【フォールアウト 3】第12回:『フォールアウト 3』を、どうTシャツにしたいのよ? 悩んでいたらあのお方が!

――前回(第8回参照)、睡眠時間を削ってまでプレイしている『フォールアウト 3』Tシャツの制作を任されることが決まったキモ次郎とミル☆吉村。とりあえずは打ち合わせをすることに……。
 

▲いくらプレイしたからって、いいアイデアが浮かぶとは限らない。早く決断力のあるオトナになりたい27歳の冬(手遅れ)。

 
ミル☆吉村(以下、吉村)
さて、『428』Tシャツのデザインの予約販売もスタートして、『フォールアウト 3』Tシャツの企画も進めていかなければいけないワケだけど、どうしましょ。
キモ次郎
実際の制作はまたデザイナーさんとかとタッグを組むとして、自分たちでのイメージぐらいは持ちたいよね。なにか入ってたらいいなって要素とかあります?
吉村
スリードッグとかどう? 「一匹じゃ足りないし、二匹でも少なすぎる、だからスリードッグ!」の名フレーズでおなじみのラジオDJ(※1)。魑魅魍魎とド外道だらけのウェイストランド(※2)を一人寂しく歩いているときに、ひたすら勢いがいい、ヤツの番組を聴いて勇気づけられた冒険者は多いと思うんだよね。

※1 本作ではどこでもラジオを流すことができる。複数の局が用意されており、電波をキャッチすることで増えていく。なかでも軽快なトークとブラックなジョークを快調に飛ばすスリードッグが人気。

 

※2 本作の舞台で、かつてワシントンD.C.と呼ばれた土地。国会議事堂などの史跡も存在するが、原型は留めておらず、奴隷商人や凶悪な盗賊(レイダー)、ミュータント化した怪物などが闊歩して生存競争を戦っている無法地帯となっている。

キモ次郎
確かに。夜のウェイストランドとか怖いからねぇ、いつ誰が襲ってくるかわかんなくて。で、スリードッグを使ってどんなテイストに?
吉村
それはもちろん、番宣Tシャツ。ラジオの番組でTシャツ作ってプレゼントしたりするじゃないすか。アレを仮想的にやりたいなーと。マイクに向かって語りかけるスリードッグの絵の下に、「一匹じゃ足りないし〜」のセリフを英語でビシッと!
キモ次郎
あー、『フォールアウト 3』は変なところの設定が異様に細かい(※3)のも特徴だし、確かにそういう裏設定的なアイテムはグッと来るかも! ……でも、その絵どうやって作るんですか? 『428』のTシャツはデザイナーの草野剛さんにお願いしたけど、コレはイラストレーターさんに頼む? それともゲーム中の画像をコラージュ? でもスリードッグのラジオは録音放送で、収録しているところに出くわしたことがないなぁ……。

※3 まったくメインストーリーにもクエストにも関わらないキャラクターや集団に詳細な設定が用意されていたり、“ピタゴラスイッチ”的な装置など、一般のオブジェクトを使ったネタが大量に仕込まれている。クリエーターの遊び心が随所に感じられるのも本作の特徴だ。

吉村
そう言えばそうか……。ん、コラージュ? じゃあキモ次郎氏、この前グラインドハウス映画のこと言ってたじゃない(第8回参照)。いろんなキャラクターの映像を撮りまくって、映画のポスター風に仕上げるのはどうよ?
キモ次郎
でもこのゲームにはあんまり合わないかも……。
吉村
う、うぅ……。じゃあキモ次郎氏のアイデアはある?
キモ次郎
やっぱりメガトン(※4)は外せないんじゃないかなぁ。放射能に汚染された世界で、爆弾を中心に発展した街っていう、本編が始まってもっとも最初に辿り着く場所でありながら、もっとも象徴的な場所でもあるじゃないですか。

※4 街として自立している巨大シェルターでのチュートリアル部分を経て、外界へと飛び出したプレイヤーの大半がまず訪れる街。放棄された核爆弾の不発弾を中心に発展しており、爆弾を崇める者、未来のために世界のすべてを知ろうとする余り他人に無理難題をぶつける者、他人からいかに搾取するかに血道をあげる者、ドラッグに逃避する者など、ブッ壊れた人間だらけのウェイストランドの人々の縮図をひと目に見てとれる。

吉村
いいね! でもセンシティブな問題を取り扱っている場所だけに、中途半端なデザインじゃダメでしょ。相当思い切ったデザインにするぐらいじゃないとね。コレじゃなきゃダメなんだ! ってぐらいの説得力がないと。

▲思えば、絵心が壊滅的な吉村がデザインを考えてみようっていうのが最初から無理があったのかもしれない。

キモ次郎
うーん、どうしよう……。
謎の人物
Oi Oi Oi! 打ち合わせに来てみたら、あんたら頭抱えてなにやってんの?
吉村・キモ次郎
あ、あなたは!!

▲『フォールアウト 3』激レア非売品の“ウェイストランド・サバイバルガイド”型ノートを片手に通りがかったのは、マスク・ド・UH氏。

  決断力が欠けたまま27歳になってしまったコンビでは、具体的なことがなにも決まらない! そんなピンチに突如現れた洋ゲーの伝道師、マスク・ド・UH。『フォールアウト 3』をネタにしたブログを連載中なだけに、確かに本作を知り尽くしてはいるが、救世主となるのか!? なるんだ! 次回“Tシャツ作りの百戦錬磨の男がいた(仮)”編、こうご期待! 次は一気に進みます!
 
 

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    中目黒目黒
    元ファッションライターにしてファミ通編集部に転職した異色な存在。“属性”という言葉が出てくるゲームに目まいがし、ゲーム編集者にあるまじき三半規管の弱さでFPSもプレイできないが、それ以外は選り好みなくどんなジャンルでもプレイする。とにかくミーハー。でも飽きっぽいのが玉に瑕。Tシャツプロジェクトのリーダーだが、大学時代、ヒッピールックで街を闊歩していた恥ずかしい過去を持つ。
    最近プレイしているゲーム
    『428〜封鎖された渋谷で〜』、『街へいこうよ どうぶつの森』、『ギアーズ オブ ウォー2』、『ワールドサッカー ウイニングイレブン2009』、PlayStation Home
    Most favorite Game
    『Rez』、『ICO』
     
    古屋陽一
    『踊る大捜査線』の和久さんのような存在だが、含蓄のある発言は少ない40オーバーの古参編集者。ほとんどおしゃれには興味がないが、おもしろいことには首を突っ込まないと気が済まない性分で、今回特別参加。長年にわたってさまざまなゲームイベントを取材しているためもっともゲームTシャツを保有するが、すべてインナーとして愛用している。映画と読書、アニメ、Xbox 360をこよなく愛す。
    最近プレイしているゲーム
    『428〜封鎖された渋谷で〜』、『街へいこうよ どうぶつの森』、『Fable II(フェイブル II)』
    My favorite Game
    『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』、『ときめきメモリアル〜Foever with You〜』
     
    キモ次郎
    少しまえからおしゃれに目覚め、基本的に古着しか着なくなる。と言うとオシャレなメンズに思えるが、勝負着で『銭型金太郎』への出演をスカウトされたこともあり、ただ貧乏臭いだけという説も。おしゃれショップ店員を真似してロンゲにするも、周りからは「宅リスペクト?」と質問攻めに。暗そうに見えて実際に暗いが、アクションとスポーツゲームが好きというバーチャルだけアグレシッブな無口な青年。
    最近プレイしているゲーム
    『フォールアウト 3』、『バイオニック コマンドー マスターD復活計画』
    Most favourite Game
    『ヒットラーの復活』
     
    ミル☆吉村
    平日は洋ゲーの最新情報を入手してきてはファミ通.comにアップし、休みの日は洋ゲーをプレイして潰す洋ゲー脳編集者兼記者。TシャツはバンドTや、映画などのコラージュものなどをカバー。要はゲームにしてもTシャツにしても、一発で“グッと来る”か来ないかでチョイスするヒト。コーディネートとか気にしなーい。体型もきにしなーい。そんな大胆な性格からか、歯に衣着せぬ発言が魅力であり、ウイークポイント。
    最近プレイしているゲーム
    『フォールアウト 3』、『FIFA 09 ワールドクラスサッカー』、『ミラーズエッジ』
    Most favourite Game
    『フォールアウト 3』、『Blood』
     
    斉藤和枝
    このTシャツプロジェクトのアートディレクター。とにかく声が大きいのが特徴で、これまた騒音並みのボイスを持つ、みずしな先生の担当編集“ゴチ”と毎日のように飲み歩き、ふたりともガラ声で出社するのがお決まりとなっている。デザインのモットーはいい意味で“アンチファミ通”。男勝りの大胆かつシンプルなデザインが得意(週刊ファミ通の巻頭のエクスプレスやグラビアを担当)で、それらが編集部内でなかなか好評。若かりしころは、ファッションの聖地原宿を赤モヒカン姿で闊歩していたという中目黒目黒以上に恥ずかしい過去を持つ。
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