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アルバム解体新書

  さらに目立っている”Cybersound”とは?

 アルバムの曲リストを眺めると、アルバム収録曲全11曲のうち9曲に”Tracked by Cybersound”という文字が……。となると、倉木麻衣作品の音作りのほとんどすべてにこの”Cybersound”が関わっていることに……こりゃ重要! さてそのCybersoundとはいったい何者なのか? 
ジャケット写真
倉木麻衣
マキシシングル
『NEVER GONNA GIVE YOU UP』
GIZA studio

 え〜、調べました。そのCybersoundとは、米ボストンにあるサイバー・サウンド・スタジオのクリエイターたちのこと。スタジオのオーナーでサウンドプロデューサーのペリー・ガイヤー、ミキサーのミゲル・ペソア、ボーカリストのマイケル・アフリックの3人のサイバーサウンドスタッフが『delicious way』に参加しています。

 ちなみにアルバム7曲目に収録されている4thシングル『NEVER GONNA GIVE YOU UP』の作詞、作曲にクレジットされている面々がその3人。彼らは、倉木麻衣の全米デビューとも関係があるということですが……。


倉木麻衣の全米デビュー
 マキシシングル『Love, Day After Tomorrow』で日本デビューしたのが'99年12月8日。その約2ヵ月前にマキシシングル『Baby I Like』で、倉木麻衣は全米デビューを果たしていました(ファンは知ってるでしょ)。

 『Love, Day After Tomorrow』のレコーディングをボストンのサイバー・サウンド・スタジオで行っていたところ、サイバー・サウンドのペリー氏、そしてそこに居合わせたプロモーターのマーク・カミンズ氏が、アメリカでのリリースを勧めたとのこと。そこで用意されたのがGIZA Studio所属アーティスト、YOKO Black.Stoneのペンによる『Baby I Like』という曲。そのマキシシングルは、アメリカのインディーレーベル"Bip! Records"よりMai・K名義でリリースされました。

 アメリカでは、さらに『Baby I Like』のHOUSE REMIXバージョン『Baby I Like REMIXIES』という12インチアナログ盤もリリースされています。これはマーク・カミンズ氏が、HOUSE系リミキサーのジャスティン・ストラウスとジョー・モスコビッツのふたりを起用して製作したもの。ジャスティン・ストラウスは、イギリスのデペッシュモード、スウィング・アウト・シスターなどの作品を手がけてきた人物。一方ジョー・モスコビッツは、マドンナ、マライア・キャリーなどの作品に関わったクリエイターです。

■倉木麻衣
『Baby I Like』
 この『Baby I Like REMIXIES』にはサイバー・サウンドの面々も関わっています。サウンド・プロデューサーとしてペリー・ガイヤー、ミキサーにミゲル・ペソアが参加。この時点ですでにサイバー・サウンドと倉木麻衣はコラボレートを始めます。

 ちなみに『Baby I Like』のマキシシングル、アナログ盤は日本にも輸入され即日SOLD OUTになったとか。オリジナルバージョンはYOKO Black.Stoneのベストアルバム『THE ONE ABOUT ME』に収録されています。気になるファンは聴いてみましょう。


  ちと気になる人物 YOKO Black.Stone

ジャケット写真
YOKO Black.Stone
『THE ONE ABOUT ME』
GIZA studio
 倉木麻衣の全米デビュー曲『Baby I Like』をもともと歌っていたのは、YOKO Black.Stoneという女性シンガーです。じつは彼女、アルバム『delicious way』の4曲目『Stepping ∞ Out』、5曲目『Baby Tonight〜You&Me〜』、6曲目『Can't get enough〜gimme your love〜』を作曲。さらに4曲目、5曲目はアレンジやミックスまで担当しています。彼女は大阪を拠点に活動しているR&Bシンガー。詳しくはこちらを。

 中学時代からソウル、ヒップホップに傾倒していたYOKO Black.Stone。NYで2年ほど音楽活動をしていたりと本場のグルーヴもしっかり身につけているシンガーのようです。彼女の今後の活動にも注目。

  なんとビックリ! 80年代にアメリカで活躍した意外な人物が倉木麻衣をデビューからサポート!!

 アルバムにクレジットされているミュージシャンのなかに意外な名前を発見しました。それが”グレッグ・ホーキンス”。彼は『Love, Day After Tomorrow』、『Stay by my side』、そしてアルバムのラストを飾る『君との時間』の3曲にキーボーディストとして参加しているようです。

ジャケット写真
THE CARS
『HEARTBEAT CITY』
イーストウェスト・ジャパン
 名前だけではピンとこない方もいると思いますが、この人、'84年にアメリカで『ユー・マイト・シンク』がヒットした、あのカーズのキーボーディストです(ナニ〜!!)。エレポップ風ニューウェーブ・ロックとでも言いましょうか、このころはなかなか人気のあったカーズですが、いまはもう解散してます。それにしても、倉木麻衣とカーズに接点があったとは……。興味のある方は『ユー・マイト・シンク』が収録されたアルバム『HEARTBEAT CITY』を聴いてみましょう。

  アルバムのジャケット写真、アートワークにもGIZA studioの作品にゆかりのクリエイターたちが参加


 『delicious way』のアルバムカバーに載っている写真は、女性フォトグラファー森美保によって撮影されたもの。彼女は、倉木麻衣のほか小松未歩、愛内里菜、rumania montevideoなどGIZA studio所属アーティストのジャケ写、アーティスト写真を撮り続けています。

 アルバムのアートワークを担当したのは、新進デザイナー小島巌。彼もこれまでGIZA studio所属アーティストのアルバムアートワークを多く手がけています。今後もGIZA関連作品のアートワークに携わっていくようです。

 このふたりのことを調べようと思っていた矢先、ふたりの作品集がそれぞれ『delicious way』の発売と同時に写真集、アートワーク作品集として出版されました。

 森美保の写真集『and others〜Miho Mori's Photo Works〜』には倉木麻衣などアーティストの未公開写真も掲載。小島巌の作品集『inside works〜Gan Kojima Sound's Visual Collection〜』には、ジャケットカバー、ポスターなどが掲載され、どちらもGIZAアーティストのこれまでの足跡が垣間見れる内容となっています。『delicious way』をより楽しむなら、手に入れておくといいかもしれません。


写真集 作品集
森美保写真集
『and others〜Miho Mori's Photo Works〜』
2,000円+税
オールカラー 120P

小島巌作品集
『inside works〜Gan Kojima Sound's Visual Collection〜』
2,300円+税
オールカラー 128P

 倉木麻衣のファーストアルバム『delicious way』。GIZA studioにゆかりあるクリエイターの参加が多いなか、そこに元カーズのグレック・ホーキンスがいたというのには驚きました。彼を含め、『delicious way』に関わったクリエイターが、これからどんな曲やアルバムを作っていくのか楽しみです。

 さて、次回はLUNA SEAの通算7枚目のアルバム『LUNACY』を解体する予定です。それではまた来週!

倉木麻衣オフィシャルHP
http://www.giza.co.jp/mai-k/index.html




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