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『春の日は過ぎゆく』ホ・ジノ監督インタビュー |
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| 2002年5月20日 |
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| デビュー作『八月のクリスマス』('98年)で韓国全土に静かな感動を呼んだホ・ジノ監督が、3年の月日を経て撮りあげた最新作『春の日は過ぎゆく』。録音技師の青年と年上の女性DJのロマンスを、大自然の"音"の中に消え入るかのごとくつづった物語だ。ここでは、6月22日の日本公開を前に来日したホ・ジノ監督に、本作について話を聞いた。 |
−−主人公を録音技師という職業にしたのはなぜですか?
ホ・ジノ監督(以下ホ):『八月のクリスマス』の編集作業をしていた時、ミキシングの段階で小さな音が聞こえてきたんです。べつにどうってことのない、ささいな音だったんですが、何か気になって。音って、じつは場面場面で重要な役割を果たしているんじゃないかな、って思いました。それがきっかけで、次回作は音をテーマにしてみようと考えたのです。しかも、耳を凝らさなくては聞こえないような自然の音がいいかな、と。という理由から、主人公は大自然の音を収録する録音技師としました。
−−前作『八月のクリスマス』に続いて今回も恋愛モノですがテーマは?
ホ:『八月』は恋のはじまりを描いた作品。まだ恋愛が始まる前の話なんです。『春の』では男女の出会いから愛し合う過程を描きたいと思いました。
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| ▲韓国映画界きっての人気者ユ・ジテとイ・ヨンエの共演による『春の日は過ぎゆく』。 |
−−劇中では竹林や小川、海辺の音などがふたりの恋を演出するがのごとく効果的に使われていますね。それらはシナリオの段階から考慮していたことなんでしょうか?
ホ:主人公が録音技師だっていうことだけを先に決めて、そこにいろんな要素を肉付けしていきました。音とストーリーの絡みについては、作っていくうちにそうなっていった、というのが正直なところです(笑)。でも、主人公の男女が初めて意識し合うのが、小川へ音を採取しにいく場面という設定は最初から考えていた。音録りのときって声を潜めていなくちゃならないでしょう。そういうムードから恋が芽生えてもいいんじゃないかな、って。
−−青年が恋する相手はバツイチの年上ですが、その設定理由は?
ホ:この映画のヒロインは、人生経験豊富な人物にしたかった。単純に考えて年上に設定したのはそのためです。ついでに結婚経験もあったほうがいいかなって。そのほうが、青年がより純粋に見えるから。ヒロインはそんな彼をはじめはかわいいと思うんですけど、そのまっすぐな気持ちに素直に答えられない。それは、彼女が経験してきた過去のさまざまな出来事が、新しい恋に二の足を踏ませているためです。
−−ひょっとして監督自身の恋愛経験などもヒントになっていたりとか?
ホ:ボクの恋愛経験なんて、あまりにも昔のことでよく覚えていませんよ(笑)。韓国国内の傾向として最近では、年上の女性と年下の男性がおつきあいするケースも増えてきてるみたいですね。昔に比べたら女性がパワーを持ち始めてきてるんですよ。恋愛の上でも女性のほうに主導権があったりね。昔は、国自体の政情が不安定だったから、映画のテーマもたとえそれが個人の問題を描こうとしたものであっても、結局は社会や政治的な方面に向いてしまっていたんだ。だけど、最近では国も豊かになったし人々の生活にもゆとりができたので、映画も個人の問題、とくに日常生活の部分を描きたがる傾向にあるんじゃないかな。
−−国内外で影響を受けた監督っていらっしゃいますか?
ホ:影響を受けたってほどじゃないけど、小津監督の映画は好きですね、『東京物語』とか。日常生活をテーマにした世界観などが私と似ているな、と思います。私自身、いつも日常生活から人生観やしあわせを探してますもん(笑)。
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■ホ・ジノ
'63年チョンジュ市出身。延世大学哲学科卒業後、一時期サラリーマンとして働くが辞め、韓国映画アカデミーに入学。'98年にはデビュー作『八月のクリスマス』がカンヌ国際映画祭"批評家週間部門"をはじめ多くの映画祭に招待され絶賛を受けたほか、韓国内でも数々の新人賞を受賞する。
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