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カジュアルゲーム セッションで見えた、流動的な業界にマッチしたゲーム作り
GDC 2008

2008/2/20

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●「赤ちゃんのようにすべてを新鮮なものとして受け止める」(アーリー)

 

 アメリカのサンフランシスコで開催されているGDC 2008。2日目となる2008年2月19日(現地時間)、マイクロソフトのジェネラルマネージャーであるクリス・アーリー氏による”カジュアルゲーム セッション”が行われた。このセッションは、さまざまな変化を遂げているゲーム業界において、どうやって変化に対応していくべきなのかをテーマにしたセッションだ。

 

▲変化するゲーム業界、ゲームユーザーにどう対応するのか? そのヒントを掴むべく、多くの開発者がセッションに足を運んだ。

 

 というのも、「プレイする人たちもゲームのタイプも変わりつつある」(アーリー)という。ゲームは昔のように若者だけのものではなく、若い女の子や子供を持った母親、高齢者など、これまでゲームをプレイするとは思われなかったあらゆる年齢層の人たちがゲームを楽しんでいるという現状を説明。ユーザー層が幅を広げる中で、誰をターゲットにしてゲームをデザインすればいいのか? アーリー氏は「よく考える必要がある」と前置きし、「大昔の木の枝や石を使った遊びから、いまのゲームコンソール、デバイスに至るまで、プラットフォームは変化したが、つねに人が関係する楽しい遊びが”ゲーム”だった」とし、それを象徴するのが”カジュアルゲーム”というジャンルだと語った。

 

 トランプやパズルゲームなど初期のウィンドウズゲーム(カジュアルゲーム)は、マウスの使いかたを覚えてもらうためのものだった。時が経ち、MPlayer.comなどは単純なゲームを提供し、マッチメイキングすることもできるし、チェスやマージャン、ポーカーなどの無料ゲームはさまざまな企業の広告といっしょに提供。ダウンロード可能なゲームも登場するなど、新しいビジネスモデルも確立されてきた。このようなカジュアルゲームの変遷に触れるとともに、「”友人といっしょに遊べる”、”親しみやすい”、”楽しい”という社会性が、今後のカジュアルゲームに重要な要素である」(アーリー)と語った。

 

▲カジュアルゲームの歴史では、パソコンで遊べる手軽なカジュアルゲームを紹介。

 

 ユーザー層、ゲームジャンルがつねに変化を遂げるゲーム業界で、よりよりゲームを作るにはどうすればいいのか? すべての状況がつねに変化していくため、どういったコンセプトを取り入れるのかを検討することが必要とアーリー氏は説明し、(1)誰がプレイするのか?、(2)プラットフォームは?、(3)どのビジネスモデルを使うのか?、(4)イノベティブなコンセプトを持っている、(5)楽しいこと(これがなくては長くプレイしてもらえない。これには最も時間を費やすべき)、という項目を挙げた。加えて、”メタゲーム・バリューシステム(たんにペットを飼う、おもちゃを買って終わりではなく、そのさきに何かが広がっていく)”、”データとキャラクターの一貫性”、”好きなときにプレイできるエシンクロナイズ(非同期)プレイ”、”ライトユーザーがコアゲームへ移行するキッカケになるようなカジュアルゲームの提供(カジュアルゲームで自分のプレイに自信が持てるようなゲーム)”という要素も重要とのこと。

 

▲マイクロソフトのジェネラルマネージャー、クリス・アーリー氏。

 

 会場に集まった多くの開発者たちに向け、アーリー氏は「ゲームデザイナーとしてどうするか。赤ちゃんのようにすべてを新鮮なものとして受け止め、これまでの考えかたから抜け出して、画期的なコンセプトを取り入れる。成功するのは簡単ではないが、変化を受け入れながら辛抱強くやってほしい」と、今後求められるゲーム作りの心得を総括した。

 

▲イノベーティブなコンセプトを持ったタイトルとして、『ロックバンド』や『BIOSHOCK(バイオショック)』などの名が挙げられた。

 

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