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2008年05月30日

現在無料で遊べる「RPGツクールVX」作品

kawasihma.gifこんばんは、アーツ川島です。


「RPGツクールVX」発売から約5ヶ月ほどが経ちました。みなさん、ゲーム作りの進行具合はいかがでしょうか。

ゲームの制作には時間がかかるため、ツクール発売後すぐに多くの作品が公開されるものではありません。もちろん早々に公開されている方もいるとは思いますが、過去の例から見ると、ソフト発売から約半年ぐらい経ってからポツポツとやり応えのあるタイトルが出始めてくると思っています。
そう考えると、そろそろ「VX」産のゲームが続々と公開され始めてくる頃でしょうか。

たとえばツクールWebの”作品宣伝掲示板”を見ると、すでに何タイトルか公開されているのがわかります。ユーザー制作の「VX」作品を見てみたい! と思っている方は参考にしてみましょう。


◆作品宣伝掲示板

ツクールWeb>ツクラー広場>コミュニティ>
作品宣伝掲示板
http://tkool.jp/fancontents/appeal/

キーワードに「RPGツクールVX」や「VX」と入れて検索してみました。

「RPGツクールVX」で検索

「VX」で検索

ゲーム以外にも、独自スクリプトを公開されている方もいます。



◆ファミ通.com 無料ゲーム

http://www.famitsu.com/freegame/


こちらでは、「ぼくのすむまちVX 第1話」と、「第2話」がダウンロードできます。
以前モバイル版で配信されていた神無月サスケさんの同名作品。そのリメイクですが、「VX」作品として改めてプレイしても楽しめる作りになっています。



また、天空さんによる「真実の道標」も公開中。モバイル版の『いつわりの道標』の続編ですが、前作をプレイしていなくても楽しめます。

「ファミ通.com 無料ゲーム」では、今後も作品を追加していく予定です。
このほかにも個人サイトでUPされている作品もたくさんあると思いますので、独自に検索して見つけてみるのも良いかもしれませんね。



◆ユーザー作品

ユーザー同士が集まって何かを作る、そうした試みが以前からツクール作者さんたちの間で催されています。
たとえば「RPGツクール2000」を主として、数人の作者さんたちが共同で作成するアドベンチャーゲーム、「駅」というものがあります。
最近では、「RPGツクールVX」を使用した共同制作作品、「1room」が完成したという情報をいただきましたのでご紹介させていただきます。

15名のツクール作者さんたちが集まり、1本のアドベンチャーゲームとして完成させたものです。


・「1room」
http://eki.konjiki.jp/

こうした作者さんたちの試みは、我々も応援していきたいですね。
個人で制作するのも良いですが、このような共同制作に参加してみるのも楽しいと思います。



●作った作品をアップするには…?

他の作者さんが作った作品を見るのも勉強になりますが、やっぱり自分が作ったほうが確実に実力がUPします。とはいえ、初めて作った作品をどのようにアップすれば、色々な人に遊んでもらえるのでしょう?

以前から個人のホームページ(以下、HP)で作品を公開されている方ならば、訪問者がいるため新作を遊んでもらえる率は高いです。しかし「VX」から初めてツクール作品を公開しようとしても、なかなか見てもらうのは難しいところです。

”作品宣伝掲示板”を利用してみるというのも1つの手です。
しかし”作品宣伝掲示板”への投稿は、HPを持っていることが前提の仕組みとなっています。
今の時代、ブログやSNSしか利用したことがないという方も多いはず。そうした方が初めてHPを構築していくのは難しいことでしょう。しかし現状はその方法しかないように思われます。
アップローダを利用するというのも1つの手ですが、長く置いておくには適していないかもしれません。
HPを作らずともツクール作品がUPできる仕組み……これは何か考えたいところですね。

あくまでもたとえ話ですが、ゲームファイルを含めてツクール作品を簡単に投稿でき、なおかつ作者&プレイヤー間でみんながもっと気軽に触れ合え、初心者でもコメントがもらい易くなるような、そんなシステムがご用意できたらいいですよね(夢)


ひとまず今は、作品を作り続けてみましょう。公開できる作品が無いことには前へは進めません。完成作品を1つでも作る、そして新たな作品を生み出していくことが、あなたのクリエイティブな感性を呼び起こし、育てていけることになります。
私たちはこれからもツクール作品が増えていくことを楽しみにしています。


投稿者: ツクールスタッフ 日時: 17:16 |

2008年05月23日

「コープスパーティー ブラッドカバー1・2」発表記念 チームグリグリ インタビュー

こんばんは、アーツ川島です。


『コープスパーティー ブラッドカバー1・2』を発表したチームグリグリ。

g003.jpg

今回発売された「ブラッドカバー1・2」はオリジナルプログラムで作成されていますが、彼らが作り出した「コープスパーティー」という世界は、ツクール作品から始まったといっても過言ではありません。

「RPGツクールVX」からツクールに触れた方の中には、初めて聞く名前だという方もいるかもしれません。
そこで今回は、「コープスパーティー ブラッドカバー1・2」の発表を記念して、ソフト開発の中心人物である祁答院さんとのインタビューを行うことにしました。

ソフトの内容というよりも、チームグリグリや祁答院さんの近況、ソフト開発における考えなどをお聞きすることが趣旨となります。
食事をしながらの他愛のない雑談ですので、興味のある方はご覧ください。



●祁答院 慎(けどういん まこと)

1995年、ログイン誌上のアマチュア作品コンテストに投稿したRPG、『サバトの女王』が掲載されたことで一躍注目を浴びる。カワイイ絵とは裏腹にブラックなシナリオが展開される作風が特徴。その持ち味が十二分に活かされた代表作『コープスパーティー』は、第2回アスキーソフトウェアコンテストで最優秀賞を受賞。10年以上の時を超えた今でもファンに支持され続けている。
創作の幅は広がり、コンシューマソフトのディレクションなど、ゲーム会社での仕事を経験。また、テレビ番組内のCGアニメを製作するなど、精力的に活動を行なう。現在は大学時代からの友人、オガワコウサク氏と濱本麻央氏と共に、有限会社グリグリを設立。

g002.jpg
・サバトの女王



◆「ブラッドカバー」について

――お久しぶりです。「ブラッドカバー」頒布開始おめでとうございます! まずは「ブラッドカバー1・2」の作成経緯についてお話いただければと。

祁答院 ありがとうございます。以前作成したモバイル版ですが、環境上遊べなかった方からのご要望もあって、自作プログラムで組み直し、アレンジを加えた形を取りました。モバイル版、ブラッドカバー版とでそれぞれ独自のイベントが入る予定ですので、どちらを遊ばれた方でももう片方も楽しめるような作りになればと考えています。


――発表してみていかがでしたか?

祁答院 光栄にもたくさんのご意見やご感想をいただけて、大きな励みになっています。開発中の苦労も吹き飛ぶ思いです。


――秋葉原のメッセサンオー同人ソフト館では店頭デモも流れ、大々的に宣伝していただけたようですね。こうした宣伝活動もご自分で?

祁答院 いえ、メッセサンオーさまには独自にPR展開を行って頂けたようです。「ビミョーなキャラのハマリ系剣戟ACT!」とか、何気にいつもグリグリのソフトを面白くプッシュして下さるので、毎回喜んでいるんですよ。今回は特に大きな規模だったので、私も驚きました。


――さらにその模様をアキバBlogさんで取り上げられていたのを見ました。ここでまた大きな注目を浴びたのではないでしょうか。

祁答院 サイトの訪問者数が、桁2つぐらい変わりました(笑)。 まずは知っていただけることが大切なので、ご紹介記事を掲載して頂けたニュースサイトやBLOG様には大変助けられていると痛感しています。


――ご自分で宣伝活動はされないのですか?

祁答院 色々と二の足を踏んでいた部分があったのですが、もっとアクティブに動いていかなければと考えています。


――メインスタッフは3名ですよね。それでソフトを開発しつつ、会社としても存続させていかなくてはならない…。大変な道を選んだと思っていませんか?

祁答院 大変です(笑)。ですがこれまで色々な会社で様々な事を学んだ上で、結局自分や仲間達にはこのスタイルが一番いいと思って、現状この形で落ち着いています。


――やはり自分の作りたいものを作っていきたいと…

祁答院 そうですね、あまり格好の良い理由でもなく。とにかく彼等(グリグリのメンバー)とならば面白い事が出来るだろうという、今思うと相当危ういスタートではあったのですが、色々な部分で様々な人の助けがあって進んでゆけていると思っています。


――たとえば「ツクール」からゲーム作りに目覚める方もいると思います。
学生のうちは趣味でも良いと思いますが、それを仕事にしたいとなるとなかなか難しい。学生のころは夢に描くんですよね。好きになったことを仕事にしたい。組織に縛られずに自由にやりたい。会社を立ち上げてでも実現してみたいって。このパワーは素晴らしい。でもそんなに甘くないのも現実…。
それを成し遂げているグリグリさんは、そうした夢を抱く方々にとって、良いお手本になるような気がするんですよ。良い面、辛い面すべて含めて。

祁答院 ツクールのおかげで「ゲームを作るのが趣味(=好き)になった」という方が一人でも多く増える事は業界にとって本当に素晴らしい事だと思います。
独立したとはいえ我々の場合も、周りの企業様の力を借りて仕事をさせて頂いています。やはり気楽で自由なものではありません。いつも思っているのは、自分達の趣味というか、色を出せる仕事が出来たらって事。
どの環境に居ようとも、それを少しずつでも実現できるポジションを目指して行く事が大事なんじゃないかと考えています。


――私の経験上、目標としているものがあれば、たとえ遠回りでもその道は自ずと拓けると思うんですよね。
周囲にもいるのですが、仮に最初に願っていたものとは100%望みの場所ではないにしろ、結果的に見れば、その人にとって住みごごちの良い場所(職場)だったり。だから希望は常に持っておくべきなんじゃないかと。
将来、ゲーム開発に携わってみたいと考えている人は、開発ではなくともゲームに関わる仕事、またはゲームではないけれど何かの開発、そうした部分から攻めていくというのも有りなんじゃないかと私は思うのです。
いつか声がかかることもありますし、社会人として周りが見えてきたときに自分から一歩踏み出していけるようにもなる。

祁答院 そうですね。我々も独立してからは、ゲームとは異業種のお仕事も経験できるのが楽しかったり、新たに色々と学ばせて頂いてとても有意義に感じる事が多いです。
指針的なものを持ち続けておくと何をやっていても自然と頭が向いてゆくでしょうし、共鳴してくれる人や機会に出会える可能性も増えて行くのかも知れません。




◆祁答院さんのアイデア創作の原点

――そういえば「コープス」の件を、声優の杉田智和さんのラジオで取り上げていただけたそうじゃないですか。「ハルヒ」にハマった自分からすれば、個人的にも杉田さんの応援はとても印象深い。羨ましい出来事ですね。

祁答院 「スウィートジャンクション」ですね。深夜ノリで最高に楽しい番組なので、このところ録り溜めしてヘビーローテーションで拝聴しています(笑)。 杉田さんには、光栄にも中村悠一さんと一緒に「旧作コープス」からお遊び頂けていたそうで、また一度のプレイじゃ普通忘れてしまうような、とても細かい部分までご存知だったりして。本当にお気に召して頂けてるんだなぁと感激しました。
いつかご一緒に、何か面白い事が出来れば…と勝手に夢見ております。


――コープスといえば赤色が多いですね。心理的部分でもかなり怖いですし。いや、本当にゾクゾクするというか、前に進みたくない恐怖があります。
ちなみにああいった演出はいったいどこから学ぶものなのでしょうか。

祁答院 う〜ん…。しいて言うなら、主に映画でしょうか? 空気感や間といった、感覚で計るような部分を映像から吸収している事は多いような気がします。「グラインドハウス」から「子ぎつねヘレン」まで、暇さえあれば何でもかんでも観に行っていますから(笑)。


――祁答院さんが初めて影響を受けたゲームって何ですか?

祁答院 旧コープスの時代から大リスペクト作品だったのが、ファミコンの「スウィートホーム(カプコン)」です。あれは本当に、原作映画にも負けないくらい怖くて。「不安な気持ちになる快感」というか、ある種の非現実に飛び込む楽しさを初めて味わいました。
単調に鳴っているだけの鎧の歩く音や、よどんだ空気や匂いまで感じるようなBGMなど、人の心を揺さぶる演出にスペック限界は関係ないんだ、と当時の自分にとっては衝撃そのものでしたよ。
…まぁ慣れてくると、わざと砂地獄に落として『「回りたぐち」釣り』と爆笑してみたりとか、変な遊び方もしていましたが(笑)。


――ファミコンのタイトルの中でも名作と謳われている作品の1つですからね。想像をかき立てるというか、あの色数少ない当時のドット絵でも、怖さは十分伝わってきますし。現在の目の肥えた10代には伝わりづらいかもしれませんが…。

祁答院 ケータイやDSなどのドット絵のゲームで慣れ親しまれている感もありますから、今でも大丈夫かなとも思います。確かに当時のファミコンソフトなので、見た目には色数が少なく感じてしまいそうですけれど、逆にその色数でここまで表現できるんだということも感じ取れるのではないかと。


――そういう見方ができる方であれば、創作力のある方だなと思いますよ。
ゲームをプレイするにしても、ただ遊ぶだけではなく「こういう表現おもしれ〜」といった見方もできると、そこで想像力が育まれると思うんですよね。
”今の若者は想像力が足らない”と言われていますが、そうじゃない。想像力を必要としないほどのリアル表現がそうさせてしまっているところもあるとも言えますが、だからといって想像力が減退したのではなく、そうしたリアル表現の中にも想像を張り巡らせてしまうのもまた若者の能力だと私は思っているんですよ。
ゲームだけに特化して言えば、次世代機でのリアル表現された作品もあれば、ケータイゲームのようなデフォルメされた作品もある。その両方を見ている今の子供たちは、我々の時代よりも想像力がたくましくなると思えるんですよね。

祁答院 確かに。どちらのアプローチにもそれぞれの良さがありますからね。その中で色んな空想をして妄想をして、段々と好みの表現が固まって行くのでしょう。
そういう意味で、機能限界にあまりとらわれずに筆を選べる今の環境は、作り手にとっても遊び手にとっても、あるべき姿になっているなと思います。




◆「コープス」人気再燃!? これからの展開は?

――ここへきてコープスが改めて注目を浴びつつありますね。当時影響を受けた方々が社会に出て、中には伝える場にいる方々もいる。そうした方によるプッシュはかなり嬉しいですよね。

祁答院 とても有難いことだと思います。今はネットがあって個人で発信できることもあるので、情報の伝達が早くて広範囲ですからね。光栄にも応援して下さっている方々には、この先もっと喜んで頂けることを我々もできたらと思っているんです。


――ゲームのみならず、色々なメディア展開があると良いですね。

祁答院 我々に出来る事はゲーム作りなので、まずはそこをしっかりと押さえて、魅力のあるコンテンツを作れるよう尽力して行きたいです。その上で横の方向に広がって行く事があれば、願ってもない嬉しい事ですね。お声がかかれば何だってします(笑)。



――そこから新たなファンが生まれて、メジャー化していくとこちらも盛り上げ甲斐がありますよ。

祁答院 有難う御座います。旧作から入って下さった方も、iアプリやブラッドカバーから始めて下さった方も、全ての方々に喜んで頂けるような環境になれば…と思います。ゲームの持つ性格を崩さずに、上手くバランスを保てるように。これからもどんどん、面白い事が出来ると良いのですが。


――十分あり得ますよ。色々な場所からの声にどんどん乗っかっていってください。様々な可能性を秘めているものは自由に広がっていっていくものだと思っていますから。

祁答院 恐縮です。何かご協力できそうなことがあれば、何でも喜んで努めさせていただきますので、よろしくお願いします!



以上、祁答院さんとのインタビューでした。

真面目な姿勢は今も昔も変わらない祁答院さん。それはチームグリグリのメンバー全員が、しっかりとしたビジョンを持っている現れなのだと思います。
これからさらに活動の幅を広げていくと思われる彼らを、ツクール制作者の先輩という視点からも、みなさんもぜひ応援してあげてください。

◆コープスパーティーブラッドカバー1・2プロモーションビデオ【YouTube】
http://www.youtube.com/watch?v=ranxuQ2G3Dg

◆関連リンク
同人ホラーADVゲーム コープスパーティーブラッドカバー
「圧倒的な恐怖!」【アキバBlog】

http://www.akibablog.net/archives/2008/03/corpse-blood-080312.html

◆コープスパーティーブラッドカバー公式サイト
http://www.gris2.com/~corpse_pc/

投稿者: ツクールスタッフ 日時: 20:45 |

2008年05月16日

ドット絵プレゼント 【5月】

kawasihma.gifこんばんは、アーツ川島です。


お待たせしました、5月のドット絵は男性編です。
3月に女性編を作成しましたので、5月ということで男性。
子供からお年寄りまで幅広い年齢層で、町の人を用意してみました。


8キャラ分1セットでのご提供。みなさんのゲーム作りにお役立てください。

may_blog.png

上記の画像は「RPGツクールVX」にインポートしてお使いいただくことができます。
右クリック⇒「名前を付けて画像を保存」で、お手持ちのPCに保存してお使いください。

※画像の取り扱いに関しましては、「ツクールシリーズ利用規約」に準じます。



こちらの配布と併せて、「ちびキャラツクール」もご利用いただくと良いかと思います。
実のところ私も1人のツクラーとして利用しています。「ちびキャラツクール」があれば、サブキャラに関しては事が済んでしまうかなと思うほど。「VX」でゲームを作っているみなさん、ぜひご利用ください。今後はそちらのパーツも増やしていきたいところですね。

投稿者: ツクールスタッフ 日時: 19:43 |

2008年05月09日

トシ重流ゲームの作り方(10)

shigetoshi.gifオッス! ツクールがあれば、ファミレスのつけ合わせのパセリも食べられるトシ重です。ハンバーグについてくるクレソンはちょっと苦手です。

今回でトシ重流ゲームの作り方は終了です。長い間、応援ありがとうございました。


トシ重流ゲームの作り方(10)


■トシ重作品の分析A
『Bite a Cat!』
RPGツクール95作品 ダウンロードはコチラから

第4回アスキーエンターテインメントソフトウェアコンテスト(※1)に応募するために作成されたRPGツクール95作品。あらすじを簡単に紹介すると、大学生と忍者を兼ねる主人公が活躍するRPG風アドベンチャーゲームである。

この作品は、いろんな意味でトシ重を成長させてくれた。一番大きかったのは、決められた期間の中で目的をもって制作するということ。要するに、第4回アスキーエンターテインメントソフトウェアコンテストに応募しようと思い立ち、締切1ヶ月前に制作を開始したわけである。

それでは、完成するまでの経緯を順を追ってお話していこう。


1.作品の方向性を決める
まずコンテスト応募用の作品を作るにあたって、トシ重なりにふたつの方向性を決めた。

・主人公に意外性をもたせること
・プレイヤーを選ばないこと(万人受けすること)

●主人公に意外性をもたせること
口でいうのは簡単だが、いざ考えてみると難しいものである。当時はとにかく時間がなかったので、その場のひらめきに賭けることにした。大学生なんだけど、実は忍者というのはどうだろう? いま思えばなんとも現実味に欠ける設定だったが、これを元にいろいろなアイデアを思いつくことができた。このとき、ゲームには多少の非現実性(ありえないような設定)もアリだなと実感した。

●プレイヤーを選ばないこと
これは前回紹介した『KNight-Blade』からの反省点でもあった。『KNight-Blade』は完全に趣味の世界をゲーム化したものなので、当然のごとく同じ趣味の人でないと楽しむことができない。またストーリーを重視した点が、さらに遊び手を選ぶことになってしまった。プレイヤーが話に共感できなければ、それまでなのだ。


2.ゲームの構成を考えて形にする
方向性を踏まえて熟考した結果、自分の趣味の部分を少し抑えた上でプレイヤーがのってきやすい内容にすることにした。

・作品の雰囲気をコミカルタッチにすること
・ゲームっぽくすること

●雰囲気をコミカルタッチにすること
雰囲気に関してはシナリオ面で工夫を加えた。主人公はちょっとトロい感じの男の子。しかし、忍者になったときはピシっとしめる! この二面性を使い分け、かつ彼の存在を強調するために、テロリストから同級生の女の子ふたりを守るという使命を与えた。

●ゲームっぽくすること
ゲームっぽくすることについては、かなり悩んだ。アイデアとしては、ひとつの謎解きに複数の正解を用意する、プレイヤーの行動を評価するというものであったが、そのアイデアをいかに料理するかまではまったく考えていなかった。しかし、これも迫る締切という逆境が解決してくれた。

とにかくストレートな処理にする……ずばりスコア制である。プレイヤーの選択できる行動をいくつか用意して、それぞれにスコアを割り当てておく。例を挙げてみよう。たとえば、目の前に罠があったとする。これを破壊して通るか、あるいは道具を使って無効化するか。どちらの方法でも罠を解除して先に進むことができる。破壊する方法を選んだ場合、手っ取り早く先へ進める反面、得られるスコアは低い。一方道具を使う場合、道具を探し出す手間がかかる分、スコアが高く設定されている。といった感じである。

スコアはチェックポイントで清算されるようにした。それに合わせてチェックポイントが必要になったので、シナリオの区切りごとにステージという形で分けることにした。また高いスコアを目指す動機付けとするため、スコアをゲーム中に使えるアイテムと交換できるようにした。無理にひねらず、わかりやすく、それでいて作りやすいようにまとめた結果である。プレイヤーが自発的に行動を起こせるよう心がけたおかげで、だいぶゲームっぽくなった。


3.完成後の反省点など
心残りだったのは、締切ギリギリとなってしまったために最終ステージ(4ステージ目)が作りきれなかったこと。プレイしてみれば一目瞭然なくらい、かなり強引にまとめている。

興味深かったのが、『Bite a Cat!』と『KNight-Blade』では感想をくれる人の層が異なっていたことである。『KNight-Blade』は10代後半〜20代前半の男性が中心で、『Bite a Cat!』は10代前半〜20後半までの男女が中心だった。プレイヤーを選ばないように心がけた努力は、多少成果を上げていたようだ。

最初にも述べたように、決められた期間の中で目的をもって制作することはプロ・アマ問わず重要なことである。トシ重のように最後の最後でまとめきれなかったのでは本末転倒だが、集中して一気に仕上げることで、アイデアが研ぎ澄まされるというメリットもある。計画性がないと、いつまでもだらだらと作ってしまって、ヘタをすれば完成しないといったことにもなりかねない。無理にコンテストを目指す必要はないが、自分の中での目標(自分のサイトで公開する、など)を決めておくだけで、取り組む際のモチベーションがだいぶ違ってくる。


以上、10回に渡って連載してきたのがトシ重流ゲームの作り方である。みなさんの心の中でもし共感できる部分があったら実践してみてほしい。


最後にひとこと。

思いついたら、突っ走れ!!


※1:通称Aコン。株式会社アスキーが主催したツクール作品を中心とするゲームコンテスト。最優秀賞(グランプリ)作品の賞金はなんと1000万円! 「めざせ賞金1000万円!」は当時のツクールユーザーの合言葉であり、最終目標であった。1995年より始まり第4回まで開催。

投稿者: ツクールスタッフ 日時: 19:00 |

2008年05月02日

トシ重流ゲームの作り方(9)

shigetoshi.gifオッス! ツクールがあれば、世界の半分をやろうと言われて「どのあたりをもらえるんですか?」と交渉に入るトシ重です。属性は悪です。

いろいろとエラそうなことを言ってきたものの、トシ重自身、実は理想的な1作を完成させたことがありません。

オマエはどうなんだよ!? ときびしいツッコミをいただく前に、過去にトシ重が制作した作品を分析しポイントと反省点を挙げてみたいと思います。


トシ重流ゲームの作り方(9)


■トシ重作品の分析@
『KNight-Blade 〜the Survivor of Hell Hound〜』
RPGツクール95作品 ダウンロードはコチラから

インターネットコンテストパーク(※1)に応募するために作成されたRPGツクール95製の作品。あらすじを簡単に紹介すると主人公がロボットに乗って活躍するSF-RPGである。

実はこの作品、冒頭から反省点がある。まず最初の説明が長すぎること。主人公の境遇や舞台背景を説明するために、プレイヤーがまったく操作できない状態が20分ほど続いてしまう。ここでイヤになった人もいたんじゃないかと思う。

無駄な説明を省けば、半分以下の内容(プレイ時間的にも)でまとめられたはずだ。プレイヤーをゲームの世界に引き込むには、演出とそれに合ったテンポが重要視される。いくら凝った作りでも、だらだら長びいてしまってはマイナス評価。途中で飽きられたらそれまでなのだから。

作品の序盤、トシ重はプレイヤーを引き込むための工夫を仕掛けた。プレイヤーの心理をちょっと裏切る演出を入れてみたのだ。

冒頭で主人公は最強のロボット兵器に乗り込み、無類の強さを発揮していた。それにも関わらず、いざゲームが始まると主人公は静かな村での暮らしに満足し畑仕事に従事している。しかも戦うことに否定的で武器を手に取ろうともしない。

プレイヤーの心理としては「彼はいつ戦うのだろう?」と思うはずだ。

そんな中で事件は起こる。村人に対して理不尽な暴力を振るう軍の兵士たち。しかし主人公は動かない。これはプレイヤーに「主人公は、なぜ立ち向かわないんだ!」と思わせるための演出である。

そして主人公の恩人である女性に危険が及んだとき、主人公はついに行動を起こす。抑圧された感情が一気に解放される瞬間だ。じらしておいて最後に「スカッ」とさせるのがミソである。

なお、プレイヤーは無意識的にハッピーエンドを期待する傾向がある。最後の最後まで期待を裏切ってしまうと、非常に後味の悪い印象しか残らない。ここは注意してほしい。もちろん、演出上、後味を悪くしたいのであればその限りではない。

いま見直してみると、思いついたアイデアや設定をすべて詰め込もうとしたために情報過多の部分が目立つ。当時は設定をたくさん書けば、それだけで重厚な世界観を表現できると思っていたようだ。


この作品を作って学んだことは以下のふたつである。

・ゲーム内での説明はわかりやすく簡潔に
・プレイヤーの気持ちを考えた演出を心がける


ちなみにこの作品を完成させるまでにかかった期間はおよそ9ヶ月。プレイ時間は3時間程度である。

個人でのゲーム制作は、モチベーション(やる気)の維持にかかっている。飽きっぽくていつも未完成のまま終わってしまう人は、完成した作品で遊ぶ自分の姿をイメージしながら作ってみよう。ちょっとだけやる気が出てくるぞ!


※1:デジタルファミ通ホームページ(サービス終了)にて毎月開催されていたゲームコンテスト。2002年6月分発表をもって終了。

投稿者: ツクールスタッフ 日時: 18:45 |