ゲームを職業にするプロゲーマーとは? 韓国最高峰のプロゲーマーふたりに聞いた!
●プロゲーマという仕事の話から、日本eスポーツの発展まで
2007年12月1日の”eスポーツ日韓戦”開催にゲストとして来日し、その芸術的とも言えるテクニックで会場の注目を集めた韓国のプロゲーマー、イ・ユンヨル選手(ユンヨル選手)と、ソ・ジス選手(ジス選手)。今回、両選手から直接話を聞く機会を得ることができた。プロゲーマーという日本ではなじみのない職業についてや、韓国におけるeスポーツの盛り上がりなどについて聞いた。
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▲韓国におけるプロゲーマーの人気はアイドル並。本国でも、インタビューができるのは稀というふたりにさまざまな質問をぶつけた。 |
ユンヨル選手とジス選手がプロになったのは、それぞれ7年前と5年前のこと。いまでこそ韓国の子どものなりたい職業ランキングで上位に位置するプロゲーマーだが、当時はまだまだネガティブな印象を持たれがちだった。そんな背景もあり、両選手がプロゲーマーを目指したとき、まず最初に努力したことは両親を納得させることだったという。「絶対プロになるぞ、という信念を持ち、賞状や賞金などの目に見える”実績”を重ねてきました」(ユンヨル)。「自分たちはもちろん、チームの監督、協会の人たちも我々と同じように地道な努力を重ねてきたおかげで、いまのような活況が実現されたのかもしれません」(ジス)。プロになる以前からすでにプロ意識を持って地道な努力を行ってきたことがゲームの実力アップにもつながり、結果的に韓国屈指のプロゲーマーが生まれたというわけだ。
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▲ジス選手は『スタークラフト』の女性プロゲーマーの中で最多勝利の記録を持つ。通称、女性皇帝。 |
両選手の活躍もあり、現在の韓国ではeスポーツは野球やサッカーなどリアルスポーツに迫る人気を見せている。もっとも盛り上がっているのはやはり10代〜20代の若者ということだが「街を歩いているとお年寄りの方たちも僕らの顔を知っていて、声をかけてきたりするんですよ」(ユンヨル)ということなので、一概に若い人だけのものというわけではないらしい。そんな、全世代に認知されている韓国eスポーツのなかでも飛び抜けて高い人気を誇っているタイトルが『スタークラフト』だ。こちらの記事内でも説明しているとおり、イ・ユンヨル選手とソ・ジス選手はその『スタークラフト』で国内最高峰の選手として活躍している。数あるタイトルの中でなぜ『スタークラフト』を選んだのか? と聞いたところ、ジス選手からは「すでに文化として認めれていたので」という答えが返ってきた。
ジス選手によれば、韓国eスポーツの文化はイム・ヨハンという国民的な人気を誇る『スタークラフト』の選手によって作られ、その後さまざまな種目が追加されるという道筋を辿ってきたのだという。言わば『スタークラフト』はeスポーツ、そしてプロゲーマーという職業の原点になる。なので、プロゲーマーを目指そうと思ったときに『スタークラフト』をタイトルを手にとることはジス選手にとって自然なことだったのだ。
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▲勝利数、年俸、メジャー大会における勝利数の3部門で最多記録を持つユンヨル選手。韓国では、天才”テラン”(『スタークラフト』でユンヨル選手が使用する種族の名前)と呼ばれている。 |
一方のユンヨル選手は『スタークラフト』を選んだ理由について、中学時代のエピソードを交えながらつぎのように語った。
「中学生のときに『スタークラフト』がものすごいブームだったんです。どのくらいブームだったかと言えば、『スタークラフト』が強ければとにかくヒーロー扱いされるくらい。学校の不良たちも『スタークラフト』が強いやつにだけは手を出さなかったですからね(笑)。そんな環境だったので、ヒーローになりたい一心でプレイするようになっていました。それに加えて、ゲームの内容が魅力的という部分もかなり大きいです。この作品は戦略シミュレーションなので、戦うだけでなく多彩な戦術などが楽しめる。操作するだけじゃなくて頭も使うという部分に強く惹かれました」(ユンヨル)
ちなみに趣味で『スタークラフト』以外のゲームをプレイしますか? という質問を投げかけたところ、ユンヨル選手は「基本的にそのほかのゲームはしないが、『カウンターストライク』はたまに遊ぶことがある」とのこと。一方のジス選手も「練習の時間が非常に長いので、趣味でゲームは一切やりません」と返答。両選手ともにゲームをプレイすることは仕事だと思っており、キーボードやマウスの操作感が異なるほかのゲームは癖がつかないようにと、プロ意識を持って基本的には触れないようにしているのだという。
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▲プロ意識を持ち、ほかのゲームはプレイしないという徹底した自己管理が超人的なキー操作を可能にする。 |
プロゲーマーになるための苦労から、韓国と日本のゲームに対する認識の違いなど、今後国内でeスポーツが発展していくうえで貴重な意見を多数提供してくれた両選手。最後に、日本のeスポーツにかける期待をつぎのように語った。
「今回、日本にeスポーツ協会ができたことをとてもうれしく思っています。日本だけではなく世界中のいろいろな国でもeスポーツ協会が立ち上がり、いずれはオリンピックのような世界大会を開けたらいいと思います。近い将来、日本に来てまた試合をやりたいですし、遠い未来の話では日本チームの監督をやってみたいかな、とも考えています」(ユンヨル)
「日本と韓国が協力をしてよい関係が築ければと思います。現時点でeスポーツは韓国のほうが歴史があるので、日本は学ぶこともたくさんあると思いますが、日本のeスポーツがさらに発展すれば逆に韓国が学ばされることも増えてくるでしょう。また、日韓戦の競技種目などに関しては、日本と韓国で人気ゲームにばらつきがあるので、今後はお互いの国で流行っているタイトルを導入して盛り上がれればと思っています」(ジス)
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▲ふたりが着ているユニフォームはそれぞれ、ユンヨル選手がWemade FOX、ジス選手がSTXというスポンサー企業のものとなっている。韓国では企業がイメージアップの意味も込めてプロゲーマーと契約することがあるのだという。 |
※日本eスポーツ協会設立準備委員会の公式サイトはこちら
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