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『明日は晴れる』発売記念 葉山宏治インタビュー その2
2001年2月22日
●意思なければ成らざる

−−実際問題、最近ゲームミュージック界って一時期の盛り上がりに比べて、さびしくなってきているのは事実ですよね。オレらももう一度それを盛り上げたい! という気持ちで、このコーナーを立ち上げたんですが。

葉山 ある意味人気商売ですから、栄枯盛衰があってしかるべきなんですよ。'90〜'95年くらいに企業の後押しを受けて、ゲームミュージックもそのミュージシャンも一生懸命のし上がってきたでしょ。でも、いざ企業の後押しがなくなっちゃうと「ああ、自分じゃ何もできない。才能がないんだな」って思っちゃって、自分からは何もしなくなってしまった。ある人なんかは「俺はもうだめだよ。葉山君が出てきた時点でもう自分の時代は終わったと思ったよ」とか言っちゃうんですよ。

−−あらら。

葉山 だから、もはやオレはほかのゲームミュージシャンとは一線を画していると勝手に思っています。だってオレ、企業の後押しとかそういうのもなしに12枚もCDを制作しているんですから。まぁ今回からサイトロンさんと組んでやってますけど、そもそもレコード会社からオレのところに「CDを出しましょう」っていう電話がくるわけじゃないんだし。自分でデモテープを作って……。

−−それでご自分でレコード会社に売り込みに行ってるんですか!?

葉山 そうですよ。それを12枚も続けて。だから本当に、自分の力で作っているという自負はある。

 オレの好きな言葉で、"意志なければ成らざる"っていうのがあるんです。"意志がなければ何も成り立たないし、成功もしない"って意味なんですが。その言葉じゃないけど、ほかのゲームミュージシャンたちとはやる気が違うと思ってますよ。だって、こういう活動する人がいないんだもん、ぜんぜん。後ろも前も省みず突貫する人とか、●●●●にケンカを売ってみたりとか(笑)。みんなそういうことしないんだもん! だから、じゃあオレがゲームミュージックの中からJ-POPに挑戦してやろうと。そう思ったんです。……長いですね、話が(笑)。

葉山さん その3


●「ファンも目を覚ませよ!」ってとこはある

−−今回のCDでは新しい方向性を打ち出してらっしゃいますけど、ファンのかたがたはいまだに『超兄貴』のイメージが強くて、「兄貴、兄貴」って葉山さんのことを呼びますよね。そのギャップというか、違和感とかそういうものはありませんか?

葉山 オレは、アルバムをこれまで11枚出して、この『明日は晴れる』が12枚目ですけど、その都度そのたびに1曲か2曲はボーカル曲を入れているんですよ。で、そういう曲をファンのかたは「いい!」って言ってくださる。オレ自身、歌なんか下手くそですよ。それに現代のJ-POPは、作曲、アレンジャー、演奏、プロデューサー、みなそれぞれのプロが分業して、大勢でCDを作っている。オレは作詞作曲編曲から演奏や歌に至るまで、ほとんどひとりでやっているから、音色とか歌の録音技術、テクノロジーなんてかなうわけがない。だから、はっきり言ってJ-POPには何ひとつ勝ててないと思ってます。だけどオレは、ハートの部分では負けてるなんて絶対思ってない。

 だから逆に、ゲームミュージックのファンたちがいままでのオレを求めているんであれば、おおいに幻滅していただいて結構だ、と(笑)。それで「ファンも目を覚ませよ!」ってとこはありますよ。今回のアルバムにしてもしつこく言ってるように、"ゲームミュージックの棚から放つJ-POP"なわけだから。それはそれとして聞いてもらわないと。ただ、今回は異種格闘技戦なので、あくまで核はゲームミュージシャンの葉山宏治で変わりはないです。

−−今回のアルバムに関しては、自分の好き放題というか、思ってることを存分にできたって感じですか?

葉山 好き放題、とはちょっと違うかもしれない。そもそもオレは、15年くらいまえからこういうアルバムは出したいって考えていたから。でも、それをやりたくても『超兄貴』がヒットしてしまった関係上、ちょっと作れる環境になくて。

−−あー、なるほど。『超兄貴』のヒットが逆に仇になってしまったと。

葉山 だからこんなに時間がかかってしまったという。

葉山さん その4
−−じゃあ、やっとできたっていうイメージのほうが……。

葉山 うん、強い。やっと作らせてもらえたかなという感じ。だからまぁ、人によっては「葉山の勝手な自己満足じゃないか!」って捉えられるのかもしれないですけど、アーティストの作品なんてほとんどが自己満足なものなんで。それに今回形を変えてボーカルアルバムになりましたけど、表現のしかたが変わっているだけで、やってること自体は基本的に変わらないですからね。いつもはサンプリングで、今回はボーカルで、ってだけで。

−−じゃあ、今後もゲームミュージックの活動は引き続き行う、と。

葉山 ええ、それはもちろん。いまも超大手メーカーと交渉中ですから。超大手って言っちゃうとわかっちゃうかもしれないけど(笑)。

−−んー、RPGとかそういう作品をやるんですか?

葉山 いや、まだそこまでは決まってないです。

−−あっ、でも『スーパーロボット大戦α』の曲を作られたときはビックリしましたよ。あ、こういう作品の曲も作っているのか! って(笑)。

葉山 そうですか(笑)。


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