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2008年02月26日

川島流ゲームの作り方(17) 「読ませる文章の作り方(3)」 【中級者編】

kawasihma.gifこんばんは、アーツ川島です。

みなさんはブログやSNSなどをやっていますか? 始めた当初は、これは日記だからと、特に読みやすさを意識せずに書くかもしれません。

自分の思いのままに書く、それも良いでしょう。ですがその先に読者がいることを意識し始めて、何となく上手に書きたいと思い立つ方もいます。読みやすく、理解しやすい文章を組み立てたい。このように意識する方は、少なからずクリエイティブ思考を持ち合わせている方だと私は思います。

ゲーム中の文章も同じで、その先に読み手がいます。そこを意識し始め、文章を上手く書けるようになりたいと思い立つ方もいることでしょう。クリエイティブ思考を持つ方の努力は、微力ながらできるだけ応援したいと思っています。
しかし文章力というのは、経験などで独学で身につけていく面が大きいため、技術を説明するのは難しいところです。

あえて説明するならば、どこをどのように意識すればいいのか。そこで、私自身が普段意識していることを参考に、文章作成のヒントを挙げていきます。
今日はその3回目。私の方法が全ての方に通ずるものではありませんが、参考として読んでいただければと思います。


◆文章に”波”を作る

文章にリズムを加え、波を作ることでテンポよく読んでもらえることになります。
もっと分かりやすく言えば、長い文章と短い文章を使って波を作ることに意識してみるということです。


例1)
「そんなことが言えるのはお前に天から授かった力があるからなんだ。俺もここにいるみんなもそんな力が無いことはわかっているだろう? だからこの先、全員が無事にいられるなんて保障はどこにもないんだ」


同様の内容で少し波を付けてみます。

「それはお前に力があるからだ。俺やここにいるみんなはお前のように天から授かった力なんて持ち合わせていない。わかるか? この先みんなが無事でいられることなんて保障はどこにもないんだよ」


上の文章は、長⇒長⇒長という流れ。
下の文章は、短⇒長⇒短⇒長と波を作った文章。

好みの分かれるところかもしれませんが、波を意識したほうが、特に会話文ではキャラクターの感情が多少なりとも伝えやすくなると思います。
淡々と語らせるのではなく、そのキャラクターが息づいていることを感じさせるために、リズムを意識してみるということなのです。



1つの文章で波を作りつつ、大きなくくりでも波を作ると、より理解しやすいものとなることでしょう。
特に説明的なシーンでは、すべての文章が長くなりがちです。そこに短い文章をポンと置くことで、瞬間ではあるものの読み手に対して一度休憩をさせることができるようになります。


例2)
「伝説の武器と呼ばれる剣が、北の神殿にあるらしいのよ。それさえあれば泉の魔物に勝てるかもしれない。ま、手に入ればだけどね。神殿には強い魔物がたくさんいてさ、私たちでは到底無理なんじゃないかって思うの。だから彼に手伝ってもらうのよ」

「俺はまだヤツを信用してないぞ。悪名高い進攻軍に在籍していただけあって腕が立つのはわかるが、本当にヤツに頼んでよいのか判断に迷う」

「かつての進攻軍は確かに我々人間に対しても傍若無人じゃった。だが”光より現れし者”によって人々の心が満ち足りたのじゃ。そのときから彼らはようやく人としての心を取り戻したのじゃよ。今なら我々の助けになってくれるじゃろう」


この文章、私なら2つ目と3つ目の間に、
「進攻軍はもう過去の話よ」
と、短い文章を1つポンと置きます。

あってもなくても言いたいことは通じますが、あえて長い文章の合間に短い文章を置いて、全体的に波を持たせようと考えます。
ポイントは、決して蛇足にならず、必要な情報にもなるうる事柄を置くことです。
配置することそのものは簡単ですが、意識して置けるかどうかだと思います。


以前お話した”息継ぎ”は読みやすさ、今回の”波”は読み手の読解力を助けるものだと思います。
難しく入り組んだ話になりそうだと感じたとき、”波”を意識し、あなたの伝えたい事をできるだけプレイヤーに伝えられるように心がけてみてはいかがでしょうか。



以上、これにて”川島流ゲームの作り方”は終了となります。

ここまで語ってきた”作り方”ですが、すでに自己流のゲーム作成法や文章作りの方法を構築されている方には、こうした形もあるという感じで読んでいただければと思います。

また、私の語る方法が必ず正解だとは言いません。作者によっては逆にその方の持ち味を消してしまうこともあるかもしれません。最初にも断りましたが、シナリオ派としての私の1つの方法論だと言っておきます。これがシステム派の方からすると、事柄によっては正反対な意見もあるからです。
私とは違う方向からの意見も必要だなと感じています。そこで今度はトシ重流の話でもしてもらおうかと思っているところです。



それでは、みなさんが作るゲームがより良いものになることを応援しています。

2008年02月20日

川島流ゲームの作り方(16) 「読ませる文章の作り方(2)」 【中級者編】

kawasihma.gifこんばんは、アーツ川島です。

文章を上手く書くためには、文法面での学習も必要となります。ただそうした小難しいことは参考書などに任せるとして、ここでは文法が苦手でも、気を配ればなんとなく上手く文章が作れるコツをお話していきます。


■目で追う文字にも息継ぎを意識し、情報量を分散させる

人は会話するときに息継ぎをします。同じように文章にも息継ぎが必要なのです。

言い替えれば、”句読点を打つ場所”をきちんと考えましょうということ。そのまま語ると文法的に見えてしまうため、”息継ぎ”という形で語ります。そのほうが分かりやすいですからね。

どんな文章でも読み手の息継ぎを意識したほうが良いですが、特にキャラクター同士の会話が多い”ゲーム”というジャンルでは、そのキャラクター自体が”しゃべっている”ということを念頭に、会話文を作成してみることです。


例)
隣の国に敵が攻め込んできた。王女が捕まってしまい、そのまま城に立て篭もった。この件について皆で話し合いたい。そして良い作戦を考えたい。


これをセリフに置き換えてみます。

「敵に攻め込まれた隣国は王女が捕らえられたうえにそのまま篭城されてるがどうすべきだろうか?」


息継ぎ無しにあえて分かりづらい形で書いてみました。
おそらく一読しただけでは意味が通じないと思います。一気に情報量を詰めすぎたこともあって、改めて読み返すことになる文章です。

できるだけ少ない文字量で正確に伝えられればそれに越したことはないのですが、それにはある程度の技術が必要になってきます。文字量を少なくするよりも、まずは一読で伝わるように心がけてみましょう。


では上のセリフを息継ぎを意識して情報量を分散させてみます。

「隣国に攻め入った敵によって王女が捕らえられてしまったわけだが、彼らはそのまま篭城を決め込んでしまったよ。これについて皆で協議したいのだが、何か良い策はあるか?」


文字量は多くなってしまいましたが、読みやすくなったと思います。
読みやすい=1度読めば理解できる、すなわちテンポよく読み進めてもらえることになります。
句読点はただ単に息継ぎの場所を決める作業ではなく、情報量の調節も担っていると考えて上手に使っていきましょう。


とはいえ長くすれば良いというわけでもありません。このあたりの調整は、やはり多くの書物を読むことでじっくりと養っていくほうが良いでしょう。

なお、漫画ではセリフに句読点を入れませんので、そういうスタイルで会話文を作成したい場合は、読点(、)部分では半角や全角のスペースで間をあけ、句点(。)部分では改行すると良いと思います。


説明文が苦手で上手く伝えられないと感じている方は、息継ぎと情報量の分散を意識してみてください。

2008年02月19日

川島流ゲームの作り方(15) 「読ませる文章の作り方(1)」 【中級者編】

kawasihma.gifこんばんは、アーツ川島です。

セリフ、語り、説明…、色々な場面で文章は必要不可欠です。どうせ作るのなら読んでもらえる文章にしたほうが良いですよね。

物語の質を上げる、システムを面白くする、そうした部分に着目するのも良いですが、何も目に付きやすい部分だけが実力を向上させるポイントではありません。
文章が読みやすければ自然にプレイしてもらえます。さほど気にせず書かれる文章ですが、やはり読みづらい文章はプレイ意欲が下がってしまうのです。自然に楽に読ませることもまた、技術なのです。

評価されにくい部分ではあるけれども、おかしいと突っ込まれる対象にもなりうる。そんな文章面に特化したお話を、何回かに分けて行ないます。


■固有名詞は最低限に抑える

自分の世界観を説明するために、オープニングから固有名詞がたくさん飛び交う作品があります。特に初めて作る作品は、主要キャラクター以外にも名前を付けてしまうところがあるのです。

たとえばファンタジー作品で、その世界を語るうえでの昔話を、オープニングで流すことになったとします。そこには王国の名前や神々の名前、封印された魔物、伝説の武器、活躍した勇者たち…etc
とにかくたくさんの固有名詞を並べ立て、最初に全てを語ろうとしたくなる気持ちはわかります。

何となく格好良く体裁を整えたオープニング。作っている本人としてはそこに悦を感じます。まず自分が満足して楽しむのが創作ですから、最初のうちはそれでも良い。ですが初めてその作品に触れるプレイヤーにとって、特殊な固有名詞は一度では覚え切れないのです。

ここでひとつ上を目指すのであれば、やはりプレイヤーを意識して作ることも考えていきたいところ。その一歩として、”序盤の固有名詞はなるべく控える”ということを意識してみましょう。



物語全体においても少ないほうが良いです。
それほど主要でなければ、”おじさん”や”○○のお母さん”という代名詞にできるだけ置き換えてみてください。

これによってプレイヤーは、主要となるものの名前だけ覚えればいいことになり、感覚的に楽にプレイできるようになります。
また、名前を覚えてもらうことは登場するキャラクターや物をしっかり認識することになり、結果的に作品全体に対して愛着を抱いてくれるようになるのです。

固有名詞が多ければ、その大半を物語の途中で忘れてしまいます。人によっては分からないまま進行することもあり、場合によっては主人公が置かれている状況を把握しないまま進めることもあるのです。これは結果的に作品への没入度を下げることになり、評価が下がる要因になってしまいます。

作者としては作品全体を理解してもらいたい。だからこそ作品に触れるプレイヤーの側に立って考えることも忘れないようにしたいところです。

固有名詞を抑えることで読みやすさを生み出す作りもまた、良い作品を作り上げる方法だと思います。

2008年02月13日

川島流ゲームの作り方(14) 「仲間キャラの作り方(8)」 【中級者編】

kawasihma.gifこんばんは、アーツ川島です。

ゲームを作るうえで個人的に気を配っている、キャラクター作りの重要点を少し語ることにします。


■キャラクターにギャップを用意する

私がキャラクターを作るうえで最も重視しているのは”ギャップ作り”です。

普段見えている性格とは真逆の面。それは意外性を生み出し、ドラマを生み出す材料となります。これ、創作を行なっている方には普通のことかもしれませんね。でも、あえてこの部分を意識してみると、それがイベント作りに深く繋がってくることがわかります。

例えば、普段は大人しい性格だけれども友人を危険にさらしてしまったことで激昂する姿を見せたり、普段は強がているけれど本当はすごく怖がりだったり、普段は明るく悩みの無さそうな振る舞いを見せているけれど辛い身の上だったりと、普段の姿から見えない部分を見せることでシナリオ進行上のスパイスとなるのです。


ただしこのギャップ、前半からいきなり見せても意味がありません。初めはしっかりと普段の性格をプレイヤーに植えつけておき、物語の中盤以降でチラリと見せるのがポイント。するとシナリオがグっと引き締まります。

効果があるからといって、あまりギャップ部分を出し過ぎてはいけません。性格が変わったように見えてしまい、そこに”性格の揺らぎ”が出てしまっては逆効果です。そのため、できるだけ1場面に絞ることがポイントです。(以前お話した主人公の”好き嫌い”の話に近いですが、”ギャップ”はもっと深い部分の話になります)



キャラクターのギャップを演出する1場面を用意する、これだけでイベントが1つ生まれます。
そのイベントへ導くためのストーリーを考えることにより、1つの小シナリオができます。その小シナリオを、大まかな物語の中盤〜後半あたりに、パーティ人数分散りばめるのです。

シナリオメインのゲームであるならば、小シナリオを繋げていく作り方のほうが作りやすい面もあるので、物語作りに悩んでいる方はぜひ試してみてください。
物語の大きな流れはあらかじめ考えておきつつ、小シナリオで細かい場面作りを行い、最後は多少強引でも上手くまとめられれば、それなりに楽しめる作品が出来上がるはずです。


このように、キャラクターのギャップ作りが結果的にはイベント作りの助けになると私は考えます。

今まで意識したことの無い方、ぜひ登場キャラクターにギャップとなる性格やその人物が歩んできた背景を用意し、それを演出するイベントを用意してみてください。これまでとは作品の出来栄えが変わると思いますよ。


以上、仲間の作り方には今回で終了です。

2008年02月12日

川島流ゲームの作り方(13) 「仲間キャラの作り方(7)」 【初心者⇒中級者ステップ編】

kawasihma.gifこんばんは、アーツ川島です。

今日は、こんなキャラクターがいるとゲーム作りに便利、という仲間をご紹介。


■パーティを誘導する仲間。その存在価値。

物語を創作していると、何かを選択する局面や、次にどこへ進むかを決定する場面が必ず出てきます。劇中にてそれを決めるのは誰なのか。

基本的には主人公で良いでしょう。
ですが、あえて”パーティを誘導する”という仲間の存在を作っておくと何かと便利だったりします。ゲーム作りに慣れないうちは、誘導キャラを用意させておくと良いという提案です。


●どんなキャラクターが誘導キャラになりうるか

誘導するということは、それなりに物事を知っていて、パーティメンバーからも信頼されているキャラが適切です。
よって、いつも冷静なキャラ、頭の良さそうなキャラがその担当を努めさせるのが定石でしょう。

ただし、いきなり誘導の主導権を握らせてもプレイヤーに”やらされている感”を与えてしまいます。要するに”なぜこいつが指示するんだ”と心のどこかで不振に思ってしまうのです。
そこで誘導キャラに仕立て上げるには、普段から冷静な面や頭の良い面を見せておき、ここぞというときに誘導させれば、プレイヤーとしても自然の成り行きに見えて納得できます。
また、その選択が正しかったという成果も用意してあげることです。そうすることで、以後は常にそのキャラに誘導を委ねられることになり、作り手としても楽に次のイベントへと引っ張っていきやすくなるのです。

この”自然と次の場所へ向かわせる”ということがいかに難しいかは、作品を作ったことがある方ならわかると思います。特に複数人で行動する物語の場合は、誘導する位置付けのキャラがいると作り手が楽をできると言っておきましょう。


●時にはミスも

誘導役に仕立てたキャラの性格や作者の思惑にもよりますが、何度か成果を見せたのち、1度誘導ミスをするというイベントを用意しておくのも手法の1つです。こうすることで物語のスパイスにするわけです。
初心者がいきなりやると大きな成果は望めないため、ある程度シナリオ作りに慣れてきたら、”失敗”というエッセンスも取り入れてみると良いでしょう。
なぜ今回はミスしたのか、そこに謎を用意しておくとさらに面白くなると思います。程度にもよりますが、そうやって物事1つ1つにツッコミを入れながら形作ると、物語の厚みが増していくことでしょう。


次回から【中級者編】になります。

2008年02月06日

川島流ゲームの作り方(12) 「仲間キャラの作り方(6)」 【初心者⇒中級者ステップ編】

kawasihma.gifこんばんは、アーツ川島です。

引き続き、仲間キャラクターを生み出す方法についてのレクチャーしていきます。



■自分の中の別の人格を探し出す

人間は表と裏の顔があります。
……と言うとオーバーに聞こえますが、実際のところ、人は表に見せている面とは別の性格を内に秘めているものです。性格というよりも理想でしょうか。

普段は落ち着きはらっている方は、実はちょっと弾けたこともしてみたいと思う面があります。「私だって本当はそういうことがしたい!」なんていう場面を、漫画やドラマでも見かけることがあることでしょう。
内心では”こうしたい”といった理想的な自分を、誰しも持ち合わせているものなのです。



例えば、表向きに三枚目な方は、実は二枚目な部分も演じてみたいと内に秘めているところがあります。そういう部分を利用して、内なる自分の性格をキャラクターに植えつけるという手法です。

主人公は自分が普段見せている三枚目キャラ。そして仲間には冷静沈着な二枚目キャラを用意してみるという感じです。どちらも自分の中から生まれた個性であれば、管理しやすいはずです。

その逆でも良いです。内なる自分が欲する二枚目キャラを主人公とし、それを突っつく三枚目キャラ。内なる自分に対して、表向きの自分がツッコミを入れるというのも面白いと思います。

内側と外側の自分がぶつかり合って答えを出す、そんな局面はこれまで生きてきて何度かあったと思います。それをゲーム制作に活かしてみてください。



内側と外側の自分を用意したら、そこに”何か選択をしなければいけない事柄”を、2人の間にポンと投げ入れてみてみましょう。その事柄について、内と外の自分で議論してみるのです。
議論の内容をメモしておき、ゲームに取り入れることで、それらしいイベントが出来上がることになります。また、それによって”キャラクターの個性”と”イベント制作”の両方が、同時に仕上がることにもなります。

例えば、
生け贄として魔物たちに捧げられた幼馴染。彼女1人の命で村人全員が助かる。本人も生け贄になることは承諾済み。しかし何か納得できない主人公。危険極まりない魔物の巣窟に救出に行くべきか否かで議論する、主人公ともう1人の仲間。

「あいつは俺たちの大切な仲間だ! 俺は助けに行く!」
「何を言っている。あいつは自らそれを望んだんだ。これで村人全員が救えると…」
「違う! 本当は仕方なかったんだ。あいつは自分の命で、俺もお前も救えるからこそ望んだ。だけど違うだろう!? 俺はそんなこと望んじゃいねーよ!」
「ガキだな…。俺たちが行ったところで何ができる? 何か策があるわけでもないのに真正面から向かって勝てる相手でもないだろう。共倒れになるだけだ」
「うるせー! 俺は行く! いやならお前はそこで待ってろ!」
「……ち、仕方ねーな」

…と、良くある展開ですが、例として挙げればこんな場面。
作者としては2人で魔物の巣窟に向かわせるようにしたい。しかしここで2人が「じゃあ助けに行こう」と互いに同じ意見になるよりも、少し議論が生まれたほうがドラマチックになります。加えて2人の個性の違いも演出できることにもなるのです。

変に意識して展開を考えるよりも、慣れないうちは内側と外側の自分で議論させるほうがすんなりと演出が生み出せることになるかと思います。ぜひ、”内なる自分から生み出すキャラクター作り”も試してみてください。
個人差はありますが、この方法に慣れてくると”頭の中で色々なキャラを演じる”ということが徐々にできるようになってくることでしょう。



さて次回は、こんなキャラクターがいるとゲーム作りに便利、という仲間をご紹介。

2008年02月05日

川島流ゲームの作り方(11) 「仲間キャラの作り方(5)」 【初心者⇒中級者ステップ編】

kawasihma.gifこんばんは、アーツ川島です。

これまで物語を作ったことの無い方、それでも何かを生み出したいという方に向けて、ゲーム作りの方法をレクチャーしてみます。
色々なやり方があるとは思いますが、ゲーム作りに向いていそうな方法で説明していきましょう。



■身近な友だちを参考にしてみる

マンガ講座などでよく目にする方法です。あまりにも聞きなれた方法なので、なんだそんなことかと思われるかもしれません。しかし1つ違うのは、私自身がそれを実行した経験があるということです。経験から言えばこれはかなり良い方法です。

この方法をだれかに話すと、”聞いたことはあるけれど、そういう人材に巡り会うこと自体が難しい”と言われます。みなさんもそう思っていませんか?
違います。巡り会えないのではなく、見つける力を養っていないので見つけられないだけなのです。

リアルの人間を観察し、その人の特徴ある部分を見つけて、どこが参考になるかを自分なりに考察してみてください。
方法としては、その人の良い部分を見つけることです。悪い部分を見つけることは誰にでもできる簡単なこと。創作を試みたいのであれば、そこから一歩レベルを上げてください。人の良い部分を探し出すことで人を見る目が養われ、創作に役立てることができるようになります。

その人の全てを観察する必要はありません。ある程度その人の特徴が見えてきたら参考になる部分だけをチョイスし、そこに自分なりに誇張した表現でコーティングしてみてください。
基本的にこの手法は、仲のよい友だちや、気に入っている方をその対象とすると良いでしょう。そのほうが良い面が見つけやすいです。

なお、作り出したキャラクターの名前はその人と全く違うものにすることです。知っている人の個性を借りつつも、そのキャラクターはあなたが生み出したものですから、あなた自身がちゃんと命名してあげるほうが、より愛着が沸きます。



次回も仲間キャラクターを生み出す方法についてレクチャーします。

2008年01月23日

川島流ゲームの作り方(10) 「仲間キャラの作り方(4)」 【初心者⇒中級者ステップ編】

kawasihma.gifこんばんは、アーツ川島です。

仲間キャラの作り方について、昨日の続きです。


■性格の異なるキャラクターは作るのが難しい?

前記事にて、考え方や性格の異なる仲間を登場させればいいというお話をしましたが、シナリオ作りに不慣れな方にとって、”主人公と逆の性格”というキャラクターは、登場させることができたとしても、その後の動かし方が難しいものです。
なぜなら主人公とその仲間の2人分を、作者の頭の中で作者自身が演じなければならないからです。これ、言っている意味がわかるでしょうか?

要するに作者が1人2役、いえ、仲間がいればいるほどその人数分を演じることになるということです。


漫画でも小説でも良いですが、正義感のある主人公と、とても憎らしい敵の両方をなぜ1人の作者から生み出すことができるのか不思議に思ったことはありませんか?

視聴側からすれば、個々のキャラクターが作品内で役を演じているのが見えます。しかし実際にそれが生み出されるのは作者の脳内。…当たり前のことですね。傍からは目に見えないものの、”作者は脳内で色々な人間を演じている”ということを知っておいてほしかったのです。
”別の人間を演じる”というのは、慣れていない人には難しいことかもしれません。ですがこれは創作の基本でもあります。


実のところ、創造力が養われている(シナリオ派の)方は、この”異なる人格創造”がすんなりと行なえます。それも複数人を同時に管理できるほど。これが、”物語が浮かんでくるのでそれを形にしたい人”が持つ能力の1つです。
”シナリオは浮かばないけれど何か作ってみたい人”との大きな違いです。そのため、創り出すことに慣れていない方の作品では、”主人公と同じ思考の仲間ばかり”という状況を生み出してしまうのは仕方のないことかもしれません。

慣れていない人に創造力をすぐに養えといっても、そう容易くできるものではありません。創造に長けている人とそうでない人とでは、根元にある感性が異なるのです。創作が苦手だと感じる方は、そこに大きな違いがあることは認識しておきましょう。


だからといって諦めることはありません。その能力は先天的なものではなく、後天的に養える力なのです。よって時間はかかるかもしれませんが、努力次第でいくらでも身につけられ、成長させることが可能です。

余談ですが、あるレベル以上は先天的な感性も必要になります。たとえ後天的に育てられるものでも幼少時代に養うことで生み出される感性などもあり、すでに手遅れで身につけられない部分もあります。ですがそれはもっと上のレベルの話なため、初心者の方は特に意識する必要はありません。


では、”シナリオは浮かばないけれどゲームが作りたい人”が、短期間で生き生きとしたキャラクターを作り出すにはどのような方法があるのか。
それは次回で語ることにします。

2008年01月22日

川島流ゲームの作り方(9) 「仲間キャラの作り方(3)」 【初心者⇒中級者ステップ編】

kawasihma.gifこんばんは、アーツ川島です。

引き続き、仲間キャラの作り方についてです。


■主人公と考え方が異なる仲間キャラ

”旅の目的は同じだけれど、考え方が異なる”、これが仲間のキーワードです。

あまりにもかけ離れた考え方は作者自身も管理することが大変でしょうから、ひとまず主人公と旅の目的を合わせたうえで、個性に違いを付けてみてください。

例えば…
・熱血系で攻撃的な主人公ならば、仲間はあえて極力戦闘を避けたいタイプ。
・よくしゃべる主人公ならば、寡黙ながらも時折ボソリと手痛い指摘をしてくるタイプ

というように、主人公とは逆の性格のほうが、双方の存在感が強調されるというメリットがあります。


プレイヤー側から見て、個々のキャラクターの印象が薄いと、そのキャラクターにいまひとつ感情移入ができなかったり、共感を得ない状態となります。もちろん印象の強弱だけが感情移入に関わるものではありませんが、少なくとも性格を覚えてもらえることが、楽しく遊んでもらえるための第一歩。

際立った個性がある ⇒ 存在感がアピールできる ⇒ プレイヤーにとって印象が強くなる ⇒ 気に止める存在になる ⇒ キャラクターの動向を楽しむ要因になる

こう考えると、個性の定着はキャラクター作りにおいて、やはりポイントとなる部分。そして、キャラクターの個性を際立たせたいのなら、相反する個性のキャラクターを登場させることが、素早い解決策だと思うのです。


次回、”考え方が異なるキャラクター”を、作れる人と作れない人について。

2008年01月17日

川島流ゲームの作り方(8) 「仲間キャラの作り方(2)」 【初心者⇒中級者ステップ編】

kawasihma.gifこんばんは、アーツ川島です。


前回から引き続き、仲間の作り方についてレクチャーしていきます。今日はヒロインについてお話しましょう。


なお、基本的にはシナリオ作りがわからない”初心者のためのゲームの作り方”という位置付けです。
ですが、ネタ出しに困っている方、または他の人の作り方を聞いて参考にしてみたいという方など、様々なユーザーに向けて書かせていただいています。あくまでも私の作り方ではありますが、何かの参考になると嬉しいです。

※以下では主人公を男性とした説明になります。作者が女性で女性主人公の場合は男女の表現を入れ替えて読んでください。



■ヒロインはあなたが求める異性

ヒーロー(主人公)がいるならば、ヒロイン的存在も仲間にほしいところです。旅を共にするか否かはお任せしますが、できれば最初は共に旅するメンバーの中に、ヒロイン的存在は登場させたほうが良いと考えます。ではヒロインはどのように生み出せば良いのか。

ヒーロー、ヒロインは美男美女が良いというのは定説。オーソドックスな考え方ではあるものの、初めはそのほうが作りやすいと思います。慣れた方による、ちょっと変わったヒーローやヒロインというのもアリですが、ここでは定番の作り方に触れていきましょう。

大抵は、特に意識せずとも自然と好みが現れるのがヒロインです。理想に近いというよりは、傍にいてほしいと思える存在が形作られると思います。
作り出すのが苦手であれば、まずは憧れの人を思い浮かべ、そこへさらに自分の勝手なイメージでコーティングしてみましょう。これであなたの脳内アイドルが完成です。
最初は恥ずかしいかもしれませんが、憧れの人に対して理想のイメージをコーティングするのは大抵の方なら可能だと思います。これでヒロインは完成。
それでいいのです。自分好みの異性は、どんなキャラクターであれ他の人にも魅力的に映るはずですから。

ヒロインは、特に秀でるものもない普通の子でいいと思う方もいると思います。ですが何も決めていなければ、結局のところ制作途中で性格が揺れてしまい、よく分からないキャラクターになってしまうことになるのです。それを避けるためにも、ヒロインは魅力的にするという気持ちで初めからしっかりと個性付けを行ってみてください。
魅力に関してはヒロインだけに備わるものではありませんが、いつも近くにいたり、主人公が気にしている異性キャラは、とりわけ魅力的な存在にしたほうがプレイヤーにとっても楽しいものです。

余談ですが、自分の性別とは逆の主人公を作る場合も、ヒロイン作りの手法と同様。作者から見る異性主人公というのは、自然と憧れが反映されるものです。



さて次回も例を使っての仲間の作り方についてお話します。
ちなみに前回から「初心者⇒中級者ステップ編」と切り替わっていますので、作品作りに慣れていない方には難しい部分も出てくると思いますが、焦らず少しずつモノにしていってください。

2008年01月16日

川島流ゲームの作り方(7) 「仲間キャラの作り方(1)」 【初心者⇒中級者ステップ編】

kawasihma.gifこんばんは、アーツ川島です。


「RPGツクールVX」でゲーム制作進行中の方へ、シナリオのネタを生み出す手助けとして、以前は主人公の作り方をレクチャーしました。

・「主人公の生み出し方(T)」
・「主人公の生み出し方(U)」
・「主人公の生み出し方(V)」


登場人物とシナリオは深く繋がりがあります。
キャラクターがいるからこそシナリオが生まれるものですし、作りたいシナリオを演出するためには個性あるキャラクターが必要なわけです。これはシナリオ派の私の考え方。

そこで今回は、主人公の作り方を踏まえたうえで、旅を共にする仲間の作り方を考えていこうというお話です。まずはその存在意義についてお話しましょう。


■仲間キャラの存在意義

ゲーム制作にまだ慣れていない方の作品では、仲間の性格や行動が主人公と同じになってしまっているものが多いと感じています。
それではせっかくの仲間もシナリオ面では意味を成さないと同じです。せっかく登場するキャラクター、そこに存在意義があるべきなのです。

人は誰しも同じ思考ではありませんし、持っている正義感も異なります。あまりリアルな部分を深く考えなくても良いのですが、ある程度の思考の違いを出すことが、ドラマ性を引き出させる要素になると思ってください。


例えば、パーティ内で次の目的地を決めることになったとします。
作者としては物語の流れがわかっているため、プレイヤーに対して目的地へ早く進めてもらいたいと思うものです。そのため、ゲーム内のキャラクターが提案する次の目的地に対して、仲間全員が賛成という場面を見かけます。
なぜなら、そうしたほうが作るほうとしては楽だからです。行くか否かをウダウダと議論させるイベントを作るのが面倒だというのも理由でしょう。

それが悪いことだとは思いませんが、毎回続くとどうでしょう?
全員賛成という展開に対して、プレイヤー側から見た場合に何となく疑問を抱くことはありませんか?
意見に反対する者や、さらなる追加意見を述べる者がいるのが本来の姿。そこにこそドラマを生み出すきっかけがあるのです。ここを逃すのはもったいない。

プレイヤーによっては、そうした議論する姿を見たいこともあります。その作品にのめり込んでいる方ならなおさら、このキャラクターならここでこう考えて欲しい、こんな意見を言って欲しいという気持ちが生まれるものです。
そんなプレイヤーの欲を満たす絶好の機会なわけです。なので楽してスルーするのではなく、キッチリとキャラクターの個性に合わせて意見を交わさせるという演出を作り込んでみてください。

とはいえ、いつもいつも言い合いを見せられるのも飽きます。ところどころでぶつかり合うように、賛成と対立をうまく配分してみましょう。このあたりは慣れが必要だと思いますので、まずは時折対立させるぐらいで調節です。そうした場面を入れることによって、物語のスパイスにもなります。


一緒に旅をする仲ですから目的は同じで良いです。なので基本的には同意見。
しかし目的に至るまでの手段や考え方をキャラクターごとに変えたほうが、様々なイベントを生み出すキッカケになります。予測していなかったアイデアさえ浮かぶこともあるのです。また、そうした意見の食い違いというのは、プレイする側にとっても見ていて面白いと感じる作品が出来上がるものです。

何でもすんなりいく物語ではなく、時には葛藤や対立があるほうが面白味が増すと考えましょう。そうしたことができるのも、仲間の存在意義となるわけです。



次回は、例を挙げて仲間キャラの作り方をお話します。

2008年01月15日

川島流ゲームの作り方(6) 「初めての作品公開の前に(2)」 【初心者編】

kawasihma.gifこんばんは、アーツ川島です。


”公開することを目標にゲームを作る”と意気込む初心者の方へのアドバイス。今日はその続きです。

前回分
川島流ゲームの作り方(5) 「初めての作品公開の前に(1)」 【初心者編】



4)公開するならプレイのしやすさを意識

実際に公開することを決めた際、一番気にしたいのがプレイのしやすさという面だと思います。
ゲーム進行のバランスは、初めから上手く調節できるものではありませんが、プレイがしやすければ、たとえ特徴のあるゲームでも進めてもらえると思います。

特徴があるというのは、自分の作り上げた世界観が色濃く出ていて他人になかなか理解しづらいような内容。剣と魔法というオーソドックスな世界観ではなく、ともすればユーザーを限定しそうな尖がった作りの作品を示します。とはいえ、どれだけ尖がっているのかは自分で判断するのは難しいものです。そこでやはり身近な人に意見を聞いておき、自分の個性を知っておく必要があるというわけです。

ではプレイのしやすさとは何か。
例えばボスがやけに強かったり、所持金が厳しかったりと、あまり縛り付けないほうが初期作品としては受け入れてもらえると思います。制約を付けることがゲームの楽しさに繋がる作品もありますが、シナリオ寄りのRPGであれば、初めての作品はゆるい制約が良いでしょう。

特に初期作品では、エンカウントするザコ敵が異常に強くなってしまうものです。ボス戦では攻略方法を導き出さなければ勝てないような作りになったりします。作者は攻略法を分かっているため楽に進めますが、プレイヤーは右も左もわからない状態だということを覚えておきましょう。攻略方法のヒントをどこかに仕組んでおいたり、エンカウントはテンポ良く進められるほうが良いと思います。

シナリオ進行においても、次にどこへ進めばいいのか、何をすればいいのかといったことにも、わかり易さに気を配ってみてください。あまりにも直球すぎるとつまらなくなってしまいますが、その調節が腕の見せ所でもあります。



5)厳しい意見は必ずあると思って公開しよう

自信をもって公開したけれど、喜ばしいコメントもあれば、予期せぬ厳しい意見をもらうこともあります。自分の作品を過大評価するのは大いに結構。しかし厳しい意見や批判的な意見も予測したうえで公開する気持ちが必要です。

自信がある作品を公開し、公開後は嬉しいコメントばかりもらい、さらに制作意欲が高まっていたとします。そんなときにもらった突然の厳しい意見。思いのほか大ダメージを受けることでしょう。
それが初めて公開した作品であればなおさらです。あっという間にあなたの心を折るだけの衝撃になることもあります。人によっては、二度と何か作ろうとは思わなくなる可能性もあります。それはあなたのクリエイター魂を削ぐことであって、とても悲しく、勿体無いことなのです。

そうなる前に、まずはクリエイティブな感性を持っているという点に、自分自身を誇ってください。公に言わなくて良いです。自分の中でそうだと思ってください。

万人に受け入れられる作品なんて存在しません。それこそ十人十色で、感性は人それぞれ違うのだから厳しい意見、批判的な意見もあるものです。そうやって心の準備をしたところで、どんな意見もある程度は見越したうえで公開することが、ダメージを和らげる防衛策となるのです。

あなたの作品が本当に良い作品だったとしても、注目を浴びるほど、それだけ厳しい意見も集まってしまうものです。仮にあなたの作品の良さが一部の人にしか理解できない作品だったとしても、それはむしろ固定ファンが付いてくれることにもなります。

ちなみに、厳しい意見には真っ向から批判的にならないことも1つの方法です。それすらも自分を高めてくれるコメントだと受け入れる余裕を持っておきましょう。どの言葉をどのように受け取るか、その取捨選択はあなたの手腕にかかっています。

自分の作品を世に出すというのは、とてつもないプレッシャーがあります。真剣に作り、ある程度は自信を持ってアップした作品は、期待と心配が入り混じった計り知れない感覚に押し潰されそうになることもあるのです。ですのでプレイするみなさんも、どうか温かく見守ってあげてください。

ちょっと怖がらせるようなことを書きましたが、いずれにしても公開することはあなたを大きく成長させてくれるものです。まずは心を折らないための対策を行ない、少しずつ打たれ強さを育ててください。そうすれば、きっとあなたは素晴らしいクリエイターになることでしょう。

最後にひとこと。
どんなものでも何かを創作するというのは、素晴らしく純粋な行為だと私は言いたいです。



次回は「仲間の作り方」。
ゲーム制作真っ最中の方に、少しでもシナリオのネタが生まれると良いなという、そんなお話です。

2008年01月11日

川島流ゲームの作り方(5) 「初めての作品公開の前に(1)」 【初心者編】

kawasihma.gifこんばんは、アーツ川島です。


「RPGツクールVX」の発売から2週間が経ちました。みなさん、3日坊主になっていませんでしょうか? まだ発売して間もないため、すぐには完成したゲームが現れないでしょうけれど、この先1ヶ月…2ヵ月後ぐらいにはジワジワとVX作品が出てくるだろうと思っております。スタッフ一同、楽しみでなりません。

ところでみなさんは、出来上がった作品はどうしますか?
最初は1人で作って自分の作品を自分で楽しむというスタイルかもしれません。中には初めての作品からネットで公開しようと意気込むチャレンジな方もいることでしょう。
数年前に比べてさらにネットが発達している現在、作品発表の場は増えています。自分の作品を誰かに見てもらいたいと思うのは当然の気持ちですので、どんどん公開していきましょう。

ただ、これまで”何かを作ってそれを公開した”という経験の無い方は、ここで少し気をつけなければいけないことがあります。
そこで”公開することを目標にゲームを作る”と意気込む初心者の方へのアドバイス。まずはその前振りです。



1)最初は公開することを意識しないで作ってみよう

公開することで大いなる成長もあるかと思いますが、まずは自分自身が楽しんで作ることが大切です。公開を気にすると、どうしても面白いものを作ろうと肩に力が入ってしまい、結局は目指すものが高すぎて完成させられないケースが多々あります。
最初から面白いゲームが作れる人はそうそういません。まずは自己満足でも構わないので、公開は意識せずに1つ作品を完成させてみてください。



2)初期作品は身近な人にプレイしてもらおう

初めての作品は、友だちや家族など、身近な人にプレイしてもらいましょう。そして率直な感想をもらうことです。知っている人だからこそ許せる言葉もありますし、相手も言葉を選んでくれると思います。
人によっては厳しいことを言われるかもしれませんが、第三者からの厳しい意見よりは、身近な人のほうが耐えられることもあるはず。嬉しい言葉なら、なおさらやる気へと繋がるものです。そうやって人から意見をもらうことへの耐性を少しずつ育てていきましょう。



3)周りを気にせず、作りたいものを作ろう

自分の作品が第三者からどのように捉えられるのか、とても気になるけれど、その反面怖さもあるものです。自分の独特の世界観や、特徴ある言い回しなどが受け入れられないのではないか? そんな目に見えない強迫観念に押しつぶされそうになり、結局のところ萎縮してしまって、公開まで踏み切れないケースも多いと思います。

初めから第三者を意識する必要はありません。そもそもあなたの持っている特徴は、作品の良さであり、武器です。世界観、展開、演出、そこに特徴があるからこそ光るものだと思ってください。
そして自分だけでも”これは面白い”と、作った作品に自信を持って接してあげることです。感性は人それぞれなため、どんな作品でも賛否は分かれます。気にせず自分の感性で作ることが、いずれは”あの作者はこうでなくては”と言われる、あなただけの作品が生まれることになります。



次回はこの続きになります。
昨年末に予告していた「仲間の作り方」についてはしばらくお待ちください。

2007年12月22日

川島流ゲームの作り方(4) 「主人公の生み出し方(V)」 【初心者編】

kawasihma.gifこんばんは、アーツ川島です。

私はツクールの作者には大きく分けて2通りいると思っています。それはシナリオ派とシステム派。

自分はどちらかと言われればシナリオ派であり、ゲームを作る際にはどんなキャラクターを登場させようかという部分から考えます。合わせて大まかな物語も考えますが、細かいイベントは登場キャラクターに頼る面があるため、キャラクター作りには気を遣います。もちろんシナリオ派がすべてそうではなく、それぞれ独自の組み立て方をお持ちのことでしょう。

ちなみにシステム派とは、”ゲームに自己流のルールを設ける”や”オリジナルシステムを構築する方”を指します。主人公はそのシステムを楽しむためのコマであり、プレイヤーの代わりとなるもの。よってシステム派の方が作るゲームでは、特に主人公の個性は細かく意識しなくても良いと思っています。

もちろんシステム派でもシナリオに気を遣っている方、またその逆も然りで、中には両者を兼ね備えている方もいますが、基本的にはどちらかに寄っているものです。

市販の作品は多人数で作っているため、シナリオもシステムもしっかりしています。そこを目指すのもアリですが、個人ではどうしても限界があります。チームで作られる方もいますが、「ツクール」を扱う大多数は1人で作ることでしょう。システム派、シナリオ派、どちらも自分の特徴を引き出した作品を作ることが良いと思います。



さて今日は主人公の生み出し方についての第3回。
第1回「主人公の生み出し方(T)」
第2回「主人公の生み出し方(U)」

前回までは、主人公の性格作りについて基本部分をお話しました。
今日はさらに一歩踏み込んで、より主人公をゲームの主役として立ち回らせるためのテクニックと、ネタ作りのヒントになるお話をしていこうと思います。ぜひゲーム作りに役立ててみてください。



■弱点こそ個性

初めて作るゲームの主人公は、なぜか完全無欠なキャラクターになりがちです。
例えば、熱血系でどんな敵をも打ち負かす強さを持っている主人公。ある洞窟で直面した謎に対して「これはこうやって解けばいいんだ」なんて高い頭脳を見せられると、ちょっと疑問に感じてしまうものです。強さも頭脳も持ち合わせている、そんな完璧なキャラクターはむしろ面白味がないと思ってください。

欠点があるからこそ人間らしさが生まれます。キャラクターが上手く立ち回ってくれないと思える場合は、そのキャラクターに欠点が無いからではないでしょうか。
万能タイプを作り上げてしまう気持ちも重々分かるのですが、あえて弱いところを見せることで、よりドラマ性が高まるものなのです。

弱点があることでプレイヤーに親近感が沸き、物語へ引き込ませる要因にもなります。また、ときおり作者が予測しえなかったイベントを生み出すことにもなる要素を秘めています。実は弱点というのは役に立つ要素が多々あるのです。

例えば、作者のなりたい自分を投影した”憧れ系”。口数が少ないけれどひたすら強い、そんな格好いい主人公。けれども実は方向音痴という弱点がある。
思わずガックリする弱点ですが、これがゲームのスパイスとしてジワジワ効いてくるのです。

仲間も増えた物語の中盤あたりで「あれ? ひょっとして方向音痴?」などとツッコまれ、「……」と困る姿を見せれば、今まで近寄り難かった印象がこの一件で崩れ、少し可愛く身近に感じられるようになるはずです。

なお、弱点をいきなり最初から見せるのはタブー。しばらくは表の個性をしっかりとプレイヤーに植えつけさせなければスパイスとしての効果は薄れます。よって序盤は基本個性で突き進んでください。そして物語中盤でひょっこり見せるのがテクニックなのです。

この弱点を1回限り見せてその後は放置しても構いませんが、シナリオ作りが分かっている方ならば、後々その弱点が発端となる事件を作ることも忘れません。
例えば、連れ去られた仲間を助けるため、1人洞窟をさまよう主人公。方向音痴が災いして思い通りに目的地にたどりつけない。しかし普通ではたどりつけない場所に到達することとなり、敵を倒すヒントを見つけることになった、なんていう展開が自然と表現できることになります。
もし方向音痴という弱点が無かった場合、”ひょんなことで普通ではたどりつけない場所に到達”は、プレイヤーからは都合がいいと思われてしまいます。ですが方向音痴なら仕方ない、むしろ弱点が幸運をもたらしたというドラマ性が生まれたことになるわけです。



■特殊能力と特殊な状況

プロアマ問わず慣れた方の作品を見ると、主人公に特殊能力があったり、主人公の置かれた立場が特徴的だったりします。それはシナリオを生み出すための基本的なテクニックであり、それがあるからこそ物語になるからです。なので主人公に特殊な能力や状況を設定しておくことは、初心者にとってもシナリオを生み出しやすくなる要素といえます。
ここではよく扱われるネタを参考に、能力と状況について私なりに分析してみました。ネタ出しの参考にしてみてください。



・主人公にしかない特別な力

憧れ系に多いのがこれ。主人公だけが持つ特殊能力というのは、少年マンガでも基本中の基本として設定されることもしばしばです。どんなものにするかはあなた自身が考えてください。

手っ取り早い方法として、あなたが欲しい能力を1つ思い浮かべることです。それを究極的に発展させることで魅力的な能力が生まれます。あなたが望むものはプレイヤーにも魅力的に映ります。そしてプレイ意識を高める材料にもなるのです。

ただし複数の能力を合わせてはいけません。”究極的に発展”とは、1つの部分をとにかく最大限に伸ばしたものです。よって”コレはできるけれど、アレはできない”という性質にあえてすべきだと思っています。
なぜならそうした制限があることで、能力にも弱点が生まれるからです。主人公同様、能力にも弱点を備えることでシナリオに対してより幅を広げることになります。

例えば、使えば使うほど主人公の生命力が削られたり、その能力を発動させるためには世界に数えるほどしかない何かが必要だったりという弱点、またはデメリットです。
使ったらその後に睡眠を取らなければならない程度では弱いです。無限ではなく有限な何かを代償とするのがここでのポイントとなります。



・記憶喪失という状況

俺は誰だ…、なぜここにいる? ありがちながらも初めて作るにはとても都合のよい設定です。なぜならプレイヤーもそのゲームに初めて触れるため、世界観も主人公の置かれた状況もわかりません。よって主人公の歩む速度に合わせてプレイヤーも少しずつ状況がつかめてくるため、最初から多くの説明を必要としないというメリットがあります。

さらに、見えなかった謎が少しずつ明らかになっていく様は、プレイしていても面白いと感じられる要素。特に凝った仕掛けではなくても簡単に面白さを感じてもらえる手法なのです。

ただし序盤の展開は簡単に作れるものの、謎の解明の”順序・要素・密度”がゲーム性の良し悪しを決定付けるため、相当上手にバランスを取らなければならない難しさがあります。初心者では作っている途中でつまづくこともあるため、ある程度シナリオ作りに慣れてからの手法だと思います。

もちろん”明かされる謎の衝撃度”もプレイヤーにとって評価の対象になります。あまりにもつまらない事実だった場合、たとえ終盤でもそこでプレイを投げ出されてしまうこともあるでしょう。だからといって”今まで誰も見たことの無い衝撃度”というレベルは必要ありません。「そういうことだったのか」と、ある程度の驚きを与えてくれるだけの見せ方が必要だということです。この”記憶喪失”は簡単に思えつつも、実はそれなりの技術を要する設定なのです。



いかがでしょうか。これでも主人公作りを語るには足りないぐらいですが、ポイントを絞って挙げてみました。
こうしてみると、主人公の設定がいかにシナリオに密着しているのかが分かってもらえると思います。
一番のポイントは、物語の途中で性格が揺れないようにするために”確固たる性格固定”をすることです。それは新たなネタを生み出すカギになるということも覚えておいてください。

以上、これで主人公の作り方については終了です。
次回は仲間となるキャラクターの作り方。
一緒に冒険する仲間が持つ制作上の価値、その個性作りなどについてお話します。

2007年12月21日

川島流ゲームの作り方(3) 「主人公の生み出し方(U)」 【初心者編】

kawasihma.gifこんばんは、アーツ川島です。



シナリオ作りのコツとして、手始めに主人公の作り方をお話することになった、前回
シナリオ重視の作品の場合、主人公の個性を決めることがシナリオ作りにも直結することを感じ取っていただければと思っています。

しかし主人公をどんなキャラクターにすればいいのか? そこで前回は主人公のタイプを3系統に分けてみました。今日はそこからの続きになります。主人公の生み出し方について私なりの考えをお話していきましょう。
すでにゲーム制作に慣れた方も、よろしければ作り方の1つとして読んでみてください。



■主人公の性格をきっちり決めておく理由

初心者作品で多く見かけるのは、主人公の性格が途中で何となく変わってしまうというもの。おそらく作者自身がどういうキャラクターにしていいのか迷い、揺れてしまった結果なのだと思います。

例えば、言葉少ないクールで格好いいキャラクターを演じていたものの、どうやらその口数の少なさゆえにゲーム的説明が困難になったのか、説明がどうしても必要になった場面で思わず多く語らせてしまい、キャラ崩壊となってしまったものを見たことがあります。
また、初めは大人しいのに途中から陽気に自分を主張したりなど、作者は気付かない性格の変化にもプレイヤーは敏感なのです。

何かが発端で今までとは違う行動を取るようになったのであれば、それはドラマ性があって良いのですが、何の脈絡もなく変化が起こるところを見ると、作者自身が主人公を管理できてないのだと感じ取れてしまうのです。

作者が揺れているのであれば、プレイヤーはもっと疑問に思います。すなわちその行動に対して疑問を抱き、おかしい、変だという想いを募らせ、最悪の場合はゲーム全体がつまらないと言われかねないほどです。それだけキャラクターの性格を固定することは重要なのだと思っています。

また、主人公の性格がはっきりしていれば、作り続けていくうちに次にどんな行動を取るようになるのかが、何故か作者自身にも分かってくるようになるのです。場合によっては作者が予測し得なかったアイデアが浮かぶことにも繋がります。これはいわゆる”キャラクターの一人歩き”というものです。経験した作者も少なくないと思います。
このように性格をきっちり決めておくことは、作者を助ける存在にもなりえるのです。



■性格が決められないなら好き嫌いを作れば良い

どうしても性格が決められないという方もいると思います。実のところ、気にかけていても作っている最中に主人公の性格が揺れてしまうことはよくあることなのです。

そこで私の取る手法として、”好き嫌いを決める”というやり方があります。
性格は大まかに決めておいたうえで、好き嫌いを決めるだけ。他人の行動面に対しての好き嫌いでも良いのですが、最初は生活に密着した食べ物や動物などを対象にすると良いでしょう。

例えば熱血系で、好きな物はネコ、嫌いな物はピーマン、と設定したとします。
悪事を許さない熱血系の彼が、街の中で泥棒を発見。追っている最中にネコに出くわしてしまい、もうネコしか目に入らないという展開に。この”固さから緩さへの変貌”は、見ていても楽しいものです。
プレイヤーには人間味が伝わり、”こいつは意外と優しい面があるんだな”と思わせることができます。
これだけで、”熱血系だけれども動物には優しい”という性格が1つ追加されました。細かい性格付けをあえて行なわなくても、好きなものがあるだけで性格形成がなされたことになるわけです。
ピーマンが嫌いという面では、とにかく頑として食べないことを主張することで、”こいつは頑固だ”と思わせることになります。
これで熱血+優しい+頑固という性格のできあがりです。

細かい性格付けができる方も、ぜひ主人公に好き嫌いを用意してみてください。個性が確固たるものとして定着するうえに、思いがけないシナリオのネタが浮かぶことにもなると思います。



さて、主人公の話はもう1回だけ続きます。
次回「主人公の生み出し方(V)」。
”好き嫌い”を上回る、さらなる個性を定着させる方法と、特殊設定を加えた主人公についてのお話になります。

2007年12月20日

川島流ゲームの作り方(2) 「主人公の生み出し方(T)」 【初心者編】

kawasihma.gifこんばんは、アーツ川島です。


10年ほど前では、”物語が浮かんでくるのでそれを形にしたい”という方たちがツクールでゲーム制作に着手していました。
この時代、自宅でゲームを遊ぶためには、主にゲーム機を買ってソフトを買うという方法しかなかったため、ゲームは趣向品の1つとして限定された人たちの遊びでした。

しかしここ数年、10年以上前にはPCを扱わないと思われた層も、今ではPCを当たり前のように扱う世の中になりました。また、ケータイの発展も手伝ってゲームは身近なものとなり、右を見ても左を見てもゲームゲーム…、PCやケータイでネットに繋げば無料で遊べるほど手軽にゲームに触れることのできる世の中になりました。すなわち、ゲームは一部の人の趣向品ではなくなったわけです。

そんな時代の流れなのか、ここ数年、稀にツクールの扱い方ではなく”ゲームの作り方を教えて欲しい”というお便りをいただくことがあります。要するに、どんなシナリオを作ればいいのか浮かばないというわけです。
初めて聞いたときには驚きました。”物語が浮かんでくるから作りたい”という意識でツクールを手にする人が大半だろうと思っていたのですが、今やゲームの氾濫とともに”自分もゲームを作ってみたい、でもシナリオは浮かばない”というユーザーも増えてきているのが現状だったわけです。

シナリオ作りのコツを教えて欲しい、そんな疑問を投げかければ、大抵は本を読め、アニメでも漫画でも映画でも良いので色々な作品に触れよう、という答えが返って来ると思います。もちろんそれは正しい。たくさんの作品に触れれば、それだけネタの引き出しは多くなります。
ですがそんな疑問を投げかけてくる人たちは、今すぐ何かを作りたいので、色々な作品に触れている時間が惜しいわけです。
そこで、付け焼刃でもできるシナリオ作りのコツを私のほうから伝授していこうと思います。

手始めとして今回は主人公の作り方です。そして仲間の作り方へと続きます。
なぜ主人公や仲間の作り方がシナリオ作りのコツになるのか。それは読んでいくことで分かってくると思います。すでにゲーム制作に慣れた方も、よろしければ作り方の1つとして、初心に戻ったつもりで読んでいただければ幸いです。



■主人公は作者の分身

一番簡単なのは、主人公を自分と同じ性格にすることです。自分のことは意外と分からないものだといった哲学的なことはさておき、とにかく自分の性格を反映させてしまったほうが初めての方には作りやすいものです。

または”自分が憧れる、なりたいキャラクター”というのも、”自分の性格を反映”と同じくらいよく扱われるキャラクターの1つ。むしろ憧れ系のほうが多いぐらいだと感じます。

ではどんな性格を作ればよいのか。性格作りの参考となるよう、まずはその系統を大きく3つに分けてみました。


1)自ら目的を開拓するタイプ
とにかく色々なことに首を突っ込みたがり、「世界を旅してみたい」を口癖のように言っている村の少年。この系統はオーソドックスな熱血系が当てはまります。
物語の始まりは、彼のふとした冒険心から重大な事件に巻き込まれていき、気付けば世界を股にかけて冒険しているという展開が待っています。ときおり勇者扱いされる面も秘めています。

2)初めから目的があり遂行するタイプ
運命、または私怨として、スタートから目的がハッキリしている物語によく見られます。
あまり語らず、強くて、そして何より格好いいキャラクター。主に作者が憧れる想像上のもう1人の自分を主人公に当てはめる形になります。
ときには暗い印象もあり、何か悲しい過去を持っていたりすることも。

3)知らない間に巻き込まれるタイプ
別に戦いたいわけじゃない、特に冒険したいとも思っていない。よく言えば心優しく大人しい主人公。そんな周りに流されるタイプです。ふとしたことで大事件に首を突っ込むはめとなり、どんどん事態が急転していく場合もこの系統に当てはめます。
自分ではなく他人の行動によって、引っ張られながら冒険することになるのが特徴。
主人公よりも仲間の個性が際立つ作品には、逆にこの性格が引き立ちます。


以上3つ。

これら基本系統を決めるだけでも、何かシナリオが浮かんできそうですね。もちろんこの3系統だけではありませんが、だいたいここから派生していいくものだと思ってください。
なおこの時点ではまだ性格が完成したわけではありません。あくまでも方向性を決めただけとなります。

ちなみにこの中で初心者が作りやすいのは熱血系だと思います。とにかくあっちへこっちへと興味が移るため、どんどん冒険をさせやすいのが理由です。



本日はここまで。
思わず長文になってしまったため数回に分けることにします。
次回「主人公の生み出し方(U)」。
性格を形作ることの必要性や、性格が作れない場合の対処法などを伝授します。

2007年12月19日

川島流ゲームの作り方(1) 「3日坊主にならない作り方」 【初心者編】

kawasihma.gifこんばんは、アーツ川島です。


昨日まで担当されていた外山さん、一週間以上の更新担当お疲れ様でした。ユーザーブログの紹介は年明けに続けていただくことにします。みなさん、ぜひとも実際に製品を扱った感想を書いてくださいね。



さて、「RPGツクールVX」発売まであと8日と迫ってきました。
今からどんなゲームを作ろうかと考えている時期だと思います。すでに素材作りやシナリオ作りに着手している方も多いことでしょう。中には「VX」で初めてツクールに挑んでみようという方も少なくないはず。
そこで今日から私こと川島が、私なりのゲーム制作のコツをお話していこうと思います。「ツクール」の技術的な使い方ではなく、ゲームを作るうえでの根本的なお話です。


まずは”最初にどんなものから作れば良いのか”ということについて、ゲーム作り初心者のためにレクチャーしていきます。もちろんゲーム制作に慣れた方も、初心に戻ったつもりで読んでいただければ幸いです。



■”壮大な物語”という初心者ならではの壁

初めてツクールを手にして何か作ろうと思ったとき、大抵思い浮かべるのは、有名ゲームの数々のイベントシーン。あんなシーンを自分の手で作ってみたい、自分ならこういう展開にする。そうした想いから始まると思います。
既存のゲームをプレイして、自分もこんなに凄い作品が作れるかもしれないと思うのは決して悪くないこと。しかし、そうしたゲームはプロによって作られたものであって、たとえシナリオ制作として世に出る名前が1人だったとしても、実は多くのサポートがあって築きあげられたものだということも少なくありません。

大半の場合、ツクールは1人で作るところから始まります。
シナリオ、演出、戦闘バランスなど、プロ作品なら多人数でやる作業を、全て1人でまかなうことになります。よって初めから壮大な物語が作れるわけがないのです。

初めから壮大な物語ではなく小さなところからコツコツ作れ、ということはよく言われることです。それは的を得た至極正解なことなのですが、そう言われてしまうとテンションが下がってしまうのもまた正直なところ。制作に慣れていない人は特にそうであり、出鼻をくじかれることになります。

ここは考え方を変えてみてください。
壮大な物語を作ることが目標でも良いです。ではその壮大な物語はどのように作ればいいのか。壮大な物語を分析してみるところから始めて下さい。
すると見えてくると思います。壮大な物語は、実は小さな物語の集合体だということが。ならば小さな物語をまず作ればよいわけです。
言っていることは先の”コツコツ作れ”と同じですが、取り組み方がこれで変わります。



■小さな物語とはどのようなものか

主人公のスタート地点となる村が1つ。そして探検することになる洞窟が1つ。村と洞窟を繋ぐフィールドマップを用意するだけで、実は壮大な物語の第一歩となります。
作りたいシーンもあるけれども、まずはツクールの扱い方に慣れることも含めて、簡単な冒険を作ることがゲーム作りを諦めないコツ。

フィールド、村、洞窟、そのすべてのマップは、出来合いのサンプルマップを使っても構いません。そうすればマップ作成は特に必要なくなります。また、サンプルマップを少しアレンジするだけでも構いません。

次に、ひとまず主人公を1人用意しておき、村から洞窟へと向かわせて、そこで何でも良いので”持ち帰る何か”を用意してあげてください。宝石でも良いです。

洞窟には、主人公が負けない程度の敵をランダムで配置させ、宝石の直前にはボスがいる。このオーソドックスながら基本的な流れを一度作ってしまえば、応用はいくらでも利かせられます。初めてならば”とにかく基本を一度作ってみる”です。

別に最初から人に見せることを意識しなくて良いのです。公開を気にしていたらそれこそ肩に力が入ってしまい、結局完成させられないという結末が待っています。出来上がってから人に見せるかどうかを判断すればよいのです。
最初のオーソドックスな展開は、あなたが作るであろう壮大な物語から考えれば、ほんの一瞬の出来事。プレイヤーはきっと気にしませんから、堂々とオーソドックスな展開を作ってみてください。

それでも、オーソドックス過ぎてプレイする人はつまらないんじゃないか? と思う作者さんもいることでしょう。
ならばプレイヤーの立場になって考えてみてください。最初に凝ったことをされるほうが不安が大きくなりませんか? システムが掴めず、展開がわからず、なかなかプレイを進められないというデメリットがあります。
オーソドックスだからこそ安心して最初の目的をこなしてもらえる。その中で次につながる引きつける何かを用意してあげれば良いのです。
そのぐらい気軽な気持ちで取り組んでみてください。



■オープニングはあえて最後に作る

張り切って作りたい想いはみんな一緒。格好いいオープニングで惹きつけてみせるぜと意気込んだものの、初めてのゲーム制作でそんな技量があるわけがないのです。
それでも凄いドラマティックなオープニングを作ろうものなら、オープニングを作った時点で、いえ多くはそのオープニングを作っている最中にゲーム制作を断念してしまうことになります。これは制作に慣れた作者さんたちも経験したことだと思います。

そこで私の作り方として、”オープニングは最後に作る”というやり方があります。
メリットの1つとして、エンディングまで作成したのであれば、技術は飛躍的に伸びているという点。これならば思い描くシーンを形にすることができるうえに、どこまで作ることができるのかが作る前から見えてくるため、最初に作るよりは素早く完成させられます。

もう1つのメリットは、オープニングに意味あり気な伏線を張れるという点。作り初めたときには考えていなかった事柄も、出来上がってみれば色々なシーンがそのゲームの中に誕生していることになります。そう、最初の段階ではそこまで考えていなかったということは、ゲーム作りを行なううえで珍しいことではありません。

たとえば、”光と闇の2つの紋章がラスボスを倒す唯一無二の武器を作り出すアイテムだった”ということをゲームを作っている最中に、それこそ終盤になって思いついたものだったとします。
オープニングを作成する際に、この光と闇の紋章について意味あり気に触れることで、今の話はなんだろうとプレイヤーに印象付けさせることができます。そして終盤になってようやく「オープニングのあの話はこのことだったのか!」と言わしめることになるわけです。プレイヤーには作業手順は見えませんから、「最初からそこまで考えられていたのか」と感嘆させる結果にもなるわけです。

よって、何も初めからオープニングに力を入れて作らなくても良いということです。
いきなり”洞窟の宝石を取りにいこう”でスタートさせてください。その時点ではまだあなたしかプレイしないのですから、それでいいのです。



■何があろうとも完成させる

とにかくこれに尽きます。
完成品を1つでも作った経験があるとないとでは、雲泥の差があります。

1つは自信が付くという点。それがたとえ20分程度で終わるRPGでも良いのです。その中で起こる1つの出来事に対して、きちんと結論を付けて完了する。できればオープニングやエンディングとなるものがあり、続きモノではない完成品です。

もう1つは次への作品作りのステップとなるという点。
もし途中で諦めてしまい、その作品が未完成になってしまったのならば、あなたの技術は停滞し、制作意識すらもその作品にとどまらせたままになってしまうことになります。未完成の踏み台は次へのステップとしては使い辛い。最後まで完成させたしっかりとした踏み台ならば、次の段階へと安心して進むことができるのです。

つまらなくてもいい、オーソドックスでもいい。まずあなたの中であなた自身が、これは完成品だと言えるものを作ってください。どんなに面白い作品を作っても、それが最高傑作だったとしても、未完成ではおそらく評価も中途半端になることでしょう。
面白い作品を作ることではなく、最初は完成こそが真の目標なのです。もし何か1つ完成させることができたのならば、初心者から一歩先の段階へと踏み込んだことになるぐらい、あなたは成長したことになります。

と、あまり力説すると、そこまで意識して作ろうとは思ってないよと言われそうですね。でも、できたら完成したいでしょう?
これまでツクールでゲーム制作を経験されたことがある人の中には、完成させられなかった人も多いと思います。いつまでも「ゲームを作ったことがあります、でも完成させたことはないけれど」なんて言うのも、そろそろ卒業してみませんか。



以上を踏まえて取り組めば、初心者でもきっと3日坊主ではなくなると思いますよ。



次回は「主人公の生み出し方」。
主人公なんて簡単でしょって? いえいえ、実はそうでもないのです。主人公ってどうやって作るの? どんな性格にすればいいの? そんな質問も実際にあるのです。また、突き詰めると意外と奥の深いキャラクターの生み出し方。そんなお話です。