SCEのソフト開発の重鎮・フィル・ハリスン氏直撃インタビュー!
●「ワールドワイドスタジオで、約100のプレイステーション3用タイトルを作っている」
ソニー・コンピュータエンタテインメントのファーストパーティータイトルをとりまとめる"ワールドワイド・スタジオ"のプレジデント、フィル・ハリスン氏を東京ゲームショウの会場で直撃した。ワールドワイド・スタジオの誕生とプレイステーション3というニューマシンの登場により、ゲームソフト開発はどのように変化するのか? じっくりと読んでみてくれ。
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▲「各地域の個性を活かし、ユニークでクオリティーの高いソフトを導入する」と語るフィル・ハリスンプレジデント。 |
−−ワールドワイドスタジオのソフト開発状況を教えてください。
ハリスン つねに課題を持ってソフト開発に臨んでいます。とくに新しいシステムを導入するまえは、いろいろと問題があることもあるものです。ですがいまのところ、今回のゲームショウの様子を見てもらえればわかると思いますが、開発チームは非常にいい仕事をしていると思います。
−−プレイステーション2のときと比べても、とても順調にソフトが開発されているんだな、と感じますね。
ハリスン おしゃるとおりで、プレイステーション2のときにロンチのタイミングでSCEから発売されたタイトルは『ファンタビジョン』だけでした。すばらしいタイトルでしたけど、どちらかというと小規模なゲームでしたよね。しかし今回は、開発の初期の段階からチーム全体で"技術の共有"が行われ、プレイステーション3のシステムを十分に活かせる開発体制を作ることができました。この共有部分に基づいていろいろなクリエイティビティーをそれぞれが盛り込み、非常にユニークなタイトルを作ることが可能となったのです。チーム間でテクノロジーを共有するということは、ゲームを作ることにおいて、非常に重要なトレンドです。
−−これまでのゲーム業界の常識だと、テクノロジーって門外不出のものだったと思うんですけど。
ハリスン そのとおりですね。
−−でもプレイステーション3ではそうではない、と?
ハリスン プレイステーション2のときは、ひとつのデベロッパーがグラフィック、サウンドなど、すべて縦型統合の形で一手に引き受けてましたよね。でもプレイステーション3では可能性が非常に広がっていて、もうそういう時代じゃなくなっているんです。縦型の時代は、プレイステーション2で終焉を迎えました。プレイステーション2に入っていたコンピューターチップは非常に複雑なもので、扱いづらかった。でもプレイステーション3のCellプロセッサはとても汎用性が高いので、そういう部分でもソフト制作に大きく貢献するだろうと思います。
−−ワールドワイドスタジオにはいろいろな制作チームがありますけど、そこの垣根を取り払って非常に効率的なソフト開発ができる、と。
ハリスン Yes.赤坂のSCEオフィス、ロンドンスタジオ、アメリカのスタジオと、それぞれが各フロアごとに独自のテクノロジーを持っています。これまではそういう時代でしたが、現代はひとつのオフィスだけではなく、国を越えて世界全体で、技術、クリエイティビティーを共有する時代なんですね。こういった国際的な動きが起こることによって、技術のてこ入れがなされるわけです。特定のロケーションに限定されるのではなく、ネットワークの中で共有されるというゲームのバーチャル化というのは、われわれの業界にとっては非常に論理的な帰結ですね。
−−スタジオを統括するのがワールドワイドスタジオの役割?
ハリスン 単純にそういいきれるものではないですね。統合するのとはちょっと違う。SCEというのは、日本、アメリカ、ヨーロッパの各地域で非常にユニークなタイトルを展開できている。こういう会社はSCEだけでしょう。なのでこれらを統合してしまうと、各地域で成功のもとになっているクリエイティビティーが失われてしまう可能性もあります。ですのでわれわれは思想、ビジョン、テクノロジーなどを共有することですべてのスタジオが持ち上がればいいと思っていますが、顧客関係や独自の文化は大切にしていきたいとも思っています。われわれはハリウッドを作りたいのではない。ハリウッドって、ひとつの場所で作ったコンテンツを世界に配るでしょう。われわれはハリウッドを作りたいわけじゃないんです。
−−今回のSCEブースに展示されているプレイステーション3用タイトルは、確かにどれも個性的ですね。
ハリスン YES.
−−そんな個性的なタイトルの中で、とくにハリソンさんがお勧めするタイトルはどれですか?
ハリスン それは酷な質問だな(苦笑)。……そう、たとえば『レジスタンス』。これは欧米で非常に注目されるでしょう。ハードの特性、機能、ネットワーク、3Dなど、すべての点を網羅しているタイトルですから。それとレベルファイブの『白騎士物語』。日本だけじゃなく、世界的に注目されるタイトルです。これは皆さんも同感じゃないですか?
−−個人的に『AFRIKA』が気になるんですけど(笑)。
ハリスン いいところに目をつけましたね(笑)。『AFRIKA』はリアルとバーチャルがクロスする点を表現した好例と言えるでしょう。
−−ワールドワイドスタジオでは、現在どれくらいの数のタイトルが開発されているのでしょうか?
ハリスン プレイステーション3、プレイステーション2、PSPなどを合わせて190タイトルくらいですね。
−−そのうち、プレイステーション3用タイトルはどれくらいの数に?
ハリスン 100タイトルほどがプレイステーション3用です。ただもちろん、『レジスタンス』のようにほぼ完成に近いものもあれば、まだまだ始まったばかりのものもある。まだ多少の上下動はありますけど、基本的にこの数は増えていっています。ご期待ください。
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