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 6月22日に、『ゼルダの伝説』シリーズを網羅したヒストリービデオが発売される! タイトルは『HISTORY of ZELDA 『ゼルダの伝説』の過去から未来へ』。過去のシリーズ作品の貴重な映像はもちろん、有名クリエイターのかたがたが『ゼルダ』に対する熱い思いを語るインタビューなども収録しています。

 もちろん宮本茂さんのインタビューもたっぷり収録。『ゼルダ』ファン必見の1本に仕上がっているので、日本国民は、いや人間は購入しましょう。ローソンに設置されているLoppiにて販売されるので、ぜひ買ってくださいませ。
『ゼルダ』ビデオパッケージ
任天堂公式ビデオ
HISTORY of ZELDA
『ゼルダの伝説』の過去から未来へ

6月22日発売/1500円/エンターブレイン

 さて、今回特別にお送りするのは、宮本茂さんの最新インタビュー。ビデオ収録のため取材した週刊ファミ通編集委員の永田泰大が、ビデオカメラが回っていない収録の合間に、リラックスした調子でしゃべる宮本さんの言葉を持参した私物テレコでばっちり収録。取材の最後に宮本さんに「これ、デイリーファミ通にアップしてもいいですか?」と事後承諾を要求したという、なんとも強引な記事です。笑いながら許可してくれた宮本さんに深く感謝。それでは、どこにも掲載されてない宮本さんのざっくばらんなトークをお楽しみください。

宮本 茂
任天堂株式会社、取締役、情報開発本部 情報開発部本部長。『ゼルダの伝説』シリーズなど、多数のゲームをプロデュースするゲームクリエーター。最新作は4月27日に発売されたニンテンドウ64用ソフト『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』。



その1
iモードって、ネーミングの勝利やと
思うんですよね

永田 E3(5月11日〜13日、アメリカのロサンゼルスで開催されたイベント、"エレクトロニックエンターテイメントエキスポ2000"のこと)でも『ムジュラ』はかなり注目を集めてましたね。
宮本 そうですね、ありがたいことに。ファミ通さんは今年、E3に何人ぐらい行ったんですか?
永田 えーっと、けっこう行きましたね。20人近く行ったんじゃないかな。カメラマンとかいろんなスタッフも含めて。むこうでニュース作ってネットに上げたりとかしてましたから。
宮本 もういま、ファミ通.comのほうが人数多かったりするんですか。
永田 いや、まだぜんぜん人数的には週刊ファミ通のほうが多いです。
宮本 あ、そうですか。
永田 そういえば、ネットゲームに関係する仕事を宮本さんがやっているとか聞いたりしたんですけど?
宮本 うん。
永田 おっ。
宮本 任天堂も、ネットゲームは避けて通れんとは思ってるんですけど。ただ、無責任に広げられないですよね。いまあるランドネットだけでもね、やっぱり維持するコストを保っていかなあかんとかあるだろうし。
永田 管理はたいへんそうですもんね。
宮本 そうねえ。あと、個人的に、ネットを使うっていうのはゲームデザイナーのひとつの逃げでもあると思てるんですよね。
永田 それはどういう?
宮本 ネタがないから。
永田 (笑)
宮本 対戦ゲームといっしょですよね。対戦ゲームもある種ゲームデザイナーの逃げで。まあ、否定はしないですけど、僕らも『マリオカート』とか。ただうちで対戦ゲームをやるときは、ひとり用がおもしろいことっていうのをつねに前提にしてて。まあ対戦ゲームがおもしろいのは当たり前やから。だから対戦ゲームの制作現場でいちばん危険なのは、みんなで盛り上がってるっていうやつですよね。
永田 うんうん。わかります。みんなでワイワイやってると、たいていのものはおもしろいですもんね(笑)。人の勢いで増幅されるというか。
宮本 そう。だから、ネットにつなげばおもしろくなる要素っていうのは、たしかに発明としてあるわけやけども、それは、もっとおもしろいゲームがあれば、ネットにすればもっとおもしろい、ということで。
永田 うんうんうん。
宮本 ネットにつなぐことによって、ふつうのゲームをおもしろくするっていう方法でいま成り立ってるような気がするんですよ。あと、ネットの部分に関して、ほとんどインフラをやってる人たちが優先するでしょ。
永田 ああ、クリエイティブな人たちよりもってことですよね。
宮本 そうなんちゃうかなあって。だからいまたしかに、ネットとかオンラインとか有望なんでしょうけど、毎日毎日家に座って「いっぱいつながって楽しい」と言ってる人生だけでいいんだろうかと(笑)。
永田 (笑)
宮本 もっと開いたものが出てきてもいいと思うんですよね。少なくとも、世間が動くくらいヒットした商品、『スペースインベーダー』とか『ドラゴンクエスト』、『スーパーマリオ』みたいなもの、あるいはルービックキューブとか、たまごっちとか、そういった世間が動いた商品って、そんなに閉じた商品じゃないですよね。もっと開けてるよね。
永田 なるほど。
宮本 いまネットゲームっていうよりiモードのほうがヒット商品でしょうし。
永田 あああ。
宮本 iモードって、僕はネーミングの勝利やと思うんですよね。
永田 (笑)
宮本 iモードってね、たいしたもんじゃないですよ(笑)。けどなんか、iモードっていうものに、入ってたほうがおもしろそうっていうふうにみんなが思うようになったし、それが携帯を買おうっていうところまできたんで、どうせ買うならiモードって。
永田 ああ、そうですよね。
宮本 あれ携帯なんか誰も買おうとも思ってなかったらiモードなんて流行るはずないですよね。
永田 当然そうですね。
宮本 そういう意味では、娯楽としては任天堂が大きく逃したのがiモードで。うちの社長が「これからはモバイルだ!」って言ってたのは、あながち間違いではなかったでしょ!(笑)
永田 (笑)
宮本 ゲーム業界としてね。プレイステーション2なのか、ドリームキャストなのか、ネットゲームなのかっていう議論をしてるけど、やはり、iモードなのか、ビデオゲームなのか、携帯ゲームなのかみたいな比較のほうがずっと大事やし、実際お金もそういうふうに動いてくわけなんでね。だからやっぱりゲーム業界のバラエティーっていつも狭いなと。「ベストRPGはどれか」みたいなものばっかりで(笑)。ベストRPGより「ビデオゲームが売れてるのか」っていう議論がまず先にあるべきやろうって思うし。
永田 うんうん、なるほど。
宮本 たとえばE3なんか見ても、ドリームキャストなんかは非常に好意的に受け入れられているでしょう?
永田 はい。いちばん熱気のあったブースでしたね。
宮本 なんですけど、じゃあ爆発的に売れるかっていうと、「う〜ん」って(笑)。専門家の人に言わせると、流通の問題とか、いろいろあるらしいんですけど。で、あんだけがんばってて動かないなら、任天堂ががんばってもだめなんやないかと(笑)。ひょっとしてうちの社長が言うように、この業界はだめなんやないやろかというくらいに感じますよね(笑)。
永田 そんな中で、任天堂はどうするんですか?
宮本 え? そんなんもう、「ビデオゲームなんかやってたらあかんやろう」っていう。
永田 また(笑)!
宮本 そういうことをよく言われてるんで(笑)。奇跡を起こそう、と(笑)。
永田 おお。
宮本 やっぱりその、娯楽機器の中で、ビデオゲーム機はまだまだ魅力のある機械ですよね。
永田 そう思います。
Text:永田泰大


雑談その2はこちら
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