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スピルバーグ初のゲーム『BOOM BLOX』は宮本茂氏との出会いから生まれた
GDC 2008

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●プロトタイプの映像なども特別に公開

 映画監督スティーブン・スピルバーグ氏がエレクトロニック・アーツと共同で制作しているWii用ソフト『BOOM BLOX』。この話題作の制作過程を明らかにする講演“スピルバーグの『BOOM BLOX』の製作”がエレクトロニック・アーツのルイス・キャッスル氏(VP of Creative Development)により行われた。

▲宮本茂氏とスティーブン・スピルバーグ監督。ふたりの天才の出会いが『BOOM BLOX』を生んだ。


 2006年5月に行われたE3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)で、任天堂の宮本茂氏と『Wii Sports』を遊んだことが、スピルバーグ監督にゲームソフトを作らせるきっかけになったと伝えられたが、キャッスル氏は「人は何かを投げつけて壊すだけでも楽しいと感じるもの。家族が遊べるゲームを作りたい」というスピルバーグ監督の考え共感を抱き、プロジェクトをスタートさせることを決意したという。

 毎週スタジオに来るスピルバーグ監督とディスカッションを重ねながら、「何でもぶつけて壊す」、「パーティーみたいな感覚で」、「ものを掴むことができる」、「頭を使ったゲーム」、「モノを壊すことによってスコアを稼げる」といったふうに作品のコンセプトを固めていった。その際は、“ゲーム・デベロップメント・フレームワーク(GDF)という独自の方法論を用いながら、プロセスを整理してバランスを取り、もっとも重視したのは、やはりWiiリモコン。「Wiiリモコンはすばらしいデバイスだが、魔法の道具というわけではない」としたキャッスル氏は、Wiiで何ができるかを徹底的に検証。実際にブロックのようなものをデータ上で作成し、Wiiリモコンで掴んで投げたりしたら、物理法則上どのような現象が起こるのかとにかく試した。中には捨てたアイデアもあるが(音声を発するなど)、最終的に“投げる”、“押す”、“爆破”といった一連のアクションで遊びを確立していった。「会社でデモを見せたら、みんな気に入ってくれて、プロジェクトに参加したがりました(笑)。そこでまた新しいアイデアを集めることができたんです」という。


 当初30人くらいでスタートした『BOOM BLOX』。「小規模のチームで最後まで行きたかった」とのことだが、“いろいろな分野のスペシャリストがほしかった”との理由から、徐々にチームの人数は増えていった。

▲ホワイトボードに要素を書き込んでゲーム性を固めていった。そのへんの方法論は日本でもいっしょ?

▲Wiiリモコンの操作性などを確かめていった。

▲プロトタイプを作って“できること”を検証。下の写真はスタッフのお気に入りだったという“ベンディステック”。けっきょくゲームに採用されることはなかったけれど。


 なお、キャラクターとして動物を導入することを決めたのは、スピルバーグ監督の「ゲームをしているとさびしくなることがたまにある。孤独感がある。だから、インタラクティブ性だけではなくて、キャラクターが応援してくれるような感覚があったほうがいいのでは?」との指摘によるものだ。「単純にパズルゲームとは言いたくない」という『BOOM BLOX』では、ゲームルールの変更からエディター機能までユーザーにかなりの自由度を許しているという。「ユーザーにゲームをコントロールする力を与えることで、もっと魅力的なゲームになる得る可能性もある。そのために、デバッグがたいへんでしたけどね(笑)」という。

▲キャラクターに動物を起用。このへんは『どうぶつの森』に一脈通じるものがある?


 『BOOM BLOX』は、北米では2008年5月にリリースされることもアナウンスされた。本作の日本における発売は決定していないが、スピルバーグという異業種の天才がゲームでどのような才能を発揮したのが見たいと思っている人はけっして少なくはないだろう。それは、“操作する”ことの本能的な楽しさを追求したカジュアルゲームになりそうだ。

▲会場で公開された『BOOM BLOX』のデモを紹介。ふたり対戦プレイ(?)なども楽しめるようだ。

 

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