小林ゆう『ゆうのお部屋』
赤松健先生×小林ゆうのクロストーク(その3)
巷で話題の人気声優、小林ゆうさんの連載企画がコチラ! 小林ゆうさんが“会いたい人に会いに行く”という企画の、記念すべき第1回目のゲストは、人気マンガ家の赤松健先生。小林ゆうさんが、意外と(失礼!)すばらしいインタビュアーぶりを発揮しつつ、赤松健先生のマンガ家になるまでのいきさつを明らかにする!
▲赤松健先生とのクロストークも3回目。インタビュアーとしてのゆうちゃんも、いよいよエンジンがかかってきました〜。 |
●“マンガ家”赤松健が生まれるまで
ゆう ところで、先生がマンガ家を志すきっかけは何でしょう?
赤松 い、いきなりベーシックな質問ですね(笑)。 まあ(と、気を取り直して)、マンガは子供のころから好きでしたよ。『ドラえもん』とかも見ていたし。でも描いてはいなかった。どちらかというと、音楽に夢中だったなあ。
ゆう 描きだしたのはいつくらいからですか?
赤松 大学に入ってからですね。大学では創作をやりたいと思っていたのですが、何もわからずに文学部国文科に入ってしまったのですね。もちろん、国文科はクリエーターを養成するところではないので、アニメーション研究会とマンガ研究会、そして映画研究会をかけもちして、創作術を磨いていきました。
ゆう 先生はそのころから天才でありました。
赤松 “ありました”と言われても……(笑)。
ゆう でも、大学に入ってから筆を取られて、これだけの画力を磨くのはすごいです。
赤松 アニメーションをやっていたのが、画力を磨くうえで役に立ちましたね。アニメは枚数をこなさないといけないうえに、得意じゃないアングルも描かないといけない。だから画力がぐーんと伸びますよ。
ゆう 3つのサークルをかけもちして、なおかつお勉強も?
赤松 さすがに勉強はしていませんでした(笑)。それで大学時代に少年マガジンの新人賞に応募していましたね。当時の担当がいまの担当でもあるんだけど。でも、じつは就職活動もしていたんですよ、当時。
ゆう どのようにですか?
赤松 少年マガジンの編集(笑)。いいところまで行ったのですが、ちょうど少年マガジンの新人賞に受かってしまって、最終で落とされてしまった(笑)。
ゆう 先生は稀に見るくらいすごいです!
赤松 でも、私は編集者向きだと思っているんですよ。ストーリーとか、戦略的にこんな感じで進めよう……といったことを考えるのが大好きなんですよ。あまり、マンガ家らしくないかもしれない。
ゆう 先生は頭脳派です。右脳と左脳を使い分けているのですね。
赤松 う、うん!? ちょっと違うような……(苦笑)。でも、マガジンで新人賞を取ったときは、『美少女戦士セーラームーン』の同人誌をやっていて、割りとそっちのほうに夢中でした。そしたら少年マガジンの担当から、「何やっているの? うちに描こうよ」と言われて描いたのが『A・Iが止まらない!』。
ゆう 先生の代表作のひとつとなるわけですが、連載が始まったときはうれしかったのですか?
赤松 いや、「無理だ」と思いました(笑)。だって、つい数ヵ月まえまで就職活動をしていた男が、当時週刊少年マガジン編集長の五十嵐隆夫さん(現・常務取締役)の「これ、連載」のひと言で、週刊連載が決まっちゃったんです。ふつう週刊の連載マンガって、読み切りとかスペシャルで様子を見て、人気が高かったら連載という流れだったので、私もそのつもりで、適当に描いたんですよ、『A・Iが止まらない!』は。パソコンから女の子が出てきて……というある意味ベタな内容だったのですが、それが受けてしまった。準備もしていないのに週刊連載でたいへんでした。
ゆう 先生は週刊連載というペースはいかがでしたか?
赤松 ダメでした。連載を始めるまえに、週刊の連載を持っているマンガ家さんのアシスタントを3ヵ月くらい経験していたのですが、毎週締切がくるのを見て、「これはヤバいな」と思っていたんです。それがいざ自分がやってみたら、きついこと、きついこと。
ゆう 寝る時間もないのですか?
赤松 ないですよ。眠いときは、胃腸薬を栄養ドリンクで胃に流し込んで食事はおしまい! そのあと胃はぎゅーっとしますが、眠くならなくていいかなと(笑)。
ゆう お体が心配です。お体が壊れてしまいます。
赤松 そうですよ。だから、みなさんは絶対に真似をしないでくださいね! それで、『A・Iが止まらない!』は20週目に月刊のマガジンスペシャルに移動になって、少し楽になりました。それで、作戦会議を練って、スタッフも募集したりして……。そこからでしょうね、赤松スタジオが実質的にスタートしたのは。それまでは、世間知らずの荒くれ者が、「うわーっ!」と叫んで突入して返り討ちにあった感じですね(笑)。修行が足りませんでした。
というわけで、小林ゆうさんも興味津々だった、“マンガ家”赤松健先生の誕生秘話が明らかに。赤松先生のことを知ることができて大満足の小林ゆうさんに、次回赤松先生が逆質問の嵐を!?
小林ゆうさん出演情報 |
今日の5の2 佐藤リョウタ役 |
小林ゆう
2月5日生まれ。東京都出身。以前はモデルを務めていたほどの抜群のスタイルとルックスで人気を集める声優。代表作はアニメ『DAN DOH!!』の青葉弾道役、『魔法先生ネギま!』の桜咲刹那役、『さよなら絶望先生』の木村カエレ役など多数。
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