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ゲーム作りもいよいよ佳境へ……(その3)
【特別企画】ドキュメント・サンデーゲームスタジオの挑戦

2006/11/6

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●ゲーム作りは、ストレスと充実の日々!?

 「おもしろいゲームを作りたい」という志を持つ参加者たちが、日曜日だけ集まってゲーム開発に取り組むサンデーゲームスタジオも、8月下旬のスタートからはや2ヵ月。プロジェクト自体も佳境に入り、参加者どうしもすっかりと打ち解け、会話の端々からは同じ目標に向かって取り組む一体感のようなものをうかがうことができた。

 とはいえ、その日取材にお邪魔したときは、教室は少しばかりピリピリとした雰囲気に包まれていた。聞けば、10月末を目処にサンデーゲームスタジオの公式ホームページで、ゲームのα版をアップすることにしたそうで、その締切が近づいているのだという。ユーザーの貴重な意見が聞けるということで、α版のアップは参加者にとっても刺激の多いことだろうが、つまらないものを出すことは許されない。ということで、何を盛り込むかでスケジュールのせめぎ合いとなっているようだ。スタジオ長が各プロジェクトのプランナーと、「この日までにα版をもらえないと、まずい」、「その要素は今回入れるのはきびしいのでは?」といったやりとりをしているのを聞くと、「あー、ふつうのゲーム開発の現場と変わらないなあ」という思いに捕われる。実際、今回初めてプロジェクトを組んでゲーム開発に取り組む参加者もいるので、彼らにとって締切は相当なプレッシャーになるんだろうなと想像できる。そうしたプロセスも含めて、サンデーゲームスタジオはゲーム開発の縮図と言えるのだ。

▲スタジオ長さんとディスカッションする『55-フィフティーファイブ-(仮題)』のプランナー、エイルさん。

▲こちらは『イルミナ(仮題)』。当初から仕様も二転三転したようで……。

▲メンバーたちをきびしくも暖かく見守るスタジオ長こと、シグナルトーク・コーポレーションの向律幸さん。

▲激論をかわしつつ、その日もあっという間に終わってしまいました。時間がどれくらいあっても足りない!?


 今回は、プロジェクトに参加するプログラマーおふたりにお話をきいた。

Aチーム プログラマー 積塚さん

――プロジェクトに応募したきっかけを教えてください。
積塚
 週刊ファミ通の記事を見て、「やってみたいな」って思いました。もともと私は大手ゲームメーカーでプログラマーをしていたのですが、そこを退社後は工業系のプログラムを手がけていたんですね。ところがここへきて、「やはりゲームの開発をしたい」という気持ちがふつふつと湧き上がってきまして、サンデーゲームスタジオにトライしてみることにしたんです。

――実際に関わってみてどうですか?
積塚
 せっかく作るんなら、会社でやっていたような"仕事"としてではなくて、もっとクリエイティブな部分で関わりたいと思っていました。会社の仕事だったら、自分の身の丈に合わないプログラムだと「これはちょっと勘弁を……」ということになってしまうのですが、サンデーゲームスタジオでは、すべきことはすべてやっていきたい。まあ、自分の技術がなかなか追いついていかないので、歯痒い部分はあります(笑)。

――悩みも多い?
積塚
 最小ユニットで開発しているので、プログラムの相談をする人がいないのがツライですね。シナリオやデザインだったら、素人でもアドバイスできるのですが、プログラムとなるとそうはいかない。

――プログラムは孤独な作業ですものね。
積塚
 もともと、プログラムがあまり好きではないんですよ(笑)。もう10数年もまえから、ベーシックをやっているのですが、プログラム自体はまるで進歩していない。そのへんは、いまのゲーム業界で疑問を感じている部分ではあります。

――そのへんがゲーム業界の停滞を招いている?
積塚
 そこまでは思いませんけど、理想とすべきところは、ゲームデザイナーがアイデアを思いついたら、それをすぐに形にできること。いま、ゲームの開発がより簡単になるような、独自のツール作りに取り組んでいるところなんです。『イルミナ』は、その開発ツールで作っています。それも、いま試行錯誤の最中ではあるのですが……(笑)。

――苦労は多そうですね。
積塚
 仕事では効率ばかりを求めていたので、サンデーゲームスタジオでは、とにかくきっちりと作っていきたい。いまのゲーム開発は時間的にも資金的にも重いプロジェクトばかりになってしまって、多くのプログラマーが悩んでいます。そのことに対する答えのひとつがサンデーゲームスタジオだと思うので、「こんな簡単なやりかたもあるんだ」ということで、今回は、とにかくがんばっていいものを仕上げたいです。

▲いまのプログラマーのありかたに疑問を感じているという積塚さんは、独自の開発ツール(ミドルウェア?)を制作しているという。「ゆくゆくは、ゲームデザイナーが思ったら、すぐにゲームに組み込めるようにしたい」と、大きなことを考えている。

 

Bチーム プログラマー eb69さん

――プロジェクトに応募したきっかけを教えてください。
eb69
 締切の2週間くらいまえにネットの告知を見て、サンデーゲームスタジオのことを知りました。それまでなんとなくふわふわと生きていたのですが(笑)、やっぱりゲームを作るのが好きだったので、応募してみようかと。いまのご時世って、フリーでやっていてもそれなりのものが作れちゃうわけですが、「たくさんの人に遊んでもらうにはどうすればいいのか」という点でなかなか道筋が見えていなかった。だから、「Yahoo!で売ってくれるんだ」というのが動機付けとしては大きかったですね。それは、売られて利益がどうこうというわけではなくて、たくさんの人が目にしてくれる可能性が高いから。

――そのことの意義は大きいと?
eb69
 一般の人でおもしろいゲームを作っている人は、けっこうたくさんいるんですよ。ただ、日本の場合そのことに対する認知度が低いというか……。海外のほうが比較的オープンな感じがしますね。ゲーム作りに対する可能性が拓けていたほうが、いいものがでてくる可能性が高いわけだし、そういう意味でもサンデーゲームスタジオに対する意義は大きいと思いますよ。

――毎回大阪から来ているんですよね?
eb69
 そのやる気を買っていただけたのではないかと(笑)。基本インドアな人間なので、よく大阪から東京まで来てゲーム作っているなと思います。

――実際プロジェクトに関わってみてどうですか?
eb69
 「難しいな」というのは実感しています。というのも、ゲーム開発は未経験の人が多いので、ちょっとしたところでノウハウが抜けている部分があるんです。たとえば、ゲームは動きを見せるものなのですが、個々のキャラデータはできているけど、肝心の動きの部分はどうするの? ということになる。まあ、そのへんも話し合って徐々にクリアーになってきています。

――プロジェクト自体には満足している?
eb69 おおむね(笑)。今回は「3ヵ月で仕上げる」という目標があるので、それを大前提にできるだけのことをしています。開発は順調に進んでいますよ。

▲けっこうゲーマーなeb69さんは、RPGからリアルタイムシミュレーションまで幅広くこなす。「好きなゲームは?」と話を振ると、『エイジ・オブ・エンパイア』や『SSX』シリーズ、『Halo』など続々。最近では格闘ゲームの『アーバンレイン』にとくにハマッたらしい。「ゲームをやらない人はゲームを作れない。押さえるべきところは押さえておかないと」とのこと。


 さて、順調にゲーム開発が進むサンデーゲームスタジオだが、無事に『イルミナ(仮題)』と『55-フィフティーファイブ-(仮題)』のα版も完成。公式サイトにて公開されることになった。合わせて、音楽と効果音の募集も開始されている。興味のある方は、ぜひ覗いてみてください。

※サンデーゲームスタジオの公式サイトはこちら
※Yahoo!ゲーム「サンデーゲームスタジオ」特設ページ 

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