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ニュース 『リリイ・シュシュのすべて』蒼井優インタビュー
2001年10月5日
■1997年の企画発足後、紆余曲折を経てようやく完成へと漕ぎ着けた岩井俊二監督待望の最新作『リリイ・シュシュのすべて』。ウェブサイトの掲示板に書き込まれた一般の人たちの"声"から誕生したこの映画は、現実世界を必死に生きようとする、少年少女のリアルな心の叫びを映像化したものだ。

■物語は、個性の異なる14歳の中学生男女4人をメインにイジメ、援助交際、自殺……といったショッキングなキーワードを散りばめつつ展開。編集部では、メインキャストのひとりである津田詩織役の蒼井優ちゃんにインタビューを敢行。ピュアな彼女が演じる詩織は、映画の中でどんなリアルを見せてくれるのか? また、岩井監督が「遺作にしたい」というほどまでの本作は、いったいどんな作品なのだろうか?

●「役」津田詩織のこと

−−『リリイ・シュシュのすべて』ってどんな映画なんですか?

蒼井優(以下 優):まず、オトナの人は覚悟して観たほうがいいです。というのは、あまりにも痛いお話なので、自分が中学生だった頃の忘れてた記憶を急にドーン、って思い出しちゃうかもしれないからです。あまりのショックで心にポッカリ穴が空いちゃうんじゃないかな。映画を観た帰りに、買い物したりとか、誰かと遊ぶなんて気になれなくなると思います。もちろん、優と同世代の子にも痛い話ですけど、登場人物と同じ環境で生きてるっていう分だけ、まだショックは小さいかな。

−−そもそも"リリイ・シュシュ"って何なのでしょうか?

:映画の中に存在する有名歌手の名前です。彼女は、ちょっと変わってるっていうか、不思議な歌を歌います。でも、リリイ本人は、私たちの前には出てきませんけど。とにかく、映画の中ではカリスマ的存在。

−−優ちゃんの演じた津田詩織ってどんな子?

:クラスで酷いイジメにあってる、とっても気の弱い女の子です。レイプされてるビデオをネタに脅かされて、援助交際をやれって言われる。もうひとり、伊藤歩ちゃんが演じた久野陽子っていう女の子がいるんですけど、その子は精神的に強くて、イジメとかにもはむかっていける詩織とは正反対の性格。久野陽子が"光"だったら、詩織は"陰"ってタイプですね。


−−ずいぶんとまたハードな役ですね。

:完成品を観てビックリしたのが、詩織がイジメられてるシーンにワザとキレイな曲が使われてたこと。ドビュッシーのアラベスクがかかるんですよ。痛いところで暗い曲だと、もっと辛くなるかもしれないけど、これはこれでなんか不思議な感じがしました。

●「演出」岩井監督のこと

−−そんな不思議な映画を作っちゃう岩井俊二監督ってどんな人でした?

活動:「『走れケッタマシン』という、日本初のミュージカル映画を撮ってます。今回は恋ができる役なので、ちょっとうれしい」
:岩井監督は、友だち感覚で接してくれる優しい人でした。演技指導とかもあんまりないんです。普通だったら、もっと大きな声でセリフを言いなさい、とかあるんですけど、岩井監督の場合は逆で、普段しゃべってるような感じで、って言われました。気を使ったことは一度もないです。

−−これまでの岩井作品の中で、お気に入りはありますか?

:じつは、岩井監督の映画に出ることが決まってから観たんです。もともと芸能界とか興味なかったので、岩井監督のこともあまり知らなくて。ぜんぶ観たんですけど、そのなかでも優が好きなのは、『PiCNiC』と『スワロウテイル』。それに、監督が脚本を書いた『アクリ』も良いですねー。ちなみに『リリイ〜』は、いままでの岩井監督の作品とは、ぜんぜん違いますよ!

●「撮影」ロケでのこと

−−本作のロケは栃木県の田園で行われたそうですが、撮影現場はいかがでしたか?

:もう、ホンっとに楽しかった。優たち4人(市原隼人、忍成修吾、伊藤歩)は、みんなオーディションで選ばれたメンバーで初対面なのにどうして、っていうくらい仲良くなって。ロケは山の中で、周りには何もなかったんだけど、仕事が終わるとみんなで毎日どこかへ遊びに行ってました。だから、クランクアップの時はとっても辛かった。打ち上げをした栃木の健康ランドでみんなで大泣きしました(笑)。あと、現場で親指の半分くらいしかない小さなカエルを2匹飼ってて、"リリイ"と"シュシュ"っていう名前をつけてみんなでかわいがってましたね。

−−映画初出演ということですが、演技で苦労したことは?

:雪の中で倒れてるシーンを撮ったんですが、それが1時間くらい放置されて、もう寒くて寒くて。あとは、川の中に飛び込むシーン。自分の身長と同じくらいある川に制服のまま走って突っ込んでいったんですけど、足元は真っ暗だし川は深いし。アレはすっごく怖かったですね。

:「コンビニやファーストフードでバイトしてみたい。"バイト"ってカッコいいですよね、響きが」
●「優」蒼井優のこと

−−生の優ちゃん、現在どんなことに興味があるの?

:いまは映画にハマってます。こないだ『顔』を観ました。いままで観た映画のなかでいちばんおもしろかった。優がいま憧れてる女優さんは、桃井かおりさんなんですけど、藤山直美さんも貫禄があってカッコよかった。ほかは、『連弾』とか『アンジェラの灰』を観ましたね。ハリウッド系とか大きな映画にはあんまり興味がないんですよ。

 あと、優、『ドラえもん』が昔から大好き。映画はぜんぶ観てます。とくに、同時上映の短編によく出てくるミニドラが、かわいくて好きなんです。お気に入りのキャラはジャイ子! マンガとか上手くて感心しちゃいます(※ジャイ子は"クリスチーネ剛田"というペンネームで少女マンガを描いている)。

−−『リリイ〜』ってウェブサイトの書き込みから生まれた映画だけど、優ちゃんもインターネットって活用してる?

:家にパソコンはあるんですけど、じつはあんまり(笑)。友だちのホームページとかはたまに見ます。あとは、いま朝日中学生ウィークリーっていう新聞でコラムを書いてるんですけど、その原稿を打つときに使ってますね。メールは携帯でいっぱいやりますよ。でも、文章を打ってるときに、つい電源ボタンを押しちゃって、全部消えちゃうっていう失敗をよくしちゃいます(笑)。

■蒼井優

'85年8月17日福岡県出身。'99年、ミュージカル『アニー』のポリー役に約10000人の中から選ばれてデビュー。以降、テレビ東京系『おはスタ』に"おはガール"としてレギュラー出演後、雑誌やCMなど幅広く活躍。また、9月25日に初の写真集『優』が発売された。今後は、4本の出演映画作品が、年末から来春にかけて公開を控えている。


リリイ・シュシュのすべて
公開日 2001年10月6日
劇場 渋谷シネマライズ、シネスイッチ銀座
監督 岩井俊二
出演 市原隼人、忍成修吾、蒼井優、伊藤歩
配給 ロックウェルアイズ
公式サイト http://www.lily-chou-chou.com/

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