水口哲也氏を支える男、内海州人氏がキューエンタテインメントの現状を報告
【GDC 2007 リポート】
●刺激的なプロジェクトに取り組み続けるキューエンタテインメントのヒミツに迫る
プレイステーション・ポータブル(PSP)用ソフト『ルミネス』やXbox 360用ソフト『ナインティナイン・ナイツ』の開発元として、世界的にも知名度が高いキューエンタテインメント。その代表取締役(CEO)である内海州人氏が"キューエンタテインメントのビジネスモデルの進行リポート"と題するセッションを行った。内容は、設立してから3年経つ同社の足跡をたどるというものだ。
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▲「会社の規模はできれば100人以上にはしたくない。ロックンロールに指揮者はいませんよね? 会社をロックのノリでやっていこうと思ったら、あまり大きくしないほうがいい」とのこと。 |
講演では、まずはソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)やセガ・オブ・アメリカなど、豊富な実績を持つ氏のキャリアが紹介された。プレイステーション立ち上げ時にSCEに所属していた内海氏は、まだプレイステーションが影も形もない時代に久夛良木健氏が発した「僕らはセガや任天堂ではなくて、マイクロソフトを競争相手だと思っている」という言葉がとても強く印象に残っているという。
キューエンタテインメントの設立は2003年。セガを退社してから3年間を充電期間に当てていた水口哲也氏と立ち上げた。セガ時代から親しい付き合いをしていた水口氏のことを、内海氏は「カリスマ性があってインスピレーションに富んでおり、トレンドをスポンジのように吸収する柔軟さを持っている」が、一方で、「ハイクオリティーなものを求めるために時間とお金を莫大に使い、マネージメントの管理ができない」と分析。自分は水口氏のクリエイティブな部分のサポート役を担うことを決意する。
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▲戦友の水口哲也氏を果敢に分析。カリスマ性やコミュニケーション能力などを高く評価。 |
会社を立ち上げてはじめてのプロジェクトは『ルミネス』。キューエンタテインメントを設立した直後は、大きなプロジェクトを始動すべく、連日のようにデニーズで長時間にわたるミーティングを行っていたが、「小さい会社なので小さいプロジェクトから始めたほうがいいのでは?」との内海氏の方針により、パズルゲームの『ルミネス』が企画される。『ルミネス』のアイデアは、PSPやウォークマン、そして水口哲也氏が好きだという画家のカンジンスキーなどからインスピレーションを得て生まれたものだという。『ルミネス』は世界中で大ヒットし、さまざまなプラットフォームに移植されるまでに至っている。
果敢に新しいビジネスに取り組むことでも知られるキューエンタテインメントでは、現在PCCオンラインゲームやケータイコンテンツなど幅広いプロジェクトに取り組んでいる。その過程で新しい発見もあった。台湾メーカーとのコラボレーションになるPCのオンラインゲーム『エンジェルラブオンライン』では、ゲームプレイ自体は無料で提供しアイテム課金を実施。会員は現在10万人を擁しているが、そのうちアイテムを購入しているのは10パーセント程度。ただし、その熱心な10パーセントのユーザーにより、ビジネスとしては成立しているという。また、ケータイコンテンツでは『ルミネス』や『メテオス』などを展開しているが、利用者の男女比率はちょうど50パーセントずつ。そのため、女性をターゲットにした壁紙を提供するなどして、収益を上げている。
「従来のコンシューマーゲーム機のビジネスにはない、新しいビジネスモデルができあがってきています。クリエーターはそのことをわきまえて、ゲームデザインをする必要が、今後はあると思いますね」(内海)
キューエンタテインメントの未来はどうなるのだろう? 内海氏は、(1)オンライン、(2)コラボレーション、(3)ミュージック&ゲーム、の3つがテーマになるという。目指すところは"デジタルバックパッカー"だ。西におもしろそうな話があれば出かけていき、東におもしろそうなプロジェクトがあれば出かけていく。「つまらなかったら戻ってくればいいだけのことで、とにかくフットワークを軽くして、いろんなことに取り組んでいきたいですね」(内海)という。内海氏と水口氏のコラボレーションにより、新しいものを生み続けているキューエンタテインメントは、今後もゲーム業界のバックパッカーであり続けるに違いない。
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▲「詳細はお話できませんが……」と前置きしたうえで、次回作のカギとなる映像を最後に上映。さわやかな音楽が印象的な女の子の映像だったが……。正式発表に期待。 |
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