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最高のゲームを作るためゲームを壊すプレイを何年もやり続ける! 開発陣が明かす『オブリビオン』制作秘話

2007/10/3

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●ベセスダ社のブラッコ・アンドノブ社長とピート氏が来日
 

 2007年7月にXbox 360向けに発売され、この9月にはプレイステーション3版もリリースされた『ザ エルダースクロールズIV:オブリビオン』。その開発を手掛けた米国ベセスダ社のブラッコ・アンドノブ社長と、マーケティングを統括するピート・ハインズ氏が、東京ゲームショウ2007に合わせて来日。日本版のローカライズを担当したスパイクの高橋徹プロデューサーとともに、話を聞くことができた。

 

▲左から、ベセスダ社のピート・ハインズ氏、ブラッコ・アンドノブ社長、スパイクの高橋徹プロデューサー。


 この作品は、自身でプレイヤーキャラクターを作成し、メインストーリーを追いながらサブクエストをこなすことで自分だけの物語を紡ぐことができるRPG。特筆すべきなのはその自由度の高さで、とにかく広大な世界の中で何をするのもプレイヤーに任されている。ゲームを始めるとまずその世界の広さに驚嘆させられるのだが、ピート氏は「『エルダースクロールズ』シリーズでは毎回かなり遠くまで見渡せるように作っているんですが、世界全体の話から考えればあれくらい広くないとしっくりこないんです」と言う。街と街の距離が近すぎないようにと突き詰めていった結果、あの広さになってしまったのだそう。前作『ザ エルダースクロールズIII:モロウィンド』とは見渡せる距離が異なるため、『モロウィンド』の世界を『オブリビオン』に当てはめると「世界の端から端まで見えてしまう」ほどで、シリーズ作品の中でもさらに広大なフィールドが用意されていることが明かされた。

  

▲美しい景色がどこまでも広がるフィールド。この世界を自由に歩き回ることができるのだ。


 しかもこの作品では、フィールド上にあるほとんどすべてのアイテムを手に取ることができ、それらが物理演算によってまるで現実に存在するかのような挙動を見せる。これまでのRPGにはない革新的な要素だが、ピート氏は淡々と「何を触ることができて、何は触れないか区別をつけるのは難しい。それならば全部を触れるように作ってしまえ、と考えたんです」と説明。

 

 「そのほうがゲーム世界に没入できるでしょう。たとえば人のものを盗れば犯罪ですけど、ホテルにお金を払って泊まっていれば、そこの食事を食べても盗みにはなりません。現実世界とまったく同じことを実装しているんですが、そういった細かい部分がゲームにより入り込めるギミックになっているんです。当たり前のことが当たり前に起こる世界、ということです」(ピート)

  

 実際に開発に携わったのは、最大時で70人〜75人。品質管理スタッフを合わせると130人ほどだという。自由度が高く、プレイヤーの数だけ遊びかたがあるので、じつはこの品質管理スタッフの苦労もたいへんなもの。まずは基本的な戦士系と魔術系、盗賊系の3つの職業タイプでのプレイを徹底的にチェックし、そのほかに起こりうることをひとつひとつつぶしていったのだそうだ。考えただけでも時間がかかりそうな作業だが、事実『ザ エルダースクロールズIV:オブリビオン』の開発には4年の月日が費やされている。ピート氏はその間コツコツとチェックを続けてきたことを明かし、「すべてとはいかないまでもできるだけ細かい部分まで拾うためには、ふつうでは考えもつかないことをする。最高のゲームを作り上げるために、ゲームを壊すことだけを何年もやり続けるんです」とテストプレイの秘訣を明かした。

 

▲プレイヤーキャラクターのクラス(職業)は21種類から選ぶことが可能で、さらに名前や種族、性別、年齢を設定できる。顔のパーツも詳細にカスタマイズでき、自分だけのキャラクターで自由に生きることが可能なのだ。プレイヤーにとっては理想の世界だが、作るほうはチェックだけでもたいへんそう……。


 その苦労は日本版ローカライズに関しても同様で、膨大な量のテキストを翻訳しなければならない。アンドノブ社長は茶目っ気たっぷりに「ぜんぜん苦労はなかった!」と笑っていたが、日本側のプロデューサーを務めた高橋氏は「正直、下手したら赤字が出るだろうなと思いつつ物量をこなしました」とのこと。ローカライズでつまづきやすいのは、まず最初に日本語を表示させるところなのだそうだが、これに関してはじつにスムーズにいったため、とにかく膨大な量の翻訳とそのチェックをくり返したという。チェックに関してはベセスダの品質管理スタッフが担当したのだが、「たくさんプレイしなければならなかったので日本語を覚えちゃった」(アンドノブ)とジョークが飛び出すほど! 気の遠くなるような作業を経て、あの広大かつ緻密な世界が作り出されたのだ。

 

▲アンドノブ社長(右)は明るく朗らかな人柄、ピート氏(左)はゲームが大好きで”オタク”なのだとか。今回が初来日だが、来るまえからホテルにXbox 360を持ち込んで遊ぶことばかりを考えていたそう。


 ベセスダ社の次回作は、Xbox 360とプレイステーション3、PCのマルチプラットフォームで展開される『フォールアウト3』で、2008年に発売予定。シューティングの要素が入ったRPGだが、『ザ エルダースクロールズ』シリーズ同様に広大な世界の中で自由に動き回る作品になるようだ。ピート氏は、「日本でももちろん発売したい。『オブリビオン』は結果的にアメリカでの発売から1年半近く待っていただいたので、『フォールアウト3』ではアメリカの発売日からより近くリリースしたいですね」とコメント。気になる『ザ エルダースクロールズ』シリーズ続編については、開発チームが現在『フォールアウト3』を作っているため具体的な動きはないそうだが、「シリーズ展開については前向きに考えている」(ピート)そうだ。社内では、ゲーム機のライフサイクル内で2本は出したいと冗談交じりに語り合っているとか。前世代のXboxでは『モロウィンド』1作のみとなってしまったので、Xbox 360のライフサイクルが終わるまでに次回作を、と考えているようだ。

 

 日本では、Xbox 360版に続いてプレイステーション3版が発売されたばかり。アンドノブ社長とピート氏は、日本のファンに以下のようなメッセージを送った。

 

 「ようやく日本でローカライズ作品を出すことができ、なおかつXbox 360版では成功を収めることができてうれしく思います。まだ遊んでいない方は、ぜひプレイステーション3版を買って楽しんでください」(ピート)

 

 「買って損はないので買ってください。50万本くらい売って、週刊ファミ通の全ページを『オブリビオン』で埋め尽くしたいので(笑)」(アンドノブ)



※『ザ エルダースクロールズIV:オブリビオン』の公式サイトはこちら


 

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