


- M11: ゼニマックス・アジア特別インタビュー! 日本語版ローカライズチームが語る『Skyrim』の奥深き世界とは!?(後編)
- M10:ゼニマックス・アジア特別インタビュー! ゼネラルマネジャー高橋徹氏とローカライズチームが語る『Skyrim』の奥深き世界とは(前編)
- M9:燃えよ!闘え!イヤー・オブ・ザ・ドラゴンへの道!!
- M8:ほとんどスカILLム! タムリエル奇人変人決定戦!
- M7:夢のHELL HOME!! タムリエル文無し移住ガイド
The Elder Scrolls V: SKYRIM冒険譚
M10:ゼニマックス・アジア特別インタビュー! ゼネラルマネジャー高橋徹氏とローカライズチームが語る『Skyrim』の奥深き世界とは(前編)
ZeniMax Asia!!!!!!!! クリスマスと正月を跨いで約2ヶ月にも及ぶブログ連載も、いよいよオーラスの時がやって参りました! これまで筆者の他愛ない与太話の寄せ集めのような日記を愛読されてくれた読者諸兄には、タロス神のご加護があるように祈るばかりです。
そして、最終回となる今回は、『Fallout 3』の時からの伝統行事となった感すらある恒例のゼニマックス・アジア来訪インタビューをお届け。ゲストには、その毒舌っぷりと実行力の高さ、ローカライズタイトルへの飽くなきコダワリには定評のあるゼニマックス・アジア/ゼネラルマネージャーの高橋徹氏。そして、多くのベセスダ製タイトルの日本版ローカライズを担当し、今回も不眠不休の活躍によって無事に『Skyrim』という歴史的超大作の日本語版ローカライズを完遂したプロデューサーの岩本けい氏に加え、今回はアソシエイト・プロデューサーの田仲孝之氏が初の登場! ローカライズ苦労話に裏話、さらに深く濃い『Skyrim』の世界へと誘います!
だがここで問題が……、それは、あまりにインタビューが長すぎるという問題。一気に全文掲載したいところではありますが、それではスクロールして読む方も大変……まさにザ エルダースクロールズの長い長い物語を具現化したかのような状態になるので、ここは断腸の思いで前後編に分断。まずは、高橋徹氏と岩本けい氏によるローカライズの果てしなき道程について話を伺った前編をお楽しみください!
マスク・ド・UH(以下、UH) まずはInteractive Achievement Awardにおける5冠達成おめでとうございます! そしてファミ通で洋ゲー初の40点満点プラチナ殿堂入りもおめでとうございます! いや〜、もうおかげさまで毎日『Skyrim』に完全に住民票を移動させた状態になってますよ! そういう人は日本中、いや世界中にいると思うんですが、まずはファンとして本当にお礼を言いたいですね。「素晴らしいRPGをありがとう」と!
高橋徹(以下、高橋)こちらこそありがとうございます! 日本国内でも海外同様に評価されてきたのは素直に嬉しいですね。
UH やはり『Skyrim』はゲーム自体の完成度の高さもさることながら、洋ゲーでは定番のゴア表現……“大打撃”のPerkを取って、両手武器で首を飛ばしまくってますよね〜(笑)。自分は日本版リリースの前に先に海外版でプレイしていたんですが、その時に「これ通るんかな〜、やっぱりカットするんだろうかな〜?」と思ったんですが……。
岩本けい(以下、岩本) 今回は何もしてないですよ! バッチリ! もう全部OKです。何も削っていません(キッパリと)。
UH ダハハハハハ! どうやって説得したんですか?
高橋 説得する必要ないですよ(これまたキッパリと)。我々はすでに『Rage』で前例を作っていたんですから。
UH なるほどね! id Softwareの前代未聞の超大作である『Rage』では、、あのブーメランみたいなヤツでミュータントや山賊の首をブッタ斬ってましたからね〜! あそこで前例として通ったからこそ、今回の『Skyrim』は問題無く審査を通ったと。いい話じゃないですか〜。
高橋 一回前例を作っちゃうと、意外と楽なんです。
UH 日本は前例の国ですからね!
高橋 だからこそ、いい前例も悪い前例も気を付けなければいけないんですよ(笑)。本当は『Fallout 3』の時にも(完全移植で)やりたかったんですど、あれは別の問題が多すぎて……ね。
UH たしかにアレは表現とかゴアとか、そういうレベルじゃねぇぞって話でしたね〜。
高橋 結局は"交渉"なので、例えば10個ぐらい駄目な表現リストがあって、交渉で7個ぐらいはオーケーにできても、3つぐらいはギブ(飲む)しなければいけない。
UH でも、毎回ギリギリを追求して交渉していったからこそ首も飛ばせるワケですよね。何事も一気呵成に勢いだけでは通らないが、毎回地道に積み重ねれば道は開かれると。
高橋 毎回どうせ"Z"ですからね〜(笑)。
UH 素晴らしい"Z"ですよ。勝新太郎が、かつてハワイでで捕まった後、結局執行猶予の判決となったんですよ。その時の記者会見で「執行猶予は俺にとってはアカデミー賞みたいなもんだ!」と言い放ったイイ話を彷彿とさせます。
高橋 そういう例えはいいから!
UH 失礼しました! 本題に入らせていただきます!
●『スカイリム』完全日本語化への険しい道程〜声優編
UH ではここで、『Skyrim』においてローカライズ作業を統括されていた、本ブログではお馴染みのゲストとなったプロデューサーの岩本けい氏にも参加していただき、ローカライズにおける厳しく険しい道程について伺っていきましょう。『Skyrim』は、まさに超大作に相応しいボリュームとなっていますが、ローカライズ作業の期間は、どれぐらいかかりましたか?
岩本 期間で言うとトータルで6ヶ月ぐらいなんですけれど、翻訳に1ヶ月とか1ヶ月半、収録が1ヶ月半ぐらいですかね。その期間にも別のゲームタイトルの作業がありましたから、5月から6月は何やってたか覚えていないですね〜(笑)。とにかく目の前にあるものをクリアーしていく状態。でも今回は作業を分担していたんです。僕がずっと中にいて指示を出して、現場に田仲が行って音声の収録などを担当してくれたんで、かつてと比べたら効率良く作業できていたと思います。
UH 音声と言えば、『Fallout: New Vegas』では訛りローカライズをやってましたね。『Skyrim』も地方が舞台ですから、またそういう<余計に手間のかかる日本版独自の仕様>にも挑戦されたりしたんですか?
岩本 今回は残念ながら……『New Vegas』の時には、チャレンジという意味合いもあって"訛りの表現"にトライしたんですけども、それは完成度を高めるには相当時間が必要なんですよ。まぁ、毎度そうなのですが、今回は特に時間がなかったので、諦めざるを得なかった部分ですね。こだわり始めればキリが無い世界ですから(笑)。
UH 今回はNPCも多いですからね〜。声優さんは何人ぐらい使ったんですか?
岩本 70人ぐらいですね。それだけの声優さんで、何百人もののキャラクターのセリフをカバーしなければいけないので、それは大変でしたね〜。
UH 俺は流しのギター(吟遊詩人)が好きでしたねぇ。ちゃんと日本語の歌詞で唄われた時は感動しました!
岩本 あれメチャメチャ大変でしたよ(笑)。英語でやってるのと同じ意味合いの歌を、同じ時間、同じメロディーでやらなきゃいけないんで。何回もディレクターと相談して……どう考えても入んないんですよね!
UH ギャハハハハ! まぁ、そうなりますよね!
岩本 声優さんに「ごめんなさい!」って謝りながら直したり、試行錯誤しましたね。
UH 正直、ゲームのプロデューサーというより秋元康の領分ですよね? なんで作詞作曲まで考えなくちゃいけねぇんだという(笑)。
岩本 それもそうですねぇ(笑)
UH 北の方行くと姉ちゃんの流しがいるし、爺さんもいる。吟遊詩人のニューカマーを発見すると「歌ってもらおう!」ってなっちゃうんですよね。厳しい雪山を踏破して、下山中にトロールやクマに何度も襲われて、這々の体で宿屋に辿り着いて椅子に腰掛け、吟遊詩人の歌声を聞く安心感は、これまでに感じなかった没入感だと思いますよ。
岩本 最初に声優さんにお願いする時に「ちょっとした歌がありますけどできますか?」と聞いて、できる人にはお願いして、だめだったらまた探してというのを繰り返していましたね。
UH ドラゴンを殺した後に、街の人が集まってきて、普段とは違う専用のセリフを喋るじゃないですか? ああいったものも片っ端から収録しているんですか?
岩本 そうですね。名前付きの人とそうじゃない人では、また違うんですが、「この人とこの人が喋る」という組み合わせは大体決まっているので、できるだけ同じ声にならないように注意しながら収録しています。それでも揃っちゃう時はあるんですけどね(笑)。
UH リバーウッドの村の中や、ホワイトランの街中でドラゴンを殺した時に、名前付きの奴もちゃんと専用のセリフを喋っているのを見た時はびっくりしました。
岩本 キャラクター全員に収録しておかなきゃならないような種類のセリフがあって、「ドラゴンを殺した時のセリフ枠」があるんですよ。まぁ、そんなんだから、収録の数がどんどんどんどん増えていくんですよね。
UH たまたまそのシチュエーションになった時にしか使われないセリフがあると。
岩本 例えば、ほとんどのキャラクターに戦闘の声があるんです。というのは、このゲームだと「何処でも誰でも殴れる」じゃないですか(笑)。そういった行為に反応するためのセリフなんかは、ほぼ全員持ってます。大変だったので、いろいろ試してみてください(笑)。
●『Skyrim』完全日本語化への険しい道程〜書籍編
UH さらに書籍関連、手紙やメッセージなどのテキストも大変ですよね。本とか結構な長さの文字量があるし。編集者/ライター的観点から見ても気が遠くなる作業量であることは、容易に想像できますが……。
岩本 ゲーム内に登場する書籍類は前作の『Oblivion』、そして『Morrowind』から引き継がれている内容も多いので、『Skyrim』だけやってももちろん楽しいんですが、『Morrowind』の時代の話とかもチョロチョロッと出てくるので、シリーズを通してプレイしている人がいたら、恐らくニヤッとすると思います。そこで「あ、この本の装丁のデザイン変わったな」とか、そういう部分も見てほしいですね〜。
UH やたら細かいですね〜! 自分も書籍は価値の高いプレミア順に自宅のブックシェルフに全部並べてますよ。
岩本 でも、1、3、4巻があって、探しても2巻が発見できなかったりするので、そこは注意してください。それは、「古いものだから世界から失われてしまってますよ」という演出なんですよ。しかし、「もはやこの世界に存在しない」という事実自体はゲーム内では伝えられていません。
UH プレイヤーが導き出すべき結論が、古書一つにも委ねられているワケですね。深い!
高橋 だから足りない本をDLCで発売すればいいんですよ。「ナントカの2巻、100ポイント」みたいな感じでね(笑)。全部揃えないと気が済まない人向けに。
UH DLCを購入すると古本屋の情報が出現して、「あそこで売ってるらしいぞ!」とか「あの遺跡にあるんじゃないか?」ってという古書マニアの口コミが、街中からそれとなく聞こえてくると(笑)。ぜひトッド・ハワード氏に提案しておいてください! と、ここで徹さんに唐突ですが2012年の抱負を伺いましょう!
徹さん、今年はマヤ暦では人類滅亡の年とされてますが、それに向けても向けなくても何かスンゲー発表が待ち構えているのではないかと思うのですが?
高橋 まだ(現段階では)ほとんど発表していないんですよね。2011年はシリーズタイトルを成功させたので、2012年は『Dishonored』などをどう成功させるか。昨年、『Rage』がFPSのid Softwareと言えど日本では知名度が辛い部分があったり、結果的に発売時期もよくなかったりして十分成功することができなかったので、そうならないよう頑張らなきゃいけないと思います。
UH おお、今年は殊勝ですね〜。
高橋 「洋ゲー」はどうしても、ゲームは良くてもマーケティングの部分で及ばないところがあるので、そこを強化するのを目標としたいですね。ローカライズは岩本が頑張っているので、大分タイムリーにリリース出来るようになってきたのを維持しつつ、クオリティアップはつねに目指さないといけないと思います。
UH ちなみに『Skyrim』のDLCなんかはどうでしょう? なんか具体的な予定を、この場でポロリ発言してもらえたりしませんかね?
高橋 無理(笑)。海外ではすでにDLCを2本発表していますし、もちろん順次やっていきますよ! DLCに関しても、ほぼ日米同発を目指してやって行かなきゃいけないです……ね!(と、岩本氏の肩を威勢良く叩く高橋氏だったが、岩本氏の顔は先ほどとは打って変わって死人のような表情に……)。
岩本 UHさん、イイ革ジャン着てますね〜。
UH 話を逸らした!(笑)……岩本さんがそういう表情になるということは、まだまだ仕事は山積みですね(笑)。
高橋 弊社からは基本的には今後年間2本ぐらいのペースでソフトが出ていくはずです。
UH ではズバリ、ゼネラルマネージャーによる『Skyrim』日本国内セールスの目標は?
高橋 トータルで25……30万ですね。売れてくれないと困りますよね。
UH この冬、やるならコレですよ! 暖かい部屋に篭って大雪原を走ろうと! まぁ、すぐに始めないと困るタイプのゲームでもないですしね。気になる人から買っていけば良いし、そこから壮大な物語の存在を1人でも多く知ってもらうのが大事ですよね。
高橋 だからこそ(『ザ エルダースクロールズ』シリーズは)長く売れると思うんですよね。前作の『Oblivion』も長く売れていたので。同じような息の長い展開を目指していますね。
UH 徹さん、忙しい中どうもありがとうございました! 今後も期待しております!
(ここで高橋徹氏が退席し、アソシエイト・プロデューサーの田仲孝之氏がインタビューに参加)
UH ロングセラーになるといいですね。大体、ちょっと触ってすぐにクリアーできるタイプのゲームじゃないですから。とにかく時間泥棒にも程があるんですよ。
岩本 メインクエストをクリアーしただけで、「もう十分楽しんだ」と言って欲しくないですね(笑)。メインクエストでは「全部遊んだ」とは言えないですから。
UH まぁ、ゲームを開始したら、次から次へとトラブルが起こって……「俺、あそこに行こうとしていたのに、何でダンジョンに入ってるんだろう?」って展開が多々あるんですよね(笑)。道端に道祖神(ダンジョンの目印となる積み石をUH氏が勝手に呼んでいる)を見つけると、ついつい脇道に寄り道しちゃって、トンでもないものに出くわしてしまう……。遠くにある、行ったことない国のエリアに行くのも、実は馬車タクシーもあったりと、実は移動に関しては凄く便利にはなってるんですが、それでもついつい寄り道しちゃうんですよね。
田仲 広いから、そういった(突発的イベント)ものがないと困るんですよね。今回はエリアの広さという部分では『Oblivion』とそう変わらないのですが、山岳地帯なので起伏があり、余計に踏破が難しくなって広く感じるんですよ。
UH それはオープンワールドのジャンルに属するゲームタイトルにおける成否を分ける命題ですよね。
田仲 以前は、マップのそこかしこに空きがあったりしたんですが、今回は比較的均等に散らばっていたりもするので、よく近場に(目先のクエストと)関係ないダンジョンがあったりして、潜り始めるともう切りがないですね(笑)。今回ダンジョンも150ぐらいあって、全部違う感じになっているので、知らないで潜り込んだら1時間ぐらいかかるダンジョンだった、なんてこともあると思います。
UH "同盟団"のダンジョンがすっげぇ長かったですね〜。もう、収穫品を持って帰るの諦めましたもん!
田仲 たしかに同盟団のクエストも長いですが……アレより長いのありますよ(ニヤリ)
UH まじすか!
と、ここからは次回へのお楽しみということで、一旦中断いたします。田仲氏が語る奥深すぎな『スカイリム』の物語とシステム、関係者自らが語る攻略テクニックについて、タップリと後編でお届けしますので、一週間刮目してお待ちください! そして最後に皆さんで斉唱ください!
シシス万歳!
次回:ローカライズチームが語る『SKYRIM』の奥深き世界とは!!??(後編)
© 2011 Bethesda Softworks LLC, a ZeniMax Media company. The Elder Scrolls, Skyrim, Bethesda, Bethesda Game Studios, Bethesda Softworks, ZeniMax and related logos are registered trademarks or trademarks of ZeniMax Media Inc. in the U.S. and/or other countries. All Rights Reserved.










