『タクトオブマジック』BLOG 〜つくりびと〜
最終回:校了!
んちゃ!
コダマックスです。
この連載も今回で最終回。
今回は“校了”までの流れをお伝えしたいと思います。
2009年5月中旬
水ピン編集長やデビル藤原副編集長に回していた初校(詳しくは前回の日記参照)が俺の手元に戻ってきました。
ここからが校了作業のはじまりです。
ちなみに“校了”とは、我々編集部が「これで本にしていいよ!」と印刷所にあとを任せること。
本が読者の手元に届くまでには、印刷をして製本をして全国に運ばれて……、とさらにいろいろな工程を経なければいけないんですが、編集者はそこはノータッチ。
校了するまでが編集者の仕事となります。
校了までの流れ、といっても特別何かすごいことをするわけではなく、基本は地味な作業です。
初校でチェックしたミスを直したり、デザイン変更の必要があればデザイナーに頼んだり、疑問点が出てきたときは確認して解決したりと、基本はミスの修正がメインになります。
修正が終わったら、直し漏れがないかを確認しておしまい♪
と、流れを説明するだけならこれだけですむんですが、それを実現させるとなるとまあタイヘン。
なんせ初校には上司たちからの容赦ない赤字(指示や指摘)が入っています。
俺はまだまだ未熟者なんで、俺が「いい!」と考えて作ったページも、上司たちからすれば「いやぁまだまだ!」なことが多々あって、「ここはチャートがあったほうがいい」とか、「コレじゃ意味が伝わりにくい」とかたくさんのツッコミを受けてしまいました。
ミスの修正をしながら、指摘された部分の改善もしなければいけなく、加えてムック本は100ページ以上の分量がある……ということで、またまた3日寝ないモードに突入です(泣)。
“徹夜で仕事!”と人に話すと「お仕事がんばってるね〜」と賞賛されることが多いんですが、俺の場合はみずからの未熟さが招いた事態なので、まったく褒められたもんではないです(笑)。
ちなみに優秀な先輩方は、
・初校をベストに近いカタチで作る
↓
・上司からのツッコミもあまりない
↓
・修正が少ない(=校了時の労力が少ない)
の図式をキッチリ実現させているので、すごくスムーズにお仕事をしています。
俺も早くそのようにならねば、と実感しますね。
というか、そうならないと体を壊す(笑)。
体力と精神を疲弊させながらなんとか修正作業が終わりました。
再度プリントアウトし、初校での修正指示がキチンと反映されているか上司に最終確認をしてもらいます。
そこでオーケーをもらったら、印刷所にページデータを渡します。
これで校了! 晴れてお役ご免です。
帰宅して20時間以上眠りました。
2009年5月下旬
『タクトオブマジック』と攻略ムック本が無事発売発売されました!
さらに一週間ほど経つと、ムック本のアンケートはがきがちょこちょこ届き始めます。
「クリアーに役立った」、「開発者インタビューがおもしろかった」といった意見が多くて安心すると同時に、忙しかった日々が報われたような気がしました。
読者に喜んでもらうためにつぎの本もがんばって作ろうと、はがきを握りしめて誓いました。
〜おしまい〜
ムック本の制作の流れはこんな感じです!
細かい部分までは語りきれませんでしたが、ゲーム雑誌編集者の仕事の雰囲気は伝えられたかと思います。
楽しんでくれたかな?
最後にもう一度『タクトオブマジック』のそれぞれのモードの魅力を教えちゃいます!
●エピソード(メイン)
・後半の急展開ストーリーが必見!
・ストーリーを進めながら上達を感じられるのが楽しい!
・1ステージは10分前後でクリアーできるので、時間がない人でも楽しめる
●エピソード(外伝)
・メインエピソードの裏側が見られる
・主人公が使えない魔法を使えるキャラもいて、新鮮にプレイできる!
●スコアアタック
・試行錯誤してハイスコアを狙うのが楽しい!
・超絶難易度のスペシャルステージはやり込みがいアリ!
●Wi-Fi対戦
・自分のテクニックや戦略を試せる。
・プレイヤーによって戦術がまちまちなので、見ていておもしろい
こんな感じです!
とにかくたくさんモードがあり、やり込みがいもあるので、夏休みの強いお供になってくれますよ!
この連載をとおして、『タクトオブマジック』に興味を持った人がいてくれたら、とってもうれしいです。
その勢いでソフトを購入し、攻略ムック本まで買ってくれたらさらにうれしかったりして(宣伝)。
それではまたの機会に! ばいちゃ!
第6回:初校を回す!
おひさしぶりです!
コダマックスです。
ちょっとまえから『タクトオブマジック』の“スペシャルバトル”にハマってます!
“スペシャルバトル”とは、スコアアタックモードで各ステージの金メダル獲得数を増やすことで追加されていく隠しステージのことで、ゲームの進行には直接関係ないやりこみ要素です。
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金メダルをたくさん獲得するとスペシャルバトルが出現! クリアーしなくてもストーリーは楽しめるが、ゲームの完全制覇を目指すには避けては通れないのだ。 |
攻略ムック本制作時は“スペシャルバトル”はほとんどプレイしてなかったんですよ。
“エンディングまで到達させる!”が本の目的だったので、とにかくストーリー本編の攻略に全力を注いでいたんですね。
で、ムック本の制作作業も一段落して時間ができたところで、スペシャルバトルにチャレンジしてみたんですが、コイツの難易度がハンパねえ!
ストーリーモードはどのステージでも問題なくクリアーできるこのオレ(攻略ムック本制作者なんで当然!)ですら、まったく歯が立たずリトライの嵐となる始末でした。
ストーリーモードは、高速&正確な操作ができる人がセオリーどおりの戦術(ガーディアンを特攻させ、主人公で援護する)を駆使すれば、意外と初見のステージでもクリアーできちゃうんですが、スペシャルバトルはそんなに甘くない!
バトル開始まえのマップとにらめっこして、綿密な戦略をたてなければ返り討ちは必至です。
コアなゲーマーでも満足できるような密度の濃い内容となっているので、骨太ゲームを求める人はぜひ一度プレイしてみてください!
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開始した瞬間、敵の総攻撃! 腕に覚えありの猛者ゲーマーのみなさん、ぜひともチャレンジしてください! |
さてムック本の制作日記の続きなんですが、今回は“初校”を出すあたりのお話をしたいと思います。
2009年5月上旬
ライターさんは一心不乱にラフを描き続け(日記第4回参照)、オレはひたすらゲーム内のデータを調べる作業(日記第5回参照)に入って数日。
ある程度ラフやデータがまとまってきたら、順次デザイナーさんにデザインを発注します。
すると、しばらくしてから、“どこそこの項目には文字が何文字入りますよ〜”という指示書がデザイナーさんから送られてくるんですな。
我々はこれを“文字数”とか“文字量”とか呼んでます。そのまんまですね(笑)。
ライターさんはこれを見て、指定された文字数に合わせて原稿を書きます。
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こちらが文字数。この時点ではデザインの完成度は低いことが多い(ライターに早めに文字量を伝え、ライターの執筆中に同時進行でデザインの完成度を高めてもらうと効率がいいからだ)。 |
ライターさんが原稿を書き終わったら、それをデザイナーさんに送るとデザインが完成しつつ、文字も含まれたページデータを渡してくれます。
これをプリントしたものを“初校”と呼んでいます。
ちなみにデザイナーから届いた段階では、ページの完成度はまだ低く、とうていそのまま本にはできません。
誤字脱字があったり、ラフではいいと思ったけど実際の写真と文章を見たらもっと上手な構成を思いついたりなど、さまざまな問題が出てきます。
それらをチェックし、本になる水準まで完成度を高める指示をするのが編集者の重要な仕事です。
具体的には
・誤字脱字、文章の良し悪し
・デザインの良し悪し
・記事構成
・事実関係(データや攻略内容など)
などをチェックし、よくないものを改善するために指示をします。
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渡されたデータに指示を書き込んだもの。指示のことを業界用語では“赤”もしくは“赤字”といい、指示を書き込むことを“赤を入れる”もしくは“赤字を入れる”といいます。理由は見てのとおり……? |
初校のチェック&指示をし終わったら、さらに上層部(デスク→副編集長→編集長)のチェックを受けるために初校を提出します。
この一連の流れを我々は“初校を回す”と呼んでいます。
この作業が本制作時の第二次修羅場にあたります。
100ページ以上ある上に、“誌面どおりにやればクリアーできる”ことを確認するために、実際にプレイもしなければいけないので、尋常でない時間がかかるんです。
3日間で睡眠時間が3時間という、健康によろしくないスケジュールでがんばりました!
ああ、もう思い出したくない……。
この続きは次回で!
そして次回はいよいよ最終回!
第三次修羅場、“校了”するまでについてお送りしたいと思います。
お楽しみに!
第5回:データチェックマシーン
こんにちは。
コダマックスです!
この日記を読んでくれているアナタは『タクトオブマジック』をお持ちですか?
持っていないけど気になっているという人の背中を一押しするために、『タクト』のアピールポイントを語らせてください。
それはズバリ、“長く遊べる!”。
ストーリー本編だけでもなかなかのボリュームがあり、さらに本編をクリアーするとたくさんの外伝をプレイできます。かなりのボリュームながら、1ステージにかかる時間は10分前後なので、時間がない人も毎日コツコツと進めることが可能です。
また、一度クリアーしたステージは“スコアアタック”モードでいつでも遊ぶことができ、条件を変えてハイスコアを目指すやり込みプレイもできます。
さらにはWi-Fiで全国のプレイヤーと対戦することも!
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メインエピソード。1ステージ(イベント発生からバトルクリアーまで)にかかる時間はだいたい10〜20分。一気に進めるか、毎日少しずつ進めるかはお好みで。 |
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一度クリアーしたステージに挑戦できる“スコアアタック”。出撃ユニットなどを自由に設定して、ハイスコアを目指そう。 |
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Wi-Fi対戦。自分なりの戦術を編み出してライバルに打ち勝とう! |
私見ですが、かなりコストパフォーマンスは高いのでは?
ひとつのゲームをじっくりとプレイしたいという人にはとくにオススメします!
ちなみに、ゲーム性やストーリーなどの魅力については過去の日記で語っていますので、そちらも読んでください!
さて、ムック本の制作日記なんですが、前回はラフをガシガシ描き始めたところまでをお伝えしました。
本作り全体でいうと、1回目の修羅場に差し掛かったところです。
今回は、そのへんの様子をお伝えしていこうと思います。
2009年4月下旬
ライターさんたちが完全なるラフ作成マシーンに変貌を遂げたいま、オレもあるマシーンにトランスフォームする必要に迫られていました。
それは……データチェックマシーン!!
ゲーム雑誌である以上逃れられない原罪(カルマ)的業務。
100以上のステージのモンスターやオブジェクトをすべて洗い出さなければいけないという、泣きたくなる作業。
いまでも友人に「ゲームして金もらえるなんてオイシイ」と言われることがあるんですが、実際はけっこう地味な作業が多いんですよ。
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本の掲載内容とゲーム中の内容に相違がないか、さまざまな項目をチェックする。泣きたくなるような作業だが、これも読者のためと思うと笑顔に変わります(笑)。 |
ちなみにデータチェックはこの1回では済みません。
実際のページができ上がってからはそちらと照らし合わせないといけないし、入稿(印刷所にデータを渡すこと)まえにも最終チェックをしたい。
どこかで締めないとキリがないけれど、何回やってもやりたりないということはないんです。
うまいところチェックの時間を捻出するのが優秀な編集者のひとつの条件ってとこですかね。
ちょうどこの時期に『タクトオブマジック』開発スタッフとのインタビューの日程が決まりました。
オレがほかの作業で手いっぱいだったので、インタビューページは我が部署の副編集長が担当してくれることに。助かるやら申し訳ないやらで頭が下がります。
ただ、インタビューの場に同席する時間は確保できたので、プレイしていて感じたことをいろいろとぶつけてみる絶好のチャンス。
インタビューの草案づくりにも熱が入ります。
とくに聞いてみたかったのが、スタッフが“ソーティー”というキャラに対してかなりこだわりを持っているのではないか、ということ。
主要キャラの中にソーティーという女性がいるんですけど、ストーリー内でやたらとおいしい役どころというか、優遇されている感があるんですよ。
これはスタッフからの寵愛を一心に受けているに違いないと勝手に確信しておりました。
インタビューを終えた結論から言うととくにそんなことはなかったんですけどね(笑)。
どうやら単にオレ自身がソーティー大好きっ子で過剰に反応していただけのようでした(笑)。
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年上のおねーさんが、主人公の手助けをしてくれる。燃(萌)える展開です! |
……ソーティーのかわいさを十分にアピール(?)したところで、続きは次回!
第4回:本作り・第一次修羅場
お久しぶりです。
コダマックスです!
『タクトオブマジック』が発売されてから約2週間が経ちました。
はたして「全部クリアーした!」というプレイヤーはどれくらいいるんでしょうか。
本作のストーリーは、大まかな流れは典型的な王道パターン。
“主人公が王家の血筋”とか“光と闇の戦い”とか、表面だけ見ると取り立てて珍しくない内容です。
しかしながら、クライマックスに近づくにつれて、王道をなぞりつつもプレイヤーの価値観を揺さぶるような深いストーリー展開がくり広げられてきます。
ゲームを購入したけれど詰まって進めないという人は、ぜひストーリー後半に触れてほしいので、弊社制作の攻略ムックをご一読ください!(宣伝)
それでは、本ブログのメインコンテンツであるムックの制作日記の続きです。
前回はムック本を正式プロジェクトとして会社から承認を得るまでの紆余曲折をお伝えしました。
めでたく承認が得られたので、今回はページを作る作業の模様をお伝えしたいと思います。
2009年4月下旬
まずはアートディレクター(AD)と相談して本のフォーマットを決めます。
ちなみにADとはデザインの責任者で、雑誌のデザインの方向性を決定する人のことです。
ここでいうフォーマットとは、文字の大きさなど本全体の決まりのこと。
これを考えずに作ると、ページをめくるたびにバラバラな誌面が目に入り、読んでいて疲れる本ができ上がってしまうので最初に決めておく必要があるんです。
そしてライターさんと打ち合わせを行います。
ライターとは、説明するまでもないかもしれませんが、読んで字のごとく原稿執筆を生業としている人たちです。が、ラフ(後述)を書いたり、アイデア出しをしたり、雑務を引き受けたりと、執筆以外の仕事もこなすのがふつうです。大量に仕事を請ければ、会社勤めの人間がビビるくらいの収入を得られますが、その逆もしかりのハイリスクハイリターンな職業です。
ライターさんには編集部でみっちりとゲームをプレイしてもらっているので、オレと同レベル、下手するとそれ以上にゲーム内容に精通しています。
話し合いの主旨は“読者を喜ばせるには、どんな誌面にするのがいいか”。これは攻略記事だろうが紹介記事だろうが変わらない、基本かつ最重要テーマであります。
打ち合わせでは、お互いからさまざまな意見が出ます。
ライターさんに仕事を頼むのは、単純に作業の手が足らないという理由がいちばんなんですが、意見を交換してアイデアを磨くという狙いもあるんですよね。
もちろん、デキる編集者はひとりでもいいアイデアを出すんですが、あいにくオレは凡夫なので優秀なライターさんの存在は非常に頼もしいわけです。
打ち合わせが滞りなく済んだら、ラフの作成に入ります。
ラフとはラフレイアウトの略で、読んで字のごとくラフ(大雑把)なレイアウトの指示。ページのどこそこに写真が入ってどこそこに文章が入るなどを、紙(ゲーム誌では作る本の同サイズの大きさであることが多い)に記していきます。
大概は定規など使わずにフリーハンドで感覚的に描きます。そこが“ラフ”の由縁なのではないかと(自信なし)。
台割(日記第2回参照)が本全体の設計図だとしたら、ラフはページの設計図にあたります。
デザイナーさんは、ラフにしたがって写真や文章などを配置していき、ラフを大きく逸脱することは基本的にありません。
なので、ラフの良し悪しが、そのままページの良し悪しに直結します。
オレの大好きな野球に例えるなら、ラフをバントの指示だとすると、ふつうの選手(デザイナー)ならキッチリ走者を送り、非凡な選手(デザイナー)なら自らも生きるバントを魅せてくれます。
が、2アウトでバントの指示を出しても選手(デザイナー)は困っちゃいますよね。
そんな感じです。
この例えで、ラフの大事具合は伝わったかな?(笑)
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左がラフで、左がページの完成形。ほぼ指示どおりに仕上がっているのがおわかりだろう。ラフはバカ丁寧に描く必要はない(そんな暇があればそのぶん早く仕上げたほうがいい)が、テキトーすぎてもデザイナーに意図が伝わらない危険性がある。要はバランスが大事ってことです。 |
そんなわけでラフ作成週間の始まり。
なぜ“週間”かというと、100ページ以上のラフが1日2日でできるわけがないからです。
これから約1週間、ライターさんには食事&睡眠時以外はラフを描くマシーンと化してもらいます。
その間のオレ(編集者)の仕事は、できあがったラフをチェックしつつ、同時進行でいろいろとやらなければいけないことが……。
それについては次回の日記で!
ちなみにこの期間が、本作りでいうところの第一次修羅場にあたります(第三次まである)。
第3回:攻略ムック本の発売の社内的な承認を得るまで
こんにちは!
コダマックスです。
いよいよ発売日まであと数日となった『タクトオブマジック』。
リアルタイムでは同時発売攻略ムック本も校了(現場での制作作業が終わること。あとは印刷屋さんが製本して完成となる)を迎えました。
今回攻略ムック本を作り終えてみて、改めて感じたのは、“『タクトオブマジック』というゲームは、アクションゲームとシミュレーションゲームのいいところを本当にうまく融合させているなあ”ということです。
アクションゲームとしての魅力は、第1回目の日記でも書きましたが、Wiiリモコンを操って自分自身で魔法をくり出す感覚が味わえるというところ。
そしてシミュレーションゲームとしての魅力はというと、“正解がひとつではない”というところ。
このゲームにはオススメの攻略方法やセオリーは存在しますが、それ以外にもいくつも正解が用意されているんですね。
アクションゲームでは、“ある局面ではこのアクションを使う”って感じで、ある程度プレイが限定されちゃいがちなんですが、『タクトオブマジック』ではとにかくたくさんの種類の魔法があるので、さまざまな方向からクリアーに向けてアプローチができるんです。
その試行錯誤する楽しさはシミュレーションゲームならではですよね。
同時発売攻略ムック本では、エンディング到達を目標としているので、安全にクリアーできる方法をメインで紹介していますが、自分なりのプレイで最速クリアーなどに挑戦してみてもおもしろいと思います。
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クリアー条件さえ満たせばどのルートを通ろうが、どの魔法を使おうがプレイヤーの自由! 一度クリアーしたステージは“スコアアタック”というモードで再挑戦できる。どのように進めればハイスコアが出せるかを模索するのも、このゲームの楽しみのひとつ。 |
↓↓↓というわけで今回の日記をお楽しみください↓↓↓
2009年4月某日
前回の日記では、台割が確定したところまでお伝えしました。
今回は、このムック本の発売を社内で承認してもらうための模様アレコレをお届けしたいと思います。
(専門用語、というかエンターブレイン独自の用語が出てくるので注釈と合わせて読んでください)
当然ですが、「本を作ろう!」と思い立ったところで、会社からの許可がないと実現しません。
なので、新たに本を作るためには、「こういう本をこんな感じで作りたい」と会社に説明し、「オーケー」という返事をもらわなければいけません。
俺は以前勤めていた会社でもエンターブレインに入ってからも、現場での制作作業しかしたことがないので、お偉いさんと渡り合うのは初めての経験。
かなりのプレッシャーですが、ここを乗り越えれば、編集者としてまたひとつステップアップできると思うとやる気もみなぎってきます。
まずは“雑誌営業部”※1とミーティングをしました。
※1
本は通常、出版社→取次会社→書店という流れで流通する。“雑誌営業部”とは、取次会社に雑誌を売り込んだり、書店の協力を仰いで店頭での販売促進を行う部署。ちなみに、攻略本や小説などの書籍は、“書店営業部”が担当。
本の内容やページ数、ユーザーのニーズ、発売日をもとに大まかな刷り部数や価格を協議します。
価格はもちろん安ければ安いほど買ってくれる人が増えます。俺ら制作サイドの人間の気持ちとしては、一生懸命作った本をたくさんの人に読んでもらいたいので、ぶっちゃけタダで配ってもいいんです。
ただそれだと俺の給料がもらえなくなってしまうので(笑)、赤字を回避しつつも、できるだけ安い値段になるラインを探らなければいけません。
協議は難航しましたが、とにかく1000円を超えたくないというのは譲れず、定価980円で○万部刷ることに決定しました。
(数字はさすがに社外秘なので伏せさせてください m(_
_)m )
続いて、“業務部 業務グループ”※2に見積もりを依頼します。
※2
印刷会社との窓口になり、紙や印刷費などの価格交渉を行う部署。よりお得な見積もりを取るために、複数の印刷会社に見積もりを依頼するのがふつう。ちなみに、同じく印刷会社との窓口でも、原稿入稿のスケジュールに関する交渉を行うのは、“業務部
進行グループ”。
雑誌営業部とのミーティングで決定した刷り部数だと、経費がいくらかかるかの見積もりを出してもらいます。
決定した刷り部数ピンポイントでの見積もりはもちろん、その前後(もっと多い部数や少ない部数)の見積もりも同時にしてもらいます。
また、ページ数だけでなく使用する紙によっても経費は違ってくるので、どの紙を使うかの協議もここで行います。
ふだん気にしている人は少ないでしょうが、印刷に使う紙は本当にたくさん種類があり、厚さ、手触り、キレイに印刷できる度などがそれぞれ異なります。
今回は、キレイに印刷ができて適度な厚さとコシがありつつ、手ごろな値段という要求をしたところ、ある紙をオススメされ実物も気に入ったので、その紙を使用することに決めました。
その名も“サムライマット”! なんたる男らしい名前!
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こちらが印刷経費の見積書の一部。写真に写っていない部分には金額関係の項目がビッシリ並んでいる。本ひとつ作るのにもたくさんの人とお金が動いてるんだな〜、と改めて感じました。 |
つぎは、できあがった見積もりをもとに、再度“雑誌営業部”と刷り部数と価格をより具体的に協議します。
価格がいくらで、何万部刷って、何万部売れれば利益が出るかを考えます。
利益が見込めなさそうなときは、この段階で雑誌営業部から「ちょっと待った!」がかかり、急遽仕様変更を提案されることも多いです。
今回は、当初の予定どおり○万部の980円でいくことが決まりました。
平行して“企画宣伝部”※3と、本のプロモーション計画についてミーティング。
※3
本を売るためのプロモーション計画を編集部といっしょに考え、実施する部署。おもにマスコミやweb、イベントにからんだプロモーション計画に関わる。書店店頭でのプロモーションは“雑誌営業部”が担当。
本の存在やその魅力をどんな方法で世間にアピールするかを考えます。
といってもこの不況の中、取れる手段は限られている……。そこで選択したのが、ファミ通.comでムック本の制作風景を日記形式でお届けすること(みなさんがいま読んでいるこの日記ですな)です。
費用がかからず宣伝できて、さらに読み物コンテンツも増やせるという一石二鳥なナイスアイデア!
俺の仕事がますますキツくなるというところに目をつぶればですが(笑)。
さてこれで下準備はあらかた済みました。
これからお偉いさんに、「この本出してもいいよ」と、ゴーサインをもらうための企画会議に臨まなければいけません。
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企画会議に提出する書類の一部。正式な書名、正式な発売日、正式な価格、コンセプトやウリ、読者ターゲットなどあらゆることを記入しなければならない。上司にボツを出されると、企画会議にかけるまでもなく戻ってくるので悲しい(今回はセーフ!)。 |
企画会議はエンターブレインでは定期的に行っています。
ふだんならその時間は、出社したてでまだ頭も回ってなく、コーヒーでも飲みながらネットのチェックでもしてるはずですが、その日の俺は30人以上の恐いオジサンたちに囲まれていました。
中には学生時代ファミ通を愛読していたころ編集長だったヒゲの人※4もいます。
※4
言わずと知れたエンターブレイン社長・浜村通信である。
いまさらながらに「俺ってホントにファミ通(正確には兄弟誌ファミ通DS+Wiiだけど)で働いてるんだ〜」としみじみしそうになりましたが、よく考えればまったくそういう状況じゃありません。
ちなみにゲーム雑誌編集者という人種は、ふだん大勢の人に囲まれて大きな声を出すことにあまり慣れていません(大勢集まってゲームをして、ときおり奇声を発することには慣れてますが)。
俺も多分に漏れずそのタイプ。緊張でうまく声が出せませんが、上司(水ピンことファミ通DS+Wiiの編集長)の助けも借りてなんとかプレゼンを終わらせることができました。
そんなこんなで何とかハンコをもらい、これであとはバリバリ制作作業を進めるだけ……と気合いに燃えていると、水ピン編集長から爆弾発言。
「これは仮のオーケーであって、もう1回同じメンツの前でプレゼンしてすべての仕様(価格、部数など)の正式決定にオーケーをもらわんといかんよ」。
そういうことはさきに言えよ!!!!
またあの緊張感を味わわないといけないのか……。
一気に萎えた俺の気力を再び燃え上がらせるために、パチンコ屋で5時間の充電を余儀なくされたのでした(笑)。
その後、なんとか最終オーケーのハンコももらい(また緊張で吐きかけましたが)、今度こそ制作に精を出すだけです。
次回は制作現場でのあれこれについて語りたいと思います。
それでは!
プロフィール
コダマックス
2年間のヒモ生活を経て、現在ファミ通DS編集部に在籍している編集者。190センチの恵まれた体躯を持ちながら趣味はとことんインドアという、もったいない人生を歩む。ふだんは任天堂系の専門誌『ファミ通DS+Wii』制作を担当。















