スマートフォン解析 第38回 「猛る焔神イフリート(前編)」 - コミニー[Cominy]

ガンバルンド
ザナラーンの端っこにある辺境の村出身。21歳。鼻を横切るように付いた傷と、それを強調するかのような青いペイントが特徴。傷の曰くが明かされるかは定かではない。でっかい武器、大好き!
中の人:はせがわみやび
コンピュータゲームからテーブルゲームまでゲームはなんでも大好き。ファンタジーを中心にゲームに関係した物語をおもに書いてます。無謀と弱気が同居するガンバルンドの中の人。
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2014年06月02日 11:50

第38回 「猛る焔神イフリート(前編)」

担当A「ところで、そもそも「蛮神」って何でしょう?」

 そういえば解説していませんでしたね。
 ひとことでまとめると、蛮族たちが信仰している神──だと思います。

担当A「相変わらずざっくりまとめますね」

 わかりやすさ大事。
 実は、「砂の家」のミンフィリアに初めて出会うところでも、蛮神とはどういうものか、どんな蛮神がいるのか、とかはあまり具体的には触れられていないんです。
 蛮神を召喚するとエオルゼアの大地が大変なことになる、とか。蛮族たちが巨大な力を手に入れることになってしまう、とか。蛮神は自分の意志を持っていて召喚者に従うとは限らないから危ない、とか。そういうことは教えてくれますけどね。

担当A「なるほど。肝心の「蛮神」の正体は不明のまま──ということですね」

 とにかくおっかないものらしい。そして、蛮族たちはその神様を自分たちの傍に召喚しようとしているらしい、と。ここまではわかっているわけです。なぜクリスタルを集めているのか。人を誘拐しているのかは、わかりませんけど。

担当A「え? 危ない神様を呼ぶために人を誘拐するなんて、その理由は決まっているような──」

 わあ!
 しーっ! これから初めて遊ぶプレイヤーのために、ネタバレ禁止!

担当A「おっと……」

 ここで前回の復習をしましょう。
 サンクレッドとともに誘拐事件を調べていたガンバルンドですが、犯人が「ガラの悪い商人」ことウグストだと突きとめました。ウグストは司祭の服を盗み、司祭に化けていました。そして、職にありつけずに困っている貧民たちに求職のビラを配っていたのです。職を求めて集まった貧民たちを、アマルジャ族に引き渡していたわけですね。
 ウグストは、アマルジャ族と定期的に会って、誘拐した人たちの引き渡しや、報酬の受け取りを行っていたはずです。その現場に踏み込めば、関係するアマルジャ族を捕まえて、誘拐された人たちの行方を突き止めることができます。ウグストが白状すればですが。

担当A「白状するのを待つ間は、どうしているんですか?」

 実は、間にひとつ蛮神問題とはとりあえず直接関係がない(たぶん)クエストが挟まります。「生命、マテリア、すべての答え」というメインクエストですね。マテリアについて教えてくれるクエストです。武器や防具を強化するために、マテリアの知識はとても重要なのですが、今回は間に挟むとややこしくなるので、思い切って省略します!

担当A「では、いよいよ蛮神の登場ですね」

 はい。そうそう、次のクエストである「猛る焔神イフリート」ですが、クエストを受けられるのがレベル20なので、もしレベルが足りないときは、レベル上げをしておく必要があります。ガンバルンドも、クエストでもらえる経験値だけでは結局レベル20に辿りつけず、F.A.T.E.とギルドリーヴで稼いでレベル20にしました。

 メインクエスト「猛る焔神イフリート」は、「砂の家」のミンフィリアに話しかけるとスタートします。

担当A「さりげなく蛮神の正体がタイトルでばれちゃってますよね……」

「クリスタル強奪事件と貧民誘拐事件について、進展があったわ」
 捜査の進展状況を知るために「砂の家」を訪れたガンバルンドにミンフィリアが言った。
「アマルジャ族との商談の予定をウグストが吐いたのよ」
「では、そこに踏み込めば……」
 ミンフィリアが頷いた。
「アマルジャたちはウグストが捕えられたことを知らない。商談には警戒せずに出てくるでしょう。不滅隊は、そこを叩くつもりだわ」
「俺は何をすればいい?」
「あなたには、『暁の血盟』の代表として、不滅隊の作戦へ参加して欲しいの。サンクレッドにも頼んでいるけれど、彼は別件があって遅れて合流するそうよ」
「わかった」
 では、作戦の序盤はガンバルンドひとりが『暁の血盟』の代表となるわけだ。
「「俺の出番も残しておいてくれよ」ってサンクレッドが言っていたわ。フフ……すっかり信頼されたみたいね。わたしもあなたを信じて、この大役を任せたい」
 ミンフィリアが期待を込めた瞳でガンバルンドを見る。
 ガンバルンドは大きく頷きつつも、大役、という言葉に身構えてしまった。
(本当に、俺にそんな役が務まるんだろうか……)
 無謀な性格のわりに、ときどき妙に気弱になるのがガンバルンドという男だった。
 ミンフィリアのもとを辞して、「砂の家」から出る。
 作戦を行う不滅隊は、東ザナラーンのキャンプ・ドライボーンで待機していた。西ザナラーンにある「砂の家」からはかなりの距離があるが、テレポで跳べば一瞬だ。作戦の日時まで余裕もないから、今すぐにでも移送の魔法で跳ぶべきだろう。だが……。
 ガンバルンドは懐から魔法の通信器リンクパールを取り出した。
 ひとことふたこと、語りかける。
 ちかちかと瞬いたリンクパールは、すっと輝きを失った。
「ふう……」
 額の汗をぬぐう。
 ガンバルンドは、エーテルの流れに身を任せ、キャンプ・ドライボーンへと跳んだ。


 作戦はシンプルだった。
「捕らえた商人を囮にし、何も知らないアマルジャ族が商談を始めたところを押さえる」
 ドライボーンで待機していた不滅隊の軍曹は、そのように説明してくれた。
「場所は?」
「《見えざる都》だよ」
「あんな廃墟で……」
 軍曹は、にやりと笑みを浮かべた。
「だからこそだろうな。商売の盛んな「ゴールドバザー」から近いのに、誰も近寄ろうとはせんところだ。秘密の商談をするにはもってこいというわけだ」
 ──《見えざる都》。
 それは東ザナラーンの北にある遺跡だった。キャンプ・ドライボーンを出て、「ゴールドバザー」を目指す代わりに、分かれ道を右に行けば辿りつける。
 かつては栄華を極めたのだろう石造りの都は、建物の多くが崩壊してしまい、瓦礫と化してしまっている。そこにはもう都の面影はない。《見えざる都》とはうまく名付けたものだが、いったい誰が言い出したものなのやら……。
 捕えた商人ウグストは両手を背中で縛られ、隊列の最前列を歩かされていた。彼に逃げられたらこの作戦は台無しになってしまう。厳重に監視されていた。
 不滅隊の隊士たちとともにガンバルンドは街道を右へと折れた。中ほどで折れた石の柱や崩落した屋根があちこちに散らばっていて歩きにくいところだった。昼だというのに、翼を生やした小悪魔──インプの姿があちこちに見える。こちらが大勢だからか、様子を窺うばかりで襲ってこようとはしなかった。
「夜になれば、かつての都に住んでいた死者が土の下から起きあがってきて、歩きまわるって話です」
 隣を歩く若い──ガンバルンドよりもさらに、だ──隊士が言った。
 ガンバルンドが頷くのを見て、彼は「まさか見たことが?」と尋ねてきた。
「ああ。ゴールドバザーを訪ねたときに、道を間違えてな。ちょっとだけ」
「本当に……出るんですね」
 ごくりと若い隊士は唾を呑んだ。「出る」のところで、声に恐怖を滲ませていた。鍛えあげられた軍人といえど、この世のことわりの外で動く存在は苦手と見える。
 まあ──ガンバルンドもお世辞にも得意とは言えなかったが。
「商談」の場所は、四角く切り出した石が敷き詰められ、広い舞台のようになっている一角だった。ウグストの手縄を解いてから、隊士たちとガンバルンドは、石壁が辛うじて残って陰になっている一角へと隠れる。
「本当に来るでしょうか?」
「あの商人が嘘をついてないかぎりは来るだろうさ。こちらが待ち伏せしてるとも知らずにな」
 若い隊士の不安に軍曹が答えた。
 夕暮れが終わろうとしている。
 最初の星が東の空の低い位置で瞬き始めた。
「アマルジャ族があいつと接触したら、一気に取り押さえる。誘拐された人々の居場所を吐かせるんだ」
「はい!」
 若い隊士が元気よく返事を返した。それを見て熟練の隊士たちがかすかに微笑む。ララフェル族の隊士が、若い者の緊張を解こうと、ぽんぽんと軽く腰のあたりを叩いた。ララフェル族では背中を叩くには身長が足りない。
「落ち着いていますね」
 若い兵士が配置に付きながらガンバルンドに言った。
「俺か? そんなことはないな……」
「落ち着いて、見えます」
「まあ。保険は掛けたからな」
「は?」
「いや……こっちの話だ」
 曖昧に濁し、ガンバルンドは口をつぐんだ。そろそろ静かにしていないとまずい。
 夜闇があたりを覆い、静けさとともに夜がやってきた。遠くで獣の吠える声が聞こえる。インプたちの数が増えたようだ。キィキィという嫌らしい甲高い鳴き声が、先ほどから鼓膜に届き始めた。
 天球が回転し、ゆっくりと星座たちが位置を変える。
 欠けた月が空を駆けあがってくる。
 月明りの下で、囮役のウグストは開けた石畳の上に立ち、ただ待っていた。
 物音が一瞬、消えた。インプたちさえ声を潜めた。
 つづいてザッザッという足音。
 廃墟の一角、北の方角から、ぬっとトカゲの身体をした男たちが姿を見せた。
 アマルジャ族だ。
(来たか……!)
 先頭を歩いてきたのは杖をもった呪術士と思しきアマルジャだった。その後ろに格闘士らしき者が5体。さらに弓術士らしき者が4体。全部で10体のアマルジャ族が姿を現し、ウグストを取り囲む。
 軍曹が大きく手を振った。「突撃するぞ」の合図だった。
 ガンバルンドたちはいっせいに物陰から飛び出した。得物を留め金からはずす音が響き、足音が石畳みの上を走る。
 アマルジャたちは、飛び出してきたガンバルンドたちに目を見開き、唸るような声をあげてから──笑いだした。
 ウグストもつられるように笑い始める。腹を押さえ、笑っていた。
「お、おい……。様子が変だぞ……」
 隊士のひとりが踏み込もうとしていた足を留め、仲間のほうへと振り返る。
 だが、それに呼応するかのように、不滅隊の隊士のひとりも下卑た声で笑いだした。
「作戦を伝える相手を、間違えたようだなぁ? 取り押さえられるのは、お前たちのほうさ!」
 絶句したのは一団を率いていた軍曹だった。
「き、きさま……!」
 ガンバルンドもようやく理解した。
 アマルジャ族との共謀者はウグストひとりではなかったのだ。裏切者は不滅隊のなかにもいて、ガンバルンドたちの行動は筒抜けだった。
 軍曹がうめくように言う。
「やるしか、ないのか……」
 武器を手にした軍曹を見て、アマルジャの呪術士が笑う。
「勝てると思うてか。笑止なり!」
 なまりのある、それでもガンバルンドたちにも理解できる言語でアマルジャ族の呪術士が言った。
 それを合図にするかのように、ガンバルンドたちがやってきた背後からも、足音が聞こえてきた。



「増援か……。どうやら、ほんとうに我々は嵌められたようだな。かくなる上は、ひとりでも生き残り、この事実を仲間に伝えねばならん。血路を開くぞ!」
 不滅隊の隊士たちとガンバルンドは戦った。
 だが──用意周到に罠を張っていたアマルジャ族の一味は、退路を断っただけではなく、ガンバルンドたちに倍する兵士を揃えていた。
 徐々に劣勢になっていったガンバルンドたちは、結局ただのひとりも逃がすことはできず──全員がアマルジャ族の手に落ちたのだ。
 意識を失う直前にガンバルンドの瞳に映ったのは、あざ笑う裏切者ウグストの顔と、ウグストの肩越しに背後に見えた、やけにきれいな月の色だった。
 押し寄せてきた闇がガンバルンドの意識を奪った……。

…………………………………………………………………………………………………………
●次回予告
 アマルジャ族によって捕らわれの身となったガンバルンドたちの前に、ついに蛮神が姿を現す!
 新生エオルゼア冒険記、クライマックス・バトル!
 猛る焔神イフリートとの壮絶な戦いの結果はどうなる!?
※次回更新は6月5日(木)です。

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