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心をいやすロボット |
ロボットといえば、漫画や映画などフィクションの世界でお目にかかることはあっても、現実の世界では工場で活躍している工業用ロボットが一般的だった。けれども「ゆめテク」では、それらとはひと味ちがう、現実の世界に入ってきそうな身近なロボットが多数出展されていたのだ。
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| ▲なでると歌って踊る「R100」 |
すでにおなじみとなったソニーのロボット犬「AIBO」や、なでると歌ったりするNECの「R100」など、一般家庭で人の心を和ませるペット型ロボットが大集合。会場でも、その愛嬌のある仕草に、大いに注目が集まっていた。
通商産業省管轄の研究機関である工業技術院が出展していた「メンタルコミットロボット」は、そんななかでもさらに先をゆく注目のペット型ロボットだ。見かけはアザラシや猫のぬいぐるみタイプのペットロボットで、なでたりすると鳴き声をあげ生きもののように動くというもの。
金属製で、一見無機質なこれまでのペット型ロボットと異なり、「メンタルコミットロボット」の外装はぬいぐるみそのもので、本物のペットに近づいている。抱き上げるのにも抵抗が少ないし、動いていなくてもぬいぐるみとして心を和ませる効果がありそうだ。
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| ▲モデルはゴマフアザラシの赤ちゃん |
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▲部屋にあっても違和感がないネコ型ロボット |
こういったロボットは、べつにご飯を作ってくれるわけでもなければ、洗濯もしてくれない。しかし、人の心をいやすことだって、ロボットの立派な仕事。さあ、あなたならテクノチックなペットロボットとぬいぐるみ型のペットロボット、どちらを選ぶ?
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人型ロボットがついに実現!? |
そもそも、これまで人類がロボットを開発してきた目的は、生活の場に密着して、人間の代わりにさまざまな作業を行ってもらうためだった。なかでも、人間の作業をそのまま代行できる人型のロボットは、いわば人類の夢。その人型ロボットが、いま現実のものになろうとしている。
本田技研工業(ホンダ)が開発した人型二足歩行ロボットの集大成「P3」は、夢にもっとも近い存在といえる。1986年から15年近く開発が続けられ、ついに二足歩行を成功させたことはご存じの読者も多いはず。今回の「ゆめテク」にも、その「P3」がもちろん登場した。ホンダブースメインステージで歩行実演イベントを実施。動く「P3」をひと目見ようと、大勢の人が集まったのだ。
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| ▲左から「E0」、「E2」、「E6」、「P3」。足だけの「E0」から、わずか15年あまりで人型の「P2」にまで進歩した |
イベントでは、「P3」の卓越した性能が存分に披露された。通常の前進のほか、ななめ歩き、カニ歩き、後ろ歩きに片足立ち、さらに階段昇降などをつぎつぎとこなした。
もともと最初に製作された「P3」の原型、「E0」タイプは、足だけのモデルなのにも関わらず、1歩進むのに5秒以上かかっていたというが、その後改善に改善を重ね、「P3」では時速2キロほどと、多少人間より遅い、というレベルにまで進化した。
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| ▲ゆうゆうとステージを降りる「P3」 |
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▲これならお茶も運べる!? |
それだけにとどまらず、上半身と下半身を複雑にコントロールすることにより、微妙なバランスも取れるようになった。これを実証するために、イベントでは水の入った水槽や紙袋を揺らさずに持って歩くパフォーマンスも。ロボットが、まさに人間に近づいているということを実感。
なお「P3」の前身、「P2」は全高182センチ、重量210キロと、生活の場で行動するにはやや危険なサイズだったが、現行の「P3」では、全高160センチ、体重130キロにまでシェイプアップに成功。今後は性能の向上をはかりつつ、倒れて人が下敷きになっても危害が及ばない程度にまで軽量化を図っていく予定なのだという。
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学習するロボット |
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| ▲緑と赤の缶から紫の缶にボールを入れる |
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| ▲缶の場所が入れ替わっても問題ナシ! |
動きが人間に近いものになってくると、当然期待されるのが、自分で考え、学習していく「完全自律・学習型ロボット」。東京大学の生産技術研究所は、この「完全自立・学習型ロボット」の開発に成功。今回の「ゆめテク」に出展してきた。人の動作を観察して、おなじ動作をする「人まねロボ」のことだ。
このロボットのすごいところは、見たままをまねするのではなく、その行動の意味を学習して再現する点。たとえば、3色の缶のなかにボールを入れる、という動作を模倣させた場合、この「人まねロボ」では、ボールを入れたあとに缶の位置を移動させても、正確に実行できるのだ。
これまでの模倣ロボットでは、単純に位置情報など1種類の判断材料で模倣するぐらいの能力しかもっていなかったため、缶の位置を変更すると、誤った模倣をするか、迷って行動できなくなってしまった。ところが、「人まねロボ」はボールを入れた対象(缶)について、位置、色など複数の判断材料から臨機応変に正しい行動を判断する。結果的に「ボールを入れたの缶の色を追尾するのが正解」と考え、実行するわけだ。
こういった臨機応変な反応は、実はさきほどの「P3」でも一部採用されている。ホンダのP3開発スタッフ竹内透氏によると、臨機応変な反応パターンを覚えたロボットでは「行動の指示を出しても、どういう手段を使ってそれを実行するかはロボットにしかわからない」ところまできているのだという。たとえば現在地からA地点へ行け、と命令した場合、まっすぐ歩くのか、曲がるのか、いったん後退してから向かうのか、といったいくつもの行動のなかから、「P3」自身が最適なものを計算して実行するので、どれを選ぶかは推測は可能でも、断定はできないというわけだ。
一見不便に見えるこの能力だが、実は人間はひとつひとつの行動について、瞬時に複雑な判断をして行動しているということの裏づけでもある。ここにきて「P3」や「人まねロボ」によって、ようやくロボットは一見自然で単純だが、実はかなり複雑な人間の行動システムに近づいてきたのだ。完全な学習機能を備えたロボットが誕生するとき、それがキミの家に人型ロボットがやって来るときだ!
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