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【短期集中連載】キーワードで簡単明瞭!!
いまから気になる夏休み映画:vol.2
2001年6月28日
A.I.ロゴ

 今年のサマームービーは、21世紀の幕開けにふさわしく近年まれに見る大豊作! 歴史大作や定番アニメ、SFにロボットと、どれもこれもなんとなく気になる。だけど何を観ればいいのかが、いまひとつわかんないだよねー。なんて思ってない? そこでこのコーナーでは、この夏注目映画を毎回1本ずつ"3つのキーワード"でわかりやすくご紹介。第2弾目の今回は、スピルバーグが世界に贈る壮大なSF巨編『A.I.』の登場だ!!

キーワード

人間と【ロボット】、科学と【愛】の融合を問う壮大な【SF】感動巨編

ロボット
 基本的なところから言えば『A.I.』とは、"Artificial Intelligence"の略称で、日本語の意味は"人工知能"。本作では、その人工知能を埋め込まれた人型ロボットが大勢登場する。舞台は、すぐそこにある未来。環境破壊が進み、天然資源が底をつきはじめたため、政府が妊娠規制を敷いていたりするそんな設定の、ひょっとしたら本当にあるかもしれない、ごく近い将来のことだ。

 ロボットたちは、家事や労働、さらには恋人代わりをしてくれるものまで、用途・目的に応じて人間の生活を手助けしている。しかし、ひと口にロボットといっても、その姿かたちは人間と何ら変わりはない。ただ、"無感情"であること以外には、だ。本作の主人公、デイビッドは、ロボット開発の頂点ともいえる"感情"をインプットされた、世界で最初の子供型ロボットして誕生するのだった。

A.I. A.I.
▲恋人用ロボット"ジゴロ・ジョー"を演じるジュード・ロウ。金属チックなメイクと無表情のなかにあるおとぼけ感がグー。『A.I.』に限り、芸名を"ジュード・ロボ"に変えてもいいかも!? ▲廃棄寸前のロボットたちに紛れてしまうデイビッド。さんざん人間にこき使われたあげく、壊れたら捨てられてしまうロボットたちの姿は、彼らに感情が無いとはいえ、哀れで痛々しい。

 スピルバーグは、この映画を撮るうえで「『A.I.』でボクは、機械にそもそも感情を持たせることができるのか、もしできるなら、ヒトはその機械をどこまで愛することができるのか、というふたつの問いかけをした」と言っている。彼がここでいう"感情"というのは、即ち"愛"のことを差す。愛とは、現在のところ人間だけが持ち得るとされている、特別な感情だ。11才児の子供と同等に作られたデイビッドは、とりわけ母親を愛するように感情をインプットされる。もちろん、母親は人間だ。

 彼は初めこそインプットされた通りに、母親と認識している人物を愛そうと稼働する。しかし、"愛"という感情は不思議なもので、相手を思えば思うほど、しだいに嫉妬や見返りの欲求、そして孤独感などいろいろな形に変化していく。しかし母親は、(所詮はロボットの)彼を結局は表面的にしか愛することができないのだ。そんなデイビッドの母親に対する一方通行的な愛が、恐怖とも感じ取れるかのごとく強烈な描写で描かれている。愛は恐怖をも生み出すのだ。

A.I. A.I.
▲母モニカから、"愛"をインプットされるデイビッド。一度セットしたらリセットは不可能だ。愛には責任を持って応えなくてはいけない、という教訓にもとれる。またこの瞬間から、デイビッドの数奇な運命が始まるのだ。 ▲デイビッドとお母さん探しの旅を共にする相棒テディ。彼は、世間について詳しく、デイビッドを支える良き理解者にして、保護者の役割をも果たすのだ。単なるクマちゃんのぬいぐるみにあらず!

SF
 故スタンリー・キューブリックこそ、この『A.I.』の産みの親である。彼が生前書いた『A.I.』に関する90枚のシノプシスと細部に渡る絵コンテには、キューブリック流の難解SF絵巻が展開されていたという。「ロボットは殺しの対象ではなく、人間に愛されるべき存在なのだ」、「未来を舞台にした"ピノキオ"を作りたい」(キューブリック)。彼の残したこれらの言葉が示す意味こそ、まさにこの作品の見どころなのである。

 キューブリックの考える未来の世界(先述の通り、すぐ先にある)を具現化した映像は、どんな詭弁を持ってしても語ることのできない凄まじいものだ。人間が編み出した科学によって、こんどはその人間たちが苦悩する。そういった意味でこの『A.I.』は、リアル感たっぷりのSF映画という希有な存在と言えるだろう。

A.I.
▲デイビッドとジョーのたどり着いた場所は、アミューズメントパークを思わせる煌びやかな世界。キューブリックとスピルバーグが、ドキドキ、ワクワクな未来の街並みを見せてくれる。



■ストーリー
 近い未来、増えすぎた人類に変わってロボットが労働や雑用をする時代。とあるロボット開発研究所で、"愛する"という感情をインプットされた少年型次世代ロボット"デイビッド"が誕生した。彼は、不治の病で冷凍保存中の息子を持つスウィントン夫妻に養子として迎えられる。とくに、妻のモニカはデイビッドを我が子のようにかわいがった。だが、まもなくして本当の息子が最新の医療で奇跡的に回復し、夫妻の元に戻ってくる。ロボットと人間のふたりの子は、しばらくの間、兄弟同然に扱われていたのだが、しだいにギクシャクしていく。そしてある日、決定的な事件が起きたことが原因で、デイビッドは捨てられてしまう。ワケもわからず愛する母に捨てられたデイビッドは、必死で家に帰ろうとするのだが……。

A.I.

→つぎはスピルバーグ監督の会見だ!

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