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episodeIII interview 坂口監督が語る!DVD版FF MOVIEの見どころ
 DVD版『ファイナルファンタジー(FF MOVE))』特別企画第3回は、監督を務めた坂口博信氏が登場!! 映画公開を終えた心境、そしてDVD化によって生まれる『FF MOVIE』の新たな魅力について直撃インタビューしてみました。
FF映画、DVDならではの楽しみ方

編集部)つぎに、DVD版『FF』ならではの魅力を教えてください。まず榊原さん(共同監督)と制作スタッフによるコメンタリーが面白いですね。

監督)最初コメンタリーが入ってるって聞いて、クレームつけましたよ。DVDの容量がないはずだから、映像の質が落とされたんじゃないかと思って。当時、片面2層のDVDって『タイタニック』ぐらいで、片面1層がほとんだと思ってましたし。

編集部)片面2層の登場は最近ですね。確かに『タイタニック』('99年10月発売)が最初だったはず。

監督)「コメンタリーなんて入るわけがない」と怒っていたら、「坂口さん、何言ってるんですか。2層ですよ」と言われました。時代に取り残されていましたね……。コメンタリーはホント面白いですよ。「あーでもない、こーでもない」といろいろ言ってるので、ぜひ聞いてみてください。

編集部)音のサラウンド感などはいかがでしょう?

監督)詳しくはわからないんですが、数多くの作品の音響を担当してきたスタッフ(ランディ)の話によると、彼が手がけたサラウンド多用の映画として3本の指に入るらしいんです。私は専門ではないんで、「じゃんじゃんやってください」という発注をしただけなのですが。ちなみに彼らは最終的に"8.1ch"まで作ってました。

編集部)"8.1ch"!! 本当ですか!?

監督)将来的なフォーマットに対応するようにと。もちろんDVDでは5.1chまでしか入りませんが、将来もっといい音のがでるハードが出るかもしれないですし。

編集部)あとの3chは上とか下なんですかね?

監督)さあ? とにかく作業的には"5.1ch"以上のことをやっていました。スタッフは「徹夜だよ、これから」って言って、そんなものつくってたんですね。

編集部)通常の映画館では十分な音響設備を整えているところが少ないので、映画版『FF』のサラウンド感を味わえた人は少なかったのではないでしょうか?

監督)中域と高域の微妙なところがでてこない劇場が多いですね。実際には"吐息"とか"衣ずれ"の音などが入っているのですが、一般の映画館では聞こえてこないのが残念でした。低音もいい低音だと"切れる"んですが、どれも一緒くたに「ズドドドーン」ってなっちゃう。音に凝ってる方にとって、『FF』DVDは家の5.1chで試すのにいいソフトだと思いますよ。

編集部)なるほど。音声面もかなりスゴいってことですね。ところで、DVD版ならではとも言える"特典映像"もスゴい。特にスピリチュアルのほうは盛りだくさんですね。

監督)4年もかかっているわけですから、結構貯まっているわけなんですよ、余計な映像が(笑)。あと、CGなんで、部品単体で見ても面白いじゃないですか。劇中だと片側しか見えないけど、グリっと(視点を)回してみたり、変な話しだけど、テクスチャーを"開き"にしてみたりとか。

編集部)CGに興味ある人は勉強になるでしょうね。

監督)スタジオへ見学に来た人は興味深く見てましたね。せっかくだから集めてみようかと。僕らにとっても記念になりますし。キャラクターやメカのCGファイルなんかも参考になると思います。CG制作に興味ある人には、シーンごとの解説なんて参考になりますよ。"CGメイキング"では、日本語で判りやすく解説していますし、スピリチュアルのほうはコンポジットやマットペインティングに特化した解説もあります。

編集部)(特典映像の)ストーリーボード&CGラフカットというのは?

監督)実は、制作の初期段階において、テクスチャーも貼っていない、アニメーションもしていないラフなキャラクターで芝居させているんですよ。カメラ位置を決めるために。ラフだからリアルタイムにツール上で(CGキャラクターを)回せるし、カメラもその場で変えてみたりしながら試行錯誤するわけです。極端なことをいえば、街を組んでみて、ロケハンしてみるとか。それとストーリーボード(絵コンテ)などをつなぎあわせて全編を構成しています。

編集部)全編! 『FF』を2度楽しめてしまいますよ。

監督)オープニングなどを除いて、全部入ってます。80分ほど。アニメなどでもストーリーボードを見られるものはあるけど、僕らのはCGもからんで制作過程を行ったり来たりしているんで面白いと思いますよ。

編集部)このオリジナルオープニングというのは?

監督)シナリオに変更があってボツになったものなどが収録されています。ちなみにDVDのオープニングは映画版と違うものを使っています。DVD用に新たに作られたもので、映画の本編にはないシーンを別途制作しました。

編集部)放送作家のおちまさとさんとのインタビューも収録されてますね。

監督)なぜか居酒屋で飲みながらやりました。僕がはじめ企画したマジメなものとは違うコンセプトになってしまったのですが……。安いワインだったので、次の日頭痛くなってしまうし(笑)。ただおちさんは映画のテーマなどにすごく共感して頂き、すごく面白い対談になりました。

編集部)最後になりますが、坂口さん自身もストーリー中に出演されていると聞きました。

監督)出てます。ラストに作った評議会のシーンです。スタッフが遊びで作っていて、「何やってるの?」と覗いたら、私がグリグリ回ってました(笑)。あと、スタッフが「ぜひ入れさせてくれ」と言って"チョコボ"とかも一瞬ですが登場させてしまいました。

編集部)チョコボもですか!

監督)DVDで一時停止しながらチェックしてみてください。これらも映像特典の"隠し映像"としてピックアップされてますよ。「ここだ」ってクローズアップされてます。

編集部)FFファンは必見ですね。本日はどうもありがとうございました。

坂口博信監督プロフィール
1962年茨城県出身。横浜国立大学電気情報工学科在学中に、スクウェアの前身「電友社」にてゲームを開発。パソコン用ソフト、ファミリーコンピュータディスクシステム用ソフトの開発を経て、1986年、スクウェア設立に伴い、取締役企画・開発部長に就任。1987年には「ファイナルファンタジー」を発売。以降、「ファイナルファンタジー」シリーズのディレクター、プロデューサーを務め、「クロノ・トリガー」「パラサイト・イヴ」など数多くの作品を手がける。1991年スクウェア代表取締役副社長に就任。開発部門を統括する。現在は、スクウェア・エグゼクティブ・プロデューサーを務める。


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