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「コープスパーティー ブラッドカバー1・2」発表記念 チームグリグリ インタビュー

2008年05月23日

こんばんは、アーツ川島です。


『コープスパーティー ブラッドカバー1・2』を発表したチームグリグリ。

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今回発売された「ブラッドカバー1・2」はオリジナルプログラムで作成されていますが、彼らが作り出した「コープスパーティー」という世界は、ツクール作品から始まったといっても過言ではありません。

「RPGツクールVX」からツクールに触れた方の中には、初めて聞く名前だという方もいるかもしれません。
そこで今回は、「コープスパーティー ブラッドカバー1・2」の発表を記念して、ソフト開発の中心人物である祁答院さんとのインタビューを行うことにしました。

ソフトの内容というよりも、チームグリグリや祁答院さんの近況、ソフト開発における考えなどをお聞きすることが趣旨となります。
食事をしながらの他愛のない雑談ですので、興味のある方はご覧ください。



●祁答院 慎(けどういん まこと)

1995年、ログイン誌上のアマチュア作品コンテストに投稿したRPG、『サバトの女王』が掲載されたことで一躍注目を浴びる。カワイイ絵とは裏腹にブラックなシナリオが展開される作風が特徴。その持ち味が十二分に活かされた代表作『コープスパーティー』は、第2回アスキーソフトウェアコンテストで最優秀賞を受賞。10年以上の時を超えた今でもファンに支持され続けている。
創作の幅は広がり、コンシューマソフトのディレクションなど、ゲーム会社での仕事を経験。また、テレビ番組内のCGアニメを製作するなど、精力的に活動を行なう。現在は大学時代からの友人、オガワコウサク氏と濱本麻央氏と共に、有限会社グリグリを設立。

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・サバトの女王



◆「ブラッドカバー」について

――お久しぶりです。「ブラッドカバー」頒布開始おめでとうございます! まずは「ブラッドカバー1・2」の作成経緯についてお話いただければと。

祁答院 ありがとうございます。以前作成したモバイル版ですが、環境上遊べなかった方からのご要望もあって、自作プログラムで組み直し、アレンジを加えた形を取りました。モバイル版、ブラッドカバー版とでそれぞれ独自のイベントが入る予定ですので、どちらを遊ばれた方でももう片方も楽しめるような作りになればと考えています。


――発表してみていかがでしたか?

祁答院 光栄にもたくさんのご意見やご感想をいただけて、大きな励みになっています。開発中の苦労も吹き飛ぶ思いです。


――秋葉原のメッセサンオー同人ソフト館では店頭デモも流れ、大々的に宣伝していただけたようですね。こうした宣伝活動もご自分で?

祁答院 いえ、メッセサンオーさまには独自にPR展開を行って頂けたようです。「ビミョーなキャラのハマリ系剣戟ACT!」とか、何気にいつもグリグリのソフトを面白くプッシュして下さるので、毎回喜んでいるんですよ。今回は特に大きな規模だったので、私も驚きました。


――さらにその模様をアキバBlogさんで取り上げられていたのを見ました。ここでまた大きな注目を浴びたのではないでしょうか。

祁答院 サイトの訪問者数が、桁2つぐらい変わりました(笑)。 まずは知っていただけることが大切なので、ご紹介記事を掲載して頂けたニュースサイトやBLOG様には大変助けられていると痛感しています。


――ご自分で宣伝活動はされないのですか?

祁答院 色々と二の足を踏んでいた部分があったのですが、もっとアクティブに動いていかなければと考えています。


――メインスタッフは3名ですよね。それでソフトを開発しつつ、会社としても存続させていかなくてはならない…。大変な道を選んだと思っていませんか?

祁答院 大変です(笑)。ですがこれまで色々な会社で様々な事を学んだ上で、結局自分や仲間達にはこのスタイルが一番いいと思って、現状この形で落ち着いています。


――やはり自分の作りたいものを作っていきたいと…

祁答院 そうですね、あまり格好の良い理由でもなく。とにかく彼等(グリグリのメンバー)とならば面白い事が出来るだろうという、今思うと相当危ういスタートではあったのですが、色々な部分で様々な人の助けがあって進んでゆけていると思っています。


――たとえば「ツクール」からゲーム作りに目覚める方もいると思います。
学生のうちは趣味でも良いと思いますが、それを仕事にしたいとなるとなかなか難しい。学生のころは夢に描くんですよね。好きになったことを仕事にしたい。組織に縛られずに自由にやりたい。会社を立ち上げてでも実現してみたいって。このパワーは素晴らしい。でもそんなに甘くないのも現実…。
それを成し遂げているグリグリさんは、そうした夢を抱く方々にとって、良いお手本になるような気がするんですよ。良い面、辛い面すべて含めて。

祁答院 ツクールのおかげで「ゲームを作るのが趣味(=好き)になった」という方が一人でも多く増える事は業界にとって本当に素晴らしい事だと思います。
独立したとはいえ我々の場合も、周りの企業様の力を借りて仕事をさせて頂いています。やはり気楽で自由なものではありません。いつも思っているのは、自分達の趣味というか、色を出せる仕事が出来たらって事。
どの環境に居ようとも、それを少しずつでも実現できるポジションを目指して行く事が大事なんじゃないかと考えています。


――私の経験上、目標としているものがあれば、たとえ遠回りでもその道は自ずと拓けると思うんですよね。
周囲にもいるのですが、仮に最初に願っていたものとは100%望みの場所ではないにしろ、結果的に見れば、その人にとって住みごごちの良い場所(職場)だったり。だから希望は常に持っておくべきなんじゃないかと。
将来、ゲーム開発に携わってみたいと考えている人は、開発ではなくともゲームに関わる仕事、またはゲームではないけれど何かの開発、そうした部分から攻めていくというのも有りなんじゃないかと私は思うのです。
いつか声がかかることもありますし、社会人として周りが見えてきたときに自分から一歩踏み出していけるようにもなる。

祁答院 そうですね。我々も独立してからは、ゲームとは異業種のお仕事も経験できるのが楽しかったり、新たに色々と学ばせて頂いてとても有意義に感じる事が多いです。
指針的なものを持ち続けておくと何をやっていても自然と頭が向いてゆくでしょうし、共鳴してくれる人や機会に出会える可能性も増えて行くのかも知れません。




◆祁答院さんのアイデア創作の原点

――そういえば「コープス」の件を、声優の杉田智和さんのラジオで取り上げていただけたそうじゃないですか。「ハルヒ」にハマった自分からすれば、個人的にも杉田さんの応援はとても印象深い。羨ましい出来事ですね。

祁答院 「スウィートジャンクション」ですね。深夜ノリで最高に楽しい番組なので、このところ録り溜めしてヘビーローテーションで拝聴しています(笑)。 杉田さんには、光栄にも中村悠一さんと一緒に「旧作コープス」からお遊び頂けていたそうで、また一度のプレイじゃ普通忘れてしまうような、とても細かい部分までご存知だったりして。本当にお気に召して頂けてるんだなぁと感激しました。
いつかご一緒に、何か面白い事が出来れば…と勝手に夢見ております。


――コープスといえば赤色が多いですね。心理的部分でもかなり怖いですし。いや、本当にゾクゾクするというか、前に進みたくない恐怖があります。
ちなみにああいった演出はいったいどこから学ぶものなのでしょうか。

祁答院 う〜ん…。しいて言うなら、主に映画でしょうか? 空気感や間といった、感覚で計るような部分を映像から吸収している事は多いような気がします。「グラインドハウス」から「子ぎつねヘレン」まで、暇さえあれば何でもかんでも観に行っていますから(笑)。


――祁答院さんが初めて影響を受けたゲームって何ですか?

祁答院 旧コープスの時代から大リスペクト作品だったのが、ファミコンの「スウィートホーム(カプコン)」です。あれは本当に、原作映画にも負けないくらい怖くて。「不安な気持ちになる快感」というか、ある種の非現実に飛び込む楽しさを初めて味わいました。
単調に鳴っているだけの鎧の歩く音や、よどんだ空気や匂いまで感じるようなBGMなど、人の心を揺さぶる演出にスペック限界は関係ないんだ、と当時の自分にとっては衝撃そのものでしたよ。
…まぁ慣れてくると、わざと砂地獄に落として『「回りたぐち」釣り』と爆笑してみたりとか、変な遊び方もしていましたが(笑)。


――ファミコンのタイトルの中でも名作と謳われている作品の1つですからね。想像をかき立てるというか、あの色数少ない当時のドット絵でも、怖さは十分伝わってきますし。現在の目の肥えた10代には伝わりづらいかもしれませんが…。

祁答院 ケータイやDSなどのドット絵のゲームで慣れ親しまれている感もありますから、今でも大丈夫かなとも思います。確かに当時のファミコンソフトなので、見た目には色数が少なく感じてしまいそうですけれど、逆にその色数でここまで表現できるんだということも感じ取れるのではないかと。


――そういう見方ができる方であれば、創作力のある方だなと思いますよ。
ゲームをプレイするにしても、ただ遊ぶだけではなく「こういう表現おもしれ〜」といった見方もできると、そこで想像力が育まれると思うんですよね。
”今の若者は想像力が足らない”と言われていますが、そうじゃない。想像力を必要としないほどのリアル表現がそうさせてしまっているところもあるとも言えますが、だからといって想像力が減退したのではなく、そうしたリアル表現の中にも想像を張り巡らせてしまうのもまた若者の能力だと私は思っているんですよ。
ゲームだけに特化して言えば、次世代機でのリアル表現された作品もあれば、ケータイゲームのようなデフォルメされた作品もある。その両方を見ている今の子供たちは、我々の時代よりも想像力がたくましくなると思えるんですよね。

祁答院 確かに。どちらのアプローチにもそれぞれの良さがありますからね。その中で色んな空想をして妄想をして、段々と好みの表現が固まって行くのでしょう。
そういう意味で、機能限界にあまりとらわれずに筆を選べる今の環境は、作り手にとっても遊び手にとっても、あるべき姿になっているなと思います。




◆「コープス」人気再燃!? これからの展開は?

――ここへきてコープスが改めて注目を浴びつつありますね。当時影響を受けた方々が社会に出て、中には伝える場にいる方々もいる。そうした方によるプッシュはかなり嬉しいですよね。

祁答院 とても有難いことだと思います。今はネットがあって個人で発信できることもあるので、情報の伝達が早くて広範囲ですからね。光栄にも応援して下さっている方々には、この先もっと喜んで頂けることを我々もできたらと思っているんです。


――ゲームのみならず、色々なメディア展開があると良いですね。

祁答院 我々に出来る事はゲーム作りなので、まずはそこをしっかりと押さえて、魅力のあるコンテンツを作れるよう尽力して行きたいです。その上で横の方向に広がって行く事があれば、願ってもない嬉しい事ですね。お声がかかれば何だってします(笑)。



――そこから新たなファンが生まれて、メジャー化していくとこちらも盛り上げ甲斐がありますよ。

祁答院 有難う御座います。旧作から入って下さった方も、iアプリやブラッドカバーから始めて下さった方も、全ての方々に喜んで頂けるような環境になれば…と思います。ゲームの持つ性格を崩さずに、上手くバランスを保てるように。これからもどんどん、面白い事が出来ると良いのですが。


――十分あり得ますよ。色々な場所からの声にどんどん乗っかっていってください。様々な可能性を秘めているものは自由に広がっていっていくものだと思っていますから。

祁答院 恐縮です。何かご協力できそうなことがあれば、何でも喜んで努めさせていただきますので、よろしくお願いします!



以上、祁答院さんとのインタビューでした。

真面目な姿勢は今も昔も変わらない祁答院さん。それはチームグリグリのメンバー全員が、しっかりとしたビジョンを持っている現れなのだと思います。
これからさらに活動の幅を広げていくと思われる彼らを、ツクール制作者の先輩という視点からも、みなさんもぜひ応援してあげてください。

◆コープスパーティーブラッドカバー1・2プロモーションビデオ【YouTube】
http://www.youtube.com/watch?v=ranxuQ2G3Dg

◆関連リンク
同人ホラーADVゲーム コープスパーティーブラッドカバー
「圧倒的な恐怖!」【アキバBlog】

http://www.akibablog.net/archives/2008/03/corpse-blood-080312.html

◆コープスパーティーブラッドカバー公式サイト
http://www.gris2.com/~corpse_pc/


投稿者 ツクールスタッフ : 2008年05月23日 20:45

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