世界一のモバイルゲームメーカー、ゲームロフトのミシェル・ギユモ氏の基調講演が開催
GDC 2008
●「欧米は日本市場を見習うべき」(ギユモ)
2008年2月18日(現地時間)、アメリカのサンフランシスコで開幕したGDC 2008。これまでは家庭用ゲームやPCゲーム関連のセッションがメインとなっていたが、今年から”GDC MOBILE”と題されたモバイルゲーム(ケータイなどのモバイル端末向けに配信されているゲーム)に関するセッションが続々と実施される。その先陣を切って、パリに本社を構え、日本を始めとする世界70ヵ国以上でモバイルゲームを配信しているゲームロフトのミシェル・ギユモ社長兼CEOの基調講演が行われた。ゲームロフトは、2007年第4四半期において、世界一の売上を記録。日本では『CSI:マイアミ』や『HEROES(ヒーローズ)』といった映画やテレビドラマを題材にしたアプリのほか、『エッチなお姉さん崩し』や『東京シティー★ナイツ』といった日本オリジナルタイトルも配信している。
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▲世界を股にかけてモバイルゲーム業界を牽引するゲームロフトのミシェル・ギユモ氏。モバイルゲーム市場を分析し、今後の展望を語った。 |
まず、ギユモ氏は「2010年には40億人、世界の人口の約3分の2の人がケータイを持つ時代に。そして2012年にモバイルゲーム市場は50億ドル(約5400億円)という巨大な市場になるでしょう」と分析。ユーチューブなどの登場により、モバイル端末を使ったエンターテインメントと情報の楽しみかたがより多様化するだろうと冒頭に語った。これを踏まえたうで、ギユモ氏は世界のモバイルゲーム事情について説明。市場は日本と韓国が先行しており、人口の10〜15パーセントの人たちにモバイルゲームが浸透している”成熟市場”であると紹介。これに追随する形で、欧米、南米といった地域も成長し、世界的に市場はますます拡大する見通しであると分析した。
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▲日本のケータイアプリのビジネスモデルを紹介し、キャリアがゲームを配信するという欧米市場の問題点を指摘。日本市場を見習うことで、欧米市場がますます活発になることを強調した。 |
ギユモ氏は、モバイルゲーム市場の進化に欠かせないモバイル端末にも言及。「2002年に'80年代の家庭用ゲーム機レベルの端末が誕生し、わずか5年あまりで携帯ゲーム機と遜色ないレベルに到達した」(ギユモ)とし、「成長のしかたは家庭用ゲーム機と似ている。新しいモバイル端末が誕生すれば性能が上がり、それとともにモバイルゲームのレベルも上がる。ゲームの質が高くなれば、セールスもそれに比例して伸びる」(ギユモ)と分析。今後主流になるであろう、iPhoneやN-gageといったハイエンド端末が登場すれば、モバイルゲーム市場の第二の成長期を迎える可能性を示唆した。
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▲家庭用ゲーム機が20年以上かかって進化した道のりを、モバイル端末はわずか5年あまりで進化したと説明。ギユモ氏は「家庭用ゲーム機と同様、端末の進化がモバイルゲームの成長に繋がる」と語った。 |
一見、手放しに成長し続けるかのように思えるモバイルゲーム市場だが、ギユモ氏は”市場の成長を妨げる要素”として、”データ通信料の高さ”、”ケータイキャリア側の配信、販売促進の限界”、”ネットワーク処理能力の限界”の3つを挙げた。とくにデータ通信料に関しては、ゲームの価格よりも通信料が高いこともあり、通信しているあいだは料金がかかっていることを自覚できないことを問題視。「ユーザー視点に立ったサービスが必要」(ギユモ)とケータイキャリアに向けての要望を語った。また、世界のビジネスモデルについても説明。欧米では日本とは異なり、ケータイキャリアがゲームをまとめて配信しているケースが多く、消費者が利用しづらい現状を指摘。日本のように各ゲームメーカーが独自のサイトを立ち上げ、ゲームを管理するほうが効率的でビジネス的にも成功を収めているという事例を紹介した。
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▲北米市場ではニンテンドーDS用ソフトも発売しているゲームロフト。「これまで据え置き型ゲーム機でしか楽しめなかったゲームやコンテンツがどんどんモバイル化されるだろう」(ギユモ)と語った。 |
21世紀のモバイルゲーム市場の展望について、ギユモ氏は「産業主導から消費者主導になるでしょう。ユーザーが購入意欲をかき立てられるような高品質のゲームが必要になる。また、多様な地域でモバイルゲームを成功させるためには地域に合ったコンテンツが不可欠である」ことを強調。「モバイルゲームが発達するだけでなく、従来のエンターテインメントの分野のコンテンツが、どんどんモバイル化されていくだろう」とした。その流れの中で、2008年のモバイルゲーム市場は「今後飛躍的に伸びるであろうモバイルゲーム市場の潜在能力の一端が見られるとき」と位置づけ、「高品質の3Dモバイルゲームが全世界的に広まるだろう」と予測。タッチスクリーン端末が登場することでゲームの幅も広がり、iPhoneやN-gageといった次世代モバイル端末によってさらに魅力的なゲーム体験を生み出されるだろうとまとめた。また、そのためには、ユーザーが利用しやすい通信料金プランやゲームメーカー主導のゲーム配信、モバイルインターネットの進化が欠かせないことを改めて説明。欧米に比べて、ゲームの質や配信方法などにおいて先んじている日本のモバイルゲーム市場をモデルケースにすることで、さらなる発展が期待できることを強調した。
最後にギユモ氏は「市場は改革を必要としています。納得のいく価格で、高品質のゲーム体験を可能にする市場へ。我々も最高品質のゲームを今後も世界で配信していきます!」と基調講演を締め、会場は盛大な拍手に包まれた。
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