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ビル・ゲイツ氏の最後の基調講演、Xbox 360に関するビッグサプライズはなし?
【2008 International CES】

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●Microsoft MediaroomでXbox 360が一変する
 

▲今年で最後の講演となったビル・ゲイツ氏。会場では、ゲイツ氏の最後の1日を追った映像が流された。登場人物は、スピルバーグやジョージ・クルーニー、U2のボノ、大統領選真っ只中のヒラリー・クリントン氏、バラク・オバマ氏など超豪華メンバー。会長職を退き、暇になったゲイツ氏を皆が煙たがるコミカルな内容。たとえば、ゲイツ氏がスピルバーグに自分の半生を映画化してくれと無理強いしたり、『ギターヒーロー』が上手くひけたとライブ中のボノを邪魔するかのように電話したり、オバマ氏に「ビルだけど」と電話したら、「ビル? だれそれ? ビル・クリントンか!?」と切られたり……会場は爆笑の渦に。


 アメリカのラスベガスで現地時間1月7日から開幕する世界最大の国際家電ショー”2008 International CES”。これに先駆けてイベント前日の1月6日、毎年恒例となっているマイクロソフトのビル・ゲイツ氏の基調講演が実施された。この場で過去に、初代XboxやXbox 360向けの外付けHD DVDドライブ、IPTVサービス(IPネットワーク経由でハイクオリティーな映像を配信するサービス)など重要な発表が飛び出している。加えて、'98年からスタートしたゲイツ氏の基調講演は今回で最後を迎えるだけに、ビッグサプライズに期待する業界関係者ら3000人以上が会場に訪れた。

 

 今回の講演でもっとも目立った言葉は、”Connected Entertainment(つながったエンターテインメント)”だ。ゲーム機、ミュージック、モバイル、テレビなどさまざまなデバイスが単純につながり、好きなときに好きな場所でコンテンツを共有できるという意味。ビル・ゲイツ氏が見据えるデジタル業界の未来像でもある。

 

 「我々はアプリケーションを動かすプラットフォームを提供していくが、そのアプリケーションはPCだけではなく、インターネット、電話、テレビ、クルマなどベストなプラットフォームで使われる。今後のキーワードはすべてのコンテンツがハイディフィニションで、デバイス間の連携で情報の共有化がより単純化され、iPhoneのような直感的なユーザーインターフェイスが重要になってくる」(ゲイツ)


▲上はMicrosoft Surface。店などに置かれるデスク型PCで、これはお客が自由にスノーボードをデザインしている様子。すべてタッチ操作で、指だけで画像を大きくしたり、文字を書いたり、色を変えたり、簡単にデザインできる。モニターにワイングラスを置くと、ワインに合う料理が紹介されるなど、インターフェイスは限りなく簡単で、将来的にはかなり汎用性の高いものになりそうだ。下も手軽なインターフェースの好例で、ケータイで建物などを撮影すると、その詳細やマップなどの情報が入手できるソフト。インターフェイスの開発にも力が入る。


 

 昨年は”Connected Experiences”をキーワードとして、Window VistaとつながるXbox 360やZuneの展開、フォードと共同開発している車載システム”Sync”、Xbox 360をIPTVのセットトップボックスとして活用する構想など、さまざまな発表があったことは記憶に新しい。だが、今年の発表内容をひとまず総括すると、昨年発表されたプロジェクトの”進捗状況の報告”という形にとどまった。

 

 Xbox 360はこれらのプロジェクトの中心となるデバイスだが、もっとも目玉となった発表は、Xbox LIVEでテレビや映画をオンデマンドで配信するサービス(アメリカのみの展開)に、ディズニーチャンネルやABCニュースなどを放送するテレビ局ABCグループと、『ロッキー』や『ターミネーター』、『羊たちの沈黙』など多数の人気映画のライセンスを持つMGMが新たに加わったこと。すでに35社がコンテンツを提供しているところにまた新たな援軍が加わったためか、ゲイツ氏とともに壇上にあがったMicrosoft Presidentのロビー・バック氏は「マーケットプレースがハイディフィニションのテレビ番組や映画の終着点となる」と強気な姿勢。

 

 そしてもうひとつ、今後のマイクロソフトのカギを握りそうなのが、IPTVのプラットフォームとなる”Microsoft Mediaroom”だ。IPTVとは、閉じられたIPネットワークを使って、特定のユーザーにハイクオリティーな番組、映画、ビデオコンテンツをテレビに向けて配信するサービス。閉じられた”IPネットワーク”と”特定のユーザー”という条件がキモで、通信回線速度や映像の品質をきちんと管理できるという。Microsoft Mediaroomはプロバイダーを通して提供され、第1四半期までに、専用装置セットトップボックスの目標普及台数はワールドワイドで100万台以上とか。

 

 では具体的にどんな機能が楽しめるのか。ハイディフィニションのテレビ映像の双方向番組、デジタルビデオ録画、ビデオ・オン・デマンドのほか、複数のチャンネルを一度に観られるザッピング機能、スポーツ番組をさまざまな角度で視聴できる機能など、プロバイダーによって付加価値が提供される。加えて”Microsoft Mediaroom”の最大の魅力は、テレビがさまざまなデバイスと連携すること。テレビのモニター上でPC上にある映像や写真、音楽を楽しめるなど、メディア共有が強みとなっている。

 

 昨年発表されたようにXbox 360ももちろん対応予定で、同ハードがセットトップボックスの役割はたすことになる。前述した機能のほか、テレビを視聴中にも、Xbox LIVEからの友だちとのボイスチャットに参加できるとのことで、Xbox 360がゲーム機の枠を超えた新たな映像体験を提供することになりそうだ。なお、Microsoft Mediaroomへの対応時期は残念ながら言及されなかった。

 

 イギリスではもう少し話が具体的に進んでいて、通信会社の最大手、ブリティッシュテレコム(BT)とマイクロソフトが提携を発表。Xbox 360をセットトップボックスとして活用し、BTのコンテンツやライブラリーなど次世代の放送サービス”BT Vision”を2008年の中ごろをメドに提供していくという。

 

 マイクロソフトによるとすでに1700万台以上出荷しているXbox 360。その普及率と、ソフトメーカーならではの強靭なネットワーク環境で、セットトップボックスという新たな一面を見せる。昨年に引き続き、「これらは趣味ではない。本気に取り組む」(ゲイツ)と、映像分野に並々ならぬ積極的な姿勢を見せているだけに、ゲーム市場にも一石を投じるのは確実だ。


ロビー・バック氏からはXbox 360の情報も報告された。本体の総出荷台数は1770万台(全世界)で、昨年11月までのXboxビジネスは全体で35億ドル(ソフト、ハード)に達し、これはWiiビジネスよりも10億ドル多く、PS3ビジネスよりも20億ドル多い。「消費者のXboxゲームへの出費はWiiとPS3の合計を上回っている」(バック)。ちなみに、予定より半年早くXbox LIVEのメンバーが1000万人に達したという。世界的にみるとかなり好調のようだ。



最後には元ガンズ・アンド・ローゼスのスラッシュが生ギターを弾きながら登場! ゲイツ氏のギター姿も貴重です。

 

※CES公式サイトはこちら

※基調講演の模様はこちら

※Microsoft Mediaroomの公式サイトはこちら

 

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