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アジア室内競技大会で”eスポーツ”が競技種目として正式採用! その実態は?

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●世界各国で盛り上がるeスポーツとは何ぞや?

 

 2007年10月26日から、中国、マカオで行われているアジア室内競技大会。一見、ゲームとは無関係そうなこの大会で、じつはゲームが”eスポーツ”という競技名で正式採用されているのはご存じだろうか?

 

 そもそもアジア室内競技大会(Asian Indoor Games)とは、アジアオリンピック評議会が2年に1度開催しているアジア競技大会の室内向けイベントのこと。今年で2回目となるこの大会では、ボウリングやビリヤード、フットサルやダンスといったアジアの地域性を重視した室内向けの競技が行われていた。そんな中、今年からチェスやeスポーツといったマインドスポーツ(頭脳を使ったスポーツ)が競技種目として採用された。eスポーツが正式種目として採用された理由については、「従来のスポーツに必要とされる体力や瞬発力、戦略といった要素が含まれており、ほかのスポーツと比べても根底は同じものである」という認識があるとのこと。

 

 最近、耳にするようなってきた”eスポーツ”だが、まだまだ知らない人も多いので説明しておこう。eスポーツとは”エレクトロニック・スポーツ”の略称で、競技性が高く、かつゲーム中にランダム要素が極力発生しない、つまりルールが公平なタイトルを使ったゲーム競技イベントのこと。ゲームをスポーツとして捉えることで従来のゲーマー像からの脱却を図り、プレイヤーの心身を鍛え、スポーツマンシップ育成やコミュニケーション能力の向上を図るという定義がなされている。

 

 海外では韓国や中国、アメリカや欧州でeスポーツと銘打ったゲーム競技イベントが盛んに行われている。韓国や中国では政府主導でeスポーツ団体が設立されており、その団体が主催するゲーム競技イベントには、団体に所属するプロフェッショナルチームやプロフェッショナルゲーマーが参加。莫大な賞金や名誉を懸けて闘っており、その模様はケーブルテレビを通じて24時間放送されている。また近年、アメリカで某放送会社が主導するゲーム競技イベントがスタート。このゲーム競技イベントでは、16ものプロフェッショナルチームが設立され、世界各地を転戦してリーグ戦を行うサーキット方式を採用。総合成績から優勝を決めるというルールで行われている。

 

 日本はゲーム大国でありながら、eスポーツについては後進国。過去、ユーザーレベルでeスポーツイベントが行われていたが、さまざまな問題から諸外国に後れを取っていた。そんな状況を打破するべく、今年6月、日本のeスポーツの発展を促進するため、日本eスポーツ協会設立準備委員会が発足された。この協会はアジア室内競技大会でeスポーツが採用されたことをきっかけとして立ち上げられた。時間的猶予がない中での立ち上げとなったこともあり、今回のアジア室内競技大会への選手派遣は叶わなかった。だが、2007年12月1日に開催が予定されている”日本韓国交流戦”を皮切りに、eスポーツの日本選手権開催や次回以降のアジア室内競技大会への選手派遣に向けた、さまざまな活動を行っていくことを明示している。

 

 eスポーツで使われるゲームのジャンルにはFPS(一人称視点のシューティングゲーム)やRTS(リアルタイムストラテジー)、スポーツゲームやレースゲームなど、競技性が高く、ゲーム中に発生するランダム要素を極力省いたものが多い。なかでもFPSやRTSは、eスポーツイベントでの花形タイトルが多いのだが、スポーツ競技として採用された経緯があることから、暴力性の強いタイトルは候補から外されている。実際に使われていたのは『Need for SpeedTM Most Wanted』、『NBA LIVE 2007』、『FIFA 2007』の3タイトル。いずれもエレクトロニック・アーツの作品だが、おそらく世界各国のeスポーツイベントで採用されているタイトルであり、競技人口が数多く存在することが正式種目採用の一因だと考えられる。

 

実際にどのようにeスポーツは行われている? 選手の実力は?

 

 会場は、マカオ南西部に位置するMacau East Asian Games Domeという巨大な施設内にあるExhibition Centerという場所だ。参加国はイラン、インド、ウズベキスタン、カタール、クウェート、中国、モンゴルなど、8ヵ国。開催期間である2007年10月27日〜10月30日のうち、初日〜2日目に予選を実施。3日目に準決勝戦を、最終日に3位決定戦と決勝戦が行われ、それぞれのタイトルで各国の代表選手が金メダル獲得を目指し、熱い闘いがくり広げられていた。

 

▲会場のMacau East Asian Games Domeは、さまざまなイベントスペースが入っている複合施設。同じ施設内になるほかの会場ではビリヤードやキックボクシングなども行われた。

 

 種目である『Need for SpeedTM Most Wanted』、『NBA LIVE 2007』、『FIFA 2007』の3つはすべてPCタイトルでの採用となっている。そのため、モニターやPC本体はイコールコンディションを取るため、会場に用意されたものを使用するが、マウスやキーボード、コントローラーの持ち込みは自由となっていた。また、細かいレギュレーションは明らかにされていないが、試合まえにコイントスを行い、その勝者が着席位置やコース指定などを優先して行えていたようだ。

 

 試合中は審判が必ず横に座り、選手が不正を行わないかどうかを逐一チェックしていた。試合終了後にはサインをし、その試合が双方合意のもと行われたことを証明するなど、厳格なルールのもと試合が行われていた。だが、セッティングの不備に気づいた選手が独断で試合を中断するなど、ルールの徹底に甘さも見られた。また、あくまでスポーツ競技としてのイベントであるため、ライトアップや音楽、スモークなどを使った、既存のeスポーツイベントのような演出は一切なし。ショーアップの要素を省いているため、一見すると地味なゲーム競技イベントのような印象を受けるのも仕方ないかもしれない。

 

▲試合は予選スペースと、決勝戦などのピックアップされた試合を行うメインステージのふたつで行われていた。メインステージには観客席も設けられ、ステージ上で闘う選手を応援する同じ国の代表選手や、ライバルとなる他国選手が一挙手一動足を見つめていた。

 

『Need for SpeedTM Most Wanted』のイラン代表選手は何と少年!(おそらく最年少)メインステージで行われた予選ではいっしょに来ていた家族が応援する姿も。実力もかなり高く、対戦相手だった他国選手を相手に、圧倒的なタイム差で見事勝利していた。10代の選手が多いのも、eスポーツの特徴のひとつと言えるだろう。

 

 なお、気になる各国代表選手の実力だが、3タイトルともに代表選手によってばらつきはあったものの、総じてレベルはそれなりに高かったと思われる。とはいえ、本大会が行われたことで、アジア地域におけるeスポーツの底上げにつながったはず。噂されている2008年の北京オリンピックに絡めたeスポーツイベントの開催や、2009年にベトナムで開催される第3回アジア室内競技大会での種目採用の可能性など、これからもeスポーツから目が離せない状況となりつつある。国内でも日本eスポーツ協会設立準備委員会というeスポーツの統一団体が立ち上がったこともあり、eスポーツはゲームという枠を超え、新しい可能性に向けて加速していくはずだ。(文責:マグナマ吟)

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