ファミ通.com

ファミ通媒体メニュー



傑作『BIOSHOCK(バイオショック)』から学ぶユーザーに関心を持たせるストーリー作りの秘訣
GDC 2008

  • はてなブックマークに追加
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • この記事をつぶやく

●「あまりにも複雑すぎて、私でさえわからないくらい支離滅裂な物語になってしまった」(Levine)

 

 スパイクのXbox 360用ソフト『BIOSHOCK(バイオショック)』(発売中)を開発する2K Bostonが、”BIOSHOCK(バイオショック)におけるストーリーテリング:プレイヤーに関心を持たせる方法”と題した講演を行った。登壇者は、2K BostonのプレジデントでありクリエイティブディレクターのKenneth Levine氏。同タイトルのようなFPS(一人称視点のシューティングゲーム)でも、ストーリー性は重要であり、いかにしてユーザーをゲームの世界に入り込んでもらうか? 「『BIOSHOCK(バイオショック)』のストーリーが、どのようなアプローチによってユーザーに関心を持ってもらえたのかをお話します」(Levine)と、その秘訣を明かした。

 

▲2K BostonのKenneth Levine氏が『BIOSHOCK(バイオショック)』におけるストーリーテリングについて語った。

 

 どんなフィクションの物語でも最初からおもしろいと思う人は誰もいない。そんな中でどのようにすれば物語に興味を持ってもらえるのか? 「最高の物語を伝える方法というのは、カットシーンやキャラクターではなく世界観そのものが重要。つまりゲームの舞台自体が物語なんです。ビデオゲームでいちばんレンダリングができるのは、キャラクターの表情や動きではなくフィールド。多くのプレイヤーは自分のペースでゲームを進めたいと思っているから、カットシーンを強制的に見せるよりも、構築されたゲームの世界を体験することで興味を持っていくんです」(Levine)。

 

▲『BIOSHOCK(バイオショック)』の世界、つまりフィールドを構築することでストーリーへの興味が生まれるとのこと。

 

 物語は、時間をかけて構築していくのがベスト。彫刻家が石を彫刻を作るように『BIOSHOCK(バイオショック)』もいちど作った物語を削ってシンプルなものにしたというLevine氏は、「当初、十何人ものキャラクターがいたんですが、彼らの間にはさまざまな人間関係があった。それがあまりにも複雑すぎて、私でさえわからないくらい支離滅裂な物語になってしまった(笑)」と開発裏話を吐露。「キャラクターや世界設定など、あまりたくさんの情報をユーザーに発信すべきではない。主人公が誰であって、何を求めて戦っているのかを明確にしなければならない」(Levine)。作りすぎたキャラクターを消し去り、わかりやすくひとつのアイデア、ひとつの概念をこのゲームで示したと語った。

 

▲個性的なキャラクターが登場する今作。リトル・シスターのように倒すか救うかをプレイヤーが選択できるキャラクターの存在が物語をより魅力的に。

 

 海底都市からの脱出を目指す『BIOSHOCK(バイオショック』は、謎解き要素を持つゲーム。謎解きの手がかりを捜すときに、プレイヤーが見渡す世界が作り込まれているほど物語への興味が沸いてくる。ナラティブ(朗読による物語文学)とストーリーの違いについてLevine氏は、「ストーリーは人にお話を聞かせるのに対して、ナラティブは聞き手が何を聞きたいのかを選べる。プッシュとプルのような違いがあります。質問されて回答するよりも、回答を得るためにいろいろな質問を考える、選択するほうが場合によってはおもしろいのではないでしょうか?」と、ナラティブを含むようなあいまいな面が、ストーリーに関心を持たせるひとつの秘訣と説明した。

 

 さらに重要なのは、プレイヤーの行動がストーリーに結びつくこと。『BIOSHOCK(バイオショック)』には、女の子とお父さんというわかりやすい関係性を持つリトル・シスターとビッグ・ダディーというキャラクターが登場し、リトル・シスターを倒すか、助けるかをプレイヤーが選択し、行動できる。加えて、主人公が習得する特殊能力はプレイヤーがゲームに深くかかわることで大きな力を発揮するなど、ストーリーに関心を持たせる要素が組み込まれている。「我々が提供するストーリーのある世界。体験するかしないかはプレイヤーたちが選択しますが、中にはすべて体験できない人もいるでしょう。でも、我々としては『BIOSHOCK(バイオショック)』のすべてを経験してほしいと思いますので、ユーザーの皆さんが信頼して遊んでくれれば、そこにはのめり込める物語が待っています」(Levine)。

 

※『BIOSHOCK(バイオショック)』公式サイトはこちら

GDC 2008の関連記事

特別企画・連載

一覧へ

『ペルソナ3ポータブル』の女性主人公が、頼もしい戦友たちを紹介します

PSP用ソフト『ペルソナ3ポータブル』の魅力を、元気ハツラツ系の女性主人公“月光ルナ子”がガイドする特設ページ“ペルソナ通信”。本日の更新では、謎の敵シャドウと戦う特別課外活動部の仲間たちを紹介します!

最強のクラブを創り上げろ! 『J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう! 6 Pride of J』!

『サカつく6』は、自分が創り上げたクラブで、Jリーグ制覇を目指す人気SLG『J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!』(以下、『サカつく』)シリーズ最新作。本作のゲームの流れを確認しながら、新要素の数々を紹介する。

追加シナリオの内容が判明!『LUNAR HARMONY of SILVER STAR』!後編更新!

物語の奥深さとアニメ演出が人気を呼んだ『ルナザ・シルバースター』が、PSPに移植される!しかも、PSP版ではオリジナル版の脚本を担当した重馬敬氏による追加シナリオも楽しめるのだ。そこで後編では、その追加シナリオの内容を公開。

古きよき時代のRPGを現在の最新技術で創り出す! 『光の4戦士 -ファイナルファンタジー外伝-』!

王様や魔女、ドラゴンが登場する王道ファンタジーの世界観、オーソドックスなバトルシステムなど懐かしいプレイ感覚が満載の本作。『FF』シリーズのファンはもちろん、これまでにプレイしたことがないという人も楽しめる作品になっている。

泥だらけになるまで遊んできな!『コリン・マクレー: ダート2』!

『コリン・マクレー: ダート2』は、ラリーを始めとしたオフロードモータースポーツ全般の競技が収録されたレースゲーム。一般的なラリーより過激で、エクストリームスポーツのエッセンスもふんだんに取り込まれている本作の魅力を紹介!

さあ、ダンスの時間だ! 『BAYONETTA(ベヨネッタ)』記事、第3回更新!!

絶頂感がブッつづく、ノンストップクライマックス・アクション『BAYONETTA(ベヨネッタ)』。 本作に心奪われた編集者が主観全開で本作の魅力をお伝えしていきます!!

アトラス×スティングが放つ王道ファンタジーRPG!『エクシズ・フォルス』!

迫りくる世界の危機、神々の力を受け継いだ勇者たち、伝統のコマンド式バトルなどなど……昔ながらのRPGファンならワクワクせずにはいられない、そんな王道要素を盛り込んだ作品がアトラスから登場!

伝説の武器を巡る戦いがいま幕を開ける!『闘真伝』!

『闘真伝』は、一般的な対戦格闘ゲームとは異なり、3Dフィールドを縦横無尽に動き回りながら闘うことができる。ファミ通ドットコムでは、そんな本作の内容を全3回に分けて詳しく解説していく。

奥深い駆け引きがくり広げられるターン制SLG!『R-TYPE タクティクスII』!

名作シューティングゲーム『R-TYPE』シリーズの世界設定をベースにしたSF戦術シミュレーションゲーム『R-TYPEタクティクス』。その続編が、PSPで登場。今回は、本作の魅力をたっぷりと紹介していく。

この記事の個別URL

ソーシャルブックマーク

  • はてなブックマークに追加
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • この記事をつぶやく

TVゲームニュース




ゲームソフト販売ランキング

販売数ランキングをすべて見る

ファミ通協力店の皆様よりご提供頂いたデータに基づいた販売ランキングです(毎週更新)