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ニュース もう1回観るしかない!? 『ゴジラ』最新作徹底紹介(1)
富山省吾プロデューサー直撃インタビュー
2001年12月28日

 ゴジラ史上空前のスケール、そして重厚なストーリーで現在絶賛公開中の『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃』。その魅力の秘密を徹底的に紹介しちゃいます。まずはプロデューサー・富山省吾氏に直撃インタビュー。『ゴジラVSビオランテ』('89)以降の『ゴジラ』シリーズ通算8作品に携わってきた富山プロデューサーが考える"ゴジラ"とは? さらにクランクアップ前の撮影現場にも潜入。スタジオせましと暴れ回るゴジラの勇姿をご覧あれ。もう観た人もこれから観る人も、丸ごと満足させまっせ!! もちろん豪華なプレゼントも用意してますよ! ※プレゼント応募の受け付けは終了しました 
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−−そもそも本作の企画コンセプトはどういうものだったんでしょうか。

 まず、ハリウッドで作られた'98年のトライスター版『GODZILLA』(※1)の後に、日本のゴジラをしっかりと見せなきゃならないという思いがありました。やはりお客さんからもそういう声が強かったのもありますし。それで、まず始めるにあたって違う設定で3本作ろうと。で、まずは『ゴジラ2000ミレニアム』。これは『ゴジラ』におけるVSシリーズの総括。それをやったうえで去年の『ゴジラVSメガギラス G消滅作戦』で思い切って娯楽色とSFマインドの強い楽しいゴジラを作りました。これらはおかげさまで製作サイドとしても納得いくものになったので、それで今年は、『ガメラ』でおなじみの金子監督が観たい、作りたいゴジラを作っていただこうという話になりました。

−−これらゴジラ3作品は『GODZILLA』へのアンチテーゼだったわけですね。

 そうですね。ハリウッドの『GODZILLA』については、企画段階でエメリッヒ監督から造形デザインなどを見せてもらってましたから、一生懸命「従来のゴジラではない、新しいゴジラを作ろう」という意気込みはすごく感じていました。だから全力で作ってくれたことは疑っていません。まぁあとは「ゴジラとはなんぞや」という問題ですよね。人間が倒せる存在なのか、それとも倒せない超越したものなのか。このひとつのゴールに対する製作者の答えなわけで。彼らは「あれだけミサイルが当たったんだから死ぬだろう」と思ったわけです。やっぱり人間が主人公のドラマにおいて怪獣が乗り越えられない存在であるというのが理解できなかったのかな。まぁ次にやるときは理解してくれると思いますけど。『ターミネーター』とか『エイリアン』みたいな、珍しい例ではあるけどそういう映画もあるわけだから。

−−今回のゴジラも"戦争の犠牲者の思念体"という設定になっていて、倒せない存在ですが、そういうものがゴジラであろうと?

 ええ、そうです。生き物だったら死なないはずはない。でもそういったロジックを超えたものを、なおかつ現実世界のものだと考えたら「じゃあこうするしかないじゃないか」という金子さんの解釈だと思います。そういった部分と、なぜ日本に来るのか、という疑問に何としてでも決着をつけよう、という意識は金子さんにあったんですよ。ただ、その解釈にしても、劇中では天本英世さん演じる伊佐山老人が言っていることに過ぎないわけですが。あくまで今回限りの設定かもしれない。

−−今回のゴジラの表現に関してはどうお考えですか?

 最初に金子さんが「凶暴、凶悪なゴジラを作りたい」とおっしゃってた。過去にゴジラは見方によっては人間の味方をしているように見えるときもあったじゃないですか。第三者的な怪獣が出現したときは特に。でも金子さんが考えるゴジラはそうじゃないんだな、と。人間にとって最初から最後まで脅威になるゴジラ。まぁ1作目のゴジラですね。そのゴジラの原点にもう一回もどろうというお考えのようでしたから、これは是非やっていただこうと思ったんですね。この原点があった上で様々なパラレルワールドがあると思っていますから、そこをしっかり描いていただいたというのは、ゴジラの今日性を持たせるためにも大変よかったと思う。これができたから次にまた自由なものができるな、と。

−−もともと『ゴジラ』は核武装時代への問題提起的な作品として始まったわけですが、今回は特に原水爆問題のイメージが強い気がします。たとえばビジュアル的にも、最初にゴジラが熱線を放射したときの閃光とキノコ雲の演出とか。

 ゴジラと核の関連性は残そうという思いはありました。でも格別注文をつけたわけではなく、金子さんの中にもそういう思いがあったようです。初代ゴジラの根底にはやはりそういうテーマがあったので、それは踏襲したいと。ゴジラになぜ人気があるのか、理由のひとつに、やはり核実験のなかで生まれたという生い立ちがあると思います。それが日本という国のなかで独特の思いを想起させる。だから核の脅威から生まれた怪獣だという設定は外すべきではないと。

−−最初の企画の段階ではどういう感じに進んでいたんでしょうか。相当早い段階で金子監督にオファーを持ちかけていらっしゃったようですが。

 そうですね、前作の撮影が終わった直後くらいでしたか。まず最初に"どういうゴジラをやりたいか"を相互に確認する必要があるわけですよね。たとえば凶暴・凶悪なゴジラとひと口に言っても「人を食い殺すゴジラをやりたい」とか言われちゃうと、お正月映画の性格上ちょっと、というのはありますし(笑)。そのやりとりのなかで、強くて悪いゴジラが日本を襲う、そのゴジラから日本を守るために各地から怪獣が現れてゴジラと戦うんだ、という基本コンセプトが出てきたんです。それで「これはおもしろい」ということでその場で乗れましたね。

−−今回の現場で印象に残った仕事というのは?

 今回は金子さんの思うままに映画を作ってもらおうということで、スタッフも要望通りにほとんど『ガメラ』のスタッフをそのまま揃えました。だからチームワークはさすがに良かったですね。ただ、今回のゴジラのように10ヵ月あまりしかないという中でやらせるのは心苦しくはあったんですが。そんな中でよくぞみんな一体になってゴールにたどり着いたと、ひたすら感謝の気持ちです。

−−プロデューサーとしての苦労は?

 いえ、金子監督は現場をきちんと掌握できる監督ですから、そこに至るまでのスタッフ編成ですとか、限られた条件内、特に時間の条件をどう納得していただくか、というのを常に前もって相談しておくことを心がけておいたくらいですね。情報も含めて全部監督に早めにお知らせするという。

−−スーツアクター、スーツアクトレス(着ぐるみ師 ※2)、の演技(※2)にも満足してらっしゃいますか?

 当然です。まぁ今回に限った話ではなくて、彼らの仕事はすばらしいですよ。演技は、もちろん、あれだけの過酷な環境で体力・気力を維持する集中力……。いつもすばらしい仕事を見せてくれます。今回もまさにそうでしたし。ゴジラに関して言えば、特に今回は巨大感を出したいというのがあったので必然的に大きく重くなったわけです。それでいてよく動くゴジラにしたい。でも着ぐるみの構造で解決するのは色々無理があるので、それを演技でカバーしなきゃならなかった。相当の苦労があったと思いますよ。10の演技で動いたとしても外から見たら3くらいにしか見えないものですからからね。もちろん操演のスタッフたちのサポートもあったわけですが。ほんとうにすばらしい人たちです。

−−ところで、ゴジラにはいったい何が求められているとお思いでしょうか? ここまで根強く支持されているのにはやはり理由があると思うのですが。

 ゴジラは、やはり心のなかの何かが形を持ったものだと思うんです。だからこそキャラクターとしての魅力もあるわけで。それは何かと言ったら、まずゴジラになりたいという願望の部分とゴジラへの恐怖だと思います。破壊衝動と、動けなくなるほどの恐怖感。これらを併せ持ったキャラクターというのはほかの映画ではなかなかないと思う。だからこそゴジラは多くの人に愛されるし恐れられる。こういうゴジラを映画という表現で作り続けることこそ求められていることだと思いますね。

−−プロデューサー的に「ここは観て」というシーンは?

 うーん……たくさんあるんですけど、やっぱり終盤で新山千春さんが「お父さんがんばって!」というところは好きですね。

−−あー、あそこはホロッときますねぇ。

 ええ、音楽のリフレインもいいしね。あれもそうなんですけど、現時点での金子さんが重要に思うテーマに"父と子"があって、だからこそああいう父と娘の絆を描く表現になったんでしょうね。もし5年前の金子さんが同じようなシーンを撮るとしたら、多分恋人どうしのシーンになったんじゃないかと。あれこそが金子さんが伝えたかったところで、だからこそお客さんにも感動が伝わってるんだと思う。女性の方が「泣けた」とか言ってくださると本当にうれしいです。怪獣表現については、さすがに入念に編集とセレクトを経ただけあって、非常に抑制されてますよね。冗長じゃない。だから一気に観て楽しんでもらえると思います。特に見どころを挙げるとすれば、前半部分の緑の山中と青空の対比が美しいバトルシーン、後半では夜の横浜で繰り広げられる人間たちとゴジラの戦い、これらはぜひ観てもらいたいです。

−−さて、全然気が早いとは思いますが(笑)、次回作の構想などは?

 正直、前作から今回に至るまでも、ものすごく苦労しました。前作はけっこう楽しんでいただいて評判もよかったんですが、結局興行的にはいまひとつだった。それは「ポストトライスター版の日本のゴジラを観てもらおう」というこちらの思いと、お客さんとのキャッチボールが完全に成功しなかったからなわけです。今回は怖いゴジラ、そしてこれ以上はないほどのライバル怪獣の豪華さで作ったわけですが、今回こそはキャッチボールがうまくいくのではないかと。その結果あってこその次回作ですからね。結局お客さん次第です。僕自身も、その年に得たものを次にどう活かすかを考えてやっていきたいですし。

−−では最後にファンに対して、そして初めてゴジラを観る方に対してひとつ。

 まず、家族連れのお客さんに対しては「絶対損はさせません!」という感じですね。男の子と女の子がいたら、女の子には『とっとこハム太郎』で楽しんでもらえますし。そのほかにも、最近日本映画を観ていない人たちに対しても「こんな邦画があったのか!」と思わせる自信はあります。是非観てほしいですよね。

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