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ニュース 「50代のための映画」大林監督の最新作がついに明らかに
2002年5月24日
▲夢のコラボレートを果たした大林監督&伊勢正三(両端)。細山田隆人と須藤温子も異例の大抜てきだ。
 広島県・尾道市を舞台にした"尾道三部作"でおなじみの大林宣彦監督が、こんどは大分県・臼杵市を舞台にして作り上げた『なごり雪』。この作品が撮影現場となった臼杵市での先行上映を終え、9月に全国公開されることが決定し、5月24日、その報告を兼ねて大林監督をはじめ出演者、関係者らが記者会見を開いた。

 『なごり雪』は、漠然とした自殺願望にとらわれながら孤独に暮らす男・梶村祐作が、28年ぶりに故郷の臼杵に戻り、青春時代の思い出をよみがえらせる姿を描いた作品。伊勢正三の名曲『なごり雪』をモチーフに、臼杵の美しい情景と大林監督ならではの人間ドラマが繰り広げられる。

▲かつての日本へのこだわりを見せる大林監督。
 会見には、大林監督をはじめ伊勢正三、細山田隆人&須藤温子ら出演俳優陣、そして臼杵から参加した後藤國利市長らが参加。まず最初に大林監督が、本作の舞台を臼杵市に決めたことについて「2000年に大分で開催された天皇陛下の植樹祭をプロデュースさせていただいたのをきっかけに、後藤市長にお会いしました。そのとき『古いものを何に生かせるのか考えてから開発するか否かを決める』というお考えを聞いたんです。実際に市内も30年くらい前の美しい町並みがほとんど残っていまして、これは自分の主義とおなじだな、と思って『ぜひ臼杵で映画を撮らせてください』とお願いしました。尾道三部作を撮ったのは、生まれ育った尾道が開発で壊されるのを防ぐためでしたから」と説明した。

 続けて「はっきり言って若い人向けに作ったものではなくて、登場人物とおなじく50代の方に向けた作品だと意識しています。そういった人たちが30年前に過ごした青春時代、ひいては日本そのものの青春時代の物語ですね」と作品のテーマを解説。そして「臼杵では警察や役所の方々、そしてエキストラで参加された市民のみなさんひとりひとりまで、みんな献身的に協力してくれました。本当にお礼を言いたいです」と臼杵市へ感謝のメッセージを送った。

▲「たくさんの人に歌われて、みんなの胸に刻まれた時点で作者冥利に尽きることです」と『なごり雪』について語る伊勢正三。
 この映画のために今回新たにレコーディングも行った伊勢正三は「正直『なごり雪』という曲は僕の手を離れたと思っていました。それが50歳を迎えた今になって自分のところに戻ってくるとは、本当に意外でしたね」と感慨深げにコメント。そして「今にして思えば、『なごり雪』という曲は自分が臼杵のとなりの津久見から上京してきた、その故郷との距離感みたいのがあってこそ完成したんだと思います」と曲に込めた思いを明かした。


▲撮影当時の思い出がよみがえり、思わず涙する須藤温子。
 青年時代の主人公・祐作を演じる細山田隆人は「僕は臼杵で1ヵ月くらい撮影していたんですけど、すごくいい街です。『ここにずっといたい』と思ったくらいで。現場でも近所の人がわざわざ食事を作って持ってきてくれたりして、本当にお世話になりっぱなしでしたね」と撮影当時の様子を披露。ヒロイン・雪子役の須藤温子も「撮影中は緊張することが多いんですけど、臼杵の人たちはすごく自然に見守ってくれました。こんなすばらしい作品に参加できたことを誇りに思います」と、感極まって涙を見せつつも思い出を振り返った。

 臼杵市での先行上映では、わずか6日間で10000人もの観客動員記録を達成した『なごり雪』。全国公開後は日本中に静かな感動の渦を巻き起こすことになりそうだ。


なごり雪
公開日 2002年9月
劇場 日比谷スバル座ほか全国
監督 大林宣彦
出演 三浦友和、須藤温子、細山田隆人
公式サイト http://www.nagoriyuki.com/

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