在。開発初期段階の映像を紹介。


 おつぎの戦闘システムでは、「とにかくシンプルに、信じられないくらいシンプルにしたかった」という。そのためアクションをひとつのボタンに集約させ、ひとつのボタンを押し続けることでいろいろなアクションが可能になるようにしている。「戦闘はRPGにとって重要で、戦闘を重ねることで、自分はヒーローだと思える。シンプルかつ深みを持たせることで、主人公そのものとしてふるまっているかのような感覚を作りたかった」とか。

▲戦闘システムではプロトタイプを作って、“できること”などを検証していったという。



 3つの要素のうちの最後、“協力プレイ”では、プレイヤーは自分の遊んでいる世界に友だちを招いていっしょに遊べるようになる。この場合ユニークなのが、協力プレイをすることでもたらされる報酬“GOLD(お金)”、“経験値”、“名声”の割り振りを、ゲームに招いたプレイヤーが自由に決められるということ。友だちには“経験値”を全部上げるから、自分は“GOLD(お金)”をもらう、といったことが可能になるのだ。GDC 2008に合わせて明らかになった“協力プレイ”に関しては、「50パーセントくらいしかお話しできない」という。

  講演では、基調講演のときと同じく、モリニュー氏がスタッフと協力してゲームを進めていくデモプレイを披露。モリニュー氏の分身である女主人公が、6ヵ月ぶりに自分の家に帰り、旦那な子どもにどのようなリアクションを示されるかが紹介された(最後にモリニュー氏の旦那は、協力プレイをしている相手に殺されてしまう!)。

 デモプレイ時にモリニュー氏は、ゲームを進めながらいくつかの要素を紹介。通常『Fable 2(フェイブル2)』の世界では、街のNPC(ノンプレイヤーキャラクター)には攻撃を仕掛けられないが、“セーフティーオフ”にすることで、攻撃を当てられるようになるらしい。たとえば、店の主人を倒してただで武器を手に入れたり(もちろん名声を失います!)といったことが可能に。また、ドラマ性を確保するために、画面からミニマップをなくしたらしい。「ミニマップはクソです(笑)。画面にミニマップがあると、プレイヤーはそちらに意識を集中してせっかく作った背景を見てもらえなくなる」などとモリニュー氏が言うと会場は大爆笑に。そして、ミニマップの代わりに『Fable 2(フェイブル2)』で採用されているのが、パン屑のような軌跡を画面上に表示させる“ブレッドコラムトレール”で、つぎにどこに進むべきかは、この軌跡を見ればわかる仕組みになっている(当然この“ブレッドコラムトレール”はオフにすることも可能です)。ちなみに、犬も行く先を導いてくれるが、“ブレッドコラムトレール”から外れる道筋になっているらしい。

 欧米での人気ぶりを反映するかのように、ピーター・モリニュー氏の講演は大盛況。「『2』では『1』と同じく同性での結婚は可能なのか?」といった質問が飛び出すなど(答えはもちろん「できます!」)、ゲームクリエーターのための……というよりは、『Fable 2(フェイブル2)』ファンのための集いといった趣きの講演だったのだ。モリニューファンの来場者は、今回の講演を大いに堪能したようだ。

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