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【プレイリポート】『バイオニックコマンドー』の“ジャンプ”はスウィングアクションをピリっと締めるスパイスです
【東京ゲームショウ2008】

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●勇気を出してジャンプしてみよう

 

 2008年10月9日〜12日にかけて、千葉県の幕張メッセで東京ゲームショウ2008が開催中(一般公開日は11日、12日)。ファミ通.comではブースやイベントの模様をいち早くリポートする。

 

 カプコンブースの目玉タイトルといえば、『モンスターハンター3(トライ)』、『バイオハザード5』のふたつで間違いないだろう。しかし、あえて言いたい。今年のカプコンブースでもっとも記者が個人的にアツくなったタイトルは、プレイステーション3、Xbox 360用ソフト『バイオニックコマンドー』(2009年初頭発売予定)であった、と。


▲カプコンブース“男のゲームの2本立て!”のひとつとして出展された『バイオニックコマンドー』。イラストを見ただけで血が騒ぐ!


 ’88年に発売されたファミコン用ソフト『ヒットラーの復活』の続編に当たる本作。いちばんのウリは、主人公“ネイサン・スペンサー”の腕に装着された“バイオニックアーム”から射出されるワイヤーを使って、縦横無尽にステージ内を移動できる“スウィングアクション”だ。2Dアクションゲームだった前作にはそもそもジャンプという概念がなく、ワイヤーを引っ掛けて移動するというシステムを理解しない限り、いきなり最初のステージから詰まるという硬派な難度になっていた。あれから20年、『ヒットラーの復活』はハードの進化に合わせて3Dアクションゲーム『バイオニックコマンドー』へ生まれ変わり、そして、驚くべきことにジャンプが可能となっていたのだ! 事情がわからない人のために例え話で説明すると、好きだった清純派グラビアアイドルがいきなりヌード写真集を出したときのような、うれしくもあり少し悲しくもある、そんな気持ちといったところだろうか。ジャンプの存在は。

 幼少のころに前作をリアルタイムで体験し、スパルタ難度の洗礼を受けていた記者は、『ヒットラーの復活』もこの20年で年を取ってずいぶんと丸くなったんだなぁ、と思いながらコントローラーのスタートボタンを押した。ゲームが始まり、まず最初に画面へ映し出されたのは、トレーニングルームと思わしき場所。いまどきのゲームらしく、本編へ入るまえに基本的な操作方法を身につけるためのチュートリアルというわけだ。が、前作でほとんど何の説明もないままいきなり戦場へ放り出された思い出を持つ記者は、とてもその続編と思えない至れり尽くせりぶりにえらく感心してしまった。

 

 今回記者がプレイしたのはプレイステーション3版。ゲーム画面は3人称視点で描かれており、左アナログスティックでキャラを動かし、右アナログスティックでカメラ移動という、このタイプのゲームでは非常にポピュラーな操作形態だ。攻撃はR2ボタンによる武器攻撃がメインとなるが、そのほかに○ボタンでパンチ、△ボタンでへビーパンチを使用することができるので、接近戦ではこちらをメインに戦うのがいいかもしれない。そして、この作品のキモであるワイヤーの射出。これはL2ボタンで行うことができる。ワイヤーは武器攻撃と同様に照準を合わせた場所へ射出され、加えて画面中央のアイコンがグリーンになっているときに限り、障害物などへワイヤーを引っ掛けることができるようになっている。2Dアクションだったころは縦横の距離だけでタイミングを計れたが、画面が3D化され奥行きが追加されたことに合わせて、この“引っ掛けられますよ”サインが搭載されたというわけだ。

 

 さて、問題(?)のジャンプである。これは×ボタンで行うのだが、体験プレイを開始してしばらくのあいだ、記者はそんなボタンは最初から存在しないと言わんばかりに、このアクションを無視し続けた。ふつうのアクションゲームのキャラクターなら難なく飛び越えられるであろうブランク(即死ポイント)を、スウィングアクションで何とか飛び越えていた主人公の不器用さを愛す身として、ジャンプボタンの存在を認めることは、何となく自分への裏切りのように感じられていたのだ。しかし、ある程度チュートリアルを進めたところで、どうしてもジャンプボタンを押さなければいけない場面に遭遇してしまう。

 

 そこは、スタート地点を含めわずかな足場しかない部屋で、壁からはいかにもワイヤーが引っ掛けられそうな柱が何本か飛び出している。考えるまでもなくここは、スウィングアクションを使った連続空中移動をマスターせよ、という主旨の部屋。ここまでのチュートリアルは、ワイヤーを引っ掛けて離すだけの単純なスウィングアクションのみだったが、いよいよアクロバティックな連続跳躍が楽しめる段階まで来たというわけだ。しかし、足場の際から、もっとも手近な柱へ照準を合わてみても、画面中央のアイコンはグリーンにならない。ひょっとして、あそこの壁に引っ掛けられるのかな? と狭い足場をウロウロしてみるが、以前としてアイコンの色に変化はなし。そう、ここでは足場の際からジャンプをして、柱との距離を縮めてから照準を合わせる必要があるのだ。自分に対する背信行為と思いつつ、いままで封印していた×ボタンを押してみる。するとどうだ、あの不器用だった主人公が、ヒョイと跳ねるではないか。「おお……ジャンプしてる」。こんなことで一喜一憂する人間はかなり少ないと思うが、個人的には自分の力のみでジャンプするその姿に、20年という歳月の重みを感じてしまった。

 

 ついに(個人的に)解禁されたジャンプ。その感触はひとことで言えば「悪くない」だ。さきほど、ジャンプする姿を“ヒョイ”と表現したように、飛距離は“いい意味で”かなり頼りない。大きなブランクを華麗に飛び越えるなんて夢のまた夢。ジャンプアクション界のスターであるマリオが見たら「そんなのはジャンプじゃないよ」と言うに違いないだろう。『バイオニックコマンドー』におけるジャンプ、それは移動手段としてのジャンプではなく、スウィングアクションを成功させる“過程としての”ジャンプだったのだ。


 いままではワイヤーを射出することだけに集中すればよかったのだが、本作では射出のまえにジャンプで距離を縮めるというアクションも必要となった。つまり、より緊張感のあるプレイ内容になったということ。ひさびさに会ったアイツは見た目こそいま風だけど、中身は昔と少しも変わらす高難度で硬派なアイツだった! 一方的にジャンプとの和解を果たした記者は、そこからさきの体験プレイでは跳ねまくる。ジャンプ、照準を合わせる、ワイヤーを射出する、というこのシビアな操作が、アクションゲームファンとしてたまらなく楽しかったのだ。

 

 画面が3Dになり加えてジャンプまで搭載されたことにより、スウィングアクションのシビアさが半減してしまうのでは? と思っていた人は、恐らく自分だけではないだろう。しかし、その思いは杞憂に終わった。むしろ、前作以上にスリリングでダイナミックなプレイ体験が『バイオニックコマンドー』には詰め込まれている。かつて『ヒットラーの復活』を遊んだ人も、そうでない人も、歯応えのあるアクションゲームを求める人ならきっと満足できる作品に仕上がっていると思う。


▲というか、3Dアクションゲームにジャンプが存在しなかったらちょっとした段差にもひっかかってしまいゲームになりませんよね。記者は本シリーズを愛するあまり、冷静さを失っていたのかもしれません。


 と、ここまで書いてかなり個人の趣向に走ったプレイリポートであることに、いまさらながら気づかされた。そこで、前作との比較は抜きで『バイオニックコマンドー』単体として見た場合のプレイリポートも記そう。

 

 本作最大の特徴は上で長々と述べたとおり、スウィングアクションにある。遠くにある障害物などにワイヤーを引っ掛け、ぶら下がり、その反動で大跳躍を決めるという爽快感は、このゲームならではのものと言えるだろう。ワイヤーを引っ掛けられる場所も「あそこいけそうだな」と思った場所にはほぼすべて引っ掛けることが可能で、操作になれればほとんど地に足をつけることなくステージ内を移動できそう。グラフィックは細かいところまで描き込まれており、崩壊した都市の表現に説得力を持たせている。また、高い場所からダイブするときのフォール感には、グラフィックの美しさも相まって足がすくむほどのリアルさが感じられた。


▲記者はいちどだけバンジージャンプを体験したことがあり、非常に楽しかった思い出がある。『バイオニックコマンドー』が発売されたら、毎日のようにあの楽しさが味わえるのでしょうか。


 『バイオハザード』、『モンスターハンター』、『ロスト プラネット』シリーズなど、さまざまなジャンルのアクションゲームを輩出してきたカプコンだけあって、戦闘部分もしっかりと作り込まれている。武器の種類は今回確認した限りでは、銃のほかにグレネードも用意されており、ただ撃ち合うだけではない戦略的な戦いが楽しめそうだ。

 

 体験プレイは15分と比較的短い時間だったため、チュートリアルをクリアーして、本編部分を遊んだ時間は5分もなかったが、それでも本作最大の魅力であるスウィングアクションの醍醐味は十分に感じられた。

※『バイオニックコマンドー』の公式サイトはこちら
 

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