HOME> ゲーム> 生まれ変わった『ギルティギア』の魅力をゼネラルディレクターの石渡太輔氏が語った!
●「対戦で熱くなるという部分で脱線したつもりはまったくない」と語る意欲作!
アークシステムワークスから、2007年11月29日発売予定のXbox
360用ソフト『ギルティギア2 オーヴァチュア』。9年ぶりのナンバリングタイトルとなる本作は、従来までの2D対戦格闘というジャンルから一転、3Dアクションリアルタイムストラテジーという新たなジャンルの創出に挑んでいる。大幅なゲームシステムの変更を行った理由、そして今後の『ギルティギア』シリーズについて、ゼネラルディレクターを務める石渡太輔氏に聞いた。
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▲石渡氏はゲーム制作はもちろん、キャラクターデザインから音楽までこなすマルチな才能を持ったクリエーターだ。 |
――9年ぶりのナンバリングタイトルとなりましたが、なぜこのタイミングで出すことにしたんですか?
石渡 本来だったら、アーケードの『ギルティギア
ゼクス』が『2』になるべきだったんですけど、あれは家庭用ゲーム機版を移植するうえで、タイトルに色をつけようと思い『ゼクス』という形になったんです。それで、今回、家庭用に帰ってくるんでナンバリングの『2』にしようかと。本作で初めて物語が進むんですよ。
――今回収録されるストーリーの構想はいつごろから考えていたんですか?
石渡 シリーズ1作目を作った時点である程度は考えてありました。ただ構想段階ではネタ優先みたいな感じで(笑)。このシリーズを10年近く手掛けているうちにだいぶ人間ができてたというか変わってきて、テーマなどを深く考えるようになったんです。そこで、外形だけ描いていたストーリーに明確なテーマを設けて、序章”OVERTURE”として事件の入り口だけ描こうかなと思うようになりました。つぎの作品が出るとしたら、『3』とか外伝じゃなくて”終局”とかになるのかな? まあ、そこら辺はまだわからないですね。
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▲シリーズ第1作目以来、初めて物語が進行する。本作で語られるのはタイトルにもあるとおり”オーヴァチュア(序章)”で、これから続く壮大な物語の入り口が明かされる。 |
――かなり早い段階からストーリーできあがっていたんですね。ひょっとして、つぎのストーリーもすでに?
石渡 だいたいは考えてあります。本当だったら今作にはもっと長いストーリーを収録しようと思っていたんですよ。ただ、新世代機での開発に苦戦しまして。僕らには3Dゲーム開発のノウハウがまったくなかったんです。プラモデルに例えると、接着剤つけてやすりで削って、塗料を塗るというのがいままでの開発だとしたら、今回はプラモデルの箱を見ながら粘土で作ってるような感じだったんですよ。ぜんぜん経験者がいない状態から”作りたいという気持ち”だけで始め、3Dグラフィックスのエンジンもゼロから作り、本当に誰の助けも借りない状態でした。もうそれだけで、想像以上の体力を失ってしましてね、申し訳ないですがストーリーはある程度の規模に留めておきました。
――だいぶ苦労されたようですが、今回は初の3D表現という試みに加えて、リアルタイムストラテジーとアクションの融合という新たなジャンルにも挑戦されてますね。
石渡 海外はPCのリアルタイムストラテジーが大流行しているのに日本にはあまりそれが入ってこない。恐らくはキャラクターの魅力不足だったり、覚えることの多さなどが原因だと思いますが、それだけの理由でエキサイティングな対戦ツールを知らないというのはもったいないじゃないですか。ただ、そのままリアルタイムストラテジーを家庭用ゲーム機に移植すると、操作形態の問題などから確実に失敗するんですよ。もともとキーボードとマウスで遊ぶためのゲームですからね。それで、どうやったらそれに近い魅力を僕らに出せるかと考えた結果、アクションゲームとして操作できて、かつ、体感的にリアルタイムストラテジーの駆け引きを楽しめるという、今回のようなジャンルができあがったんです。”リアルタイムストラテジーの要素を取り入れる”というゲームはいままでにもけっこうあったと思うんですが、僕らのは”アクション要素の高いリアルストラテジー”ですから。土台にはあくまで忠実です。
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▲空中コンボや多彩なコンビネーションなど『ギルティギア』シリーズの遺伝子は、表現が3Dになった本作にもしっかりと受け継がれている。 |
――アクションとリアルタイムストラテジーの融合というのが言葉だけではイメージしにくいのですが、具体的にどのような部分がRTSなのですか?
石渡 リアルタイムストラテジーには基本要素として、家を建てたり、人を作ったりするといった内政の要素があるのですが、これをアクションゲームに組み込むと難しくなってしまう。ただその部分はキモになる部分なので、どうやったら消化できるか? と考えたすえ、今回”陣地を広げる”とい要素で”らしさ”を出していくことにしました。陣地を広げていくと獲得した陣地から”キャプチャー”と呼ばれるユニットが出てくるんですね。このユニットは体力を回復してくれたり、いろいろなフォローをしてくれんですよ。彼らの近くで戦っているぶんには、非常に戦いやすい。逆に敵の陣地内で戦うとそのフォローがないため苦しい戦いになる。なので、プレイヤーは自然とフォローが得られるように陣地を広げながらジワジワと進んでいく戦いを意識するようになるんです。キャプチャーは勝手に動いてくれますし自動的に生産されるので、陣地を広げるだけのような戦略的な戦いをする必要はありません。ただ、対人戦ではそれを突き詰めていくことが重要になってきますけど。
――つまり、プレイヤーが動き回って戦場で活躍するよりも、いかにキャプチャーを活かすかがキモなわけですか?
石渡 それはキャラクターのバランスによってですね。たとえばソルというキャラクターは攻撃力が優れていますから、できるだけ前線に行って敵を直接倒すのが醍醐味になるわけです。逆にドクターパラダイムというキャラクターは直戦闘が苦手なので、できるだけ味方を盾にして後方から援護したりするのに向いている。
――キャラクターによって戦いかたがまったく変わってくると。
石渡 そういうものを目指して作っています。それと、アイテムなどを購入する際、本来のリアルタイムストラテジーではまず材料を獲得してつぎに加工する場所を作るといった手順があるのですが、本作ではそれを省いてアイテムはアイテムとして直接購入できるようになっています。ただし、アイテムを作るまでの”手間”はシミュレートされていて、たとえば盾を買うと「製造できるまであと何秒」といった時間がかかるようになっているんです。闇雲にアイテムを購入するのではなく、状況を見て判断しなければ負けにつながってしまう。加えて、アイテムによっては連続で使用することができないものもあるので、いまここでこのアイテムを使うのは得策なのかどうなのか? を考えながら戦う必要もあります。アイテムを使うと使用モーションが発生して敵の攻撃に対して無防備になる時間がもできてしまうので、使うタイミングと使う場所どちらも考えなければいけない。
――少し忙しそうな感じもしますが、おもしろそうなシステムですね。
石渡 こういうシステムは、いままでにないと思いますからね。まさに”アクションリアルタイムストラテジー”といった感じですよ。
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▲「いままでにないシステムが詰まっています」と、新たなジャンルの挑戦に確かな手応え感じているようだ。 |
――少し話が戻りますが、今回初めて物語が進むといことで、ファンがあっと驚くような仕掛けなどは用意されていますか?
石渡 うーん……いまの段階で明かせるのは、”あの男”がついに顔を出すというところくらいですかね。あの男っていうのは、いままで名前だけ出ていた……あっ名前出てないですね(笑)。まあ、全然顔を出さなかったそいつが、ゲーム画面の中に初めて登場してプレイヤーたちの前に立ちはだかると。
――敵として実際に戦うことになる?
石渡 それはぜひ遊んで確かめてください。本作のキーとまではいかないですが、今後語られる『ギルティギア』のストーリーの入り口部分で重要な役割を担いますから。
――もう少し詳しく聞きたいですが……。
石渡 それはプレイしてからのお楽しみということで。けっこうビックリするような形で登場しますから期待していてください!
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▲魅力的なキャラクターたちも『ギルティギア』シリーズの人気のひとつ。本作では数多くの新キャラクターが登場して、ストーリーを盛り上げる。 |
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――あの男も含めて、本作では新キャラクターが何人か登場しますよね。それらのキャラクターを使って、再び2D対戦格闘の『ギルティギア』を作る予定は?
石渡 会社がその気になったら作りますかねぇ(笑)。正直いまは『2』のことで頭がいっぱいなので、そこら辺を考える気にはなれないです。ただ、ネットの掲示板なんかを見てるとやはり2Dを期待しているユーザーさんの声もありますので、それはもちろん真摯に受け止めますし、声が大きければ会社として対応していく可能性は十分にあると思いますよ。でも、僕らは2Dよりも3Dの『ギルティ』を好きになってほしいという思いはとくにないんです。2Dには2Dにしかない爽快感とかがありますしね。それよりも、僕らが見てほしいのは、どういうことをやるといちばん対戦で盛り上がるのか? という点です。2Dとは違うスタイル、違うやりかたを模索した結果が今回の作品なので。一応、僕らには目標があって、海外で行われている”ワールドサイバーゲームス”という世界規模のゲーム大会に出展されるような作品を目指しているんですよ。現状日本のゲームが使われることは少ないので、そこで認められるようなタイトル、ジャンルにしたいなって。
――目指すは新たな対戦ゲームのジャンル確立、というところでしょうか?
石渡 そうなってもらえれば、僕らとしては大満足ですね。
――ズバリ手ごたえは?
石渡 いやー、時間が足りないっていうのと、さきほども言ったとおり全然経験がないですからね。今後のチューニングで発展していけたらいいなー、っていうのが正直なところですよ。
――それでは最後に『ギルティギア』シリーズのファンに向けてメッセージをお願いします。
石渡 2Dの続編を期待していた人も多かったと思うんですけど、僕たちは”対戦で熱くなれる”という部分では脱線したつもりはまったくないですし、同じように盛り上がれる興奮というものを新しい形で提供したいという一心で本作を作っています。『ギルティギア』というゲーム、世界観が好きなら、きっと新しい可能性が広がるはずなので、ぜひ一度触ってみてください。
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▲石渡氏が目指すのは”新たな対戦ジャンルの確立”。対戦ゲーム史に名を残すタイトルになるかどうか? ソフトの発売を心待ちにしよう! |
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