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観客の目を裏切らない映像を

−−劇中では、とくに水の表現がすばらしいと思います。あれはCGなんですか?

ブラッドワース 企業秘密なんですが(笑)。たとえばオープニングで、タマゴのようすをうかがう小型の恐竜が、母親恐竜に追い払われて、湖のほうまで逃げていくシーン。恐竜が走るのにともなって水面に波紋が連続的に現れますけど、あそこはけっこうCGを使ってます。

−−どういう手順で作られたんでしょうか。

ブラッドワース まず、このシーンなどに使うものとして、"ディノキャン(Dinocam)"という特別なリモートコントロールカメラがあります。これは、高さ約30メートルのタワーを2本設置して、そのあいだにワイヤーを張り、そこにカメラを設置するものです。幅は約20メートルくらいでしょうか。あのシーンでは、事前にあの恐竜がどのくらいの速さで走るかを計算しておき、その速度どおりに、湖の上をディノキャンを移動させて撮影するわけです。 そこに、砂ぼこりと同様に、水しぶきをべつに撮って、さらに、水に足をつっこんだ感じのエフェクトを加えていったのがあのシーンです。といっても、この段階ではまだ足の部分だけなんですが。

−−いままでのお話からすると、ちょっと気が遠くなるほどの手間がかかっている感じですね。だいたいワンシーンでいくつくらいの映像が合成されているものなんでしょうか。

ブラッドワース なんとも言えませんが、最大で100くらいは……。ほとんどのシーンがそれくらい手間がかかっています。やっぱり映像を見たときに、ほんの少しの矛盾で「ああ、これは偽物だ」と悟られてしまいますからね。人間の目は正直ですから。 たとえば先ほどのシーンで言えば、水の中を走ると、当然しぶきで足が濡れますよね。ちょっと見ただけでは気づかないとは思いますけど、ちゃんとそれも再現して、恐竜の足が濡れて黒くなっている。そうすることによって、観客にリアリティーを感じさせるわけです。

苦労は多かったけど、充実した毎日だった

笑顔
−−ものすごい手間がかかってますね。お疲れでしょう(笑)。ところで、ひとつのシーンでどのくらいの時間がかかるんですか?

ブラッドワース 作り終わったあとはすっごく疲れました(笑)。シーンによって手間とかは変わってきますけど、たとえば私がいちばんお気に入りの、アラダーがタマゴから孵化する瞬間。たかが数秒のこのシーンのために、もう何ヵ月もかかりました。

−−そんなにかかるんですか!?

ブラッドワース ええ。見ていただければわかりますが、真っ暗なタマゴの中の映像からはじまって、そこにいきなり割れ目ができて光が射し込む、と。そこからキツネザルがのぞき込んでいて、さらに内部の粘液なども残っています。キツネザルの毛1本にしてもすごい手間がかかりますから、それはもう時間も手間もすごくかけてます。 でも、たしかに疲れはしましたけど、こういったやりがいのある仕事が毎日出てくるんで、そういう意味では、いつも楽しんで仕事ができましたね。

−−では、さいごに次回作の構想などを……。

ブラッドワース とりあえずしばらくは休憩してますけど(笑)。今回のプロモーションが終わったらハリウッドのスタジオに戻りますので、それから考えますね。

ブラッドワース
●プロフィール
アメリカカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)にて演劇を専攻、卒業後にロサンゼルス・シアター・センターで本格的に演劇関係の仕事を開始する。その後ニューヨークに移り、舞台『キャバレー』、『マクベス』などのブロードウェイ作品のプロデューサー・アシスタントを務め、そのほか『キャッツ』の全米ツアーマネージャーとしてもキャリアを重ねる。ディズニー作品では『美女と野獣』『アラジン』でプロダクションマネージャーを、『ポカホンタス』ではアソシエイト・マネージャーを務めている。

■ディズニー公式ホームページ
http://www.disney.co.jp/


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