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第四回「マルーン通り五丁目」
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芥川賞作家にして「ゆるいゲームコラムニスト」でもあるブルボン小林氏が、ロサンゼルスからE3レポートを送信します。本当にE3いってるのかという、よそみぶり、脱線ぶりをお楽しみ下さい。でも、会場の模様もお伝えします。 |
ブルボン小林のE3末端レポート
第四回「マルーン通り五丁目」
蛙のために……いや、『大玉』のために鐘を鳴らしてから、バカタール加藤氏、それからエンブレ代表取締役、浜村さんと合流。えべ太郎さんのレンタカーで、任天堂主催のパーティへと向かった。
E3の醍醐味の一つは、これらのパーティにある。日本の幕張メッセなどで、どれだけ大きなゲームショーが催されても、場所が幕張だと夜には各自、家に帰ってしまう。
だがロスだとホテルに戻るしかない。だから、夜は遅くまで皆で交流を深めあう。
普段はこつこつと自分のチームの人間とだけ関わっているゲーム業界の人間が、外国で「社交」をするのである。
我々は事前にパーティ入場のためのチケットを手渡されていた。
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▲ 下にあるオレンジのはソニー主催のパーティチケット。これはリストバンドタイプ。 |
この、チケット下に大きく書かれた「MAROON5」ってなんだろう……。
「マルーンファイブってなに」車内で尋ねてみる。
「なんでしょうね」
「ていうか、ここに映ってる五人組だれよ」写真では分かりづらいかもしれないが、うっすらと横並びの外国人が映っているのである。
「さぁ」
「宮本茂さんと岩田社長じゃないの」(ありえません)。
「じゃあ、あとの三人は?」(じゃあ、じゃないって)。
「マルーン通り五丁目ってことかな」
「そうなんですかね」
そんな感じであらゆる意味でのレベルの低さを露呈しつつも、車は一路パーティ会場へ。
大混雑の会場で、加藤さんが紹介してくださったのは、聞いたことある有名人ばかり。ファイナルファンタジーを作ったあの人、メタルギアソリッドのあの監督、メイドインワリオをつくったチーム、どうぶつの森を手がけたあの人……。
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日本の、たとえば文学賞の授賞式などでもこれくらいの人数はくるけど、より開放的なのは屋外に会場がつづいているだからだ。外でも平気で開催できるのはロサンゼルスならではという感じ。
任天堂の広報さんたちに「ジュ・ゲーム面白かったですよ」拙著のことをいわれてどきどきする。『四人打ち麻雀』のタイトル画面のコラムなど、怒られないかと思っていたが、懐の大きなところをみせられて一安心。作中に触れた「怒られゲー」の話で盛り上がる。
「あ、でも今度うちから出る『CHIBIROBO』は、『褒められゲー』なんですよ」なるほど。『大玉』の見学のついでに先行でみた『CHIBIROBO』の映像はとてもかわいらしく、怒りよりも褒めを期待できる感じだった。
「あ、ライブがはじまるみたいですよ、いきましょうよ」上機嫌のヒロミ・グレースに誘われて下のフロアへ。
こちらのパーティでは人気バンドがシークレットライブをするのは珍しいことではないらしい。ちょうど始まるところだ。前の方はすでにすし詰めになっている。
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オーソドックスなロックだが、なかなか上手い。なんというバンドか、ヒロミも知らないという。知らないものでも、好奇心がある物なら、さっと観にいく。つくづく身軽な人なのだと思う。
爆音気味の演奏に、たゆたうようにノっているヒロミを残し、上のフロアに戻る。またしばらく任天堂の人と馬鹿話に興じていると、向こうに宮本茂さんが現れた。外国の記者が恐縮して、一緒に写真をとりたがっている。気さくに応じる宮本氏。
……日本人にとっては宮本茂よりも宮崎駿の方が有名だし人気だが、国際的には逆だろう。ミッキーマウスに匹敵するキャラクターを生み出した人なのである。僕もさすがに恐縮する。岩田社長も現れて、ゲームボーイmicroをみせてくれた。
本当に小さい。小さいけど、なぜか高級感がある。
ある意味、E3のすべての発表の中で一番のサプライズだったかもしれない。高性能のゲーム機はこれまでも競われてきたけど、「女性がハンドバッグに入れたくなる感じ」という競争は殆どされていなかった。
うわーすごい、うわーすごいとかいいながら、どさくさにまぎれ岩田社長、宮本さんと写真を撮ってもらう。
ヤッターと席に戻ったところで会場が少し静かになったことに気付く。下のフロアの、バンド演奏が終わったのだ。
「あれ、なかなか良かったけど、結局なんていうバンドだったんだろう」つぶやくと、広報さんが教えてくれた。
「MAROON5っていうバンドですよ」
ガーーーーン(バカのために鐘がなる)。何通り五丁目だって?
思考がふらふらしはじめたころ、ヒロミ・グレースが翌朝、宮本さんとこっそり朝ご飯を食べる予定だというのを聞いた。
「ぜひ、ブルボンさんもいらっしゃるといいですよ」ライブ聞きにいきましょうよ、と同じテンションでヒロミはあっさりいうのだった。
再びガーーーーン。(つづく!)
BGM: |
TWILIGHT(電気グルーヴ×スチャダラパー) |
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