撮影所見学 ゴジラはこうして作られる
 時は2001年。度重なるゴジラの襲来への対策として、防衛庁は対ゴジラ戦闘部隊"Gグラスパー"を結成。研究の結果、ゴジラを人工ブラックホールに吸い込ませ、完全に消滅させる究極兵器"ディメンション・タイド"の開発に成功する。
 だが、実用実験中に、誰もが予想しなかった事態が発生する。ブラックホールによって時空に歪みが生じ、古代の巨大昆虫、メガヌロンが現代に侵入してきたのだ。
 メガヌロンは渋谷で大繁殖、さらに成虫メガニューラに羽化し、人々を襲う。そのうえ日本に上陸したゴジラを襲撃し、エネルギーを吸収。その目的は、自分たちのリーダーとなる巨大生物、メガギラスを誕生させることだった……。

 これが2000年12月16日に公開される『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』のストーリーだ。東宝の名作怪獣映画『ラドン』に出てきたメガヌロンの再登場、さらにパワーアップした特撮など、前作『ゴジラ2000 ミレニアム』をしのぐ作品として注目されているこの映画。なんと、今回我々は東宝の撮影所への取材に成功、『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』の特撮パートを目にすることができた!

 東宝がスタジオを構える都内某所。緑が多い閑静な住宅地といった趣の町である。この平和な町の中心部で、日夜ゴジラがビルを壊したり火を吹いたりしているのか!? 我々取材班は、高鳴る鼓動を抑えきれないまま、撮影スタジオへと向かった。


 いきなり爆破シーン!

スタジオ全景
▲東洋一の広さを誇る東宝第9スタジオ。
 見学させてもらった日は、撮影もようやく終盤に突入、これから爆破やアクションシーンが目白押し、というすばらしくオイシイ時期。ゴジラのような特撮怪獣映画を作る場合、人間の役者さんが演じるシーンを撮影するチームと、怪獣のアクションなど、いわゆる特撮シーンを撮影するチームに分かれて、同時に撮影を進行させていく。そのふたつのフィルムを編集してひとつの作品にしていくわけだ。

 到着早々、これからゴジラをまじえた爆破シーンの撮影を開始する、とのこと。着いた直後にもうヤマ場かい!? と、動揺しつつも、急いでカメラをセッティング。
 撮影するのは、戦闘機がゴジラに直撃、爆発炎上して倒れ込むゴジラ、というシーン。こういった爆破モノや、セットを壊すシーンは、おいそれとやり直しができないため、もっとも神経を使う場面だ。



模型の調整
▲戦闘機のモデルを入念にチェック。
点火装置点検
▲点火装置の点検も重要。
 まず頭部だけのゴジラのモデルを、撮影セットの所定の位置に設置。これでカメラアングルや構図、動きなどを入念に点検する。
 続いて着ぐるみ師がゴジラの着ぐるみを装着。50キロ近くの重量があるため、ひとりで着るのは不可能。つねに2、3人のスタッフに支えられながらの作業となる。
 ゴジラの装着・移動が終わったら、ゴジラの表面に火薬をセットしつつ、霧吹きで水を吹きつけ、表面に生物らしい自然なツヤを出していく。ほかのスタッフは、点火装置やカメラのチェック、スモーク炊きに余念がない。


待機中のゴジラ 細部の調整
▲天井から吊られて出番を待つゴジラ。 ▲着ぐるみの細部を調整する。

 やがてすべての準備が完了。いよいよ撮影開始となった。スタッフは全員真剣そのもの。緊張しまくる我々をよそに、カウントダウン開始。5、4、3、2、1……。


↓大爆発!


 大音響とともに火炎が立ちのぼる。思っていたよりはるかにすさまじい炎上ぶりに肝をつぶす我々。内心「ちょっと燃えすぎ!?」などと思ってしまったが、これですべて予定どおりだという。

 重い着ぐるみを装着して、ふつうに歩くのもままならない状態なのに、さらに火をつけられる、というのは、常人にはとても耐えられない状況。しかも耐火処理をしすぎると、着ぐるみがとてつもなく重くなり、演技ができるようなものにはならない。危険と隣りあわせの撮影で、パーフェクトの演技をこなす着ぐるみ師のプロ根性に、我々はうならされたのであった。

 ちなみに、彼らにとってさらにつらい撮影は水際のシーンだという。ただでさえ重い着ぐるみが、水を吸って100キロ近くになるとか。また、水中で撮影する場合、着ぐるみ師の頭の位置は水没している場合がある。その際には酸素マスクを装着して演技するのだが、それがはずれてしまったことがあるという! 本人は必死で合図を出しているのに、はたから見ているとゴジラが暴れているようにしか見えない、というシャレにならない状況だったそうだ。



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