【ゲーム映像も公開】『DOA ONLINE』特別インタビュー! 日本での展開は!?
【CHINA JOYリポート】
●目標500万人は理想値ではない
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▲CHINA JOYでの盛大ブース。ビーチバレーを意識しているわけでなく”パッと見てユーザーをひきつける”というゲームの世界観を表しているという。 |
テクモは2007年7月3日、PC向けオンラインゲーム『DOA ONLINE』の中国運営において、同国のトップメーカー盛大と提携をしたことを発表した。『DOA ONLINE』は文字どおり、人気格闘ゲームをベースにしたオンラインゲーム。マッチングによる対戦だけでなく、カインというアバターを使った新しいコミュニケーションも展開される。サービス開始時期は”2008年の北京オリンピックまで”となっていて、目標会員数は500万人。
テクモLievo Studio開発によるオンラインゲーム、対戦格闘ゲームに留まらない内容、そして本格的な中国進出と何かと話題になったこのタイトルについて、CHINA JOYの会場でテクモ代表取締役社長安田善巳氏、同じく同社Lievo Studioプロデューサー長谷川仁氏に直撃。『DOA ONLINE』の外枠がうっすらと見てたきた!
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▲右が安田社長、左が長谷川プロデューサー。 |
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▲コンパニオンとして水着ギャルは新鮮!
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――盛大の『DOA ONLINE』ブース、すごい力の入れようでしたね。
安田善巳社長(以下、安田) ありがとうございます(笑)。
長谷川仁氏(以下、長谷川) 盛大さんのリクエストで仮想ビーチを作ってしまったわけですが、じつはあれはひと目でユーザーを惹きつけ、且つ『デッド オア アライブ』の世界やキャラクターの魅力を知っていただこうという想いから表現したものです。会場は当然熱気で暑くなるので清涼感を感じてもらおうという配慮もあります(笑)。
――水着ギャルに釘付けですよ(笑)。そもそも盛大は、狙い撃ちで『DOA ONLINE』を、という話だったんですか?
安田 そうですね。いま中国市場ではオンラインゲームのゲームシステム、サービスにおいて、MMORPGのモジュール化(MMORPGが標準化となる)が進んでいて、つぎの市場の成長機会をどうやって作っていくか、各社しのぎを削っている状態なんですね。ところが現在流行っているいわゆるカジュアルゲームというのは、どうもミニゲーム形式の作品が多い。市場に与えるインパクト、ユーザーを惹きつける魅力は薄い。ですから、盛大さんは「本物を持ってくる」という言い方をされてましたが、コンソールゲームとPCゲームの架け橋にテクモがなれたらいいなと思い、今回提携いたしました。中国は世界でもっとも競争の激しいオンライン市場ですが、盛大さんはこれまでのMMORPGの流れとは別に、ジャンルの違うもののひとつとして、”格闘ゲーム”を取り入れたいと考えがあったんでしょうね。
――中国市場には以前から興味が?
安田 そもそもLievoの立ち上げから、成長性がある、コンソールが成立しにくい、人口が多い、ブロードバンドユーザーが多い、という市場を狙っていて、まさにこれは中国市場になるわけですが、ここは市場特性と産業構造が特異なところがある。どうやってアプローチしていこうかと考えていたときに、ちょうど盛大さんからお声がかかり……ちょうど2年まえですかね。ずっと協議してきました。
――盛大と提携する決め手となったことは?
安田 陳天橋CEO、唐駿総裁、李瑜副総裁という盛大さんのトップ3が直接アプローチしてこられて、しかも「ほかのどのオンラインゲーム企業の経営者よりも我々は『DOA』シリーズが好きだ」という言葉を残された。これには心が動かされました。
――中国市場では提携が上場するための手段だったり、契約したけどゲームをリリースしなかったり、現金な面があるじゃないですか。盛大にはゲームに対するしっかりとした愛が感じられますね。
安田 Lievoを立ち上げてから世界のオンラインゲーム企業の経営者にお会いする機会が増えたのですが、当然のことながらIT出身の方が多いのですね。ビジネスモデルや事業戦略が話題の中心になる中で、「とにかくDOAが好きだ」とおっしゃっていただいたのは新鮮でしたね。
――盛大は愛だけでなく、技術力、運営力も一流じゃないですか。200万人同時接続も可能とか。そんな会社、世界で捜しても見つかりませんよね……。
安田 最高記録は400万人らしいですよ。
――400万人! 少なくとも日本では想像できないですね(笑)。その技術力は魅力的ですよね。
安田 Team NINJAが当時、Xbox LIVE(『DEAD OR ALIVE Ultimate』)で日米対戦を実現するなかで、同期の問題やフレームの問題などに対峙し、独自のノウハウを身に着けてきたわけです。その経験を活かしつつ進化させることで、スペックの異なるPC同士での同期問題もクリアーできるだろうというメドが立ちました。それだけではなく、盛大さんがそこをサポートしてくれるというところがやはり大きいですね。
――運営面だけでなく、セキュリティー面でもしっかりと?
安田 そうですね。特にセキュリティーに関しては、地域性(ユーザー)に依存する傾向が含まれますので、盛大さんが今まで培ってきたノウハウが活かされると思います。
――オンラインゲームはコンテンツ制作だけでなく、サービス業とも言えますから、その辺の運営がしっかりできるところは安心ですね。コンテンツは日本側で作っているのですか?
安田 コンテンツの企画、開発はLievo Studioで行っています。補足させていただくと、我々はこれまで培ってきたゲーム開発の経験があり、盛大さんは中国のゲーム市場をよく知っています。先ほど出た”サービス業”という言葉は、中国市場でもっとも大きなキーワードなんですね。地域性や市場をよく知っているサービス業というのはプラス面が目立ちますが、マイナス面もあって収益性の低下、同質化を引き起こし、グローバル展開ができにくくなります。やはりサービス業に我々が介入してしまうと、かえってグローバル性が失われてしまう。テクモはテクモとして企画・開発というスタンスで独自性をきちんと持っていかないと。MMORPGを中心としたモジュール型の市場構造に、テクモが無理に同質化しようとすると、自分たちの競争力を失ってしまうと思ったわけです。やはり我々の強みは、モノ作りに対するこだわりです。企画、開発業とサービス業のバランスをとるために、こういった形をとりました。
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▲格闘ゲームのスキルが高い日本人ユーザーでも納得のデキに。 |
――コンテンツ開発という部分の企画はテクモさんが、サービス業という意味(運営面)でアイデアを出すのが盛大さん、というわけなんですね。あのデフォルメされたキャラ(カイン)で戦うわけじゃないんですよね? 正直、中国のPCレベルはわからないのですが、本当に再現できるんですか?
安田 よくメディアの皆さんから「対戦格闘は無理でしょう」というご指摘があるのですが、ゲームハードと言われるものでいちばん進化が早いのはPCです。彼らが優れているのは、来年の6月の時点でもっとも普及しているPCのスペックというのを予測しているわけなんです。現状のものではないのですよ。
――なるほど。秒間60フレームを実現できるのですか?
安田 その点に関しては、課題はありますが、DOAの品質をしっかりと継承し進化させますので、ご期待下さい。また、目標会員数500万人となると、デフォルメされたキャラで遊ぶと勘違いされている方も多いと思いますが、しっかり等身大のキャラで遊べますよ(笑)。
――おおよそのスペックを教えていただけますか?
安田 来年のサービス時期に多くの方に楽しんでもらえるスペックが理想と考えておりますので、OSはWindows XPです。Windows VistaとDirect X10にフォーカスを当てるつもりはないです。グラフィックスボードでいいますとGeForce 4くらいがターゲットになると思います。
――料金体系はどうなるんですか?
安田 アイテム課金を想定しているのですが、いまのアイテム課金とは違ったアーケードビジネスも意識したようなスキームになると思います。盛大さんから「なるほど〜」というような、いくつかアイデアが挙がってきています。
――単なるコスチュームを買ったり、という話ではないと。
安田 それだけではない、ということですね。
――ユーザーがプロモーターとしてイベントを開くことができる、というおもしろそうな要素がありますが、具体的に教えてください。
長谷川 本プロジェクトには大きくふたつのキーワードを設けています。一つ目は「格闘ゲームのもう一つの進化」という言葉です。格闘ゲームというのはアーケードから始まってコンシューマーで進化し、頭打ちになるわけでなく常にグラフィック面やシステム面が進化し続けています。そういった形態とは別に、「多数のユーザーが集うPCオンライン環境での進化」という形を目指すこと。そして、もうひとつキーワードに掲げたのが、皆さんよく聞かれる”ユーザー創造”という言葉です。格闘ゲームという決められたルール、システムの中で、多くのユーザーが集えば、勝ち負けに終わらない様々な感情が生まれると思うんです。たとえば「あの強い奴は俺の友だちだよ」、「俺はあの人の弟子になりたい」、「あの人といっしょにいるとアイテムがもらえる」など戦いの中でいろんな想いが生まれてくる。そんな想いを持つ人たちのユーザー自身による自己表現の場を積極的に設けていきたい。そのひとつの要素がプロモーターというわけです。
――戦いだけが自己表現ではないと?
長谷川 そうですね。もちろん格闘ゲームにおいて「強さ」という絶対軸での自己表現が大きな部分を占めはしますが、「強さ」以外での自己表現もあると思うのです。たとえばスタープレイヤー、おもしろい人たち、いろんな友だちを知ってるよ、という人がいたとします。そして、その友人たちを集めて大会をやってしまおう、という流れの中で、他のユーザーの目を惹きつけるマッチメイクを行えば、多くの観戦者から観戦料を貰うことができる「名プロモーター」になれるとか、大きな大会だったらユーザーからスポンサーを募ろうなど、いろいろなアイデアが出てくる。格闘を取り巻くものを別の視点で見たとき、戦うだけではない表現や参加の仕方があると思ったのです。
――人の対戦はどのように観られる予定なんですか?
長谷川 コンセプトは「ライブ感」です。あとは実現に向けての方法論なので、そこは現在、色々な角度から検討を行っています。基本的にはライブ会場のようなビジュアルで惹きつけるものがいいかなと考えています。
――興行収入とはリアルマネーになるんですか?
長谷川 いえ、リアルマネーの取引ではなく、ゲーム内マネーになります。
――そのゲーム内マネーというものは、それでアイテムを購入したりするんですね?
長谷川 そうですね。
――団体戦があるようですが、あんまりイメージがわかないのですが……。
長谷川 いろいろな方に言われます(笑)。簡易的に行える団体戦の仕組みとしては先鋒、次鋒、副将。大将といった皆さんの良く知るマッチングです。今作では、そこを考慮したうえで、ユーザー間にてインタラクティブ性をもった団体戦というものを考えています。ユーザーがカインというアバターキャラクターになりきって参加していく、という世界観になっていますので、そのカインを操作しての団体戦になりますね。
その説明をする前にカインに関して簡単に説明させて頂きますと、カインはユーザーの分身です。使用するDOAキャラクターのコスプレをすることで、どのユーザーが何キャラ使いなのかが見た目でわかるんですね。
KIN(カイン) |
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▲プレイヤーの分身となるカイン。好みの顔や髪型でカスタマイズでき、使用するDOAキャラクターのコスチュームを着用できる。カインが集まるラウンジ(ビジュアルロビー)も用意される。 |
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たとえば、10人でユニティと呼ばれるチーム(パーティーのようなもの)を組みます。相手側も10人だったとき。着ているコスチュームでメンバー構成(どのキャラクターの使い手か)がわかるわけですね。合計20人がバトルフィールドを自由に歩き回り、相手のカインとエンカウントしたとき対戦モードに入ります。この対戦モードがDOAのキャラクター同士の対戦格闘にあたるわけです。
ほかのユーザーから観ると、対戦中のカイン同士は戦っているビジュアルで表現され、きちんと体力ゲージが上下し、戦況がわかるようになっています。負けているようならサポートしたり、カインの頭上に表示される段位マークを見てあまりにも強い人なら最初から3人で囲んだり、自分のバトルを早く終わらせて応戦したりと……。対戦までのプロセスを他のユーザーと協力したり作戦を立てたりして楽しめるわけです。 また、そこにカインの成長要素も大きく関わってきます。足を早くさせたり、ワープできたり、隠れたりできるようにすることで、よりユ二ティ同士の駆け引きがおもしろくなると思うんですね。単にパンチ力が倍になるといったようなキャラクターの強さを極端に変えていってしまうようなものはバランスが崩れてしまうので、格闘部分はキャラクターの特性とプレイヤースキルで決着をつける。そして格闘が始まるまえのプロセスで、今までに無い格闘ゲームの入り方を見い出せればと考えています。
――それはおもしろそうですね! ”Webで進化する『DOA』”というコンセプトが掲げられていますが、これらの要素が徐々に追加されていく、という考えなんですか?
長谷川 そうですね。これが答えだ、という決まった形ではリリースしないですね。
――具体的に最初はどこまでできるんですか?
長谷川 まずはしっかりとPCオンライン用に進化させた格闘ゲームとして、多くのユーザーの方に遊んでいただくことを第一歩として考えています。
――そもそも格闘ゲームというジャンルは中国でどうなんですか?
長谷川 アクションゲームというものは人気が高いです。ただ、格闘ゲームに関しては日本のように、フレーム単位で対決するような成熟されたレベルには達してないと思います。中国においても『DOA』シリーズは知名度はあるのですが、まずは触れたことのないユーザーの方たちを含めキャラクターの魅力を知ってもらい、世界観を伝えることからしっかりとやっていきたいと思っています。その前提を踏まえ、格闘ゲームというジャンルで、プレイヤースキルを上げていくことが我々の使命だと思っています。
――中国市場は難攻不落とも表現されますが、勝機はどこにあると思いますか?
長谷川 中国市場でも『DOA』ブランドはしっかりと普及していると思っています。とくに『DOA』の格闘技としての爽快感は世界共通ですので、ここをしっかりと軸にした上で、中国市場に合わせたアレンジを加えていきたい。ここで盛大さんの力がカギとなると思っています。
安田 中国人ユーザーには、βテストで触ってみておもしろかったら遊ぶというような、ある意味ピュアな部分があるんです。触ってみてもらえる機会があるというのは大きい。ジャンルという面でも、新しいジャンルに対する興味がすごい強いんですよ。これもプラスに働く可能性がありますね。
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▲500万人は夢ではない! |
――目標500万人というのはかなりの数字だと思うんですが。
安田 過去の実績からシミュレーションした数字です。じつはこれは成功ケースではないのですよ。課金単価などの問題もこれから出てきますが、盛大さんから自信を持って実現できる数字です、と言われています。
――日本のユーザー心理として、最初に中国で発売したとなると、クオリティーが劣っているのではないかと懸念してしまうところもあるのですが……。
長谷川 そこは日本ユーザーの皆さんの期待を裏切りません。それだけは断言できます。コンシューマーの過程でも限界のスペックで表現しているので、高スペックPCを持つユーザーの方には、それ相応のクオリティーを提供できるように努力してます。
――次回の情報露出はいつくらいになりますか?
長谷川 来年クローズドβテストを始めるまでに3回くらい発表する機会があると思うのですが、まず近々で言えば東京ゲームショウあたりでしょうか。
――ズバリ、日本でも遊びたいな、と思うんですが(笑)?
安田 我々はオンライン分野で”EDEN(エデン)”構想というものを掲げていて、『DOA
ONLINE』はその第1章にあたるサービスとなります。これからもっともっとさまざまな付加価値を加えて、第2章、第3章と進化していくプロジェクトとして考えています。日本のゲーム市場は家庭用ゲーム機が根付いていて、最近はニンテンドーDSが市場席巻し、ゲームの方向性が広がっている。それにゲームタイトルが新陳代謝を始めてきた。まだまだ家庭用ゲーム機市場が独自進化している実感がありますよね。そんな状況下、PCのオンライン市場は時間をかけて着実に市場を拡大していくというプロセスだと思っています。我々は日本のユーザーの皆様にコミットしているオンラインゲームが3タイトルあります。それをまず実現させ、その上でサービス開始時期を決めていきたいと考えています。
――サービス開始時期を検討しているということは”発売する”、ということですね?
安田 いずれか出したいと思っています。それがどのような形になるか、”EDEN(エデン)”という構想の何章までをパッケージにするか、考えています。
――もうちょっと具体的に、いつごろになりますか(笑)? 中国では北京オリンピックまでに、となっていますが。
安田 今後検討していきたいと思います(笑)。
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