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『スマブラX』の桜井氏も登場 グラスホッパー・マニファクチュア、高田雅史氏がゲームをトランスレートする!
GDC 2008

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「ファミ通チョイス」とはファミ通グループが、とくにおすすめするゲームタイトルです。 ●『キラー7』、『NO MORE HEROES(ノーモア★ヒーローズ)』の音楽はこうして生まれた!

 

 GDC 2008が開幕し、4日目となる2008年2月21日(現地時間)、グラスホッパー・マニファクチュアのサウンド部門を統括するサウンドコンポーザー、高田雅史氏によるセッションが行われた。グラスホッパー・マニファクチュアと言えば、須田剛一氏が率いる開発会社で、高田氏は同社設立以前から須田氏とともに仕事をしていた人物だ。昨年末に発売されたWii用ソフト『NO MORE HEROES(ノーモア★ヒーローズ)』やゲームキューブ『キラー7』といったグラスホッパー・マニファクチュアが開発したタイトルだけでなく、最近では任天堂の『大乱闘スマッシュブラザーズX』にアレンジャーとして参加するなど、会社の枠を超え、ゲーム音楽に携わっている第一人者と言える。

 

▲時折ジョークを交えながらセッションを行った高田氏。グラスホッパー・マニファクチュアが手掛ける作品のゲーム音楽や効果音を担当するサウンドコンポーザーとして、多方面で活躍している。

 

 今回のセッションでは具体的に高田氏が手掛けたタイトルを例に出し、各タイトルのゲーム音楽や効果音を作る際のポイントや制作過程においてどのようなことを考えているかなどが語られた。高田氏は冒頭、「いつも考えているのは”トランスレーション(翻訳、解釈、変形などの意)”。音楽的にトランスレーションというのは、ゲーム画面のカラー、ゲームのテンポ、システム、意味合いなどを音楽的に表現することです」と自らの根底にある考えかたを説明。この基本部分を踏まえたうえで、具体的な説明に入った。

 

 最初に例に挙げられたのが、カプコンのWii用ソフト『バイオハザード アンブレラクロニクルズ』。高田氏はこの仕事を依頼されたとき、「『バイオハザード』シリーズは根強いファンがいる作品。そのファンの思いを裏切りたくない気持ちと、偉大なシリーズに自分の足跡を残したいという気持ちがあり、原曲のアレンジという意味でのトランスレーションがテーマになった」と当時を振り返った。ただ、通常の『バイオハザード』シリーズとは異なり、テンポのあるシューティングゲームだったため、制作は試行錯誤の連続だったという。そこで高田氏は、「単純にアップテンポにするだけではなく、リズムにもアレンジを加え、そのうえで原曲の印象的なフレーズを有効に用いることで、全体的なスケール感を大きなものにできたと思う」と、制作のポイントを語った。

 

▲『バイオハザード アンブレラクロニクルズ』の楽曲や効果音に関して、「一見ミスマッチと思われるエレキギターのような楽器を取り入れることで、テンポ感が出せるのでは?」(高田)と考え、積極的にいろいろな楽器を取り入れていったという。

 

 続いてプラチナゲームズに所属する三上真司氏がディレクターを務めたプレイステーション2用ソフト『ゴッドハンド』の楽曲についての制作裏話を披露。当初三上氏が要求する「硬派なゲームなので、肩の力が抜けるような音楽」がなかなか作れなかったが、グラスホッパー・マニファクチュアがある東京から、『ゴッドハンド』の開発現場である大阪に制作の場を移し、開発の空気感を感じ取ることですんなりと楽曲が生み出されたというエピソードを紹介した。

 

▲高田氏は「『ゴッドハンド』の生みの親である三上真司さんそのものを私というフィルターを通し、音楽へとトランスレートすることに突破口を見いだしました」と当時を振り返った。ポイントは”特徴的でクセになるフレーズのくり返し”、”どこか懐かしいさを感じるメロディー”、”コード進行は素直に展開を裏切らない流れ”という3点だったという。

 

 グラスホッパー・マニファクチュアが開発し、国内外で高い評価を得たゲームキューブ用ソフト『キラー7』。同ソフトのゲーム音楽や効果音に関しては、「まさにカオスのようなゲーム。トランス的な内容だったので、作品の特異性を活かすため、ゲーム画面を見た感覚、キャラクターやシナリオからトランスレートした」(高田)とコメント。しかし、それだけでは統一感がないため、一貫して特殊な効果音を使うことで、問題を解消したという。同ソフトをプレイした人は、メニューやキャラクターを選択するときの音や、ウインドウの出る場面など、独特の効果音が耳に残っているのではないだろうか。

 

▲独特の世界観と個性的なキャラクターたちが登場する『キラー7』。それまである意味システマティックに制作していた自社のゲーム音楽だったが、本作ではゲームから感じられるすべてをトランスレートして楽曲制作に臨んだということだ。

 

 そしてグラスホッパー・マニファクチュアが最近手掛けたオリジナルタイトル『NO MORE HEROES(ノーモア★ヒーローズ)』について、高田氏は「最初に作ったのはE3用の映像に合わせる音楽でした。スケジュールがなく、制作日数は1日(笑)」と、ギリギリの状況で生み出されたことを告白。しかし、E3用の映像を見てピアノを弾いていると、ひとつのフレーズが自然に浮かんだという。そのフレーズをもとに楽曲を制作し、E3で映像を披露。そこで手応えを感じ、この楽曲がそのままメインフレーズになったのだという。ちなみに、このフレーズは、さまざまなアレンジを加えながらザコ戦に使用されているということなので、プレイした人はピンとくるだろう。高田氏は「ここ数年の集大成的な作品」と自信を持って、映像を披露。映像終了後は、大きな拍手に包まれた。
 

▲「ボス戦は各キャラクターにあった楽曲を、ザコ戦は同じフレーズをアレンジしてユーザーに印象に残るようにした」(高田)。また、Wiiリモコンのスピーカーを使って、Wiiリモコン自体を携帯電話に見立てた使いかたをするアイデアも盛り込んだことを説明した。

 

▲講演の最後に行われた質問コーナーでは、高田氏のセッションを聴きに来ていたソラの桜井政博氏が質問をする場面も! 今回桜井氏も2008年2月22日にセッションを行うことになっている。高田氏とは『大乱闘スマッシュブラザーズX』でいっしょに仕事をした仲。桜井氏は、「『スマブラ』では40人弱の音楽家さんたちにお願いしたのですが、(高田氏の)引き出しの多さには驚かされました」と高田氏を絶賛した。

 

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