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ニュース 吉田喜重監督14年ぶりの新作が完成
2002年4月18日
▲左から一色紗英、田中好子、岡田茉莉子、吉田喜重監督。監督夫人でもある岡田は30年ぶりの吉田作品への登板となる。
 故・松田優作を主演に配した『嵐が丘』から、じつに14年ぶりとなる吉田喜重監督の最新作『鏡の女たち』がこのたび堂々完成。4月17日に都内劇場で初披露試写会が開催された。上映前には吉田監督をはじめ、主演で吉田監督の妻でもある岡田茉莉子と共演の田中好子、一色紗英による舞台あいさつが行われたのだ。

 『鏡の女たち』は、原爆によって広島が受けたダメージを、祖母、母そして娘と3代の女親子を通じて浮き彫りにする作品。『戒厳令』や『人間の約束』など社会派作家として知られる吉田監督が、7年の構想を経て作りあげた力作だ。

▲「いち戦争体験者として、戦争の悲惨さを伝えたかった」と吉田監督。
 あいさつに立った吉田監督は「この映画は原爆をテーマにしてますが、被爆もしてない自分にはたしてこれを描く権利があるのか、と随分悩みました。被爆で死んでいった人たちにこそ語れるのだと。だからこの映画は、原爆を知らない私が描いたという意味において、ある意味私的に作ったフィクションです。そして今日、観客の想像力が吹き込まれることで、初めて映画として完成するのです」と、本作への熱い思いをとうとうと語った。

▲「吉田監督の書く日本語がとてもきれいで、日常会話も美しくなりました」と一色紗英。
 被爆の事実を家族にひたすら隠し続ける主人公を演じた岡田は「女優デビュー50周年の節目にして、素晴らしい女性映画に出られたことを光栄に思います」と喜び、「この映画のために7年間がんばっていた監督のうしろ姿を見て、心の中で応援してました。そういうのって口に出していうことじゃないでしょ」と、吉田監督夫人として影ながら見守っていたことを打ち明けた。

 「男の人たちが起こした戦争によって、女性がどんなに悲しい思いをしたのかを、この映画を見て考えてほしい」(田中好子)、「戦時下で夫のいない家庭を守っていた女性の苦労は想像以上だと思う。本当に戦争はやめて、映画を通じてと世界中に伝えたい」(岡田)と、平和へのメッセージ色濃い『鏡の女たち』。本作は現在、5月に開催されるカンヌ映画祭への正式出品に向けて準備中とのこと。日本での公開は10月を予定している。

鏡の女たち
公開日 2002年10月
劇場 未定
監督 吉田喜重
出演 岡田茉莉子、田中好子、一色紗英
配給 グルーヴコーポレーション

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