

昨年発売されたクライムスリラー『L.A.ノワール』のロックスター・ゲームスによるインタビューをお届けする。プロの俳優を使って、身体の演技をデータとして取り込むモーションスキャンと、表情の演技を取り込む“MotionScan”技術を併用して開発された本作において、主要キャラクターの身振りや表情は、実際にモデルとなる俳優によって演技されたものだ。
すでにご覧頂いた人もいると思うが、ロックスター・ゲームスのYouTube公式チャンネルで公開されている映像“演出の裏に隠された技術 トレーラー”では、体の演技と顔の演技で分離して行った収録の様子を見ることができる。この新しすぎる収録環境を、俳優たちはどのように感じながら収録を行なっていたのか?
R★: 各役者さんにお聞きします。皆さんは映画やTVにも出演されていますが、私が主に聞きたいと思っていたのは、『L.A.ノワール』で演じるにあたって一番の違いは何だったのかということです。
アーロン・ステイトン(コール・フェルプス役):
何から何まで違いましたね。そもそも、カメラの数がTVの2台とMotionScan(モーションスキャンの]32台では大違いなんです。演技というのは、脚本、キャラクター、媒体など、さまざまな要素に応じて変わってきますから。例えば『アバター(Avatar)』での演技は、特殊効果を用いない映画とはまったく異なる経験でした。ビデオゲームでも同じことが言えますが、脚本はビデオゲームの方がはるかに長いですね。『L.A.ノワール』の脚本はネットワーク系ドラマの2シーズン分、あるいはケーブルTV系ドラマの4シーズン分に相当する長さでした。
ショーン・マクゴーワン(ステファン・ビコウスキー役):
役者として、映画、演劇、そしてゲームなどのあらゆる形態の演技に共通する事がひとつ言えます。それは、見る側に信じてもらえるような演技をするという事です。自分のセリフに本当の意味で真実味を持たせるわけです。基本的に、役者というのは、発する言葉を真実であるかのように見せる仕事です。ドラマでもコメディーでも、役者に真実味を感じられなければ、決してストーリーに引き込まれません。『L.A.ノワール』では、やり過ぎにならない程度の絶妙なバランスを理解するのに、少し苦労しました。静止しすぎたんじゃないか、動きすぎたんじゃないか、うまく演じようとするあまり大げさになっていないかなど、試行錯誤しましたね。結局、それを掴み切れたかどうかは分かりません(笑)! うまくいっていると良いのですが。
キース・ザラバッカ(ハーシェル・ビッグス役):
本作はフィルムノワール的な作品で、タフな警官や屈強な男たち、信用ならない女性が数多く登場します。とにかく楽しんで演じられました。
R★:これまで演じてきた役と比べて、今回の役を演じた感想はどうですか? より楽しかった、興味深かった、初めての体験だったなど、お聞かせください。
ショーン・マクゴーワン:今回の役は新鮮で、まさに驚きでした。まったく新しい経験でしたね。実際、誰もがそうだったでしょう。革新的でやりがいのある作品に参加でき、素晴らしい経験となりました。
マイケル・マグレディ(ラスティ・ギャロウェイ役):
芝居をやるのに似た感覚でした。実物の小道具や家具は一切ありません。最小限のものしかなく、グリーンスクリーン合成のように、周囲の環境はコンピューターを通して形作られていました。各シーンを何度も繰り返さなければならず、覚えるのにも苦労しました。セリフは暗記しておく必要がありましたね。脚本は様々なシナリオにまたがって、数千ページにのぼります。非常に楽しい経験でしたが、数ヶ月に渡って長時間を費やした作業は苦しくもありました。(本作のライター兼ディレクターの)ブレンダン・マクナマラは素晴らしい方で、常に正しい選択を下し、楽しい現場を作ってくれました。おかげで、朗らかに一日を乗り切ることができたんですよ。
R★: 本作にはどれくらいモーションキャプチャーが使われていますか? キャラクターが走ったり登ったりするシーンも、モーションキャプチャーなのでしょうか?
アダム・ハリントン(ロイ・アール役):
技術的な質問ですね。撮影は走る、登る、戦うなど、全てのアクションシーンで行われました。ロイ(Roy)が煙草を吸うシーンでは、その度に火をつけて吸っていたほどです(撮影と肺への影響を考慮して、紙を巻いただけのものを使用しました)。
ショーン・マクゴーワン:
数え切れないほどのモーションキャプチャーを撮影しました。コール(Cole)を操作できないカットシーンは、全てモーションキャプチャーです。また、ロックスター・ゲームスはキャラクターと役者が一体になることを目指したため、走る、歩く、その場で待つなどのシーンも撮影しました。ビコウスキー(Bekowsky)が銃を構えて銃撃戦に駆けつけるシーンも同様です。

R★:撮影セットから記念に持ち帰ったものはありますか?
マイケル・マグレディ:
記念に発泡スチロールのボールと、顔認識(MotionScan(モーションスキャン))の撮影で着用したオレンジ色のTシャツを頂きました。
アダム・ハリントン:
ええ、ロイ(Roy)のコートやネクタイを着て歩かない手はないでしょう… ライターも貰っておけば良かったですね!

R★:特に難しいと感じたり、精神的に動揺したシーンはありましたか?
キース・ザラバッカ:
家の中で焼死した家族を見つけるところは、実に嫌なシーンでした。とはいえ、セリフはセリフです。この目で見たかのように言うだけですね。現実的な話で申し訳ないのですが。
アダム・ハリントン:
『L.A.ノワール』は、酷い腐敗と差別がまん延していた時代のLAが舞台です。ロイの態度やセリフを演じるにあたっては、そうした事まで理解する必要がありました。

R★: 別の職業を選ぶなら、刑事になりたいと思ったことはありますか?
ショーン・マクゴーワン:
市民の生活と安全を守るために犯罪と戦っている人たちは、非常に特殊な人間だと思います。本当に凄いことなんですよ。ですから、質問の答えはノーです。自分がなったりしたら、「なんでこいつを撃ち殺せないんだ?」なんて言う、ひどい刑事になるでしょうね。それにパートナーにとっては、口うるさいだけで何もしない、最低の刑事かもしれません。








