大阪経済大学 取材レポート
こんばんは、アーツ川島です。
学校にパソコンが導入されていることが当り前になった現代。
そんな中、「ツクール」を授業に取り入れている学校が、少しずつですが増えてきているのです。ゲーム制作の過程を学ぶには調度良い教材になると判断していただけているのは嬉しい限りです。
今回取材した大阪経済大学では、以前から「RPGツクール」を使っての授業が行なわれ、「VX」にも高い興味を示していただけているとのこと。そこで現地に赴き、教授へのインタビューとゼミへの参加を敢行してみました。
大阪経済大学の情報システム科目の中には、
・ゲームデザイン論
・ゲーム制作実習
の2科目が存在します。
授業を受け持つのは、経営情報学部の太田幸一教授です。授業の内容やその取り組み方など、教授と1時間半ほどゲームについて熱く語りました。
■指導内容
太田教授が受け持つのは、コンピュータゲームに関わる授業。大きく分けて「授業」と「ゼミ」というものがあります。簡単に説明すると以下のとおり。
●授業
・120人の生徒が参加する、1年間の授業(前期+後期)。
・前期は色々なソフトを使いながら、後期は主に「Flash」などのプログラムがメインとなり、最終目標はFlashでゲームを完成させること。
・生徒作品の中には、クリックADV、アクション、レース、シューティング、パズルなどがあります。
●ゼミ
・”授業”よりも、より少数精鋭で行なう。
・「コンピュータゲームの設計・制作」を学ぶ。
・専門的であるため、生徒数は1学年20人に絞られている。
・2年生後期、3年生、4年生の、2年半の一貫指導。
・授業では「RPGツクール」も使用する。
・2年生の半年間は「ツクール」を使い、3年からはフリーツールなどを使用。
・生徒自身の手で作品を完成させ、卒業制作も創作。
■太田教授にインタビュー
まずインタビューを行なった感想として、太田教授がとにかくゲーム好きだとわかるほど、詳しい知識を持っていたのが驚きでした。取材した我々よりも年齢が高いという印象からは予測できなかったほど知識が多く、とにかくゲームが本当に好きなんだと思わせる熱意ある先生です。会話のところどころで、昔から最近までの色々なゲームタイトルが出てくるため、こちらも思わず饒舌になって語ってしまうほどでした。
以下、一部ですが、かいつまんでインタビューの内容を公開します。
――ゼミで「RPGツクール」を採用した理由をお聞かせください。
少しいじっただけで何かしら完成形が見られるため、そういう意味でツクールは勝手が良い。また、生徒が自主的に作ることを目的とするため、スタンドアローンで完成できるツールとしては最適と判断しました。とにかく生徒にはゲーム制作の流れ感じてもらい、完成を目標とさせているので、ツクールは適しています。
――ツクールに対する学生の反応はどうですか?
すぐに形になるため、扱い易いという反応があります。中には熱中してしまう生徒も出てくるので、そういうところもまた面白い。
――生徒さんたちの作品は、一般には公開したりしないのですか?
一般公開は特にしていません。卒論の提出物として、基本的には論文、それに追加してゲーム作品を提出するという形をとっています。
卒業制作の作品は学内の図書館に保管されているため、大学の生徒なら借りて遊ぶことが可能です。Webでの公開もやってみたいですが、大学のサイトに足を運ぶ方は少ないため、あまり意味がないと感じています。
ゲーム制作に興味を持っている生徒は、ADVやサウンドノベルなどを個人的にWebで公開しているようです。プログラムが得意な生徒は、C言語で作ることもありますね。
■2人でゼミに参加してみた
アーツ川島とトシ重が、生徒さんのいる教室へ乱入!
そこでは「ツクール」を使って、各自が創作に集中していました。
いいですね、授業でツクールが使えるなんて。俺の時代にはそもそもPCがそれほど普及してませんでしたから。
社会に出る前にPC操作は覚えておきたい時代だよね。そういう意味でもこれだけ環境が整っているのは嬉しいね。さすが大学だな〜。
今はゼミみたいですね。ここにいる生徒さんたちは2年生とのことです。
10代は創作力がほとばしっているから楽しみだ。
見てください、「RPGツクールXP」を使ってますよ!
太田教授の受け持ちでは、これまで「RPGツクール2000」を使っていたこともあって、現在は「XP」、今後は「VX」の導入も視野に入れているらしいよ。
ならば「VX」の宣伝をガンガンしちゃいましょうか!
うちとしては導入してもらえるのは嬉しいよね。
常に新しいソフトで学ばせてあげようという大学の取り組み方が素晴らしいっす!
うん。そのあたりが分かっている先生がいると、生徒も楽しいよね。
生徒さんたちはどんな感じでしょう? ちょっと個々に作業を覗いてみましょうか。
後ろに立たれると恥ずかしいご様子ですね(笑)
仕方ないよ、創作中はあまり見られたくないだろうし。
見た感じ、2年生ということもありますが、ツクールを初めて扱う方が多いという印象ですね。ソフトの操作にはまだ不慣れなご様子。
わからない時は教授に質問していくという感じかな。
主に個々の作業ですね。チーム制作ではないみたい。
基本は個人制作になるらしい。チームで作る人もいるみたいだけど。
ここで教授から卒業制作の作品を見せていただきました。
太田教授のゼミでは、ゲーム制作の工程を感じ、最終的にはミニゲームや短編で良いので、何かしら1つのゲームを完成させるという目標があります。
このアドベンチャー的なゲーム、謎が難しいです。
このヒントでどうやって解けと言うのか(笑)
曜日です、曜日がヒントなんですよ!
そこの5匹全部倒せばカギが出るのかな?
ちょ……、壁をすり抜けた〜!
むわー、HP1ケタだよ、回復アイテムは!?
といった感じで、しばらくゲームに熱中する2人でした。
■感想
・アーツ川島
経済大学ということもあり、基本的にはゲームを取り巻く社会的な部分を学ぶことが主であると感じました。ゲーム制作という部分ではやや甘い完成度ではありますが、卒業制作に見るゲームの歴史や社会への影響などといった論文の提出が多いところをみると、授業ではゲームの制作工程や作る側の気持ちを知るという趣旨なのかもしれません。そこは経済大学ならではであり、そこでツクールが使われるというのは、なかなか面白い取り組みだと感じました。
・トシ重
ゲーム業界を目指すというよりも、経済学を学ぶ面が大きいと思えました。しかしながら、ツクールを使った授業が成立していることは、今後のツクール開発においても非常に意義のあることだと感じられました。
■最後に
最近では学校にパソコンが導入され、その台数も増えてきていると聞いています。小学校から大学まで、多くの年代で触れる機会が多くなってきているようです。
そうやって生徒たちが若いうちからパソコンに触れる機会が増えるのは、社会に出たときにも使える知識になるため、非常に有意義なことだと思えます。
悲しいことに我々企業側からの人間にすれば、学校でパソコンを使っているところを見る機会がほとんど無いのが現状です。どういう授業があって、どんな使われ方をしているのかを知りたいのです。ですので、今回こうして取材させていただけて非常に勉強になりました。
ツクールを使った授業をされている学校、または今後取り入れてみたいと考えている教育関係者の方々から、これからも連絡をお待ちしたいと思っております。
※取材にご協力頂いた大阪経済大学の太田幸一教授、ならびに情報処理センターの平田様に、この場を借りて厚くお礼を申し上げます。









