イタリアの代表的映画監督ナンニ・モレッティが、息子の死と向き合う一家族の姿をつづった作品。自ら原案、脚本を手がけ、主役も演じている。イタリアの小さな港町で精神分析の診療所を営むジョバンニ(ナンニ・モレッティ)は、妻のパオラ、息子のアンドレア、娘のイレーネとともに平穏な日々を送っていた。ある日、急な往診から帰宅したジョバンニは、息子の死を知らされる。これを機に家族の心は少しずつバラバラになり、ジョバンニ自身も心のやり場をなくしていくのだが……。
モレッティは自ら主演を演じたこの作品を2001年の第54回カンヌ国際映画祭に出品。すでにこの時点でベネツィア国際映画祭審査員特別賞、ベルリン国際映画祭銀熊賞、カンヌ国際映画祭最優秀監督賞を受賞してきていたが、この作品で念願だったカンヌの最高賞であるパルムドールをついに獲得した。物語は主人公である精神科医の心の動きをたんたんと映し出しながら終始静かに流れていく。人の死という、非日常ではあるが誰にでも起こりうるできごとを、日常のできごととしてごくあたりまえのように切り取り、それを取り巻く人たちの葛藤をさりげなく描いた。人が立ち直るのは、普段は気づかないような些細なできごと……そんなことを改めて感じてしまう作品だ。
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