川島流ゲームの作り方(1) 「3日坊主にならない作り方」 【初心者編】
2007年12月19日
こんばんは、アーツ川島です。
昨日まで担当されていた外山さん、一週間以上の更新担当お疲れ様でした。ユーザーブログの紹介は年明けに続けていただくことにします。みなさん、ぜひとも実際に製品を扱った感想を書いてくださいね。
さて、「RPGツクールVX」発売まであと8日と迫ってきました。
今からどんなゲームを作ろうかと考えている時期だと思います。すでに素材作りやシナリオ作りに着手している方も多いことでしょう。中には「VX」で初めてツクールに挑んでみようという方も少なくないはず。
そこで今日から私こと川島が、私なりのゲーム制作のコツをお話していこうと思います。「ツクール」の技術的な使い方ではなく、ゲームを作るうえでの根本的なお話です。
まずは”最初にどんなものから作れば良いのか”ということについて、ゲーム作り初心者のためにレクチャーしていきます。もちろんゲーム制作に慣れた方も、初心に戻ったつもりで読んでいただければ幸いです。
■”壮大な物語”という初心者ならではの壁
初めてツクールを手にして何か作ろうと思ったとき、大抵思い浮かべるのは、有名ゲームの数々のイベントシーン。あんなシーンを自分の手で作ってみたい、自分ならこういう展開にする。そうした想いから始まると思います。
既存のゲームをプレイして、自分もこんなに凄い作品が作れるかもしれないと思うのは決して悪くないこと。しかし、そうしたゲームはプロによって作られたものであって、たとえシナリオ制作として世に出る名前が1人だったとしても、実は多くのサポートがあって築きあげられたものだということも少なくありません。
大半の場合、ツクールは1人で作るところから始まります。
シナリオ、演出、戦闘バランスなど、プロ作品なら多人数でやる作業を、全て1人でまかなうことになります。よって初めから壮大な物語が作れるわけがないのです。
初めから壮大な物語ではなく小さなところからコツコツ作れ、ということはよく言われることです。それは的を得た至極正解なことなのですが、そう言われてしまうとテンションが下がってしまうのもまた正直なところ。制作に慣れていない人は特にそうであり、出鼻をくじかれることになります。
ここは考え方を変えてみてください。
壮大な物語を作ることが目標でも良いです。ではその壮大な物語はどのように作ればいいのか。壮大な物語を分析してみるところから始めて下さい。
すると見えてくると思います。壮大な物語は、実は小さな物語の集合体だということが。ならば小さな物語をまず作ればよいわけです。
言っていることは先の”コツコツ作れ”と同じですが、取り組み方がこれで変わります。
■小さな物語とはどのようなものか
主人公のスタート地点となる村が1つ。そして探検することになる洞窟が1つ。村と洞窟を繋ぐフィールドマップを用意するだけで、実は壮大な物語の第一歩となります。
作りたいシーンもあるけれども、まずはツクールの扱い方に慣れることも含めて、簡単な冒険を作ることがゲーム作りを諦めないコツ。
フィールド、村、洞窟、そのすべてのマップは、出来合いのサンプルマップを使っても構いません。そうすればマップ作成は特に必要なくなります。また、サンプルマップを少しアレンジするだけでも構いません。
次に、ひとまず主人公を1人用意しておき、村から洞窟へと向かわせて、そこで何でも良いので”持ち帰る何か”を用意してあげてください。宝石でも良いです。
洞窟には、主人公が負けない程度の敵をランダムで配置させ、宝石の直前にはボスがいる。このオーソドックスながら基本的な流れを一度作ってしまえば、応用はいくらでも利かせられます。初めてならば”とにかく基本を一度作ってみる”です。
別に最初から人に見せることを意識しなくて良いのです。公開を気にしていたらそれこそ肩に力が入ってしまい、結局完成させられないという結末が待っています。出来上がってから人に見せるかどうかを判断すればよいのです。
最初のオーソドックスな展開は、あなたが作るであろう壮大な物語から考えれば、ほんの一瞬の出来事。プレイヤーはきっと気にしませんから、堂々とオーソドックスな展開を作ってみてください。
それでも、オーソドックス過ぎてプレイする人はつまらないんじゃないか? と思う作者さんもいることでしょう。
ならばプレイヤーの立場になって考えてみてください。最初に凝ったことをされるほうが不安が大きくなりませんか? システムが掴めず、展開がわからず、なかなかプレイを進められないというデメリットがあります。
オーソドックスだからこそ安心して最初の目的をこなしてもらえる。その中で次につながる引きつける何かを用意してあげれば良いのです。
そのぐらい気軽な気持ちで取り組んでみてください。
■オープニングはあえて最後に作る
張り切って作りたい想いはみんな一緒。格好いいオープニングで惹きつけてみせるぜと意気込んだものの、初めてのゲーム制作でそんな技量があるわけがないのです。
それでも凄いドラマティックなオープニングを作ろうものなら、オープニングを作った時点で、いえ多くはそのオープニングを作っている最中にゲーム制作を断念してしまうことになります。これは制作に慣れた作者さんたちも経験したことだと思います。
そこで私の作り方として、”オープニングは最後に作る”というやり方があります。
メリットの1つとして、エンディングまで作成したのであれば、技術は飛躍的に伸びているという点。これならば思い描くシーンを形にすることができるうえに、どこまで作ることができるのかが作る前から見えてくるため、最初に作るよりは素早く完成させられます。
もう1つのメリットは、オープニングに意味あり気な伏線を張れるという点。作り初めたときには考えていなかった事柄も、出来上がってみれば色々なシーンがそのゲームの中に誕生していることになります。そう、最初の段階ではそこまで考えていなかったということは、ゲーム作りを行なううえで珍しいことではありません。
たとえば、”光と闇の2つの紋章がラスボスを倒す唯一無二の武器を作り出すアイテムだった”ということをゲームを作っている最中に、それこそ終盤になって思いついたものだったとします。
オープニングを作成する際に、この光と闇の紋章について意味あり気に触れることで、今の話はなんだろうとプレイヤーに印象付けさせることができます。そして終盤になってようやく「オープニングのあの話はこのことだったのか!」と言わしめることになるわけです。プレイヤーには作業手順は見えませんから、「最初からそこまで考えられていたのか」と感嘆させる結果にもなるわけです。
よって、何も初めからオープニングに力を入れて作らなくても良いということです。
いきなり”洞窟の宝石を取りにいこう”でスタートさせてください。その時点ではまだあなたしかプレイしないのですから、それでいいのです。
■何があろうとも完成させる
とにかくこれに尽きます。
完成品を1つでも作った経験があるとないとでは、雲泥の差があります。
1つは自信が付くという点。それがたとえ20分程度で終わるRPGでも良いのです。その中で起こる1つの出来事に対して、きちんと結論を付けて完了する。できればオープニングやエンディングとなるものがあり、続きモノではない完成品です。
もう1つは次への作品作りのステップとなるという点。
もし途中で諦めてしまい、その作品が未完成になってしまったのならば、あなたの技術は停滞し、制作意識すらもその作品にとどまらせたままになってしまうことになります。未完成の踏み台は次へのステップとしては使い辛い。最後まで完成させたしっかりとした踏み台ならば、次の段階へと安心して進むことができるのです。
つまらなくてもいい、オーソドックスでもいい。まずあなたの中であなた自身が、これは完成品だと言えるものを作ってください。どんなに面白い作品を作っても、それが最高傑作だったとしても、未完成ではおそらく評価も中途半端になることでしょう。
面白い作品を作ることではなく、最初は完成こそが真の目標なのです。もし何か1つ完成させることができたのならば、初心者から一歩先の段階へと踏み込んだことになるぐらい、あなたは成長したことになります。
と、あまり力説すると、そこまで意識して作ろうとは思ってないよと言われそうですね。でも、できたら完成したいでしょう?
これまでツクールでゲーム制作を経験されたことがある人の中には、完成させられなかった人も多いと思います。いつまでも「ゲームを作ったことがあります、でも完成させたことはないけれど」なんて言うのも、そろそろ卒業してみませんか。
以上を踏まえて取り組めば、初心者でもきっと3日坊主ではなくなると思いますよ。
次回は「主人公の生み出し方」。
主人公なんて簡単でしょって? いえいえ、実はそうでもないのです。主人公ってどうやって作るの? どんな性格にすればいいの? そんな質問も実際にあるのです。また、突き詰めると意外と奥の深いキャラクターの生み出し方。そんなお話です。
投稿者 ツクールスタッフ : 2007年12月19日 19:06
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