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【短期集中連載】キーワードで簡単明瞭!!
いまから気になる夏休み映画:vol.5
2001年7月20日
 今年のサマームービーは、21世紀の幕開けにふさわしく近年まれに見る大豊作! 歴史大作や定番アニメ、SFにロボットと、どれもこれもなんとなく気になる。だけど何を観ればいいのかが、いまひとつわかんないだよねー。なんて思ってない? そこでこのコーナーでは、この夏注目映画を毎回1本ずつ"3つのキーワード"でわかりやすくご紹介。第5回目は、日本アニメ界の第1人者・宮崎駿監督の最新作『千と千尋の神隠し』を明瞭快活に紹介!

キーワード

【不思議の町】で、【名前】を取り戻すために働く少女が【生きる力】に目覚めていく。

不思議の町
 この作品の舞台となるのは、我々が暮らす世界とほんの少しずれたところにある不思議の町。この町は一見無人の廃墟に思えるが、実は妖怪や神々が暮らす異世界なのだ。中心部には八百万(やおよろず)の神々が疲れを癒しに訪れる巨大な銭湯"油屋"がそびえ立ち、その周辺には歓楽街が広がっている。そうとは知らずに町へ迷い込んだ千尋と両親。放置されていた(ように見える)ごちそうに手をつけてしまった父親と母親は罰として豚に変えられてしまう。

 見たことがない、でもどこか懐かしいこの世界。宮崎監督によると明治〜大正時代に隆盛を極めた"擬洋風様式"をモチーフにしているという。昼間の廃墟然とした町並みから、夜の訪れとともに混沌とした歓楽街に姿を変える様は、まさに息を飲む美しさだ。

▲映像から生活感をにじませる演出は、まさにスタジオジブリの真骨頂。

名前
 両親をもとの姿に戻して生還するため、千尋は油屋で働くことになる。この世界では、働かない人間は豚になって食べられるか、存在そのものが消滅してしまう掟なのだ。千尋は油屋を支配する不気味な魔女"湯婆婆(ゆばーば)"に雇われることに成功するが、契約の際に本名の"荻野千尋"から3つの文字を奪われ、"千"と呼ばれることに。この儀式によって湯婆婆は従業員を支配しているのだ。

 本来の名前を奪われ、次第に記憶まで失っていく千尋。影で千尋を手助けする謎の少年・ハクのおかげで自分の名前を忘れずにすむが、そのハクも名前を奪われている。果たしてハクの本名は何なのか、その超常的な力の秘密は、そして過去に千尋とのあいだに何があったのか……?


生きる力
 こちらの世界では、"荻野千尋"は典型的な現代っ子。両親からかわいがられ、暮らしもそこそこ安定。何の不自由もない毎日を送っていたが、反面無気力で無感動、つねにダルそうな顔をした女の子だった。だが"千"となってからは、そんなことは言っていられない。懸命に働かなくては、いつ追い出されて消滅してしまうか知れないからだ。

 慣れないまでも、ハクや先輩のリン、ボイラー室の管理人・釜爺らに叱咤激励され、無我夢中で働く千尋。異形の神の湯治を手伝ったり、不気味な男・カオナシと接触する日々を送るうちに、彼女のなかである力が目覚める。

 それは"生きる力"。懸命に働き、ただ単純に笑い、泣き、喜ぶ。そうした日々を送るうち、与えられるだけでなく、自分が他人に与えることの大切さを知るのだ。観客も、最初はかわいげのないヘチャムクレな女の子にしか見えなかった千尋が、次第に魅力的な表情を見せるのに気づくはずだ。

▲己を持たず、ただ金品を与えることでしかコミニュケーションできないカオナシ。そんな彼も千尋とのふれあいで癒されていく。



■ストーリー
 両親といっしょに新しい町に引っ越すことになった10歳の少女・千尋。だが、その途中でまったく知らない無人の町に迷い込んでしまう。町の掟を破った両親は豚に変えられ、そして日没とともに不気味な住人たちが姿を現す。絶望する千尋だが、そんな彼女に手をさしのべた謎の美少年・ハクは告げる。「案ずるな。私はそなたの味方だ」と……。ハクの助言に従い、生き延びるため、そして両親を救うために千尋はこの町で暮らす決意を固めるのだった。

→つぎは『千と千尋〜』生みの親、宮崎駿監督直撃インタビュー!

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