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来年の東京ゲームショウには早くも新作が? 小島監督のトークイベントにて

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●「日本のゲームは海外と比較すると正直負けています」(小島)

 

▲ゲーム業界の今後について深く考えさせられるトークイベントだった。

 

 東京ゲームショウ2008最終日の10月12日、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンブースで、”PLAYSTATION3×KONAMI METAL GEAR SOLID 4 -The Global Challenge-”と題したトークイベントが開催された。登壇したのは、KONAMIの小島秀夫監督とエンターブレインの浜村弘一氏。話のテーマとなったのは、プレイステーション3の特性と今後のゲーム業界のグローバル化について、だ。

 

 ご存じのとおり、圧倒的なグラフィックを誇る『メタルギア・ソリッド4・ガンズ・オブ・ザ・ パトリオット』は、デモムービーとプレイ画面の境界線を感じさせない作りが最大の魅力だ。世界中でゲーム史上最高のクオリティーと絶賛されたことが記憶に新しいが、プレイステーション時代から”ムービーがなくなる日”をテーマにソフト開発と向き合ってきた小島監督にとって、「やっとここまできたか」という安堵の気持ちのほうが強い。浜村氏は「映画のようなゲームという言葉が昔あったが、これは別モノ。ゲームのキャラクターが俳優にも思える」と表現したが、これについて監督自身は独自のこだわりがある。

 

 「デモシーケンス(ゲームプレイとデモが一続きで構成されている)ですが、すべてを動かせると感動が薄れてしまうこともある。ある程度デモに集中してもらいながらも、ある行動をするとストレスゲージが増減したり、フラッシュバックしたり、カメラを動かしたら何かが見えたり、そういう工夫はしてます。これはプレイステーション3の高い処理能力で、リアルタイムでレンダリングできているから。これこそがゲームならではの手法で、もっとも得意分野でもあります。でも、となりでみている友だちや彼女、家族が映画として観られるクオリティーも目指してはいるんです」

 

 確かに、今作は最終章ということもあり、デモシーケンスの部分が長い。これについては積極的に議論が交わされているが、デジタル時代だからこそ映画とゲームの境目が徐々になくなりつつあるのは確か。監督には映画だからとか、ゲームだからとか、そこにこだわりはなく、その作品を観てユーザーがどう感じるか? どんな発展性があるか? がもっとも重要なのだ。「(デモシーケンスの部分が長いとか短いとか)そんな議論は10年、20年後にはなくなっていると思います」(小島)。大の映画好きでもある監督ならではのエンターテインメント哲学で、のっけから来場者をうならせた。

 

 つぎに、先立って行われたワールドツアー2008の映像が公開された。各国のファンの熱狂ぶりはすさまじく、どこでも「HIDEO!」コールが巻き起こる。まさに狂喜乱舞。「フランスでは身の危険を感じるほどでした」や、「「I Love You」と言われてもね。ほとんど男性なのに(笑)」、「「おまえは最後のおっさんだ!」と間違えた日本語を覚えさせられてくるファンもいました」など裏話に花を咲かせていたのだが、浜村氏の「しかし、海外のゲーム市場はものすごくのびてますよね」という言葉で話は急展開。小島監督は日本のゲーム業界に警鐘を鳴らすという意味で、「5年まえくらいから言っているんですが、正直、日本の状況はやばいですね」という衝撃的な言葉を言い放った。監督はさらにこう続けた。

 

 「海外のゲームを見ると最近は落ち込むんです。技術的にはほぼ負けてます」(同)

 

 あれほどのゲームを作っている開発者とは思えぬ発言に、浜村氏も「ほんとですか!? 『メタルギア ソリッド』チームでも?」と少し戸惑いの様子。しかし、それでも「負けてますね。僕らの課題はここ1、2年で海外に追いつけるかどうか。非常に危険な状態です」と深刻な面持ち。

 

 実際、海外でも売れている日本発のタイトルは数えるほどしかない。この原因のひとつとして、小島監督はクリエーター、メディアの危機感の薄さ、そして海外のように莫大な資本が日本にはないことをあげた。

 

 「海外では国をあげてゲーム産業を支援してますし、ハリウッド方式が定着しています。世界中から優秀なクリエーターをつかまえてきて、とてつもないバジェット(予算)で、高いリスクを背負ってでも開発している。ここでハリウッドで鍛えた嗅覚がものを言うわけなんです」(小島)

 

 新ハードが登場するとおのずと必要となってくるのが研究費。とくにここに海外と日本の差があるようで、「最近はこの差が顕著に出てきている」と苦言を呈す。加えて、最近ではアメリカへの人材流出も深刻だという。「優秀な人はアメリカに行くべきなのか? とは思わない。ゲームは日本発信の文化、日本の中で世界を見ながら作っていくことが大事」と小島監督が言うと、浜村氏も「日本でも売れて、海外でうけるのが理想ですね」と同調する。では、どうすればいいのか?

 

 「日本のゲーム業界はまずは現実を見ないといけない」(小島)

 

 この言葉はずっしり重い。その第1段階としてクリエーターがグローバルな視点を持つことが重要だ。でもその一方で、「日本人特有のセンス、ゲームデザイン、サービス精神がゲームの繁栄をもたらしたのは確か。これをうまく利用して世界に広げましょうということです。決して、日本人がアメリカに行って、アメリカ人を使って世界で勝負しよう、ということではない。日本のセンスは失ってはいけない」と監督。

 

 グローバル展開――日本のゲーム業界でさかんに叫ばれているが、実現できてないソフトメーカーがほとんどだ。技術的な問題、資金の問題と課題は多いが、小島監督は「若い世代の方々といっしょにがんばりたい。僕は日本人といっしょにグローバルに勝負したい。僕は死ぬまでゲームを作り続けます」と来場者はもちろん、業界全体に対してもエールを送った。我々メディアも深く考えさせられる言葉だ。

 

 話は『メタルギア ソリッド』シリーズの今後についても及んだ。浜村氏の「シリーズの今後どうなるのか?」という質問に、「熱烈なラブコールがあることは確かですが、いまは考え中です(笑)」としながらも、「新ハードでの開発は、2、3作品目のほうが脂が乗ってくる。今年の年末は『メタルギア オンライン』で手一杯だけど、来年のゲームショウでは何か発表ができるのかな、これ言ってもいいのかな(笑)」と意味深な発言も。これを聞いて期待が膨らまない人はいないはずだ。

 

 これまで読んできてわかるように、今回のトークショウでは、世界を舞台にする小島監督ならではの含蓄のある言葉が多く飛び出した。最後に記者がその言葉の中でもっとも印象深かったものを掲載したい。

 

「(浜村氏の「プレイステーション3での開発は難しかったか? いろいろなソフトメーカーさんから苦労したという話をよく聞くが」という質問に対して)作りにくいほうがいいんです。みんながあきらめてしまう分、優位にたてる。不可能を可能にするのが僕の人生のテーマ。不可能というのは、ほとんど9割くらい不可能じゃないんですよ。前例がなかったり、面倒くさいとか、難しいというだけで。でも、それをやると簡単に評価されます。みんなができるところでやるとそれだけ難しい。作りにくいというのは語弊がありますけど、プレイステーション3は複雑で高度なハードなんでたいへんですけど、好きだからこそがんばれますよね」

 

 

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