羽生蛇村日報
羽生蛇村日報 第2報 - 永劫回帰から平行世界へ
こんばんは。時計じかけ豊田です。訪れていただき、ありがとうございます。
『SIREN: New Translation(サイレン ニュー・トランスレーション)』の魅力をお届けしていく当ブログ。第2回目となる今回は、2006年2月9日にプレイステーション2用ソフトとして発売された『SIREN2(サイレン2)』の魅力を紐解いていきます。
「和風の世界観、群像劇、視界ジャック。前作の中枢であるこの3つの要素はそのままに、料理法を変えて挑んだ」とは、ディレクターを務めた外山圭一郎氏の弁。前作から引き継ぐべきは引き継ぎつつ、多くの新要素が追加されている『SIREN2』。過去の出来事を見る“過去視”、行動を乗っ取る“感応視”。屍人よりも強力な力を持つ“闇人”の登場。さまざまなユーザーのことを考えた難易度選択。前作で賞賛された謎を断片的に散りばめるという構成は変えず、賛否両論あった難度の高さが緩和されていたため、より多くのユーザーが楽しめる内容となっていました。キャッチコピーは“逃げ場なんて、ないよ”。舞台は日本近海の離島、夜見島(やみじま)。物語の時系列は前作から繋がっており、四方田春海(よもだはるみ)、そして須田恭也(すだきょうや)もチョッピリですが登場します。ただし、屍人の設定は前作とはまったく異なっていて、“赤い水を体内に吸収して死亡するか吸収量が一定を越えた人間が屍人化する”という『SIREN』の設定に対して、『SIREN2』では“人間の死体に屍霊が憑依した存在”というものでした。ちなみに、屍霊とは“光の届かない海底に潜んで肉体を失いながらも死滅を免れた、逃げ遅れた先住者の成れの果て”という存在。ネタバレになるので詳細を述べることは避けますが、『SIREN2』は古代シュメール神話に描かれる“女性が持つ魔性に翻弄される男性”という図式をモチーフに、シリーズの大きな特徴である“光と闇”という対立概念をより明確にゲームシステムに盛り込んだ作品なのです。また、『SIREN』の構造が“ループ”だとすれば、『SIREN2』は“パラレル”ということも大きな特徴のひとつ。平行世界からの脱出、可能性の収束が物語の大きな目標となっています。
本作をプレイした感想をひと言で述べるならば……う〜ん、難しい。「SF的な恐怖」ですかね。パラレルワールド構造はもちろん、闇人や屍霊の集合体、闇霊の集合体という設定もSF的な印象を受けますし……。簡単に言えば「気持ち悪い恐怖」かなと。実際、闇人甲式と闇人乙式の姿、そして母胎を見たときは“怖い”という感覚よりも先に、“驚き”という感覚が体を突き抜けましたもん。加えて、銃火器の充実によって戦闘がFPS的になり、“戦っても何とか倒せる”という部分が大きかったことも挙げられます。“不可解な異形の者”というより、“倒すべき見た目が気持ち悪い敵”という感じで。まあ、それでも十分怖いんですが(笑)。あ、あと印象的だったのがアーカイブ。『SIREN2』では映像や音声で表現されるものが追加され、確実にリアリティーが増しました。とくに秀逸だったのがNo.041の“東リコのレコード”。「太陽の頃に……信じあって」という部分が音飛びして「ころしあって……」と聴こえるわけです。う〜ん、芸が細かい! ほかにも、映像アーカイブに開発スタッフが出演していたり“しょこたん”こと中川翔子が雑誌の表紙に登場していたり、さらには“しょこたん”がオリジナルイラストを描いていたりと、遊び心満点。「これわざわざ作ったの? しかもこんなに本格的に?」と唸るしかないようなものが揃っていて、いつの間にか物語の謎を紐解くためではなく、ただ楽しむためにアーカイブを眺めている自分がいたり……。あ、ちなみにアーカイブNo.014に“亀ゼリーラーメン”という想像するだけで恐ろしいものがあるのですが、開発スタッフは実際に作成し、試食を行ったそうです。味は……なかなかとのこと(笑)。あ、『SIREN』にもイチゴジャムがトッピングされた“羽生蛇蕎麦”というアーカイブがあり、こちらも試食を行ったそうですが味はノーコメントだそうです。ある意味、ゲーム本編よりも恐ろしい話でありました。
まあ、よもやま話は尽きませんが、いよいよ明日は『SIREN: New Translation』のダウンロード販売日。ついにサバイバルキャンペーンが実施されます! 知らない人はいないと思いますが、念のために詳細を。7月13日(0:00以降)〜14日(24:00まで)の48時間限定で、PLAYSTATION Networkにて『SIREN: New Translation』がダウンロード販売されます。期間中に購入すると、ゲームのすべてのデータ(全12エピソード)がダウンロード可能。ただし、この2日間にプレイ可能なのはエピソード1&2のみ。以降のエピソードは、毎夜深夜0時に自動的に解禁。各エピソードの解禁までの時間はカウントダウン表示され、解禁次第プレイが可能。一度解禁されたエピソードは、以降いつでもプレイ可能です。ダウンロード版の価格は5500円[税込]。プレイステーション3本体の機能により、必ず深夜0時に1エピソードずつ解禁されるので、盛り上がること間違いなしというわけです。もちろん、僕も購入します!! そして、明日以降はプレイリポートを最速でお届けしていきます! いつ寝ればいいのか? いつほかの仕事を終わらせればいいのか? 僕自身不安は尽きませんが、『SIREN』の最新作が出るんだから仕事なんて関係ありません! 屍人化した人間のようにそんなことはうっすらと忘れます。とにかく、みなさんと同じ時間を共有したいと思いますので、明日からもよろしくお願いいたします。あ、最後になりましたが前回好評だったので、今回も歌とともにお別れしようかと。お届けするのは、メソポタミア神話に登場する「イシュタルの冥府下り」をモチーフに作られた『SIREN2』のイメージソング、『巫秘抄歌(こうなぎひしょうか)』です。ではまた明日。
『巫秘抄歌』
一、舞え舞え 巫(こうなぎ)
頭(こうべ)の飾りを打ち振るい
焔(ほむら)見やって踊りゃんせ
二、舞え舞え 巫
耳の飾りの鈴鳴らし
風音(かざね)尋ねて踊りゃんせ
三、舞え舞え 巫
頸の飾りを打ち鳴らし
水面(みなも)覗いて踊りゃんせ
四、舞え舞え 巫
胸の飾りを振り捨てて
頭(こうべ)を真似て廻りゃんせ
五、飛べ飛べ 使い鳥
錦(にしき)の腰帯振り解(ほど)き
土を求めて羽ばたかん
六、揺り揺られ 箱の舟
腕の飾りが拍子打つ
鳥を待ちわび揺られけん
七、舞え舞え 巫
天(あま)の衣(ころも)で舞い踊り
舟を背にして踊りゃんせ
作曲:蓜島邦明
作詞:佐藤直子

(C)2006 Sony Computer Entertainment Inc.
時計じかけ豊田
ファミ通プロジェクトマネジメント編集部デスク。長くてよくわからない部署名だが、週刊ファミ通および姉妹誌にて"ファミ通チョイス"というマークが入っているタイトルを専属で担当する遊撃隊的部署のことらしい。編集歴10年。頭のネジがちょっぴり抜けている『サイレン』シリーズが三度のメシより好きな編集者。
