ハリウッド映画の常識をことごとく打ち破り、アカデミー賞で史上最多の11部門(のちの『タイタニック』はタイ記録)を受賞した名作が、ニュープリント&ドルビーサラウンド音声となって復活。紀元前26年、当時ローマ帝国の占領下にあったエルサレムに、新しい総督が就任した。部隊の指揮官として赴任してきたメッサラは、この都の富豪ハー家の当主ベンと少年時代からの親友で、ともに再会を喜びあった。ところが、新総督の就任パレードがハー家の前を通りかかった折りに事故が発生、総督がケガをしてしまう。怒った総督は、ハー一族を反逆の罪を着せ、都から追放。友人のメッサラが助けてくれるかと思いきや、なんと裏切られてしまったのだ。こうして、奴隷に成り下がったベンは、友の裏切りに一生をかけて復讐を誓うのだった。
『ベン・ハー』はスゴイ、スゴイって、いったい何がそんなにスゴいのか? それは数字で簡単明解。1500万ドル(当時の為替レートで54億円)という'54年当時では考えられない巨額の製作費、撮影フィルムは全長380キロメートル(東京〜名古屋間の距離に相当)、原作本はアメリカで聖書につぐ売れ行きを記録する超ベストセラーなどなど、数字がそのスゴさを表していたのだ。しかしただスケールがデカイだけでは、さすがのアカデミー賞もオスカーは授けない。宗教という難しいテーマを扱いながらも、権力や憎しみという感情の愚かさを説きつつ、人間愛を謳歌した内容は本当に素晴らしい。3時間30分という超大作なので、今後再映の可能性は低い。これが、映画館で観られる最後のチャンスかも!
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